マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ 作:しろっこ
『とても艦娘をお気に入りで……』
----------------------------
「艦これ」的「みほ3ん」
EX回:第115話<総統閣下と艦娘>
----------------------------
<<演習本部:総統閣下と艦娘>>
今度は背の低いほうが話しかけてきた。
『これは私の個人的な構想ですが、いずれは日本海軍にも協力頂いて艦娘を増やし、ドイツ海軍を強化したいと考えます』
『ほう』
それは、遠大な構想だな。
『そうなれば……』
今度は背の高いほうが続ける。
『わが国の総統もお喜びになりますし、それ以上に、貿易の再開でドイツ国民の暮らしが、もっと豊かになります』
総統?そうか、ドイツではまだ、総統が健在なんだな。かなり高齢だと思うが。
『実は総統閣下が、とても艦娘をお気に入りで……』
小さいほうは、そう言いながら妙にニヤニヤしている。それを聞いて私たちは、また小さく笑った。何だか笑顔になると急に彼らに親近感が湧いた。不思議な感覚だ。これも艦娘のメリットなのかも知れない。
しかし、あの硬そうな総統が艦娘をお気に入りとは……まあ、分からなくもないが。
改めてみると、きっちりしたドイツ軍の服を着ているのに二人の背は、高いのと低いのとで、まさに凸凹コンビだ。でも二人とも、意外に気さくそうで、ちょっとホッとした。
場が和んだからだろうか、漣が興味深そうに話しかけてきた。
「あのぉ~、ドイツの艦娘も居るのですか?」
そうか~、漣は英語はダメなんだよな。機密はストレートには漏れないとしても、艦娘のことを言うべきか?どうしたものかな?私は判断に迷ったので、祥高さんに聞いた。
「祥高さん、どうしようか?」
「そうですね」
彼女は、ちょっと考えてから言った。
「話しても問題ないでしょう。彼女たちはブルネイ所属ですし、美保の艦娘たちも含めて一般との接点は、ほとんどありません。私から説明しておきましょう」
「頼む」
漣たちへの対応は祥高さんに任せて、私は再びドイツ軍人を振り返った。
<<演習本部:艦娘の威力>>
『実は私も美保に着任して日が浅いものですから、まだまだ手探りですよ』
私は、言い訳も含めて言った。
『ははは』
急に背の高いほうが笑った。
『それは私たちも同じですよ。艦娘というのは恐らく日本が一番早く出現し、その後、ドイツにも現れたと思います』
『なるほど、そうなのですか』
『さっきイタリア海軍とも話をして、ローマにも艦娘が居ることを知りました。ただ、お互い機密と言うほどでもないのですが、やはり数が少ない。情報も少なくて運用そのものが手探りなのです。今回演習があると聞いて、こちらから強引に押しかけたようなものです』
なるほど、ドイツもイタリアも、苦労しているんだな。
『ご存知でしょうが、あの艦娘たちの威力というものは計り知れません。総統閣下が、お気に入りというのは、そこにも理由があります。深海棲艦の脅威もありますが、それを軽く凌駕する力。もし量産化が実現できれば……』
ここで彼は再び、声を潜めた。
『我々枢軸国と、かつての連合国との、今のこう着状態を、再び切り崩すことも可能です』
このときの彼は、まさに獣のような鋭い目つきになった。この発言はオフレコだな。
だがこれが彼個人の考えなのか、ナチスあるいは総統閣下の思惑なのかは分からないが、そういう危ない情報を率直に話してくれるとは、信頼されたものだな。
彼も言ってはならない事を話した自らを反省したのだろう。一度、制帽を取ると苦笑いをして言った。金髪がきれいだ。
『あなたは不思議な人だな。私もこんなことを話すつもりは無かったのですが、なぜかあなたを前にすると、何でも話したくなるのです』
すると、背の低いほうも腕を組みながら続けた。
『恐らく、あなたのそういう性格が、美保鎮守府の提督という位置を与えたのでしょう。うん、そうに違いない』
そういいつつ彼は、メモ帳を取り出してさかんに記録している。
それを見ながら、もう一人が続けた。
『あなたと出会えてよかった。今は艦娘に関する、どんな情報でも欲しいのです。今後もあなたとは、長いお付き合いをお願いします』
『こちらこそ』
私たちは、再び握手をした。
やがて時間になったのだろう。扉が開いて、女性秘書官と”王宮男性”とイケメンSP男性が入ってきた。
いよいよ開始だな。
--------------------------------------
※これは「艦これ」の二次創作です。
---------------------------------------
サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
---------------------------------------
PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。