マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

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演習本部となる会場には、国際色豊かな軍人が揃っていた。その中にドイツ海軍が居た。


「みほ3ん」EX回:第114話<ドイツ海軍>

『今回は、その艦娘も一緒に?』

 

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「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第114話<ドイツ海軍>

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<<演習本部:2F>>

 

私たちは、部屋の中に入った。中には大きなスクリーンと、椅子。そして既に8割以上の関係者が集っていた。

 

まだ開始時間まで間があるようで、数人が立ち話をしたり、しきりに外部と電話をしている。電話?……そういえば日本では、まだ携帯電話はさほど普及していない。もっとも、軍人は電話よりも無線だけどね。

 

ブルネイ……といっても、実質はブルネイに駐留する日本軍との合同演習なのだ。私自身、海外まで来て演習するのは、初めてだ。

 

「お~い、ここだ!」

ブルネイ司令が手を上げて近寄ってくる。手に何か持っているぞ。

 

「これを着けろ」

菊の造花のコサージュのような物を、私の胸に着けられた。

 

それを着けてブルネイ司令は、私を小突いた。

「おい、しっかりしろよ!」

 

「ああ」

そう言われて、ハッとした。良く考えたら私も主催者の一人なんだよな。もっとも運営実務担当は、ほとんどブルネイ側と、艦隊司令部および、海軍省の本省の方でやってくれている。私は本当に、ただ居るだけ。

 

まあ、艦娘の引率とか、様子を見ているだけだよな。あとは、何かあったときに、代表者として立つくらいか。

そう思うと、さっき演説しただけでも、ちょっとは”働いた”気になる。改めて、ホッとするな。

 

そこに五月雨がやってきて艦娘たちに言う。

「提督と秘書艦以外の艦娘の皆さんは、後ろの席になります。場合によっては立ち見になるかも知れませんが、ご理解をお願いします」

 

「分かりました」

祥高さんが応えながら、振り返る。漣も電もうなづいている。

 

周りを見ると、ブルネイの関係者以外に金髪の人間も居る。腕にハーケンクロイツの腕章?……ああ、ナチスも居るんだな。やっぱりUボートで来たのだろうか?

すると、その隣の黒髪だけど濃い顔の外人っぽいのが多分イタリアだな。意外に、この演習は大きく注目されているんだな。

 

私の挙動を見ていたらしい祥高さんが言う。

「噂では、ドイツやイタリアにも艦娘がいるそうですね」

 

「そうなのか?良く知っているな」

 

「妹から聞きました」

 

「ああ、本省にいれば、そういう話も耳に入るか」

 

私は、ドイツ軍人を見ながら言った。

「彼らに聞けば、すぐ分かるだろう。後で聞いてみるか」

 

「そうですね」

 

<<演習本部:ハーケンクロイツ>>

 

すると、向こうのドイツ軍が私たちに気付いたらしく、二人のドイツ人が何かささやきあった後、こちらへと向かってきた。私よりも、横にいる電や漣が震えている。

 

「おい、怖がるなよ。同盟国だぞ」

思わず、たしなめる私。

 

「なのですが……ちょっと怖いのです」

 

「ドイツですからねえ~」

何だよ漣、その言い方は。だったら逃げろよ。

 

「でも~ちょっと興味はあるんです~」

まるで青葉さんだな、漣。そういえば青葉さんはどうしているかな?

 

「午後から、合流する予定です」

祥高さんが応える。

 

「なるほど」

私が応えると間もなく、私たちの前に二人のドイツ軍人が立った。うん、見るからに軍人だぞ。何となく制服が格好いいな。

 

二人が敬礼をする。私たちも敬礼で返す。

『ドイツから参りました。英語ならOkですか?』

 

『はい。さほど得意ではありませんが』

私は苦笑する。

 

『大丈夫。私たちも英語は苦手です』

そう言って、お互いに笑った。ちょっと場が和んだ。艦娘たちが恐れるほど、堅物でも無さそうだ。そこは同じ海軍だからだろう。

 

『ほう……』

背の高いほうが、祥高さんを見て言った。

 

『失礼ですが、あなたたちが艦娘ですか?』

 

すぐに祥高さんが応対する。

『重巡”祥高”と申します。よろしくお願いします』

 

そういうと、二人は握手をしている。すぐに彼は続けた。

『実はわがドイツ海軍にも艦娘が居ましてね。ただ、数が少ない。貴国のように多数で運用される、そのノウハウをぜひ知りたいですな』

 

なるほど。ドイツにも艦娘がいるんだ。

『聞けば、ほぼ量産化は目処が立ったと伺いました。それはわが国としても実に心強い限り。これで制海権を得られます!』

 

深海棲艦に苦しむのは世界共通なんだな。急に世の中が見えるように感じた。

 

『今回は、その艦娘も一緒に?』

祥高さんが、あまりにもピンポイントな質問を彼らに投げ掛けた。見事だ。彼は言う。

 

『ええ。ただ、戦艦は目立ちますから……』

そこで彼は、急に周りを気にしたように声を潜めた。

 

『あなたが美保の司令だから、特別にお伝えしておきましょう。我々は今回、Uボートの艦娘を同伴しています』

これは驚いた。しかし彼の態度にあるように、これは機密事項だな。改めて、司令の位置の大きさを実感する。

 

『艦娘の彼女は、さすがに疲れて、今は休んでます。でもこれを機会に貴国の艦娘とも、交流させてやりたいと思いましてね』

 

『ほう』

その言葉に驚いたのは、私だけでは無かった。祥高さんも同様だった。

ドイツ人と言うと、もっと堅いと思っていたけど、意外にそうでもないのかもしれない。

 

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

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