マイ「艦これ」「みほ3ん」(第3部)前半コラボ   作:しろっこ

108 / 127
ブルネイ演習のための記者会見が始まり、提督は緊張と妄想が入り混じった思いになった。


「みほ3ん」EX回:第108話<記者会見>

”相変わらず美人だよな。いかん、妄想禁止”

 

----------------------------

「艦これ」的「みほ3ん」

 EX回:第108話<記者会見>

----------------------------

 

<<記者会見:女性秘書官>>

 

記者会見会場には、既に多数のマスコミ関係者が集っている。さすがブルネイ、日本人はほとんど居ない。会見は基本的に英語だろう。聞こえてくる言葉も日本語ではない。

 

会見席には既にブルネイ司令と五月雨が着席し、他にも日本とブルネイ両国の政府要人らしい人物や軍関係者が座っている。作戦参謀も既に着席している。なるほど、彼女が会見するのか。

ブルネイ司令は、私たちを”早く、こっちに座れ”という感じで手招きした。私たちは少し慌てて着席した。

 

司会を担当するらしい日本人の政府関係者が脇の演台から英語で会見を始める旨を告知。一斉にフラッシュが焚かれ、記者たちは前方に注目する。会場にはテレビカメラも居るな。単なる軍事演習なのに、これはいったい何事だろうか。そのテレビカメラは私たちの席も写している感じがする。直接インタビューされるよりは良いが緊張するな。

 

記者席の後ろの別席に……あれ?あの"王宮男性"が座っている。脇にはイケメンSPも立っている。やはり彼らは政府関係者なんだな。ただ直接、表には出ないのだろう。そしてあのブルネイの女性秘書官が、最初に演台に向かってきた。

彼女はやはり、ブルネイ政府の役人だったか。さすがに長官では無さそうだが意外に政府中枢の人物だったのだな。失礼な対応していなかったかな?と思うと、ちょっと冷や汗が出た。

 

彼女は演台の直前で、私たちに視線を合わせると、ちょっと微笑んだ。思わずゾクッとした。相変わらず超美人だよな。いかん、妄想禁止。

 

彼女は正面の演台で軽く会釈をしてから記者たちに向かって流暢な英語で喋り始めた。まずはブルネイと日本の良好な関係に基づく軍事協力の必要性。そして深海棲艦の脅威に対する艦娘の必要性と今後、ブルネイ政府が日本海軍との密接な協力関係を深めていく意向であること。同時にそれはブルネイ政府にとっても安全保障面でのメリットが多いこと。さらにそれがブルネイ周辺国家にとっても、また東南アジア地域全体の安定性にも寄与することなどが語られた。

 

直ぐに記者たちから質問が飛ぶ。まずは地元記者が指名されて起立。彼は昨日の水上集落への謎の攻撃について質問。それが深海棲艦によるものなのか、テロリストによるものなのかが問われた。

 

女性秘書官は、昨日の攻撃は現在調査中であり、何も分かっていないと応えた。ただ今回、超法規的に艦娘たちが即応したお陰で、住民への被害が最小限に食い止められブルネイ政府としても感謝の意を表したいと付け加えた。

 

直ぐに彼女は私たちに向かって振り返ると、深く一礼をした。思わず私やブルネイ司令は、その場で会釈で返した。そのとき会場のフラッシュが焚かれ、テレビカメラが彼女と私たちを注目した。緊張するな~。

 

会場が少し落ち着くと記者席から、たくさんの挙手が上がった。秘書官が指名しシナの記者が立った。

彼は憮然とした表情で、艦娘は戦力であり日本がその技術を独占することは、東南アジア地域への脅威になる恐れがあるのではないか?またブルネイ政府は艦娘の技術力の供与を受ける予定はあるのかと質問した。

 

女性秘書官は、艦娘はまったく脅威ではなく、即応性や運用コストを考えると、ブルネイのような小国にとってメリットが多く重要な抑止力となること。そして日本政府はブルネイや周辺国家と良好な関係を保っているため、決して脅威ではないこと。また技術力の供与もブルネイにとっては必要性は乏しく、想定していないことが説明された。

併せて彼女は、むしろ軍備を拡張しながら他国を威圧し、かつ技術協力を申し出てきながら、奪うばかりの某国は、日本を見習うべきだと釘を刺した。シナの記者は最初よりもっと憮然とした表情になって着席した。

 

女性秘書官、上手に逃げた上に、見事に反撃したなと思った。

 

<<記者会見:作戦参謀>>

 

いったん質問が打ち切られ、次に演習の概要について説明される。この時間は、あの作戦参謀が前に立った。彼女は、今日午前中は艦隊の航行披露と射撃。午後は、駆逐艦を中心とした模擬戦だと説明した。

 

午前中は関係者のみ。午後は一般の見学者も加わるため、安全に留意して、ある程度、抑え気味に実施されることなどを説明した。

 

記者からは、演習場所が陸地からさほど距離がないことについて、質問があった。質問をしたのは西洋の記者。彼は、そもそも艦娘自体を知らないようだった。

 

すぐに作戦参謀が、部屋の前方、壁側のドア付近に立っていた羽黒に合図を送った。羽黒は部屋の電灯を暗くしてスイッチを操作、前方にスクリーンを下ろした。

 

「艦娘についてご存じないかとも多いと思います。わが国で運用されている艦娘について、簡単な実戦映像をご覧頂きましょう。通常の艦船よりもコンパクトでありながら、敵に十分通用する威力があることをご確認ください」

 

そこに映し出された動画には、見覚えのある海が映る。遠方に高い山が見えるけど……あれれ?明らかに日本海というか、この映像は美保湾ではないか?嫌な予感がするな。

 

するとそこに金剛と比叡が並んで進んでいる映像が出る。他の艦娘が海上から撮ったのだろう。時々画面がブレる。やがて金剛が「ファイヤー」と叫んだらしく、大きな火柱と水しぶきが前方に発生した。続けて後方の比叡も斉射。

カメラは画面をそのまま左へ移動させると、恐らく深海棲艦だろうか?はるか遠方の海上にあった黒い艦船が一瞬で火ダルマとなった。

 

その映像に、会場はざわついた。確かに、初めて見る人には信じられない映像だろうし、少女にしか見えない艦娘が敵を一撃する映像は、インパクトが大きい。

 

再び会場が明るくなり、まだざわつく会場を尻目に、作戦参謀は再び羽黒に合図を送った。羽黒は、廊下側のドアを開けて、誰かを手招きする。

 

まさか……。

 

 




--------------------------------------
※これは「艦これ」の二次創作です。
---------------------------------------
サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
---------------------------------------
PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。