Real-Matrix   作:とりりおん

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皆さん、お久しぶりです。何と、5ヶ月ぶりの投稿となってしまいました……本当に申し訳ありません!
前回までの話を忘れている方が殆どだと思いますので、簡単にまとめておきますと、
デュークモン、リアルワールドに来る。屋根から飛び降りて、女性を助けようとする。以上です。
今回はその続きからになります。
あと、文体変わってしまったかも知れません。


Unknown Creatures

 雪が派手に飛沫を上げ、膝下で白波のように散る。

 だが、淀み張り詰めた冬の静寂は、破られない。

 デュークモンは、その大柄な体躯にもかかわらず、体重のない者のように軽やかに、すっくと降り立った。視界の端には、腰を抜かしたまま立てないでいる、ひどく柔弱な様子の女性がいる。

 ぎょろり。一斉に、数多の単眼が闖入者の方に向けられた。目標物だった精密機械への前進が停止される。

 小刻みに震える、か細い悲鳴が漏れた。

 

 「あ……あ……」

 

 女性が、いよいよ血の気を失って後ろにふらりと傾いた。海月の化け物は彼女ではなく、その背後に現れた純白の騎士の方を注視しているのだが、女性は自分が睨まれたと思ったのだろう。

 いずれにせよ、衆多の紅い巨眼がぎょろつくのは、デュークモンとて気分の良いものではない。

 

 「ご婦人、どうか案ぜられるな」

 

 デュークモンは女性の前まで歩み出ると、低く朗々と響く声で告げた。

 

 「自分が、あれを始末致すゆえん」

 

 広い背の後ろで、恐怖と困惑の入り交じる気配が漂った。

 仕方のないことだ。突として何処からともなく現れた異様な存在に、そう声を掛けられても慰めになどならないだろう。かえって種々の混乱を招くだけだ。デュークモンには百も承知であった。

 だがそれでも、罪なき者を守り抜き、世の安寧を脅かす存在を排除する。電脳世界だろうが現実世界だろうが、それがロイヤルナイツの――騎士の務めではないかと、電脳核(デジコア)に刻み込まれた己の存在理由が、高らかに叫ぶ。

 主に省みられず、打ち捨てられし黒騎士といえども、何者にも消せはせぬ本能だ。

 

 デュークモンは円錐状の槍を、正眼に構えた。ベルトの二本巻かれた細腰を、僅かに落とす。

 大技を繰り出すまでもない。相手を屠るのは、嬰児をくびり、花を手折るのにも等しい。

 だが、あの海月どもだけを抹消するとなれば、中々に骨が折れる。

 電脳核を疾駆するインパルスが、ただ一つの回路に集中した、その刹那。

 

 紅蓮の外套が、新雪を染める鮮血の如くはためく。

 女性の茶色い瞳が捕らえたのは、それだけだった。

 

 一陣の風の如く、デュークモンが前方に疾駆した。

 冷えた大気が鋭く切り裂かれる。聖槍グラムが光を受けて清冽に燦めき、一閃、円弧を描く。

 まさに神速、空を切る音すらしない。

 軌道上に乗ったそれら異形は声も上げず――もとより声など持ち合わせてはいないのだろうが――半透明のゲル状の肉片を撒き散らす。それは瞬く間に、砂の城が崩れるが如く、二進数の塵に帰された。その残滓が、凍てつく大気に溶け出して消えてゆく。

 

 酸鼻を極める光景が、女性のまなうらに焼き付く。

 だが、一瞬のうちに起こった事態への驚愕が、恐怖を凌駕した。

 女性は呆けたように目と口を開き、体が臀部から冷えていくのも忘れ、なおも雪の絨毯に座り込んだままでいた。

 

 デュークモンはグラムの先端を下ろした。

 しかし、すぐに構え直し、黄玉の瞳を見張る。

 海月が二匹、雪に埋もれながらも、這い出す虫のように蠢いたのだ。

 

 運良く槍の軌道から外れたのだろう。仕損じたことを、デュークモンは心の片隅で悔いた。

 だがそれとて一瞬のこと。

 今度は、一匹も漏らさず仕留める――眼光鋭く、槍を非情に振るう。

 

 しかし、それは虚空を薙いだだけであった。

 

 腰を浮かせたままの姿勢で、双眸を僅かに狭める。

 何が起こったというのか。

 デュークモンはそれを確かめようと、凝然として目下の空間を見つめる。

 

 彼は瞠目した。

 海月は、躯を溶け崩れさせていた。

 半透膜のようなそれは、朧かに輪郭を保っているものの、外界との隔てを殆ど失っていた。中身は目まぐるしく0と1が遊泳するデータの激流と化し、そして。

 肥大していた。周囲の空間さえ吸い尽くすように膨れあがり、体積を何倍にも増して。

 やがて、ゆらゆらとはためきながら、端が千切れた。そして別の端も、更に別の端も。その乖離した半透明な片鱗から、プラナリアの如くに、原型を取り戻してゆく。

 一匹、また一匹。中央に埋め込まれた単眼が開き、少しずつ血走った色に目覚める。

 

 やけを起こしたようにデュークモンが槍先で払ってみたが、やはり空を虚しく切っただけであった。焦燥感と吃驚との捻れに、電脳核(デジコア)の深奥が不穏な熱を帯びる。

 

 (このようなことがあり得るのか――?)

 

 これら異形は、自らを半ばただのデータの集合と化して、消滅の危機から逃れたのだ。

 少なくとも幼年期に、できるような真似ではない。

 しかも、分裂しているのか。或いは自身をコピーしているのか。それならば、何処にそうするだけのデータが転がっているというのか。

 ちかりと、デュークモンの脳裏に閃いたものがあった。

 

 (こやつらと共に、フォビドゥンデータとやらが流入してきたな)

 

 それならば、そこかしこに汚泥のように忌まわしいデータ群が浮遊しているということになる。電脳核のセンサーにはそうした存在が一切引っ掛からないが、アクセスポイントを中継するにあたって、分解されて意味を失った可能性は否めない。

 仮定が正しいのならば、事態は相当面倒だ。

 しかし、まずは女性に携帯電話を返し、逃がすことが先決である。

 

 デュークモンは何の躊躇いもなく聖楯イージスをその場に放り投げると、雪に埋もれている携帯電話をつと拾いに行った。クリアレッドのそれは、せいぜいデュークモンの指一本分しかなかったので、破損させないように慎重につまみ上げる。

 少し衝撃を与えたところで壊れてしまうような、甲斐性なしではないことを確認すると、女性のもとに、デュークモンは携帯電話を投げて寄こした。

 

 「ご婦人、乱暴な真似をお許しになられよ!」

 

 謝罪の言葉を言い終わらないうちに、携帯電話は一跳ねし、雪のクッションに埋まった。女性はおずおずとそれを拾い上げる。淡い陽光を受けて艶めくクリアレッドのそれと純白の騎士の背中を交互に見つつ、震える声でいらえた。

 

 「あ……ありがとうございます」

 

 「礼には及ばぬ。お怪我はないか? お立ちになれるか?」

 

 「だ、大丈夫、です……」

 

 「それは何より」

 

 明らかに自分の姿やら正体不明さのせいで威圧してしまっているのを意識しつつ、デュークモンはできるだけ穏やかな声音をこしらえた。

 

 「よろしいか、急ぎの用事がおありでないのなら、疾く帰られよ。そして、今し方見たことはなるべく他者に話さぬよう。……もう一度申すが、よろしいか?」

 

 「は、はい……」

 

 「ご無事を祈る」

 

 デュークモンはよろよろと駆けだしていく女性の背中を見送ると、イージスを持ち前の膂力で難なく持ち上げ、再び抹消しなければならぬ相手と対峙する。

 

 敵は、寸刻のうちに大変化を遂げようとしていた。

 

 一匹の海月が薄く延ばしたように大きく広がり、同じ姿をした相手を自身のうちに包み込んだ。外辺部は溶け出し、紅い眼球さえも色を失い消える。そうして次から次へと別固体を呑み込み、際限なく膨張し、再び0と1の奔流と化してその姿を鋳込む。やがて、卵形の形状が、陽炎にも似て揺蕩しながらも、朧気に拵えられていった。

 

 それはデュークモンの注視する前で、気体から液体に、そして固体に変化した。緩やかに固着したそれは、繭の輪郭が徐々に鮮明になってゆく。

 

 出し抜けに、幾重にも縒り合されたコードのようなものが、しゅるりと伸びた。それは首であり、三本の鉤爪を生やした脚であり。

 

 反り上がった頭上の血に染まったような角、前身をかろうじて支える心許ない六本の脚。異形の巨大な蜘蛛の姿が浮かび上がる。それは生えたばかりの足の感触を確かめるように、地面を踏みならした。ばしゃりと雪が無残に飛び散り、眠る地面が下からのぞく。

 顔は平板で無機質であり、何の表情もなかった。それゆえにかえって狂気染みている。眼前に立ちはだかる騎士の姿を映しているのか、それともこの次元にはない何かを凝視しているのか。誰にも、判然としない。

 

 (……よもや完全体にまで、進化を遂げるとは)

 

 電脳核の波動から情報を読み取ったデュークモンは、いわゆる常識が脆く崩れていくのを感じた。進化は段階を踏んでするものであるのに、いとも簡単にこの異形はそれを飛ばした。

 しかし、無数に寄り集まった幼年期が、合体して究極体と化す――進化の系譜を根底から覆すような輩だ、この程度のことが起こっても当然かも知れない。

 

 蜘蛛がやにわに、顎が裂けんばかりに口を開けた。

 喉奥に収束されるは、高エネルギーの眩耀だ。

 それは、あの偉容を誇る面妖な大蜘蛛の、一切を灰燼に帰すような獄炎をデュークモンに思い起こさせた。

 

 間髪入れず、業火が一直線に吐き出される。

 視界が朱に染まった。

 

 だが、彼は微塵も動揺しなかった。

 弾丸の如く、前方に飛び出す。高密度のエネルギー弾が迫り来る中を、真正面から突っ切ってゆく。

 

 グラムの持ち手から、力を流し込んでいく。先端へと波及するように、槍身全体に静謐なる力が満ちていく。二進数の連結間に蓄積されたエネルギー、それが解放されているのだ。

 

 橙赤色に輝く灼熱の濁流が、黄玉の瞳に映る全てを覆い尽くす。金星の表面で吹き荒れる嵐さながらに、エネルギーが暴れ狂う。呑み込んだもの全てを焼き焦がし、灰にし、蒸発させてしまうであろう熱流が、轟々と渦潮よりも激しく、デュークモンを襲う。

 

 だがそれを恐れる必要も、避ける必要も、彼には欠片もない。高純度のクロンデジゾイドの鎧を、雪が溶ける熱ほどに温めることさえ叶わないのだから。それどころか、高貴の色に染め抜かれた外套を、そうすることすら叶わないのだから。

 そして、聖なるグラムに満ちた力の、足下にも及ばないのだから。

 

 「“ロイヤルセーバー”!」

 

 円錐形の槍が、吹きすさぶ突風よりも、落雷よりも尚速く、大蜘蛛の空いたままの口を貫き通し――喉を穿った。

 一瞬も経たぬうちに繰り出されたその一撃に、首を形成していた繊維の束が引きちぎれる。叫喚は上がらなかった。声帯さえ、もはや存在していないからだ。

 失われたその箇所から破壊が侵食していくように、みるみるうちに蜘蛛の躯が分かたれていった。聖なるエネルギーの奔波に体組織が接合を破壊され、散逸した箇所が虚空に舞い上がってゆく。縒り糸がほどけるように、電脳の細胞は孤独な二進数のヌクレオチドへとのべつまくなし還ってゆく。首も、頭部も、脚も、胴体も――もはや原型の一端すら留めない。

 

 完全に、全てが無に帰した。

 

 デュークモンは、敵の残滓さえも霧散させてしまうように、グラムを軽く払った。

 視界は今や晴れ渡っている。底まで冷え込んだ、真冬の寂静たる景色が広がるのみだ。

 

 彼は今し方敵を抹消した感触など忘れて、思考に耽っていた。立ち位置は既に、元いたトタン屋根の上へと移動している。

 

 胸のわだかまりが消えない。

 

 初め、何故あの海月どもは携帯電話に群がったのか? これについては、容易に予想はつく。データが書き込まれた部分が目当てだったのだろう。ただ、それを喰らおうとしていたのか、それとも破壊が目的だったのか。それは分からない。しかし、フォビドゥンデータが漂着していた、そしてそれを増殖に用いたという憶測が的を射ているのならば、寧ろ後者の方が当たっているような気はした。

 

 何より、あれはどういった存在なのか? デジタルモンスターであることは、電脳核(デジコア)の波動を感じたことから確実だ。しかし、あのように増殖したり、共食いをして巨大化したり、自らを半ばデータと化して難を逃れたり――正しい段取りを踏まずに、何段階も一気に進化を遂げるデジモンなど、見たことも聞いたこともない。

 それは、偏にあの暗黒空間から出でたものだから、と言ってしまえば、それまでなのだろうが。

 

 ふと、視界の外縁で、何かが動いたような気がした。

 デュークモンは嫌な予感を覚え、素早くそちらに視線をやる。

 

 異形が蠢いていた。わらわらと。

 その数、先程殲滅したものの比ではない。

 

 (まだ、残っていただと――!?)

 

 自分が見逃していたとでもいうのだろうか。自分の手落ちを叱咤したい衝動に駆られるその前に、彼はある恐ろしい仮説を立てた。

 空間の境界に穴でも空いていて、あれらが入り込んできているのではないだろうか、と。

 これでは埒があかない。そう歯噛みした瞬間。

 

 宙を、閃光が飛び交った。

 

 黄玉の瞳はその全貌を捕らえた。

 全部で十本だ。上空からほぼ同時に放たれている。

 弾指、海月の化け物の中央を、あやまたず閃光が貫いた。それはあたかも逃れられぬ天誅の如く。

 半透明の異形は、微少な核を砕かれことにより、存在を保っていられなくなり霧消してゆく。

 

 ゲルに埋め込まれた眼球の中央を、深々と突き刺しているものの正体は、矢だった。デュークモンはそれを目視した瞬間、仕手の正体を悟った。それは、兼ねてから向こうからの接触を期待していた相手でもあった。

 

 「……ふう」

 

 高所で、溜息が白く流れた。

 周囲に広げる波紋を最小限に抑える術を心得た、修験者が発する電脳核の波動。センサーの精度を究極にまで高め得た者で、尚且つ精神を集中させなければ、それを感じ取ることはできなかったであろう。

 

 デュークモンが天を仰ぐと、高々と聳え立つ電柱の頂上に、純白の鳥人が事もなげに佇立していた。左腰には一振りの剣を佩き、右腰には空っぽになった矢筒が下がっている。彼はそれを惜しそうに一瞥すると、独りごちた。

 

 「たかが幼年期に、手を煩わせねばならないとは……全く。こういう繊細な仕事は、わたしに任せて正解でしたけれどね」

 

 あの脳筋ではなくて、と付け足すのを忘れない。それから、何処からともなく小型のノート状の端末を取り出し、耳に当てる。

 

 「サー・佐伯。アクセスエリアNo.3に出現したアンノウンは、今のところ殲滅できています。それと……」

 

 純白の鳥人は逡巡することなしに電柱から飛び降り、デュークモンの前にぴたりと着陸した。少しもトタン屋根を揺らさずに。

 

 「デュークモン様と、接触致しました」

 

 端末越しにそう告げ、返答を聞き終えるなり、彼は端末を懐に滑り込ませた。そして流れるように典麗な動作で、純白の鎧纏える騎士の前に跪く。

 

 「ヴァルキリモン……やはり来てくれたか」

 

 「デュークモン様!」

 

 形式上の儀礼もそこそこに発せられたその呼びかけには、はちきれんばかりの喜びと、驚きと、そして疑いが込められていた。

 

 「あなた様は、ダークエリアに送られたのだと伺っておりましたが……何と、ご無事であったとは……!」

 

 慌てふためくヴァルキリモンとは正反対に、デュークモンは訝しげに双眸を細めた。

 

 「ヴァルキリモン――今なんと?」

 

 「? ダークエリアに送られたのだと、ドゥフトモン様から確かにお伺いして――」

 

 不可解だとばかりに、デュークモンの眉根が寄る。

 

 「どうして、そのようなことになっている――?」

 

 ロイヤルナイツの司令塔にして情報の中枢たるドゥフトモンが、情報を改ざんしたというのだろうか? そんなことをしなければならない理由は考えつかない。あるとしても、考えたくもない類のものに相違ない。

 

 では、自分を除いた唯一の事件当事者であるマグナモンが、事実を誤って伝達したとでもいうのだろうか? 良くも悪くも直情的で、誠実なあの黄金鎧の竜戦士が、そんなことをするなどとは決して考えられない。

 

 何処で、なにゆえ事情がねじ曲がったのか。まるで状況が把握できない。

 それはヴァルキリモンも同じだった。お手上げとばかりに、渋面を伏せた。

 

 「――こちらとて、話は又聞き状態ですので、実際の事情は分かりかねますが……確かに、訳が分かりませんね。――あっ」

 

 彼ははっと頓悟したような表情をすると、急いで懐から再び例の端末を取り出し、デュークモンにも音声が聞こえるように設定を変えると、画面に向かって呼びかけた。

 

 「サー・佐伯、わたしです。ヴァルキリモンです」

 

 『ああ。どうした?』

 

 「ヘイムダルでデュークモン様の位置情報を特定願います」

 

 『了解だ』

 

 しばらくの間、沈黙が流れた。張り詰めた面持ちで、デジモン二体はそれを守る。一分程度経ったと思われるそのとき、端末越しに呟きが零れた。

 

 『……出ない』

 

 「え?」

 

 ヴァルキリモンが、思いがけず半音高くなってしまった声で聞き返した。

 

 『データベースにあるデュークモンのデータと照合しつつ、特定しようとしたが……そもそも、データベースにデュークモンのデータが存在していないという結果しか出ない』 

 

 「なっ……」

 

 鳥人は端末を握りしめたまま呆気に取られ、騎士は殴られたような衝撃に立ち尽くす。二者はどうしたらいいのか分からないという風情で、視線を交錯させる。

 ややあって、デュークモンが何かに気付いた様子で問い掛けた。

 

 「ヴァルキリモン、こちらのデータベースは、独立したものか?」

 

 「いいえ、基本的にはイグドラシルのそれと連動しています。あちらから、データを引っ張って来ているようなものです。ですから――」

 

 ヴァルキリモンはそこまで言うと、あっと口を閉じた。その理由を察しつつ、デュークモンは首肯する。そして、厳粛に後を受けた。

 

 「何者かがイグドラシルのデータベースから、このデュークモンの存在を抹消した――ということであろうな。そして、そのような真似が出来る者は――」

 

 「――ロイヤルナイツのみ、でしょうね」

 

 漆黒のバイザー越しに、純白の鳥人はいつになく深刻な表情をした。

 


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