Fate/Zero ~Heavens Feel~   作:朽木青葉

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遭遇

「――セイバーのマスターは衛宮切嗣だろ?」

 

 アサシンがそう口にした途端、綺礼は邪悪な笑みを浮かべた。

 その様子を目にし、アサシンは静かに鳥肌を立て内心で己を毒づく。

 どんなに似ていてもこちらの綺礼とあちらの綺礼は別人だ。こちらの綺礼は聖杯戦争の結末も、聖杯の中身も、まだ何も知らない。彼がどれだけ聖杯戦争の現状を把握しているか分からない今、過度な口出しは禁物だ。

 頭ではそう分かっていたはずなのに、うっかり口を滑らせてしまった。きっと、1騎落としたことで浮かれていたのだろう。

 どうやら、こちらの綺礼はまだ衛宮切嗣がマスターだとは知らなかったようだ。

 ――マズい、失言だった。

 すぐにそう悟り、アサシンは自分を戒めたが、時すでに遅し。目の前の宿敵は今までの腑抜けた様子が嘘のように、悪魔のような笑みを浮かべている。

 そう、その顔はまるであちらの綺礼のような……。

 ――と、その時、不意に綺礼が席を立った。

 アサシンは一旦思考を止め、扉の方へ歩く綺礼を慌てて呼び止める。

 

「マスター!」

 

 しかし、綺礼は歩みを止めず、背中を向けたままアサシンへ言う。

 

「少し出かける。お前は待機していろ」

 

「ダメだ! 外は危険だ、俺も――」

 

「――待機していろ」

 

 首だけで振り返り、綺礼は再度命令する。その鋭い視線は暗に「逆らえば令呪の使用も辞さない」と語っていた。

 令呪の縛りは絶対だ。アサシンはその場で押し黙り、そのまま何も言えず館から出ていく綺礼の背中を見送った。

 

「――フハハハハ」

 

 と、綺礼が完全に見えなくなった後、アーチャーがそう笑い声を上げ、アサシンはそちらを睨む。

 

「何がおかしい」

 

「フフン。何、従順な貴様が滑稽でな。己が望みの障害がマスターとは、因果なものだな。つくづく見ていて飽きぬ」

 

「黙れ、アーチャー」

 

 アサシンは鋭く睨むも、アーチャーはどこ吹く風だ。ニヤニヤと笑いながら続けて口を開いた。

 

「――して、貴様はどうする?」

 

「……俺にもやらなきゃいけないことがある。監視の目がなくなったのはむしろ好都合だ」

 

 無論強がりだったが、事実綺礼が単独行動するのが悪いことばかりでないのも確かだ。これで召喚からほぼ絶え間なく繋がれていた感覚共有を使われる心配もなくなった。

 さらにアサシンは館の周囲を注意深く観察し、使い魔の類に監視されていないことも確認する。どうやら現在、アサシンは完全にフリーらしい。これでようやく綺礼の目を盗み、行動できる。

 そう判断し、アサシンもその場から立ち上がる。

 と、その時、不意にあることが気になり、アーチャーの方を振り返った。

 

「俺もこれから出かけるけど、あんたこそどうするんだ?」

 

「……どういう意味だ?」

 

 尋ねられたアーチャーはスッと笑みを消し、アサシンを睨む。

 多少心を開かれたとはいえ、彼は人類最古の王。自分の行動に対し、口を出されたことが気に障ったのだろう。

 真顔で尋ねられ、アサシンは若干の気恥ずかしさから頬を掻きながら答える。

 

「――いや、昼飯とか作っといた方がいいかなって。何か注文があれば、今から作って置いとくぞ」

 

 アサシンの返答に、険しい顔つきだったアーチャーは一瞬キョトンとし、

 

「――フッ。フハハハハ!」

 

 と、楽しそうに大声で笑いだした。

 そしてひとしきり笑った後、まだ苦しそうに腹を抱えながら答える。

 

「いらん気づかいだ。雑種は雑種らしく己が身だけを案じていろ」

 

 回りくどい言い方だが、これがアーチャーなりのエールなのだろう。

 そう判断し、アサシンも苦笑しながら席を立つ。

 

「……了解。じゃあ、俺も行ってくる」

 

「応。せいぜい足掻くのだな」

 

「ああ」

 

 アサシンは軽く手を上げて答え、綺礼と同じように扉から部屋を出て行った。

 

 

 ――そして、部屋に残ったアーチャーは出ていくアサシンの背中を眺め、1人呟いた。

 

「いまだ己が愉悦を識らぬ愚か者に、識ってなお抗う贋作、か。フッ――聖杯はガラクタであったが、此度は良しとしよう。貴様らは我が見届けるに値する」

 

 呟きながらアーチャーも霊体化し、溶けるように館を後にした。

 

 

 ――その時、ほぼ同時に地下で通信機が鳴った。

 しかし、残念ながらその音にも、電話の主にも、気づくものは誰もいない。

 空の館に電話のベルだけが虚しく響く。

 

 

 ――その日の昼過ぎ。

 冬木市市街地のマッケンジー家に身を隠しているウェイバーとライダーは近くの商店街にやってきていた。

 目当てのモノが手に入り、ご機嫌そうに鼻歌を歌うライダーを見てウェイバーは思わずため息を漏らす。

 

「……どうして僕がお前のズボンなんか買わなくちゃいけないんだよ」

 

 今は聖杯戦争中、いつ狙われるか分からない。本来ならば昼間でも無駄な外出は避けるべきである。それなのにも関わらず、彼らは今『サーヴァントのズボン』という無駄な買い物をしに人の多い商店街までやってきていた。

 さらに常に周囲を警戒していなければならはずのライダーは、現在霊体化していないどころか武装さえしておらず、Tシャツ1枚とジーパンという現代のラフな格好をしている。

 しかし、当の本人であるライダーはウェイバーの愚痴を豪快に笑い飛ばした。 

 

「はははっ、仕方あるまい。これを穿かねば外を出歩けぬのであろう?」

 

 ライダーの呑気な言葉にウェイバーは眉をひそめ、再度ため息を漏らす。

 ――そもそもサーヴァントなんだから出歩く必要はないだろう。

 思わずをそう不満を漏らしそうになったが、寸前のところで押し黙る。文句を言ったところでライダーが言うことを聞かないことは、ここ数日で嫌というほど身に染みていたからだ。

 仕方なくズボンのことは目をつぶり、これからの話を持ち掛ける。

 

「……これで本当にサーヴァントを打ち取ってくれるんだろうな?」

 

 それがライダーへズボンを買ってやる条件だった。

 ウェイバーが念を押すため尋ねると、ライダーは力強く頷いた。

 

「余に二言はない」

 

「ホントだな?」

 

 胸を張るライダーにウェイバーは疑いの眼差しを向ける。

 今までの行動が行動だけに、どうにも信用できなかったのだ。この自由奔放なサーヴァントのことだ、ズボン1枚で真面目に聖杯戦争に取り組むとは思えない。

 そんなウェイバーの様子が癪に障ったのか、疑り深いマスターを見てライダーも不愉快そうに眉をひそめる。

 

「あのな。前にも言ったが、聖杯はちゃんと余が手に入れてやる。そう急かすな」

 

「急かすなって言ったって……」

 

 そう呟き、俯くウェイバーが思い出すのは昨晩のことである。

 倉庫街での激闘――その結末。

 自分のことを馬鹿にしたケイネスを見返してやる。その思いだけでウェイバーは冬木の地にやってきたのだ。

 ――しかし、そのケイネスはもういない。

 ケイネスの操るランサーが敗退した。それもあんな少年のサーヴァントにやられて。

 聖杯戦争はもう始まっているのだ。これが焦らずにいられるはず――。

 と、ウェイバーが考え込みながら歩いていると、隣のライダーが上を見上げながら声を上げた。

 

「――そら、早速1騎見つけたぞ」

 

「――っ!」

 

 呑気に呟くライダーの言葉を聞き、彼も慌てて顔を上げる。

 

「どこだ!」

 

「ほれ、あそこ」

 

 そうライダーが指さすのは商店街の建物の屋上だった。

 ここから100mほど先の3階建てのビル。ウェイバーもそちらを凝視すると、低い建物の多い商店街で頭1つ飛び出したその建物の屋上に確かに人影があった。

 その屋上から見える人影に、ウェイバーは再度言葉を失う。

 赤銅色の髪に赤い聖骸布、その横顔を見間違うはずがない。今まさに思い返していたあの少年のサーヴァント、アサシンだった。

 その姿を見てウェイバーは思わず後ずさり、ライダーの体に隠れるようにしてしがみつく。

 そんなウェイバーを見て、ライダーは呆れたようにため息を吐いた。

 

「情けないのう。ほれ、しゃんとしろ坊主。戦うと先に言ったのは貴様であろう?」

 

「――う、うるさい! 言われなくても分かってるよ!」

 

 ライダーの言葉に聞き、ウェイバーは慌ててマントから手を放し、顔を赤くして抗議する。

 が、目の前のアサシンが恐ろしいのも事実なので、ライダーから離れた後もへっぴり腰だけは治らなかった。

 無理もないだろう。昨晩は半ば無理やり巻き込まれたようなものであって、実質ウェイバーにとってこれが初のサーヴァント戦だ。怖気づくなという方が無理な相談である。

 しかし、このまま立ち尽くしていても埒が明かない。

 

「――よし、行くぞ」

 

 と、ウェイバーは覚悟を決め、足を震わせながらも1歩前に踏み出した。

 そんなマスターを見て、ライダーもウェイバーに並んで前進し、嬉しそうに笑いながら言う。

 

「うむ、それでこそ余のマスターだ」

 

 そうして警戒しながら前に進み、2人はぐんぐんとアサシンとの距離を詰めていき、ついにアサシンが屋上にいる建物の前までやってきた。

 決戦が間近に迫り、ウェイバーは緊張から固唾をのむ。

 ――が、ここで妙なことに気が付いた。

 これだけ近くにいるにも関わらず屋上のアサシンは、まったく地上へ目を向けないのである。ウェイバーたちに目もくれないどころか、どこか遠くを一心不乱に見つめ、何かを呟いている。

 

「やっ……帰ってき……か。虫……サーヴァ……もいる……だし……を連れ出すのは……」

 

 遠いせいで声はほとんど聞き取れないが、その不審な様子にウェイバーは首を傾げ呟く。

 

「もしかして、こっちに気づいてない?」

 

「みたいだの」

 

 疑い半分で呟くと、ライダーもその意見を肯定する。

 このビッグチャンスに、ウェイバーは思わず大声をあげガッツポーズを取りそうになった。

 何故だかは知らないが、何かに気を取られている今ならアサシンを討ち倒すのは容易だろう。アサシンはあの爆発を引き起こした強力なサーヴァントだ、ここで倒せればこれからの聖杯戦争をより有利に進めることができる。

 ――この機会を逃す手はない。

 ウェイバーはそう確信し、ライダーへ合図を送ろうとしたその時、

 

「――よう! アサシンではないか!」

 

 と、ライダーはあろうことか大声でそうアサシンへ呼びかけた。ウェイバーは慌ててライダーへ叫ぶ。

 

「――バカッ、何普通に話しかけてるんだよ!」

 

 だが、すでに手遅れだった。

 間もなくアサシンの方もこちらに気づき、ギョッと目を見開きながらライダーへ顔を向ける。

 

「このバカ! せっかくのチャンスだったのに!」

 

 ウェイバーは顔を真っ赤にして怒鳴るも、当のライダーはどこ吹く風。叫ぶマスターを完全に無視し、アサシンへと呼びかけ続ける。

 

「そんなところで何をしておる! 少し下りて余と話さんか!」

 

「はあ? 何言ってるんだお前! 戦うんじゃなかったのかよ!」

 

 そういう約束だったはずだとウェイバーが攻めると、ライダーは平然と首を横に振り答える。

 

「別に戦う前に話してもよかろう。決戦前の問答も戦争の醍醐味であるぞ?」

 

「ふざけるな! ここはお前の生きた時代とは――」

 

「それに――」

 

 と、反論しようとするウェイバーを遮り、ニッと笑いながらライダーは言う。

 

「――坊主もあの小僧のこと気になっていたのであろう?」

 

「ぐっ……」

 

 その言葉に、ウェイバーは思わず言葉を詰まらせてしまう。確かに、ライダーの言う通り少しアサシンには興味があった。

 しかし、

 

「そ、それとこれとは話が別だ。それにあいつが応じるわけ――」

 

 ない、そうウェイバーが言おうとした時、

 

「――分かった! ちょっと待っててくれ!」

 

 と、アサシンがこちらへ手を振り、そう返事をした。そのままアサシンはこちらへ背を向け見えなくなる。どうやらサーヴァントであるにも関わらず、律儀に階段を下りてくるようだ。

 予想外の事態に唖然とするウェイバー。対するライダーは感心したように呟く。

 

「ほう。意外と話の分かる奴ではないか」

 

「もう、なんなんだよお前ら……」

 

 自分のイメージしていた聖杯戦争とのギャップに戸惑いながらウェイバーは頭を抱える。

 が、アサシンも本当にライダーと話をするつもりらしく、しばらくして2人の前に平然と姿を現した。

 そして、アサシンの背格好を間近で目にし、ウェイバーは人知れず息をのむ。

 背はウェイバーより高いものの男性、それもサーヴァントとしてはかなりの小柄。ただ体格は良く、インドア派のウェイバーと違いがっしりとした筋肉が目についた。しかし、それは人間と比べた際の感想だ。やはりイスカンダルなどの他サーヴァントと比べ、圧倒的にひ弱な印象は拭えない。着ているものも含め、街中、それこそこの商店街などに紛れてしまえば、ただの人間とまったく見分けのつかない普通の少年。

 それがウェイバーのアサシンに対する印象だった。

 しかし、アサシンはこの細身でアーチャーの猛攻を防ぎ切り、あのランサーを倒して見せた。ウェイバーと大して見た目の違わないアサシンがだ。

 その事実に、ウェイバーは自分でも知らず知らずのうちに唇を噛みしめる。

 対するアサシンは、ウェイバーの様子には気づかなかったらしく、険しい顔つきで2人へ話しかける。

 

「でっ何の用だ? あんたたち確か――」

 

 と、アサシンが尋ねた途端、ライダーは胸を張り、再び堂々と宣言した。

 

「――余は征服王イスカンダルである」

 

 ライダーの言葉を聞き、ウェイバーは慌てて顔を上げる。

 忘れていた、ライダーはこういう奴である。落ち込んでいる暇なんてなかった。

 続けて勝手にウェイバーの紹介をするライダーへ、声を張り上げ怒鳴る。

 

「こっちはマスターのウェイバ――」

 

「――バカ! お前また勝手にっ。ホイホイ真名を明かすな!」

 

 が、ウェイバーに怒鳴られてもライダーはキョトンとした顔で首を傾げ呟いた。

 

「そう言ってもな、もうとっくにバレてるであろう?」

 

「なら尚更だ! どうしてお前はそういつも勝手なんだよ!」

 

 再度顔を赤くして叫ぶウェイバーに、それでもなお釈然としない様子のライダー。

 そんな2人を見て、アサシンは険しかった表情を和らげ、優しそうな笑みを浮かべて言う。

 

「2人とも仲が良いんだな」

 

「応よ――」

 

「――良くない!」

 

 と、また勝手に答えようとしたライダーに割り込み、ウェイバーは慌てて叫んだ。そんな2人を見て、アサシンが再度笑う。

 そして、どうやら敵対意思はないと判断したのか、アサシンはそのまま柔和な表情で語り始めた。

 

「ライダーにウェイバーだな。俺はアサシン。残念だけどこっちは名乗れない、悪いな」

 

「何、構わんさ。余の招集に応じ感謝する」

 

 謝るアサシンの言葉を聞き、ライダーは豪快に笑って言った。そして、そのままアサシンへ尋ねる。

 

「――して、貴様はあそこで何をしておったのだ?」

 

 それはウェイバーも気になっていた質問だった。サーヴァントの接近に気づかないとは、よほど重要な作業の最中だったのだろうか。

 そうウェイバーは推察するも、彼の予想とは裏腹にアサシンは恥ずかしそうに頬を掻きながら暴露する。

 

「ああ……実は特に何もしてなかったんだ。ちょっとサボり」

 

「サボり?」

 

 予想外な一言に、思わずウェイバーはそう声を上げる。

 すると、なおも恥ずかしそうにしながらアサシンはさらに語る。

 

「あんたたちと違ってこっちはちょっとギスギスしててな……久しぶりに監視が解けたからこうやってブラブラと。ホントは待機してろって言われてるんだけど。……だからサボり」

 

 さらに意外な一言にウェイバーは相手が敵サーヴァントであることも忘れ、続けて尋ねる。

 

「おいおい良いのかよ。サーヴァントがマスターの命令を無視して」

 

「バレなければ大丈夫――のはずだ。――何を悩んでるのか、どうにもこっちのアイツはアイツらしくないんだよな……だから調子が狂うというか……」

 

「――?」

 

 後半は独り言だったのだろう。その行動といい、謎の多い言動にウェイバーは首を傾げる。

 が、アサシンも語りすぎたと思ったのか、ここで首を振り話題を変えてきた。

 

「悪い。こっちの話だ。そういうあんたたちは?」

 

「おお。余たちは――」

 

 と、ライダーが答えようとしたその時、突然アサシンが眉間にしわを寄せた。

 

「――悪いマスターからだ」

 

 アサシンはそうライダーの言葉を遮り、2人に背を向けた。どうやらマスターからの念話が入ったようだ。

 ――サボっていたことがバレたのだろうか?

 何となくそう思いながら、ウェイバーはアサシンの背中を見守る。その時、少し2人の会話が聞こえてきた。

 

「――はあ? 今からか? そもそもどうしてそんな所に――分かった。けど、少しかかるぞ。――ああ、了解」

 

 どうやら、サボっていたのとは別件らしい。

 そう話すアサシンの言葉には棘があり、顔の見えぬマスターへの苛立ちのようなものが感じられた。本当にマスターと仲が悪いのだろう。

 人の良さそうなアサシンがこれほど憎悪するなんて、一体マスターはどんな奴なのだろう、とウェイバーは何となく思う。

 とそんなことを考えている間に会話が終わったらしく、アサシンは再度こちらを向き、ウェイバーたちに頭を下げる。

 

「悪い、マスターに呼び出された。続きはまた今度で良いか?」

 

 尋ねるアサシンに、ライダーも不満そうに眉をひそめながらも頷く。

 

「うむ、このままおっぱじめても興ざめだしの。また日を改めるわい」

 

「すまん、助かる」

 

 アサシンは短く言ってウェイバーたちに背を向け、どこかへ走り去ってしまった。余程急な呼び出しだったのだろう。

 一瞬の邂逅にウェイバーは何となく物足りなさを感じ押し黙る。それはどうやらライダーも同じだったらしい。

 

「もう少し奴とは腹を割って話したいのう」

 

 物寂しそうに呟くライダー。珍しく、ウェイバーも同意見だった。

 ――が、それが間違いだった。

 ライダーはアサシンの去っていった方向を眺め、不意にトンデモないことを口にした。

 

「――そうさな、宴でも開くかの」




 大変お待たせしました、8話更新です。

 そして今回、特に進展はありません!
 こんなに長いのに!
 重ね重ね申し訳ありません。

 次回はようやく、アインツベルン城編(になるといいな)。

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