提督に会いたくて   作:大空飛男

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最期の最期で、力尽きました。うまくまとまっているといいですが。


お洋服買いますよ?

さて、いろいろ試行錯誤してきた俺だが、そうこうしているうちにおふくろが帰ってきてしまった。しかし、策はすでに立ててある。

 

とりあえず今ここで飛龍がばれてしまうのはまずい。そこで蒼龍におふくろの気をひかせる役割を任せ、なんとか飛龍を連れて家から脱出する事ができた。

 

車に乗り込み、飛龍を後部座席へと座らせると、蒼龍も後から車へと乗り込んでくる。

 

「飛龍を迎えに行くと、伝えておきました。信じてくださったみたいで、作戦成功です!」

 

とりあえず外出する理由として『蒼龍の妹を迎えに行く』と、蒼龍にはおふくろに伝えてもらった。まあ外出する際にわざわざ言いにはいかないんだけども、時間を稼ぐ口実にはなるし、いわばこの発言は、無意識に刷り込まされていた、おふくろの記憶を呼び覚ます布石にもなる。

 

そもそも。蒼龍は以前から自分に妹がいることを口にしていた。実際はその時に飛龍がこっちに来ることなんてわかるわけがなかったし、詳しくは伝えていなかったそうだが、その地道に刷り込ませてきた記憶が、今回の作戦でカギとなりそうだ。

 

蒼龍は助手席に乗り込むや否や、表情をキラキラさせ、俺へと報告をしてくる。ああ、撫でて欲しいんだな。子犬みたいだ。ぽいぬじゃないけど。

 

「ふふっ…えへぇ…」

 

撫でられるたびに、蒼龍はこうしてとろける様な表情になる。と、なれば俺も我慢ができず、頰っぺたとか、首筋とか触りたくなってくるんだよねぇ。だけど。

 

「ゴホン。いちゃいちゃしてないで、とりあえずどこに行こうか決めましょうよ!」

 

一つ咳払いをして、飛龍が釘を刺してくる。うおーう。見事なまでのお邪魔虫。まあ、確かにお前の言っている事は正しいな。

 

名残惜しそうにしている蒼龍の目線を感じつつ、俺は車を発進させる。とりあえず着物も良いけど、私服も買ってあげなければ。

 

「あー蒼龍。すまんけど俺の財布の中身、確認頼む」

 

蒼龍ははーいと声を出し、蒼龍に手渡した手持ちバッグを開くと、財布を取り出した。

 

「ひい、ふう、みー。3万円と、千円札が2枚。あとは小銭はごちゃごちゃしてますね」

 

ふむ、三万二千弱くらいか。これで、飛龍の私服も買ってやる事ができる。以前蒼龍が来た際もこうして買ってやった事が、今ではとても懐かしく思えるな。

 

「お買い物にいくの?」

 

飛龍が運転席のシートから身を乗り出し、俺へと聞いてくる。

 

「飛龍の私服を買いに行くんだよ。流石に着物一着じゃダメでしょ」

 

「心配しないで飛龍。私も少しは持ってるわ。二人で合わせれば、この夏を乗り切れる服くらい、パパッと買えちゃいそうね」

自分のバッグを開いて、蒼龍も財布を確認する。彼女も、お金を持ち歩く様になったのは、この世界に完全に馴染んだ証拠だろう。よかったよかった。

 

「え、わたしも持ってるけど?」

 

と、そんな事を思っていると、飛龍も名乗りを上げてきた。え、まじで?

 

「い、いや。持ってたとしても使えないだろう?どうせ向こう側のお金でしょ?」

 

しかし今思えば、向こう側のお金をってどんなものだろうか。一円札とか、百円札とか円と銭で構成された通貨だろうか。時代背景的にそんな感じするけど、実際は違うかもしれない。

 

「うーんどうかなぁ。えっと、確かにリュックに…。あ、ありましたよ!」

 

そういって飛龍が取り出したのは、なんと金の延べ棒だった。ビカビカ光ってらっしゃる!?

 

「まてまて!それは金だけども、お金じゃないだろ!ってそれ本物?」

 

鈍い光を放つその延べ棒は、見た感じ偽物じゃないーと、思う。少々小さめだけど、換金すればいったいどれほどの値段がつくのだろうか。考えただけでも恐ろしい。

 

「ね?持ってたでしょ?これなら文句ないじゃない?」

 

「あー飛龍。とりあえずそれは使わないでおこうか。ちょっと換金しに行く勇気がない。てか、なんでそんなもん持ってきたんだよ」

「え、だって向こう側の通貨は使えないじゃないですか。だから、向こう側で稼いできたお金を、金にして持ってきたわけ。金なら多少上下しちゃうけど、いいじゃない?」

なるほど、そういう理由なら確かに納得がいく。たとえ通貨は使えなくとも、金そのものの価値は確実に高いからね。頭の良い発想ではある。

 

「あーそういう手もあったなぁ。私も向こうに戻って、金にしちゃおうかしら」

 

蒼龍もその発想はなかったと言わんばかりに、若干の後悔を顔に浮かべる。お前までもか、やめてくれ。

 

「とりあえず飛龍。その金は追々換金するかしないかを決めるとして、今日はとりあえず俺らに頼ってくれ。流石に今日明日にでもできる様な代物じゃないと思うし…」

 

そもそも換金するためには、証明書とか必要になってくるだろう。まあ、それらはどうせ明石や大淀がなんとかするだろうけどね。つくづく便利な奴らだなと、再認しましたとさ。

 

 

車を走らせしばらく。とりあえず以前と同じ様に、しま○らへと到着をした。

 

以前。というか蒼龍が来て初日の際には、現代のファッションや流行に驚いていた蒼龍であったが、今回は以前とは違った見方で服が見れるはず。というかあの時以降行ってないわけじゃないから、今は蒼龍の方が、配置とかも詳しそうだ。

 

 飛龍がしま○らまで向かう際に、現代におけるさまざまな建物を見て驚きを隠しきれなかったのは言うまでもない。ともかく質問攻めを受けたが、運転に集中をさせてくれる用に蒼龍が大体答えてくれて、助かった。つい半年くらい前はお前が聞く立場だったのにな。

 

「へぇ。ここがこの世界の洋服店なのね。いっぱい服が並んでいるけど、試着とか出来るのかな?」

 

きょろきょろと店内の服を見渡して言う飛龍。その目は言わずと興味津々だ。だけど、お前も割と注目の的になってるぞ、着物だから。

 

「もちろんできるわ!行こ!飛龍!ほら、望も!」

 

蒼龍は得意げに言うと、彼女に手を引かれ、俺と飛龍は連れられる。

 

「ほら、可愛い服いっぱいでしょ?」

 

目的地に着いたのか彼女はつき次第、商品を手に取ると蒼龍はそれを体に当てて、飛龍へと見せる。また以前のカエルの描かれた服とか選ぶかと思ったが、流石にそんなおふざけはしなかった様だ。ちょっとばかり姉っぽく振る舞いたいのだろうかね。

 

蒼龍が手に取ったのは、淡い黄色のワンピース。薄地のノースリーブになっていて涼しそうだ。飛龍は手渡しされると、体に当てた。

 

「うーん。どう?似合いますかね?」

 

飛龍はこちらを見て、俺へと聞いてくる。どうやら女性以外の意見が欲しいと見た。

 

「似合うと思うけど…飛龍ってやっぱり黄色が好き?」

 

「え?あ、いや。まあ好きですけど、他の色も好きですねー」

 

 「ふむふむ、じゃあこれなんとどうかしら?」

 

俺と飛龍のやり取りに対して、蒼龍はすぐさま違う服を取り出してくれる。今度は白い普通のシャツだが、それに加え、ホットパンツまでも手に取った。

 

「あ、それいいかも!動きやすそうで」

 

どこか懐かしい組み合わせだと思ったら、そういえば以前、飛龍の方が似合うと言っていた記憶がある。まあ確かにこれはこれで似合いそうだよね。と、言うか飛龍はボーイッシュな感じで攻めるといいのではないだろうか。

 

「なあ蒼龍。飛龍はもう少しこう、活発な感じの服が似合うんじゃない?」

 

と、提案をしてみる。しかし、蒼龍は首を傾げた。

 

「そうですかねぇ?いや、私は可愛い感じの服が似合うと思うなぁ。一応手に取ったこの服は似合うと思うけど」

 

「そこんところ、飛龍はどうなんだ?」

 

意見が分かれてしまった。ここは本人に何を求めているか聞いてみよう。

 

「そうですねぇ。可愛い服も好きですけど、わたしには似合わない気が…。いやだってわたし、ひらひらのついたこういう服とかに合うと思います?」

 

そういって、飛龍は適当に取った服を、体へと当てる。いや、十分似合ってるんだよなぁこれが。どうやら艦娘達は、自分がいかに魅力的なのかを気付いていないらしい。飛龍は蒼龍ほどではないにしろ、出る所出てるし、男を魅了するには十分な素質を持っているからね。って、こういうロリータ?チックな服は駆逐勢の方が似合う気もする。

 

「私は似合うと思うけどなぁ~。だって飛龍は可愛いし」

 

「えぇ?わたしより蒼龍の方が可愛いじゃない?女の子っぽいオーラバンバン出てるし!」

まーた始まった。どちらが可愛いか口論。女子ってみんなこんな感じなんだよなぁ。

 

「あーともかく。好みの押し付け合いはなしにしようぜ?とりあえず飛龍は自分で好きそうな服を選んできてくれ。自分で選んだ方が、納得できるだろう」

 

蒼龍は少々不服そうな顔をしたが、まあ理に適ってると思ったのか、承諾した。飛龍もそれに賛成なのか「はーい」と言って、俺たちから離れていく。

 

と、言うわけで蒼龍にも、各自一時解散と言っておいた。まあ俺も、飛龍に似合いそうな服があったら、覚えてはおこうかな。

 

 

 

 

提督と別れた私たちは、各々に散らばった。とりあえず、わたしはわたしで、似合うと思う服を探してみよう。

 

「とはいっても、この量はなぁ」

 

このお店はなかなか広い。鎮守府ほどではないけれども、代わりにこちらの世界の服がたくさん合って、どれも目移りしちゃうわけ。個人的には提督も言っていたように活発に動けそうな、そうだなぁラフっていえばいいのかな。そんな感じの服が好き。でも、蒼龍が来ているような、女の子っぽい服だって、着てみたいのが本音だったりもする。

 

「それにしても、やっぱり着物は動きづらいや」

 

正直、蒼龍も大丈夫なら私も大丈夫!と、思っていた。だけど、この世界はそんな融通が利かないそうだ。細かいとこを指摘するのは、どの世界の日本人でも同じことなのかも。

 

「あの、お客様。御困りですか?」

 

わたしが周りを見ながら選別していると、唐突に横から声をかけられた。誰かな?

 

「え、わたしですか?」

 

「はい。着物姿のあなたですよ」

 

声をかけてくれた女性は、メガネをかけた地味っぽい人だった。着ている服からして店員だと思うけど。

 

「何かお探しの物はございますか?よければ力になりますよ?」

 

「えっと…」

 

できるだけこちらの世界に来たら、提督と蒼龍。そして提督の家族と以外はあまり

関わるつもりがなかった。だからこうして声をかけられると、ちょっと困っちゃう。

 

「じゃあその…動きやすそうな服を探しているんです。あ、でも御洒落な感じがいいです」

 

まあでも、せっかく声をかけてくれた人だし、頼ってみるのもいいかもしれない。そこで私は、このメガネの人に頼ることにした。

 

メガネの人は胸元を叩くと、「私にお任せください!」と、威勢よく言う。そこまで気合を入れることなのかなぁ?

 

「じゃあまず、こちらの方に…」

 

とりあえずメガネの人に導かれ、私は店内を歩いて行く。そしてしばらく歩くと、先ほど蒼龍に連れられた場所へとたどり着いた。

 

「え、ここですか?」

 

「はい。例えばこれです」

 

そういって、メガネの人は服を取り出します。へえ袖が無い服ねぇ…確かに涼しそうだし、動きやすそう。

 

「こちらに、こうして…薄地のパーカーを着せると…。どうでしょうか?」

 

なるほどね。確かにこうすれば、動きやすそうだし、おしゃれにも気を使ってる感じ。後これにさっき蒼龍が選んでくれたホットパンツを合わせると、完璧じゃないかな?

 

「へぇ…これもいいなぁ。ぜひ参考にさせていただきますね」

 

「はい。ところで…あちらの二人とは、知り合いなのですか?」

 

ふと、メガネの人は向こうへ目をやる。そこには提督と蒼龍がいて、アクセサリーを選んでいるようだった。二人の楽しそうな顔が、ちょっと妬けちゃうな。なんだかんだ言って、二人とも一緒に行動してるじゃない。

 

「ええ、まあ…そうですよ?それが何か?」

 

「いや、以前接客させていただきましてね。ちょっと気になりまして…」

 

「へぇ。そのとき、二人はどんな感じでしたか?」

 

わたしの問い掛けにメガネの人は、うーんと考え込むしぐさをする。そしてしばらくして―

 

「こちらまで和やかにさせてくれるほど、ほほえましい感じでしたよ」

 

 

 

 

さてさて、しばらくして俺を含む三人は合流を果たした。

 

まあ正確に言うと、途中に蒼龍と合流してその後飛龍と合流した感じ。飛龍は買い物かごにパーカーやノースリーブのシャツなんかを入れていて、それなりに満足のいくものが選べたらしい。ちなみに蒼龍はと言うと、今回何も持っては来なかった。どうやらいい服は見つからなかったっぽいな。

 

「どうよ?いろいろ見つけてきましたよ。これとこれを合わせると、良い感じだと店員さんが言っていましたし、わたしはこれが欲しいかなぁ」

 

ノースリーブにパーカーを重ねて、それを自分の体に当てる飛龍。うん、店員に聞いたのは、良い判断だったかもしれない。今までで一番しっくり来ている気がする。しかし、おせっかいな店員もいたもんだな。着合わせの良し悪しをも教えてくれるとは。

 

「しっかしお二人とも、何かを一緒に選んでいたようですけど、何を選んでいたんです?あ、ひょっとしてお揃いのアクセサリーとかです?」

 

にやにやと笑みを浮かべて、飛龍は茶化してくる。む、そういうなら、こっちもこっちで早めに見せてやるかな。

 

俺は蒼龍に目線で促すと、蒼龍は頷いて、飛龍へとあるものを手渡した。

 

「え、なんです?これ」

 

ゆっくりと飛龍は手に取ると、不思議そうに眺める。シルバーでできた羽のネックレスだ。男物っぽいと言われればそうかもしれないが、しま○らにおいてある以上、女性にも使えると思う。つまり、男女どちらでも使えるんじゃないだろうか。

 

「それ、飛龍に似合うかなって」

 

「え、わたしに?」

 

「おう。まあ俺は服とか詳しくないし、とりあえずアクセサリーとかを選ぼうと思ったら、それこそ偶然蒼龍と鉢合わせてね。どうせなら一緒に選ぼうと思ったわけ」

 

まあ実際マジの話で、蒼龍の場合は服がダメならアクセサリーは選んであげたいと思ったらしい。結局一緒に選ぶことになって、飛龍の「飛」から、羽のアクセサリーがしっくりくると俺たちは合致した。

 

「え、えっと…あはは。うれしいですね。お二人が選んでくれましたし、じゃあこれもお願いしていいです?」

 

後頭部に手を置いて、照れくさそうに飛龍は言う。俺と蒼龍は声を合わせて、「もちろん」と、返答を返したとさ。

 

 

 

 

その後着替えた飛龍を車へと乗せ、俺たちは家へと帰る。

それからおふくろに事情を説明することになり、しばらくして親父も帰ってきた。

 

「…え、また一人増えたの」

 

親父は帰るや否や、いきなり切り出された話題に困惑の色を示した。

 

「ああ、飛田さんは龍子の…生き別れた姉妹らしい。で、まあ施設の関係上、携帯で連絡が取り合えるようになって、こっちに会いに来たそうだ」

 

「はい。飛田龍美です。お邪魔しております」

リビングで座っていた飛龍は立ち上がり、親父へと頭を下げる。親父は「ああ、あなたが…」とつぶやき、たどたどしく頭を下げた。

 

「それで、親父。飛田さんから折り入ってお願いがあるらしい」

 

「ん?お願い、こちらにできることがあるならば、できる限りやらせていただきますけど」

 

へりくだった言い方で、親父は言う。ちょっと気味悪い。

 

「そ、それはうれしいお言葉ですね!えーっとその、大変ご迷惑をおかけることを承知の上ですが、しばらくこの家にいさせてはもらえないでしょうか?」

 

まっすぐと親父の目を見て言う飛龍。やっぱりこいつは、それなりに肝が据わっているらしいな。さて、親父はどう返すか。

 

「…。えっと、それはいつ頃までかな?」

 

何時頃か。まあしばらくって言っても幅広い。蒼龍のように半年か、あるいは短期ホームステイのように二週間くらいか。

 

「そうですね…。この夏が終わるころまで…ではだめでしょうか?」

 

飛龍の言葉に、親父はむっと顔を歪める。

 

「…ずいぶんと長いですね。そもそも、なぜ飛田さんは家に泊まりたいのですか?」

 

重圧的な雰囲気となった親父は、おもむろに椅子へと座る。厳つい顔が、さらに歪んでいるな。

 

だが、飛龍は引け越しではなく、あくまでも親父の目を見て真っすぐと口を開いた。

 

「勝手な理由ですが、わたしは姉の龍子とずいぶんと離れ離れになっていました。それからしばらく、龍子と連絡が取れませんでしたが、施設でお世話になった方に、連絡先を教えていただきました。そこからしばらくは通信などで連絡をとりあってましたが、やっぱり私たちは姉妹です。会いたくて仕方なかったのです。そして、わたしも夏休みを頂き、龍子も夏休みを頂けると聞きました。だから、夏だけ…ひと夏だけは、一緒に過ごしたいのです!」

 

 その言葉から、しばらく沈黙が続く。おふくろはしびれを切らして親父に耳打ちをしようとするが、親父はそれと同時に息を吐いた。

 

「わかりました。良いでしょう。ですが、あいにく寝る場所が望の部屋、あるいは若葉の部屋になってしまいますが、よろしいでしょうか?」

 

え、意外とあっさり決めたな。親父どうした?

 

「やったぁ!やったね!ひ、龍美!」

 

と、そんな疑問を打ち消すように、蒼龍が飛龍へと抱き着いた。おいおい、危ないな、ちょっと噛みやがったぞ蒼龍。

 

「うん!龍子!これでしばらく一緒だね!」

 

飛龍もそれに乗じて、二人は抱き合う。まあ二人が幸せそうで、何よりだ。

 

だが、俺は幸せにはなれなさそうだと、次の発言で理解する。

 

「まあ、飛田さんの金銭面は、望が補えるだろう?なぁ?」

 

「え、ちょ、まっ」

 

親父の唐突すぎる恐ろしい発言に、俺は一気に苦い顔になる。ちょ、まてまて!

 

「彼女の面倒は、自分で見る。男として当たり前だろう。だから、彼女の妹の面倒も、見なきゃダメだろう」

 

「横暴だろぉおおおお!」

 

この夏は、楽しい夏になりそうだ。財布は、今年一番の寒気なりそうだけどね。

 




どうも、約一週間もかかってしまいました。卒論発表会が終わったと思ったら、今度はゼミ課題により江戸時代の役職『座頭』を中心とした史料調べることに、やってられねぇ!

さて、今回はその為か構成が甘いです。一週間も待たせてこれかい!と思った方は申し訳ありません。一応、飛龍が七星家へと滞在するのは完結に済ませるつもりでしたが、その前の話が長くなりすぎました。ついでに、2話のオマージュ的な感じにもなりましたね。成長した蒼龍と、新たな文化を知る飛龍。そんな感じがおぼろげなテーマでしたね。

次回から、一話完結系に戻るかと。
それでは、また次回。

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