Ib~少女を救いし者~   作:ama0036

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原作主人公登場編
そしてあの男も…


遭遇 緑の間 猫の間1

青の次は緑の間。外に出るにはまだまだ長そうだ…

少しため息をつく。まぁこの美術館簡単に返してくれなさそうにないからな。

「まず一番最初に見えたこの通路から…うわっ何か黒い手出てる」

壁に黒い手が張り付いていた。気持ち悪いな…

真ん中を通ればぎりぎり届かなそうだ。真ん中を通っていった先には

一人の少女が蟻の絵を外していた。

 

(俺の他に人がいたのか…喜ぶべきなのか悲しむべきなのか)

小柄な少女をここに閉じ込めるなんてな…どっちかっていうと巻き込まれて欲しくなかったな…

少し俯いて考えていると

「あの…美術館にいた人…ですか?」と声が聞こえた

「あ、あぁ。君も此処に閉じ込められたのか?」

少女は頷く。彼女の手には赤いバラを持っていた。しかし年の差なのか、花びらが自分の白いバラより少なかった。

「えっと名前は?俺はソウ。普通に呼び捨てでいいよ」

「私はイヴ…」

「イヴ…イヴか。よろしくな」

心なしか少女は嬉しそうだった。まぁ少しでも人いないと怖いからな。

「ところで…その蟻の絵はどうしたの?」

「蟻さんが自分の絵を見たいって言ってたから…」

「蟻喋るのか…」

まぁこの美術館ではありえなくもない。なんせ色んな物が動いているからな。

「とりあえずここも鍵いるみたいだし戻ろうか」

「うん」

さっき来た道を戻ると本当に喋る蟻がいた。最初ゴミかと思ってごめん。

「あ それぼくのえ やっぱりかっこいい」

蟻はうっとりしている。まぁこの絵は持っていこう。

右の奥の道には穴が開いて通れない。

(どうするか…?ん?イヴ?)

イヴは蟻の絵を置いて道にしていた

「おぉ。そんな発想があったのか…流石だな」

イヴは少し照れる。しかし2人が通ると

ビリィ!

「…後戻りできないな」

「そうだね…」

蟻の絵は破けて通れなくなってしまった。

先に進むと赤いマネキンと絵が飾られていた。

(嫌な位置にあるな…)

1人考えているとイヴは鍵を拾った。結果赤いマネキンが動き出した!

「っ!逃げるぞ!」

ソウはイヴを抱え逃げ出す。しかしこの奥は道が無い。

「ちっ!イヴ!少し痛いが我慢してくれ!」

ソウはイヴをあっち側の逃げ道に向かって投げる。

「ソウはどうするの…?居なくなるの…?」

イヴは涙を流しながらこっちを見る。

「大丈夫だ、信じてくれ」

その一言でイヴの震えは徐々に収まっていく。信じてくれたようだ

(さっきエピローグっていう絵があったな。それを使えば!)

俺は部屋を抜けて絵を無理矢理外す。しかしもうマネキンがこっちに来ていた。そして俺のバラを毟り取る。

(!?)

急に体に痛みが出てくる。バラが散ると痛みもこっちに返ってくるのか!?

痛みを抑え、花がボロボロになりながらも絵を担いで持っていく。

「ソウ!」

イヴの声が聞こえる。さっさと抜けないとな。

「これを此処に置いて…っ!?もう帰ってきたのか!?っ間に合え!」

俺は絵を踏みつけイヴの居る方向に走る。それに合わせマネキンがこっちに向かってくるが絵を踏みつけた直後破れ、下に落ちていった。

「ふぅ…何とか間に合った…死ぬかと思っ(ドサッ)…すまない」

イヴはソウに倒れこんでいた

「無茶しないで…また1人になるのは嫌…」

「…できる限り無茶はしないよ。でも早く出ないと精神が可笑しくなりそうなんだ」

「…分かってる。でもそれ以上に死んでは意味が無いんだよ?」

イヴはソウの胸に顔を埋め、抱きしめる。

「そうだな…少し休憩してから行くか。」

イヴは頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なによここ!入り口が開かないなんて!」

男は美術館に来ていたが閉じ込められてしまった。

「どこか出口は…あら?こんな道あったかしら?」

突如出現した謎の道。

「行くしかないわね…無事でいてよ!」

そういい、階段を走って降りていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、休憩したしそろそろ行くか!」

「そのバラ大丈夫なの…?」

「う…大丈夫だよ。こんな所で死にたくないし…ね。それにまだ迷いこんでる人いるかもしれないし…」

こうして10分程休憩して行動を開始した

「ここを開けてっと。よし!次に行こうか。」

次の部屋は色の間ではなく猫みたいな形をした部屋だった

「魚の形のくぼみ…か」

真ん中に魚を形とった穴があった

「イヴ、どっちからいく?」

「左…」

「わかった」

左の部屋には黒い棒人間がいて、拒否権無しにかくれんぼをしだした。面倒だ。

「手分けして探そうか。イヴはここを探して。俺は下の方探すから」

「…無茶しないでね?」

「分かっているよ」

そう言い黒い棒人間を探すことになった。

 

 

ソウ視点

「さて、探すとするか。まずは…ここから」

ボタンを押すとカーテンが開く。そこには音符のマークがあった。

(…特に害は無かったのか?)

次のボタンを押す。すると俺の倒れた絵が出てきた

(…不吉な絵を見てしまった……)

さっさと次のボタン押そう。もうあんなの見たくない。

ボタンを押した時イヴの声がした。鍵見つかったのか。

安心してほっとしていた。が突然切り裂かれたような感覚が襲う。

「え…何が………!!」

俺は押していたボタンの方向を見ると赤い牙のような物が出ていた。イヴは倒れる俺に気づき、走って駆け寄るがもう遅かった。

「ソウ!?」

イヴが俺を抱きかかえ泣いていたがそこで俺の意識は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イヴ視点

「ここ…かな?」

ボタンを押すと赤い手形の様な物が出てきたが特に何も無かった

「次…ここ」

ボタンを押すと棒人間が出てきた

[みつかった けいひん あげる]

そういうと上のほうから魚の頭の鍵があった

「やった…!」

あの人の役にたてた…イヴは鍵を見つけたことをソウに言う。

「見つけたよ!」

しかし返事も返ってこない。何か良くないことが…

イヴは青ざめてすぐにソウの所へ向かう。しかしもう遅かった。

ソウは倒れていた。

「ソウ!?」

イヴは抱きかかえてソウを呼ぶがぐったりと倒れてしまった。

どうしようどうしようどうしよう

イヴは中央の部屋までソウを運び寝かせた。イヴはかなり心配していた時

「……?」

ソウの持っていた小さいバッグから水の入ったペットボトルが出てきた

「!…これならバラを…!」

ソウには申し訳ないがペットボトルのふたを開け、そこに白いバラを入れる

水は半分位減ったがボロボロだったバラは元気を取り戻した。それと同時に

「う……ん?俺は何…を?」

倒れていたソウが起き上がった。イヴは嬉しくてソウを抱く。

「うぉっと…また心配かけたな…俺…迷惑だよな…」

「そんなことない…貴方がいないと私はこのまま死んでいたかもしれないから…」

「そうか…」

この感情は何だろう。胸からこみ上げているこの気持ちは…

イヴはこのよく分からない感情を胸にしまい、この大切な人を守っていきたいと思った

 


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