水音の乙女   作:RightWorld

166 / 193
外伝版の登場人物紹介を書くとか言っといてずっと放置していたのを、やっと作りました。




外伝版 登場人物紹介

 

☆☆ 第22航空隊 ☆☆

 

 水上機母艦で構成される第3航空戦隊(3航戦)の水上偵察ウィッチ隊。偵察だけでなく地上援護や制空戦闘も要求される航空戦隊なので、各艦隊の水上偵察ウィッチから選りすぐられた者が集められている。

 元ネタは特設水上機母艦『神川丸』の就役とともに編成された二十二航空隊。

 

〇卜部ともえ(うらべともえ)

 14才。階級は上等飛行兵曹。コールサインは「トビ」。使用機体は94式水偵脚。

 出身は下総。使い魔はホンドタヌキ。1924年早生まれで坂本美緒とは学年一つ上。

 身体成長が著しいこの頃、特に身長が伸び盛り。水偵ウィッチ隊の将来の担い手として期待の一人で本人もその気だが、頭がパーなのが心配。しかし勘は鋭く、特にこの頃確立された「推測救助法」では、勘ピュータ補正の入った彼女の要救助者発見率が最も高い。

 戦闘脚隊から移ってきた同室の勝田に、水偵隊の技の指導をしていたが、いささかやり過ぎた感があったらしい。

 天音の時代にはほぼあがりを迎えているが、427空隊長として活躍中。

 

〇勝田佳奈子(かつたかなこ)

 14才。階級は一等飛行兵曹。コールサインは「K2」。使用機体は95式水偵脚。

 出身は甲州。使い魔は甲斐犬。1924年生まれで坂本美緒と同い年。

 まだ十分な成長期に入らずちびっ子だが、軽さもあって身体能力に長ける。

 戦闘脚隊にいて「勝田サーカス」と異名が付くほどアクロバティックな飛行をやっていたが、とうとう墜落して負傷入院してたので昇進が遅れている。ウィッチになってから最初の生理が来たのは多分この時。戦闘脚隊を追い出されたが、戦闘センスを買われて水偵脚隊に拾われた。そんなわけで最下階級だが経験は豊富。戦闘脚使いらしく喧嘩に手を出すのは早い。

 卜部の個人指導の他、高橋中尉の技を吸収して、勝田サーカスはさらに進化中。

 天音の時代にはほぼあがりを迎えているが、427空でまだ活躍中。サーカスを卒業し、千里いわくその飛行は美しく一切の無駄がないと評価されている。

 

〇宗雪新葉(むねゆきわかば)

 24才。階級は中佐。22空司令。

 ウィッチの能力を失っても海軍に残り、水偵ウィッチ隊を育てた。水偵ウィッチが使う数々の技の基本を確立させた人。情に厚く穏やかながらも、締めるところはきちっと締める。

 元ネタは第二十二航空隊司令 宗雪新之助 中佐。

 

〇田山平和(たやまのどか)

 19才。階級は大尉。コールサインは「ウミワシ」。使用機体は94式水偵脚。

 22空隊長。名前とは裏腹に威厳ある声と態度で隊を纏める。この人も水偵ウィッチの技を確立させた一人。北郷少佐と江藤中佐が吹っ飛ばされた現場の目撃者で、第2戦隊にとっては痛い人物。

 元ネタは太平洋戦争時の九四式水偵隊である小松島空第一分隊長 山田平次郎 中尉。

 

〇高橋邦夜(たかはしくによ)

 18才。階級は中尉。コールサインは「カツオドリ」。使用機体は95式水偵脚。

 22空副隊長。制空担当でずば抜けた空戦技術を持っている。それもあって歴代の水偵隊制空担当にこのコールサインが引き継がれている。

 後に遣欧艦隊の水偵隊の一員として選ばれ、リバウ撤退戦にも95式水偵脚で参加し、ネウロイを1機撃墜している。

 元ネタは小松島空操縦士 高橋邦雄 飛長。

 

〇竹内慶子(たけうちけいこ)

 17才。階級は飛行兵曹長。コールサインは「ユリカモメ」。使用機体は94式水偵脚。

 長時間偵察に優れ、怪異の親玉『山』の監視員バックアップを務めた。飛行中は冷静沈着で、びしっとした指揮を執り、次期隊長候補と目されている。が、地上では一転優柔不断となりオロオロしている。

 元ネタは小松島空操縦士 竹井慶有 一飛曹。

 

〇奥田司(おくだつかさ)

 16才。階級は上等飛行兵曹。コールサインは「ウミガラス」。使用機体は95式水偵脚。

 22空制空担当の一人。中村とはよくペアを組む。

 元ネタは小松島空操縦士 奥田泰司 二飛曹。

 

〇中村清子(なかむらきよこ)

 15才。階級は上等飛行兵曹。コールサインは「ミヤコドリ」。使用機体は94式水偵脚。

 22空偵察員の一人。一人称が「あたい」で、少し男っぽい性格。

 後に高橋と共に遣欧艦隊の水偵隊の一員として選ばれ、欧州へ行っている。

 元ネタは小松島空操縦士 中村誠一 一飛曹。

 

〇中野双華(なかのふたか)

 13才。階級は一等飛行兵曹。コールサインは「アジサシ」。使用機体は95式水偵脚。

 実戦に参加してまだ半年の新人の制空担当。水偵隊の技をまだまだお勉強中。

 元ネタは小松島空操縦士 中野貞二 飛長。

 

〇矢内孝乃(やないたかの)

 12才。階級は一等飛行兵曹。コールサインは「ウミネコ」。使用機体は94式水偵脚。

 部隊最年少。実戦に参加してまだ半年の新人偵察員。こちらも水偵隊の技を一生懸命お勉強中。

 隼作戦支援では、負傷ウィッチを搬送中に、挺身隊もろとも『山』を砲撃する命を受けた第2戦隊を発見し、田山へ通報。それを北郷も受信して第2戦隊の居場所を知ることができ、別行動をとって止めに向った。

 天音の活躍する1946年時点でもまだ20才なのでぎりぎり現役。長距離を飛べる水上飛行艇脚隊の隊長をやっているらしい。

 元ネタは小松島空操縦士 矢内孝直 二飛曹。

 

〇ウミツバメ、シラサギ、ホシハジロ

 94式水偵脚使いの名もなき魔女たち。

 元ネタなし。

 

 

☆☆ ワールドウィッチーズ原作から ☆☆

 

〇坂本美緒、若本徹子、竹井醇子

 扶桑海事変の海軍の主役たち。後に欧州で知らぬものはない扶桑を代表するウィッチとなり、統合戦闘航空団や遣欧艦隊で活躍を続けている。天音の時代には、坂本さんはあがりを迎えてしまった模様。

 隼作戦では卜部、勝田ら22空から弾の補給を受けた。坂本は卜部が古式魔法で魔法力を充填した弾を貰っている。

 作戦後、北郷を救助できなかった水偵隊に殴り込みに行った事がきっかけで22空と打ち解けた。

 

〇加藤武子、加東圭子、穴吹智子

 扶桑海事変の陸軍側の主役たち。後にカールスラント、アフリカ、スオムスで偉大な活躍をしている。天音の時代には、穴吹さんはあがりを迎えてしまった模様。

 隼作戦では穴吹が最後の負傷者撤退を手伝いに来た22空を、フジヒガシ達のいる集結点まで案内している。

 

〇北郷章香少佐、江藤敏子中佐

 扶桑海事変の挺身隊海軍、陸軍ウィッチたちの元締め。第2戦隊を止めに向かい、試製砲弾を撃たれて吹っ飛ばされている。事変後は北郷は中佐へ、江藤は喫茶店へ転職とのこと。

 22空の田山大尉、宗雪司令辺りとは年代階級も近く顔見知りらしい。江藤にはシールドの使い方を教わりに行き、そのおかげで魔法障壁着水法を完成させることができた。

 

〇犬房由乃

 陸軍の陸戦ウィッチ。後に航空ウィッチに転向し、505JFWミラージュウィッチーズの一員として活躍する。

 隼作戦後、坂本、竹井が水偵隊に殴り込みに行った若本を止めに行くのについて行き、若本らと22空が打ち解けるのに一役買っている。大陸領での航空ウィッチの活躍と、この時の航空ウィッチとの交流が、航空ウィッチへ転向するきっかけになった、というのが本作での設定。

 

 

☆☆ その他 ☆☆

 

〇第3航空戦隊(3航戦)

 ブレイブウィッチーズ結成の時代では、孝美お姉ちゃんの所属する空母機動部隊になっているが、扶桑海事変の頃は水上機母艦で構成されていた。大陸領沿岸部の防衛を担当する第3艦隊の航空戦力で、給油艦改造の『神威』『野登呂』、徴用貨物船改装の特設水上機母艦『香久丸』『神川丸』といった艦が所属していた。隼作戦当時は『神川丸』が第3艦隊直属で外れていた。

 怪異の攻勢が激化して扶桑海の方へ後退してくると、偵察だけでなく、敵の後方集積地や補給線への攻撃、陸上部隊への直接支援を実施。浦塩陥落後は『山』の偵察監視、隼作戦では挺身隊の後方支援を行った。

 元ネタは史実における日中戦争(当時の日本名支那事変)当時の第三航空戦隊。事変の勃発に伴い編成され、第三艦隊に所属。水上機母艦3隻編成で、所属した艦は入れ替わり含め『神威』『野登呂』『香久丸』『神川丸』。

 

〇特設水上機母艦『香久丸』

 22空を運用する3航戦の水上機母艦。

 1937年8月に海軍に徴用され改装された。扶桑海軍4番目にして、特設艦船としては初の水上機母艦。採用理由は、高速貨物船であることの他、平甲板型であったこと(航空機運用上この船形が最適だった)。これは『神川丸』も同様で、『香久丸』、『神川丸』の改装方法は後に続く特設水上機母艦の基本となった。

 

〇特設水上機母艦『神川丸』

 1937年9月に徴用され改装された。3航戦の主力として大陸領沿海州で、偵察、哨戒、地上爆撃の他、包囲された部隊の救出などで大活躍をした。水上機母艦は航空機発展途上のこの頃、航空母艦に劣らない戦力だった。

 隼作戦支援当時は第3艦隊付きの航空機運搬艦になっていたが、水偵ウィッチ支援のため前線のかなり近くまで出てきて、卜部や勝田が運ぶ負傷者の受け入れをした。

 副長は後の艦長となる有間。また天音の専属整備員ともいうべき一宮2等整備兵のお父さんが整備班長として登場している。

 

栗田(くんだ)水上機基地

 舞鶴の海軍水上機基地。3航戦が扶桑海で作戦するため舞鶴に進出した時、水上機母艦搭載の22空は、寄港中に使う基地としてここを指定されていた。長期の作戦となったので、基地の一角の畑で夏はスイカを育てていた。詳しい場所は外伝7話で紹介した通り。

 元ネタは旧日本海軍 舞鶴海軍航空隊水上偵察機用基地。場所も小説内で紹介した通りで、2020年時点で基地の跡地は京都府立海洋高校の敷地になっている。隣接する港に、文中にも登場する水上機を引き揚げるスロープが現在も残っている。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。