水音の乙女   作:RightWorld

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第6話「ある魔女達の話」

 ウミワシはウミネコが戦艦を目撃したグリッドE17へ向け急行した。近付くと、ノイズの奥に近距離通話用の無線電話を傍受した。

 

≪もう一度申し上げる。当海域より即刻の退去をお願いしたい!≫

≪同じだ! 北郷少佐。いくら貴官の申し出とはいえ、軍人たるもの命令は絶対だ!≫

 

「この会話! 艦隊と北郷少佐の声だ。やはり、艦隊はその目的で……」

 

 さらに別の声が入った。

 

≪聞け! 海坊主共! 私は扶桑陸軍中佐の江藤敏子だ! 貴様らがどう思っているかは知らないが、挺身作戦はまだ終わったわけじゃない!! だがどうしても皇女殿下、ひいては陛下のご威光に泥をぬりたくるつもりなら……≫

 

 江藤中佐が陛下をも出して、やれるもんならやってみろと脅迫じみた説得をする。だがそれでも艦隊は応じる気配を見せなかった。

 

「そこまでして第2戦隊は砲撃をする気なのか。北郷少佐、江藤中佐、待ってろ!」

 

 程なく雨の中に艦隊を発見した。

 

「砲塔は、どうなっている?!」

 

 大人しく定位置にあることを望んだ。だが雨でかすれる中に、ぼんやりと最大仰角を掲げた砲身が見えた。

 

 本気だ!

 田山の血の気が音を立てて地へ向け落ちた刹那、

 

 ドゴーン!!

 

「撃ちやがった!」

 

 砲弾の飛翔する先にウィッチのシールドが展開するのが見えた。幾重にも重なったようなシールドは、田山や高橋も教わりに行った魔法障壁制御の天才、江藤中佐のものだ。

 

「こちら22空飛行隊長ウミワシ、田山大尉だ! 第2戦隊へ、何をしている! 射線真正面にウィッチがいるぞ!」

 

 

 

 

 戦艦紀伊の艦橋では田山の通信が伝えられ、大騒ぎになった。

 

「22空だと?! なぜこの場に!」

 

 暴風の空に、大音響と真っ赤な火の玉があがった。対空榴散弾が破裂したのだ。

 

≪ウィッチに向かって撃つとは何事か!≫

 

「ウ、ウィッチが飛来しているなどという情報は来てなかった! 貴官はなぜここにいる!」

 

≪直前の通話も傍受していたぞ! いることが分かった上で撃ったな?!≫

 

「田山大尉。戦隊司令だ。今のは誤射である。発砲待ての命令を早まった砲員が発射してしまったのだ」

 

 

 

 

「何を白々しいことを言ってやがる! 砲は方位盤に従って動き、発砲の電撃回路は砲術長の手にあるだろうが!」

 

 

 

 

 その時、艦隊外周を守っていた駆逐艦初霜の見張りが叫んだ。

 

「10時方向、中型怪異!」

「何?!」

 

 怪異は、榴散弾が炸裂してまだ花火の残像のように燃える黄燐・マグネシウムの明かりへ向け真っ直ぐ向かってきた。

 

「はぐれネウロイか?!」

「榴散弾の炸裂の灯りに引き寄せられたみたいだ」

 

 シュワシュワとマグネシウムが燃える明かりのところを旋回していたが、燃え尽きると向きを変えた。

 

「怪異、こちらに向かってきます!」」

「対空戦闘ー!」

 

 艦隊に対空戦闘を告げるラッパが次々と鳴り響く。が、颱風の中を航行中であり、また戦艦も主砲戦の配置だったので、甲板上に人は出ておらず、また怪異が上空に現れるなども想定してなかったので、高角砲や機銃への兵員配置は遅れに遅れた。

 中型怪異が大口径の機銃を撃ちながら初霜の上を横切る。艦体中央部に機銃弾が次々に命中し、第1煙突がボロボロに崩れ落ちた。2番魚雷発射管にも命中し火災が発生する。ネウロイとの水上戦闘は想定されなかったので、幸い魚雷は装填されておらず、魚雷誘爆は免れたが、機銃座や探照灯、マスト、通信アンテナなどへの被害は甚大だった。

 

 怪異はなおも前進し、戦艦隊へと向かう。戦艦列の先頭を行く紀伊が狙われた。

 

「怪異こちらに向かってきます!」

 

怪異の下面の扉が開くと、そこから爆弾が投下された。

 

「敵、爆弾投下!」

「回避ー!」

「面舵一杯!」

 

 紀伊の左舷にドドッと巨大な水柱が立ち上がる。巨大な戦艦が煽られて右に傾いた。

 

「左舷、至近弾!」

「被害報告!」

「対空砲火、まだ撃てないか?!」

 

 大慌ての艦橋から荒天の空をゆっくりと旋回してくる怪異が見えた。

 

 

 

 

 一方、田山大尉もない時間の中で何をすべきか決断を迫られていた。

 

 味方ウィッチを巨大な主砲で撃った戦艦だからといって、怪異にやられるのを放っておいてよい訳はない。撃たれたウィッチの捜索もしたいが、飛び回る怪異も危険だし、回避で動き回る艦隊も危険だ。とすれば怪異をどうにかするのが先である。

 田山大尉の94式水偵は戦闘脚ではないし、救難装備を優先しているので携行武器も口径の小さい機関銃のみである。中型怪異どころか、小型でも手に余る。だが戦艦の弾幕になんとか誘い込めれば……。

 しかし対空砲火はいまだ上がってこない。それは対空戦闘の準備をしてなかったからに違いない。準備が整い弾幕を形成できるほどになるまではまだ時間がかかりそうだ。

 そこで田山は閃いた。戦艦隊はあの特殊榴散弾での砲撃準備をしていたはず。紀伊はぶっ放したが……

 

「こちら22空、ウミワシ。二番艦尾張へ。主砲に特殊砲弾の準備できているか?」

 

≪……こちら尾張。装填終わっている≫

 

こいつら、と思ったが、今はそうでなければならない。

 

「怪異を尾張の右舷側に誘導する。その砲弾で射撃してくれ」

 

≪! ……貴官の申し出に感謝する! 全力を尽くす≫

 

 中型怪異は小型と違ってそれほど機敏には動かない。それに今は低空で水平爆撃する陸攻よりゆっくりと飛んでいる。あれなら戦艦の主砲の射界に誘い込めば特殊榴散弾で狙える。田山大尉は再び紀伊に向かおうとしている怪異の前へ飛び出た。

 

「貴様の相手はこっちだ!」

 

 機銃を放つ。小口径弾は怪異の表面で弾け殆ど損害は与えられない。しかし紀伊はまだ対空砲を撃ち上げておらず、また田山の撃った弾は魔法力を帯びているので、怪異にとっては田山の方が驚異と見て取れた。向きを変えると田山を追ってきた。

 

「食いついた! 尾張、これより右舷方向に怪異を誘導する。距離2000m付近!」

 

≪尾張了解。準備して待つ!≫

 

「さて、あとは撃ち落とされずにあそこまで行けるかだ!」

 

 怪異から激しい銃撃が田山に向かって飛んできた。中型だけあって物凄い火線だ。94式水偵は速力も機動性もなく、シールドもまるで弱い。通常の空戦なら間違いなくお陀仏だが、尾張の射線に連れ込むまでなら望みはあるかもしれない。しかし中型怪異の方が速力が速く、距離が詰まってきた。

 

 

 

 

「艦長、まずいです。ウィッチが怪異に追いつかれます。これで試製対空弾を撃ったらウィッチも散弾の散布界に入ってしまいます」

「何だと。もっと速度を上げさせろ!」

「ウミワシ、こちら尾張。速度を上げて怪異との距離を取れ! その距離では散弾の散布界にウミワシも入ってしまう!」

 

≪こちらウミワシ。構わず撃て! こちらの速度は限界だ。1分も避けてられない。どのみち怪異を撃ち落とせなければ撃墜される身だ、撃ってくれ!≫

 

 尾張の艦長は拳を握りしめた。

 

「解った。武運を祈る。砲術長、怪異捉えているか!」

「はっ! まもなく射界内に入ります!」

「宜しい! 彼女のためにも怪異だけを見て撃て!」

「ようそろ! 信管作動地点、距離1800m、仰角プラス1.5度修正!」

「攻撃開始!」

 

 測距儀を覗いている砲術長が主砲のトリガーに指を掛ける。タイミングを見計らうその指を汗がひとしずく流れた。

 

「テーーッ!」

 

 砲術長がトリガーを引くと、右舷を向いていた5基の主砲が一斉に火を噴いた。

 

 

 

ドゴッ!!

 

 

 

 発砲炎を見た田山は思いっきり身体を捻り、海面へ向け急降下した。怪異は直進したまま機銃だけが田山を追う。

 直後、怪異の真横でバァーンと10発の空中爆発が起こった。爆発点から無数の筋が傘のように開いて飛び、一帯の空間に網が張られたようになった。網に絡み取られるようになった中型怪異の表面で次々と爆発が起こる。発火した焼夷弾子が怪異の表面を貫いて中をえぐっていく。その中のいくつかが怪異の内部に抱え込まれていた爆弾を焼き、怪異は内側から大爆発した。

 

 

 

 

「うおおおー!」

「やった!」

「撃墜したぞ!!」

 

 猛烈な爆風で一瞬雨が止んだほどだ。尾張だけでなく、紀伊や他の護衛艦たちも沸き返った。

 

「田山大尉は?!」

 

 喜びも束の間、尾張の艦橋は怪異を引き付けた田山の安否確認をすぐさま指示した。

 

「全見張り、空中、海上捜索!」

「対空火器員もウィッチの捜索をせよ!」

 

 まだ燃えきらぬ焼夷弾子と怪異の燃えカスが落下する中、尾張の上甲板より上にいる者全員が双眼鏡、あるいは眼を皿のようにして落下物の中から田山を探した。

 

 

 

 

 一方、戦艦紀伊の艦橋には、尾張からの怪異撃墜の報告と共に、自らの撃った砲撃の結果が陸軍のウィッチ福原少尉から入ってきた。

 

≪第2戦隊司令部、こちら飛行第2戦隊、福原。特殊榴散弾は全弾着弾前に撃ち落とされました。挺身隊が榴散弾の爆発を利用し、『山』に突入しています≫

 

「おのれ、魔女共め!」

「我々の砲撃が、手助けをしてるというのか!」

「司令、これではウィッチ共に戦果を……」

 

 そこへ護衛部隊からの通信が飛び込んできた。

 

「駆逐艦吹雪より入電! 駆逐隊列のそばに黒煙を噴いてウィッチが墜落したとの事です。これより救助に向かう!」

「吹雪だと? 左の護衛隊列のか! そんな方まで飛ばされたのか!」

 

 荒海の中、紀伊の左側を護衛する駆逐艦が一斉に動き出した。

 

「駆逐隊の隊列が……」

 

 そう、戦艦の護衛を勝手に解いて、ウィッチの救援に向かったのだ。

 その時、艦橋の窓ガラスがガタガタと揺れ始めた。

 

「なんだ? 地震?」

「まさか。ここは海上だぞ」

 

 次の瞬間、空気の塊に艦隊は殴られた。窓や装甲に何かが当たったかのように、ドンッと衝撃があり、重い戦艦が一瞬持ち上がったようになった。

 

「何事だ!」

 

 風を横から食らった駆逐艦が転覆しそうなほどに傾いている。

 

「各部被害を確認せよ!」

「上甲板で機銃員が数名吹き飛ばされました!」

「落水者はいないか?! 確認急げ!」

 

 見張りの一人が空を指さして叫んだ。

 

「雲が、吹き飛ばされてます!」

 

 艦橋の者全員が空を見た。

 あの颱風の分厚い雨雲が、ブルドーザーで押し出されるように物凄い勢いで吹っ飛んでいく。何が起こったのか、皆が言葉を失っていると、通信が入った。

 

≪こちら挺身隊、加藤武子少尉。『山』の(コア)破壊に成功した。直後、『山』は爆発。全ての小型怪異と共に消滅した。現在残党がいないか確認中≫

 

 艦隊を襲った衝撃は、『山』が爆発したことによるものだったのだ。恐ろしいことに、『山』は颱風の中心で爆発したため、周囲の積乱雲と低気圧帯をきれいに吹き飛ばしてしまい、一瞬にして台風は消滅して、青空が広がったのだ。

 挺身隊からの通信と、あまりにも桁外れな事象を目の当たりにして、戦隊司令も、いきり立っていた肩をなでおろした。

 

「最初から堂々と、この艦隊と新型砲弾を以って、今のような援護砲撃を作戦に組み入れていればよかったのだ。所詮は上の功名心にかられた行動だったということか。故に、結果として我々は砲撃した事実を公に言える状況ではなくなってしまった」

 

 ウィッチなしで戦艦部隊によって怪異を葬り、その力を全軍に誇示し、ウィッチ無能論を推し進めるはずだったのだ。だが、これではウィッチに向けて砲撃したという事実だけが重い負い目となって残る事になってしまった。ウィッチの作戦に許可を出し後押しした皇女殿下に知れたらどうなることか。参謀達もその考えに及び、青ざめていた。

 

「まずは救助活動に全力を入れろ! 海上に落下した兵がいないか。墜落した田山大尉は見失ってないか? ……そして北郷少佐、江藤中佐の捜索だ」

「はっ!」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 そんな負い目があった為か、救助活動は第2戦隊単独で行っていたが、挺身隊の帰投に合わせ、第2戦隊の方へ田山大尉の様子をうかがいにやってきた高橋中尉が、第2戦隊で起きた状況を見て憤激した。

 

「ウミワシが撃墜されただと?!」

 

≪はぐれ怪異を誘導して、主砲弾の爆発に巻き込まれたのだ。だが田山大尉はそれでも撃てと言ったのだ≫

 

 高橋は田山が収容されたという巡洋艦熊野のそばの、まだ荒れまくっている海に着水し、熊野へクレーンで引き上げられると、田山のベッドへと走った。

 

「ウミワシ!」

 

 包帯をぐるぐる巻にした隙間から煤けた顔を覗かせた田山が、弱弱しく反応した。

 

「……カツオドリか。挺身隊の支援はいいのか?」

「挺身隊は勝鬨を上げて引き上げた。負傷者も自分達で運んでいる」

「北郷少佐と江藤中佐は見つかったか?」

「まだ、捜索中のようだ」

「そうか。私はいい。22空を動員して捜索に加われ。爆風を食らうと思いの外遠くへ飛ばされる。日没までに見つけないと助かるものも助からんぞ」

「……分かってると思うが、皆魔法力は殆ど残ってないぞ」

「それでも、やるんだ。第2戦隊司令部と、そこへ命令した奴がやった事の証人でもある。特に陸軍に向けて撃ったとなれば……。何としても助けないと」

「……分かった」

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 高橋中尉は直ちに22空に招集をかけた。

 高橋の連絡を受けた卜部も怒り心頭だった。神川丸の控室でおはぎを食べていた勝田を蹴り飛ばして、ただちに発艦し、第2戦隊のところへ向かった。

 

 北郷・江藤の二人は砲弾の1発を破壊、それによって2発の砲弾が誘爆している。田山大尉が至近での榴散弾の爆発により、外周の護衛艦の列まで飛ばされたように、二人はそれこそどこまで飛ばされたのか、そもそも体が残っているのかも分からない状況だった。

 

 挺身隊とその負傷者を乗せた第1航空戦隊の空母赤城は舞鶴へ引き上げたが、第2航空戦隊の空母龍驤と第30駆逐隊は残り、北郷達の捜索に参加した。

 『山』との決戦で魔法力を使い果たしたものの、師匠である北郷がまだ行方不明ということで坂本と若本は龍驤に移り、艦上からの捜索に参加した。

 

 挺身隊支援に引き続き、ほぼ休みなく捜索活動を続ける22空だったが、次第に疲労、魔法力の枯渇が顕著となった。

 まず、夜間から『山』への接触偵察をやっていたユリカモメこと竹内飛曹長が最初にダウンした。続いて空戦もやって挺身隊のそばに一番長く付き添っていたカツオドリこと高橋中尉が飛べなくなった。救助者を後方へ搬送し、母艦に戻ったウミガラスこと奥田上飛曹、ミヤコドリこと中村上飛曹、ウミネコこと矢内一飛曹、アジサシこと中野一飛曹、そしてトビこと卜部上飛曹と、K2こと勝田一飛曹は少し魔法力が回復していたが、一休み程度でしかなかったので、夕方を待たずして皆飛べなくなった。

 

 

 日没を前に、魔法力枯渇で22空が次々と捜索を中止して母艦へ戻ってくるのを見て、龍驤の飛行甲板に駆け上がった若本は、22空のウィッチ達にインカムで怒鳴りつけた。

 

「お前ら近くにいたんだろ! 自分達の隊長は助けたのに、なんで北郷先生は諦めんだ!」

「徹子、やめなよ! 彼女らだって私達と一緒に、いやもっと前から飛んでるんだ。颱風の中、私らの下にずっといたじゃないか! それもただ飛んでたわけじゃないのは分かってるよね!」

「そうだけど、そうだけどよ。江藤中佐は救助されてるじゃんか!」

 

 そうなのだ。陸軍の江藤中佐は少し前に発見されたのだ。

 

 その後も水上艦は夜を徹して捜索を続け、夜が明けると再び22空が空から飛んで捜索範囲を広げていった。

 しかし、北郷少佐は見つからなかった。

 

 

 

 

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結局、北郷少佐が発見されたのは行方不明になってから3日後だった。先に第2航空戦隊と共に帰投していた若本と坂本は、北郷少佐が救助され、奇跡的に生きていたと聞いて、二人は抱き合って泣いた。だが発見したのが、仇ともいえる第2戦隊の艦だったと聞くと、再び怒りがこみ上げてきた。

 

「水偵ウィッチの野郎どもの役立たず!」

 

 さらに救助された北郷少佐は意識不明で衰弱も激しく、面会も叶わぬとなって、若本の行き場のない怒りが爆発した。

 

 

 

 

「徹子ちゃん、竹刀持ってどこ行くの? まだ魔法力ちゃんと回復してないでしょ。稽古はしばらくいいって言われてるのに……」

 

 廊下で見かけた竹井に声を掛けられたが、若本は鬼のような形相で「出掛けてくる」とだけ言って官舎を出ていった。ただならぬ雰囲気に、竹井は坂本のところへ駆け付けた。

 

「美緒ちゃん! 徹子ちゃんが!」

 

 竹井の話を聞いた坂本はもしやと思った。基地の監視塔に駆け上ると、眼帯をめくって魔眼で周辺を、特に西へ向かう道路を追っていく。竹井は見張りから双眼鏡を借りて探した。はたして、竹刀を素振りしながら走る若本を発見した。

 

「いた! やっぱり徹子は殴り込みに行く気だ」

「ええ?!」

「醇子、止めに行くぞ!」

 

 

 





RtBとうとう始まりました! 公式でもとうとう海にネウロイが? ベルリンへ向かう話だから海上戦闘が出てくるとは思いもしませんでした。どんなネウロイなんでしょう。
ちなみに水音の乙女は海のネウロイとの戦いが中心ですが、表面1枚に耐水性を持っているだけで根本的には水に弱いままの設定です。
二次小説も作品が増えて賑やかですね。

さて外伝の方です。
『山』との戦いに挺身隊が勝利するのは原作にお任せ。水偵隊はそれに直接関わることはないので書く必要はありません。となると、やはり第2戦隊と、それを止めに行った北郷少佐、江藤中佐をどうしたかという方へ想像が向くでしょう。
原作零で描かれているのは、数発の砲弾を阻止し、北郷さんが発見されるのは3日後で、艦艇に救助されるということ。つまり水偵隊は救えないという事です。しかし話を盛ってみても救う余力はなかったという方に矛盾はありません。
そしてそれは、徹子が怒るだろうなあと思うわけです。
次回、最終回です。


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