正義の魔王 [改稿版]   作:しらこつの

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第16話 沙耶宮 馨

Side 馨

 

私には弟の様に可愛がっていた男の子がいる。

その子と知り合ったのは私の通っている道場・・・彼は先生のお孫さんだった。

 

私自身、始めは彼の事を気にしていなかった。

あの頃は暗い男の子が居る・・・としか思っていなかったからだ。

彼が道場に通い始めて数日が経った頃・・・。

 

私は先生と僕をこの道場に入門させた張本人・・・御爺様が話している事を偶然聞いてしまった。

それはいつも1人で道場の隅に居る先生のお孫さんの事だった。

彼が暗い理由・・・それは先日ご両親を亡くされたから・・・。

当時の私は両親が亡くなっている事を想像できなかったが、悲しく辛い事だと言うのは分かった。

動揺した私は先生達に見つかり、1つの頼まれ事をした。

 

 

 

その内容は、彼の面倒を見てやって欲しい・・・という事だった。

 

 

 

それが彼との関係の始まり・・・。

 

 

 

彼の境遇を聞いていた私は一種の正義感に駆られ、二つ返事で頷いた。

その日から稽古をしている時以外は道場の隅っこで蹲っている彼に声を掛ける様になった。

最初は全然反応が無かった。

けれど、稽古の時にも話し掛けたり、休憩時間にずっと傍に居たり、道場の無い日にも遊びに行ったり・・・。

そうした日々を過ごす内に、彼は次第に元気を取り戻して行った。

 

彼が年頃の子供と変わらない位明るくなった頃、私は彼にお姉ちゃんと呼ばれる様になった。

まぁ、最初は私の事を男の子だと思っていたらしいけど・・・着替えを見られた時は正直驚いた。

彼は私が道場に居る時はいつも近くで笑顔を振り撒き、後を付いて来る。

何だか本当の弟の様に思えて来て、より一層彼の事を可愛がる様になった。

 

1年も経てば武術も魔力のコントロールも凄まじい速さで上達し、あっという間に私を追い抜いて行った。

今では長く道場に通っている大人達よりもキレのある動きをする様になっていた。

 

やはり先生のお孫さん・・・才能だろう。

 

姉として悔しい気持ちもあったが・・・それよりも彼の成長が誇らしかった。

そしていつの間にか彼の繰り出す技の一つ一つに見惚れる様になっていた。

繊細であり、尚且つ力強い。

真剣な表情の中に僅かに見える純粋な楽しむ気持ち。

そんな彼に見惚れ、私は初めて弟と思っていた彼を『男の子』として意識してしまった。

 

 

 

それからの私はこの気持ちを彼に悟られない様にいつも通りに振る舞った。

笑顔を向けられる度に高鳴る鼓動・・・私はいつまでも彼と一緒に居たかった。

 

・・・でもそれは無理な話だった。

 

私は『沙耶宮家』の一人娘であり、『媛巫女』でもある。

沙耶宮家の長女として・・・そして媛巫女として、その職務を全うする為の修業をしなくてはならない。

小さい頃から言われ続けていた事だから・・・いつかは彼と離れ離れになる事は分かっていた。

それでも彼と離れたくない気持ちでいっぱいになり、1人で涙を流す事もあった。

 

そんなある日、部屋で泣いている所をお爺様に見られてしまった事があった。

殆ど人前で泣く事の無かった私を見たお爺様は、優しく抱きしめながら泣いている訳を聞いて来た。

お爺様の優しさと暖かさに私は堪え切れず全て話していた。

 

 

 

・・・怒られると思った。

沙耶宮家としての誇りを持てと言われて育って来たから・・・。

 

 

 

しかしお爺さまは優しく笑いながら「彼の事が好きか?」と聞いてきた。

私は思わず「離れたくない」と答えていた。

そしたらお爺様は「わしに任せておけ」と言って私の頭を優しく撫でてくれた。

これがどういう意味だったのか知ったのは、修業から帰ってきて暫くしてからだった。

 

 

 

何年か経ち、等々道場を辞め、本格的に媛巫女としての修業に入る事になった。

私は彼に近い内に道場を辞める事を告げると彼は最初何を言っているのか分からなかったのだろう。

しかし次第に言葉の意味が理解できて来たのか、涙を流しながら私に詰め寄って来た。

「何で?」「どうして?」と騒ぎ始めた彼。

それに気付いた大人達が彼を落ち着かせようとしたが・・・彼が止まる事は無かった。

私も必死に説得しようとしたが、癇癪を起こして暴れ始めた彼に私の声は届かなかった。

最後は騒ぎを聞きつけた先生が彼の意識を奪って事無きを得た。

 

 

 

・・・それから彼が道場に顔を出す事は無かった。

先生から以前の様に塞ぎ込んでしまっている・・・と言われた。

 

 

 

私が道場に来る最終日。

お爺様と共に最後の挨拶に来ていたが・・・そこに彼の姿は無かった。

 

・・・最後に少しでも彼の姿が見たかったな。

 

そう思いながら先生達の話を傍で聞いていた時だった。

「馨お姉ちゃん!!」と毎日の様に聞いていた声に思わずそちらに顔を向けた。

そこには目を赤く腫らし、涙が零れそうになりながらも、必死に笑顔を作っている大好きな少年の姿があった。

彼は私の前に立つと今まで見た事の無い程真剣な表情で僕に宣言した。

 

「馨お姉ちゃん・・・僕、強くなるよ。

 馨お姉ちゃんを心配させない位・・・馨お姉ちゃんを守れる位・・・強く。」

 

少年の真剣な表情に・・・真っ直ぐな瞳に・・・想いの籠った強い覚悟に・・・。

私は胸の高鳴りを押さえる事が出来なかった。

 

「そうか・・・ならその時は頼りにさせてもらおうかな。」

 

私は今にも抱き締めて自分の思いを零してしまいそうになるのを必死に飲み込む。

そして精一杯の笑顔と共に彼と別れた。

 

私が道場に来る事はもう無いだろう。

『媛巫女』としての修業が終われば、次は『沙耶宮家』として学ばなければならない事が沢山ある。

ここの通っている暇はない。

 

 

 

彼は私の事を覚えていてくれるだろうか・・・私は彼の事をずっと忘れないだろうな。

 

 

 

彼との別れから数年・・・私は正式な媛巫女となり正史編纂委員会・東京分室・室長という肩書を得た。

その忙しい日々の中でも彼の事を忘れる事はなかった。

まぁ、女子高に通っていた事もあって、男との出会いが無かった事もあるが・・・。

代わりに女の子からデートの誘いを受ける事が増えた。

自分で言うのも何だが、僕は中性的な容姿をしているからな・・・・。

彼女達を喜ばせる為、男の様に対応していたら癖になってしまった。

 

 

 

僕が高校3年になった頃。

仕事に余裕が出来たので久し振りに彼に会いに行こうとした時があった。

 

・・・しかしそんな時に限って厄介事が舞い込んできた・・・それも特大の。

 

この日本に初めての『神殺し』が生まれたのだ。

その人物は至って普通の一般家系の出・・・名前を『草薙護堂』という高校生になったばかりの少年。

彼自身はとても好印象を与える人柄だが、その戦闘による被害は相当な物だった。

 

 

 

彼の出現によりその対応に追われ瞬く間に忙しくなり、僕は彼に振り回される事になった。

 

 

 

大学進学も決まり『最後の王』との戦いもひと段落ついた頃、先生が亡くなったという話を聞いた。

葬式も全て終わって後に御爺様から話を聞いた為、彼に何もしてあげる事が出来なかった。

 

本当であればすぐにでも駆け付けて支えてあげたい。

 

しかし・・・僕が彼を最後に会ったもう何年も前の事だ。

彼も僕の事を忘れているかと思うと・・・会いに行く事が出来なかった。

せめてもと思い、何かあれば力になると言う手紙だけは出して置いた。

 

大学入学も近付いて来た3月の終わり。

イタリアでまつろわぬ神が顕現され、その神を地元の結社が『封印した』と言う報告が入った。

・・・何やら胡散臭い話だった。

案の定、後日の調査で封印式は見せ掛け、其処には何も封印された形跡がなかった事が分かった。

 

そしてその封印を行ったとされる結社の名は、あの有名な『赤銅黒十字』。

そこの騎士エリカ・ブランデッリが日本の王である草薙護堂の学校に留学して来たと言う報告が上がって来た。

 

 

何やらきな臭い事になってきた。

何か面倒事が起こりそうな予感がする。

 

 

そんな僕の予感は見事に的中した。

エリカ・ブランデッリ来日から数日後・・・護堂さんが祐理達を連れて僕の下にやって来た。

用件はエリカ・ブランデッリの調査。

 

「彼女の事ならリリアナさんの方が詳しいんじゃないのかな?」

「勿論私の方でも調査はしている。

 私が聞きたいのは彼奴の婚約者だと言う・・・『神藤 昴』に付いてだ。」

 

彼女の言葉に僕の思考は思わず止まってしまった。

・・・こ、婚約者だって・・・彼女と彼が?・・・いったいどういう事だ!?

思った様に考えが纏まらない僕に気付く事無く、リリアナさんの話は続いて行く。

 

「彼奴の動きは素人の物では無かった。

 沙耶宮 馨には彼の事に付いて調べて欲しいと頼みに来たのだ。」

 

反応の無い僕に不審に思ったのか、護堂さん達に大声を掛けられた事により、我に返る。

話を聞いていなかった事を詫びてもう一度同じ事を話して貰い、一旦頭の中で整理してから口を開く。

・・・彼等に余計な情報を与えない様に気を付けながら・・・。

 

「彼の事なら、良く知ってるよ。」

「本当か!!」

「彼の家は古武術の道場をしていてね。

 僕は姫巫女の修行に入る前にそこに通っていた事があるんだ。」

「・・・じゃあ、リリアナの予想通り武術家だったって事か。」

「エリカとの・・・赤銅黒十字との繋がりがあったか分かるか?」

「いや、そこまでは・・・。

 でも、先生の交友関係は広かったから・・・もしあったとしても不思議はないよ。」

 

その日は彼の事をある程度知る事が出来たと、満足して彼等は帰って行った。

数日の間、彼は護堂さん達から警戒されるとは思うけど・・・今は仕方がない。

僕も独自で彼と・・・そして彼とエリカ・ブランデッリとの関係を洗わなければ・・・。

 

 

 

わかった事は彼女の留学して来た理由が婚約した彼の傍に居たかったから・・・。

その彼女だが、日本では彼の家に一緒に住んでいるらしい・・・何と羨ましい事だ。

そして日本の呪術界について日夜調べて回っているみたいだ。

折角日本に来たのだから、情報収集に余念がないのだろう。

 

 

最後にもう1つ・・・イタリアにまつろわぬ神が顕現していた時、彼がイタリアに旅行していた事が分かった。

 

 

この時から僕は予感がしていたんだと思う・・・彼が・・・。

 

 

5月に差し掛かろうとしていた頃、僕の所に一本の連絡が入った・・・彼からだった。

その時は所要で僕自身が出られなかったが、何でも相談したい事があるらしい。

折角彼に会える機会が巡って来たのだ・・・何とかスケジュールを調整し、彼と会う時間を作る事に成功した。

 

 

そして今日・・・既に指定されたカフェは見えている。

無意識に速度が速まるが、僕自身気付く事は無い。

店の前に辿り着き息を整え、意を決して店内に入る。

 

中に入り周囲を見渡すとそこには、嬉しさを顔に滲ませた夢にまで見た大好きな少年の姿があった。

僕もゆっくりとした足取りで彼の下に向かう。

 

「馨・・お姉ちゃん・・・だよね?」

「僕の事をまだ『お姉ちゃん』と呼んでくれるのか・・・久し振りだね、昴君。」

 

僕は漸く愛しの彼・・・『神藤 昴』との再会を果たした。

 

 

 

 

 

其処で聞いた話に僕は驚愕すると共に、予想していた分余裕もあった。

 

・・・それにしても神殺しとは。

あれから努力を惜しまず才能を磨き続ければ・・・神殺しに至る・・・か。

 

話によれば、彼女を守る為に神に挑んだと聞いた。

あの頃と変わらず、優しく、真っ直ぐに育った事が僕は嬉しかった。

 

 

彼のご両親の話など初めて聞く話に驚いたりしたが、彼等の頼みというのもある程度予想できた。

恐らく昴君の頼みというのは、日本で活動する基盤作りを手伝ってくれ・・・と言った所か。

予想通りの頼み事に思わず苦笑いを零す。

 

・・・僕の立場と護堂さん達との繋がりを知っても尚、僕に頼むのか。

まぁ、僕の心はあの時から既に決まっているけどね。

 

僕は目の前で頭を下げている2人を席に座らせる。

一応確認に神殺しとなった昴君の力を見せて貰うと、改めて口を開いた。

 

「昴君が神殺しか・・・・1年前ならすぐに協力体制を作る事が出来ただろうけど・・・今はね。」

「やはり難しいかしら?」

「難しいね・・・僕達はすでに何度も護堂さんには助けて貰っている。

 正史編纂委員会としてもここで鞍替え何て怖くてとてもじゃ無いけど出来ないね。」

「・・・やっぱり無理だよね。」

 

落ち込んでしまう彼を慰めたいとは思うが現状はちゃんと伝えて置かなくてはいけない。

心を鬼にして話し続ける。

 

「委員会を動かして君の方に就くのははっきり言って無理だ。

 既に委員会の中には護堂さんを王と崇めている者も多く居る。

 特に清秋院家は娘が1人護堂さんの側近として付いている事もあって、今更昴君に靡くとは考えられない。」

 

・・・そんなに悲しそうな顔をしないでくれ。

もう断られると思い込んでいる彼の目をしっかりと見て口を開いた。

以前から変わらない僕の想いが伝わる様に・・・。

 

「僕個人としてなら今すぐにでも委員会を止めて昴君の力になろう。」

 

昴君には今日一番の動揺が見て取れる。

僕の言葉が信じられないみたいだね。

 

「あ、あの、どうして・・・。」

「ん?・・・僕が昴君の味方をしない訳が無いだろう。

 それに約束だったからね・・・何かあれば力になるって。」

 

しっかり伝えてあげると、安心したのか彼の目から涙が零れて来た。

隣で同じ様に安心しているエリカ嬢を横目に彼の目元を拭ってあげた。

 

「ほらほら、泣くな。」

 

昴君は恥ずかしそうだったが、何処か嬉しそうでもあった。

しかしそんな僕の行動に鋭い視線を向けて来たのがエリカ嬢だ。

僕は彼女の視線を受け流しながら昴君から体を離した・・・彼女に視線を向ける事を忘れずに。

 

「ありがとう、馨お姉ちゃん。」

「どういたしまして・・・と言いたい所だけど、安心するのはまだ早いよ。

 僕1人だけだと大して力になれないからね・・・お爺様に昴君の事を話して沙耶宮家を味方に引き入れる。」

 

僕の言葉に視線の鋭いままのエリカ嬢が口を開く。

話の内容と僕への警戒から先程よりも視線は鋭い。

 

「そんな事が出来るの?」

「確証はないけど・・・恐らく大丈夫だよ。

 先生・・昴君のお爺さんと僕のお爺様は古くからの友人・・いや、親友同士だったらしい。

 お爺様は昴君の事を気に入っていたから、きっと協力してくれる筈だ。」

「そうなるととても心強いわね。」

「任せて置いてくれ。」

 

僕は彼女と視線をぶつけ合う。

僕としてもここで退く訳にはいかないからね。

 

 

 

帰り間際・・・僕は最後の勝負に打って出た。

 

「あっと・・・最後に1ついいかい?」

「どうかしたの、馨お姉ちゃん?」

「昴君とエリカさんの婚約について何だけど・・・やっぱり昴君が神殺しになったからなのかな?」

 

昴君は質問の意図が分からず首を傾げているが、エリカ嬢は自慢するかのように答えてくれた。

 

「それに付いては関係ないわ・・・私達が子供の頃に親同士が決めていた事みたいだから。

 まあ、今は私達の意思で婚約しているのだけれどね。」

「それは、彼を愛しているという事でいいのかな?」

「勿論・・・私は彼の愛しているわ。」

 

・・・そう言う事だったのか。

でも、彼に対する気持ちで負ける訳にはいかないよね。

彼女の言葉に一瞬イラッとしたが、次の瞬間には僕は覚悟を決め昴君に顔を寄せていた。

 

「あ、あの、か、馨お姉ちゃ・・・んっ・・・。」

 

僕は昴君の唇にキスしていた。

衝動的な行動ではあったが、長年待ち続けた彼の温もりに心が満たされる。

昴君の柔らかい唇の感触・・・我慢出来ず舌まで使って彼を感じていた。

 

「んっ・・・・ちゅ・・・・・ぷはっ。」

 

唇が離れた後すぐにエリカ嬢に昴君を奪われたが、気にする必要はない。

既に宣戦布告は済ませた。

 

「ち、ちょっと馨さん、私の昴にいったい何をしてるのよ!!」

「いや・・・僕も婚約者としての挨拶をと思ってね。」

「こ、婚約者ですって!!」

 

エリカ嬢の怒声に悪びれる事無く僕は言葉を返す。

 

「あぁ、そうだよ・・・僕と昴君の婚約は僕達のお爺様同士が決めた事だ。

 今だから言うけど、僕は当時から昴君の事が好きでね。

 けど、媛巫女修業の為に道場を止め、昴君と離れ離れになる運命だったんだ。

 その時、我儘も言えず1人で泣いていた僕に気を利かしたお爺様が婚約者にしてくれたらしい。

 僕自身その事を知ったのは修行を終わらせて正史編纂委員会に入ってからだったけどね。」

 

今までお爺様しか知らなかった僕の心の内を曝け出す。

純粋に僕の事を姉として慕っていた昴君は随分驚いている。

あの様子だと先生から婚約の話は聞いてなかったみたいだね。

 

「家に正式な書状があったから昴君の家にもあると思うよ。

 それとも・・・僕が婚約者だと嫌だったかな?」

「いや・・・その・・・。」

 

突然の事で動揺を隠せない昴君は言葉に詰まってしまった。

そんな彼に僕は優しく微笑んで見せた。

 

「突然の事だったからね・・・嫌なら嫌で構わないんだよ。

 でも、僕は子供の頃から変わらず昴君の事が大好きだよ・・・もちろん、異性としてね。

 それじゃ、進展があったらまた連絡するよ。」

 

そう言って僕は店から出た・・・最後にエリカ嬢に視線を送る事を忘れずに。

絶対に昴君は諦めない・・・そう言う思いを込めて。

エリカ嬢も同様の力強い視線を僕に向けていた。

 

 

 

僕は店から離れた所で漸く足を止め息を吐く。

今になって顔が熱くなってきた。

 

・・・昴君、カッコよくなってたな。

 

強引だったけどファーストキスも上げる事が出来た。

エリカさんというライバルは居るけど、昴君に僕を異性として見て貰える様には出来た。

彼との関係もこれからの頑張り次第だな。

 

 

・・・とここで思考を切り替える。

 

 

これから忙しくなるな。

まずはお爺様に今日の話をして、その後お父様の説得。

恐らく彼と関係を持つ以上、正史編纂委員会に身を置く事は出来ない。

引き継ぎの準備も進めておかなくてはいけないな。

 

僕は気合を入れ直して、その場を後にした。

・・・昴君とのキスの感触を思い出して、頭の中で悶えながら・・・。

 


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