鈍感な会長と悩める乙女の役員達と召喚獣   作:風澄龍

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私は魔物を討つ者だから

「今度はkanonだね。好きなの、川澄さん?」
さあ?私は丁度そのセリフが頭に浮かんだので書いただけです。
「何だ、作者厨二病じゃないんだ」
かつてはそうでしたね。今は卒業しましたが


第6話

明久side

旧校舎と新校舎の渡り廊下から喧騒が聞こえてくる。

どうやら戦争が始まったらしい。とはいえ、僕は参加しないという理由で今は新校舎に設置されている職員室へと向かっている。

コンコン

「失礼します、2年Fクラスの吉井明久です。入室してもよろしいでしょうか?」

「吉井か?入って良いぞ」

「失礼します」

僕は入る前にノックし扉を開け、その前にどこのクラスの所属か告げると、職員室の扉の一番近くに座っていた田中先生が僕に気付き入室を許可してくれたので、入室する。

「今日はどうした?確か今はFクラスはDクラスと試召戦争中じゃなかったか?」

やはり疑問に思ったのか聞いてくる。

「僕は今回の試召戦争に参加する意思がないので、こうして他のクラスの自習課題を受け取りに来ました」

「いつもすまんな。観察処分者でもないのにわざわざ、そうだな。高橋先生」

「はい?」

僕が理由を説明するとバツの悪そうな顔をして謝ってくる。別に思い詰める必要はないんだけどね。そんなことを考えていると田中先生は近くで高速にパソコンのキーボードを打つ高橋先生に話しかける。

呼ばれた本人は手を止め、こちらを見る。

「吉井が特別処遇者として雑用をしに来たそうでして、自習課題の配布を手伝いたいそうなのですがもう配りましたか?」

「Eクラス、Cクラス、Bクラスの自習課題は先生が作って持って行きましたがAクラスがまだなのでそちらをお願いします」

顎に手を当てて思い出すようにして言う。

となると、この上か。

「今作り終えて印刷するところなので待っていてください」

「分かりました」

僕はそう言って職員室の中を見回しながら時間が経つのを待つ。

 

 

 

 

 

ガガガガ〜

印刷音と共に課題用のプリントが50人分印刷される。

「出来ましたよ、では吉井君召喚を承認するのでお願いしますね」

「はい、試験召喚(サモン)

その言葉と共に明久の目の前に幾何学的な術式が展開され、それは彼の手を離れすぐ近くで彼を一回り小さくし、獣の尻尾が生えたものが出現する。その格好は戦国大名を沸騰させる鎧兜に腰に2本の刀、そして二丁の拳銃を装備している。そして頭には文字と数字が表示されている。それは今展開されている科目と召喚者がテストで出した点数だ。その科目は英語 89点と本来の装備ではないにしろそれなりの装備だった。これこそがこの学園が誇る試験召喚システムを利用した召喚獣というものだ。その力は1点でゴリラ並みの力を発揮する。

さらにこれは補足説明だが、観察処分者はフィードバック付きで物理干渉能力がある。フィードバックとは、召喚獣が受けた疲労、傷などが召喚者に何割か与えられることを指す。そして明久は特別処遇者

物理干渉のみがあるため、召喚獣に重たい物を持たせて運ぶのだ。

「では、Aクラスまで行ってきます」

そう言って職員室を後にしようとした。

「いたぞ吉井だ!」

「あん時の恨みを晴らしてやるぜ!」

4人の生徒が僕を囲むように立ちはだかる。

「ああ、君達宣戦布告の時殴り掛かろうとした」

「ああ、テメエのせいで1年間肩身の狭い思いしなきゃいけねえじゃねえか!」

いや、僕悪くないし。君たちがそうしただけじゃん。

「君達、今吉井君はAクラスに自習課題を届けに「構いませんよ横田先生」良いのか?」

そんな時偶々、そこを通りかかった横田先生が注意をしようとするが制止する。

「彼らは僕の点数を舐めているみたいなので少し知ってもらいましょう。格下(格上)の実力」

そう言って召喚獣に持たせていたプリントを横田先生に持ってもらい武器を構える。

「承認!」

そう言って日本史のフィールドが出現する。

試験召喚(サモン)

日本史

Dクラス鈴木一郎 102点

Dクラス笹島圭吾 101点

Dクラス中野健太 107点

Dクラス鈴木雄太 104点

4人の召喚獣は殆ど鎧を身に付けていないのと同じで、あっても頭だったり、胴の一部だったりする。さらに武器も刃物系だが細い物、短い物などイマイチ決定打に欠ける武器ばかりだ。

V.S.

Fクラス吉井明久 142点

『はあ?』

Dクラスの4人は僕の点数に驚き唖然とする。けれど、その隙を見逃すほど僕は優しくない。

まず、1人目に近づき双剣の一振りで相手を一太刀の元に首を刎ねる。そしてすり抜け様に後方にいた1人を神速と言っても本来よりは遅いけどで七等分に斬り裂く。

Dクラス中野健太 0点

Dクラス鈴木雄太 0点

「「なっ⁉︎一瞬で、2人もだと!」」

「クソッ挟み込むぞ!」

「おうっ‼︎」

討たれたの見て片方が指示する。2人は反対側から仕掛けてくる。

「無駄だよ」

卜伝流秘剣一ノ太刀

彼らの攻撃を軽いステップで躱し、持っていた刀で相手の召喚獣2体を一太刀で真っ二つにする。

Dクラス鈴木一郎 0点

Dクラス笹島圭吾 0点

「戦死者は補習ー‼︎」

そう言ってダンボールから西村先生がいきなり出て来て4人を担ぎ上げる。

「待ってくれ鉄人!吉井の反則だ!」

「どういうことだ?」

西村先生が止まる。

「吉井はカンニングしたんだ!観察処分者なのにCクラス並みの点数だ!」

「はあ〜、吉井は観察処分者ではなく、特別処遇者(・・・・・)だぞ………」

『えっ?』

本当に知られてないんだね。まあ僻みもしないけどさ。

「横田先生ありがとうございます。では、Aクラスに課題を届けに行きますね」

そう言って僕はその場を後にした。

明久side end


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