鈍感な会長と悩める乙女の役員達と召喚獣   作:風澄龍

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同時投稿3作目、通算5作目です。こちらは本当に気が向いたら更新が基本です。なお、ボーイズラブはFFF団が、ガールズラブは清水が原因です。


1話

春………それは出会いの季節であり、別れの季節。そして新たなスタートを切る季節でもある。

出会い、新しい学年で去年は違うクラスの生徒の子と一緒にったり、転校生が転入してくる事だってある。

 

別れ、親しい友の転校、良くしてくれた部活の先輩の卒業

 

 

新たなスタートは進学したり、就職などの慣れた環境から巣立ち未知の環境に向かって歩みを進める。

それら全てが詰まった季節である。

そんな季節の象徴たる桜を眺めながら制服に身を包んだ男子生徒が通学路を歩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明久side

皆は春といえば何を思い浮かべるだろうか?出会い?別れ?

きっと多くの人はそう考えるんじゃないかな?

でも、僕はそうは思はない。

僕にとって春はー年が過ぎ去ったという認識を与える。

 

ジジ臭いと思うかもしれない、けれどそれが一番僕が最初に考える事なんだ。

1年、また1年と過ぎ、気付けば僕も就職してあくせく働くのだろう、そういう風に捉えてしまう。

だって一年という月日の中でどれだけ社会に出ても恥ずかしくないようになるには1年は短い気がするなあ

1年の始まりを祝うのも日本人なので祝いたくないわけではないのだけれどね。

 

そんな様々の思いを胸に閉まって僕は文月学園の校門を目指す。

 

「ん?吉井早いな、お前が一番だぞ」

校門に着くとスーツを着た黒い肌の男性が傍に箱を置いた机と一緒に立っていた。

彼は西村宗一、この文月学園の補習担当で風紀を乱したり、補習を脱走しようとした生徒には鉄拳制裁も辞さないという。

さらに、彼は補習担当であるが故に全教科の点数が700点台を叩き出すなど知勇共に優れている。

趣味はトライアスロンらしく、その趣味故に鉄人という渾名と言うか、通称を素行の悪い生徒達から呼ばれ、親しまれている(?)

彼は僕の事を認識すると机に置いてあった箱に手を突っ込み僕の名前の書かれた茶色の封筒を差し出した。

「竹原教頭先生から呼ばれていて、早めに来ておきました」

僕はその封筒を受け取って質問に答える。

「そうか、なら早く行くといい」

「分かりましたそれでは「ああ、それと」何でしょうか?」

僕は会釈するとその場を去ろうとしたが先生に呼び止められる。

「振り分け試験の結果は先生に会うまで開けないように、と学園長から伝言だ」

何で先生の前限定でしか開けてはいけないのだろうか?

考えようにも判断する材料が少ない今の状態では判断しがたいので諦める。

「分かりました。それでは失礼します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の校舎に入り、廊下を歩く。西村先生の言う通り誰も居なかった。

部活動も今は活動をしていない。

教頭先生はよく研究などに没頭する学園長に変わって経営を担当していてよく文句を言いに学園長室に入ることが多い。僕自身も召喚獣の試運転やモニタリングの手伝いに巻き込まれているから一緒に抗議する。

コンコン

「教頭先生、2年の吉井明久です。只今到着しました」

『ああ、入って良いぞ』

「失礼します」

入る前にノックし誰なのかを言うと許可が出たので入室する。

そこには学園長と教頭先生がデスクを挟んで対峙していた。

「教頭先生、僕が呼ばれた理由は一体何なのでしょうか?」

「ああ、実はな…………」

僕は教頭先生に質問すると前置きをして訳を話した。

ー教師説明中ー

「つまり、僕の点数が高すぎる為にシステムのアップグレードが必要となるからそれまで僕の点数は本来の10分の1に抑えられるからFクラスで過ごすことになると」

「ああ、恨むならこのポンコツババアに言ってくれ俺はお前みたいなのの為にアップグレードしようと言っていたのに面倒だの一点張りでしなかったんだからな」

何でふざけた理由だ。

「悪かったとは思ってるよ。だから今急ピッチでアップグレードしてるんじゃないかい」

「大体アンタ何時も………」

「それより、もう1つあるんだよ。吉井、アンタに生徒会会長を務めて貰う」

「はあ…………?」


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