ごった煮   作:ソーマ=サン

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 数年前に借りて原作読んだくらいで知識はあやふや。
 Wikipediaを主に参照してます。あと他の方のIS二次。
 ツッコミどころがあれば指摘お願いします。作者じゃ分からんので。ビバ他力本願。

 戦闘ありきのほのぼの系みたいなのを目指したい。



IS 女装操縦士
2人目


 

 

IS(インフィニット・ストラトス)

 従来兵器を凌駕する圧倒的性能を白騎士事件を期に世界に見せ付け、本来想定していた「宇宙空間での活動補助機」という面から飛行パワードスーツとして軍事転用されたマルチフォーム・スーツ。

 そんなISを起動出来るのは女性だけ。開示された「自己進化」という設定以外が一切不明の心臓部のコア(ブラックボックス)の為す選定により、如何に男性が触れようとISが起動する事は有り得ない。

 その日まで、世界はそう、認識していた。一体どんな神の悪戯か、織斑一夏という少年が誤って起動するその日まで。

 

 

 

 

 初の男性適合者が現れたという報せは、瞬く間に世界中に届けられた。

 ISの台頭により急速な勢いで広がった女尊男卑の風潮に突如射し込んだ男性にとっての希望の光。あらゆる政府が反対者の声を押し切って強硬に、そして迅速に、(こぞ)って男性にもISの適性検査を行った。

 男性にとって結果は(かんば)しくなかったが、それでも高い検査数値を叩き出し、ISの起動も(こな)して現れた2人目。

 彼には織斑一夏のように世界最強のIS操縦者、それに準じた者が身内いる訳でなければ、その生みの親とも言える篠ノ之束と面識がある訳でもない。

 ある程度起動理由に推測の余地のある“1人目”でさえ、はっきりとした事は分かっていないのだ。その上で、父親が幼い頃に病死し、家族内男女比が1:6という以外少々兄弟姉妹が多いに過ぎない“2人目”には、輪を掛けてそういった原因究明の為の切っ掛けが、全くと言って良い程に存在しなかった。血縁関係を洗ってもめぼしい結果は得られず、立てられるIS起動の要因は憶測の域を出なかった。

 

 そんな(くだん)の彼は、男でありながら「女尊男卑」と叫ばれている現状を、別段苦とは思わなかった。

 厄介な者を柳に風と受け流す、或いは精神的・物理的に徹底排除する(すべ)を知っていたし、高々(たかだか)兵器の世代交代如きで性差を槍玉に挙げる片腹痛い政治家・評論家の類も、彼等彼女等の自覚する惨めさを、お目出度い大衆の共感を得て紛らわしたいとする、ある種の馬鹿の集まりと蔑視していた。自慰行為同然に恥ずかしくも頭の悪い世迷い言を尿道の(ゆる)んだ年寄りの如くだらしなく垂れ流し、人気者を気取って自己陶酔に()け、(あまつさ)え小賢しくも現実から逃避している舌先三寸、と万に一つの好意も抱かず見限っていた。その(もっと)もらしく声高らかに主張する様に、傀儡(かいらい)宜しく無様で滑稽に踊っている脳内お花畑な連中にも同様。

 

 そうしてその考えを確固とするように、女尊男卑の風潮にあって不思議(かな)、彼は人に愛されていた。性別で態度を変えない平等性を持つにも関わらず、時折辛辣な言葉を発するものの男女問わずから好かれていた。

 それは華奢な体付きが原因で脅威足り得ぬと判断されるが故か。将又(はたまた)その優れた容姿故か。

 本人はその「何故か?」の答えを知らないが、ともあれ、その環境故に、「女尊男卑」を掲げる世界は彼にとって一笑に付して当然のもの。(ほとぼ)り冷めればまた別の世論が古い考えを非難しに動くのだろうと、冷めた眼差しで眺めていた。

 

 そんな者が此度(こたび)入学するIS学園。女子校に於ける男性教諭並に、それ以上に肩身の狭い思いを強いられる事になると予想されるパンドラの箱。とは言え、(はな)から「希望」は封入していない欠落品。

 もし、「希望」を“箱”の中に望みたいのなら、外部から持ち込む以外に手は存在しない。つまり、男子入学者自身の手に()るという事だ。

 無論、何を指して「希望」と呼ぶかは男子各々に依りけりだが、平穏無事をそれとして望むのであれば、木を隠すなら森の中とするのが最善か。

 故に、彼は、()()する。

 物珍しさ故に怒涛の勢いで到来するであろう女子生徒・その他諸々(もろもろ)からの質疑応答を避ける為、高い確率で同クラスとなるもう1人の男子生徒をスケープゴートに仕立て上げる為、彼は不慣れな女装に手を出す事を是としたのである。

 

 一見血迷ったようなこの行動の裏には、多分に金銭的な事情が介在した。

 これまで男子操縦者がいなかった為に、男子用制服というのは規格外品。女子制服と比べて些か値が張る。

 そして彼の家はお世辞にも裕福な家庭とは言い難い。隣家からの音漏れは当たり前の格安住居に、買い物好き多数の8割型女所帯。

 制服などというたった3年ポッキリしか使わない高級品の購入資金を捻出するのは、母や姉妹の性質上、一言「無理」と言わざるを得なかった。

 そんな理由もあって、姉とは進路を別にした、IS学園に入学し既に卒業している姉の友人から女子制服を譲り受け、また別の友人から学園指定のジャージを、またまた別の物持ち良い友人から女子用ローファーを、「デート」と書いて「荷物持ち業務」と読む付き合いと引き換えに一式揃えた。

 それが彼にとって、男子生徒にあるまじき完全装備となった。

 

 そうして(きた)る4月、彼はIS学園に入学した。

 




 IS二次は全然漁ってないので分からないんですけど、大体一夏と親密な関係のオリ主が多数であるような印象があって、IS学園入学まで全然一夏と関わりがなく、それでいてキャラ達の間で勘違いが散見される、所謂「勘違いモノ」とされるようなものを書きたくて書きました。
 けど、十中八九「勘違いモノ」にはならない! 自分が直ぐネタばらしをしたくなる質なので残念!グハハ((´∀`*


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