GOD EATER-BURST~縋る神なきこの世で~ 作:A-Gyou
しかし、それは、真実の蓋を開ける行為でしかなかった。
それが後に何を示すのかは、まだ誰にも分からない。
「お前等、ガキに銃向けんな!!」
その怒声は、その場に集結していた全ての隊員を固まらせるのには充分過ぎる威力を持っていた。
声の主は、ここにいる隊員なら全員が知っている。
ノゾミや他の子供達は、その正体を知るわけがないが、自分達も何だか、少なくともジッとしていなければならないような、変な感覚を覚える。
そんな、有無を言わせないような迫力のある声の持ち主。
___米田タカオ
フェンリル極東支部治安維持部門A管区第8中隊特別任務小隊の隊長。自称“オッサン”。
彼に向けられる敬意と若干の恐怖は凄まじいものであり。
「おい、暴れてたバカ共の拘束は済んでるんだな!?」
『はい!』
戦闘が終結して緊張が緩んでいる隊員達ですら、すぐさまほぼ完璧な不動の姿勢をとる。
子供達は、無意識の内に、黙って事の成り行きを見守ることに徹している。
「……よし。次だ」
そう言って米田は携帯無線機を取り出した。
「笠原!! 任務終了だ! お前は戻って、今回の件でお前が提出する必要のある書類の作成しとけ!! ___第2分隊は生き残ってるホームレスを1ヶ所に固めて監視。他の人員は全員武装解除っ!!!」
米田の指示で、隊員達はそれぞれ示された指示に従って行動する。
そして、ほとんどの隊員はその場で銃からマガジンを抜き取り、中に残った弾も一緒に捕りだして、安全装置をかけ始めた。
その一連の様子を確認して、米田は1つ頷いた後、トモキと視線を合わせた。
子供達、特にノゾミが固唾を飲んで、その状況を見守る。
しかし、トモキには目の前で進んでいく物事が、理解の範疇になかった。否、正確に言えば、理解をして状況に追いつく、と言う1連の行動を出来るほどの精神状態ではなかった。
つまり、彼は、混乱していた。
それも、何かの物事をど忘れしてしまって混乱する、と言ったレベルのものでは無く、もっと凄まじいものであった。
今いる男達は、敵か、味方か。
何が起きたんだ。
分からない連中が、ホームレス達を一方的に制圧した。
何でだ?
僕達を助けた?
分からない。
何もかも分からない相手。
ならば、敵だろう。
そう、きっと敵だ。
敵ならば、みんなをアイツ等から守らなければ。
彼の頭の中ではは、ずっと同じ事を繰り返されている。
そして、いつの間にか芽生えていた使命感だけが、彼に銃を構えさせているのだ。
(お~……ありゃ相当パニックに陥った奴の目だな)
何も言わず、ただ銃を自分に向けて構え続ける少年__トモキの目をさりげなく観察して、米田はそう結論づける。
(仕方ない。オッサンも頑張ってみるか)
フン、と一息入れ直して。
「__少年。君が今構えているその銃、誰がどんな思いで設計したか知ってるか?」
おもむろに弾帯を解きながら話し始めた。
「君が今持っている銃は、AKM-47と言う自動小銃なんだが、そいつのベースになった銃はAK-47って言う銃なんだ。遙か昔、1940年代の中盤にさしかかる頃の話だ」
次に、タクティカルベストを脱ぎながら、話し続ける。
「昔な、ニコライ……間違えたミハイル・カラシニコフって言う1人の男がいた。そいつは人類史上最後の世界大戦をソ連の戦車兵として闘っていたそうだ。その戦争は、連合国が枢軸国に勝利する形で幕を閉じた。彼のいたソ連も連合国に所属していたから、当然勝者側だ。だが、戦争中も戦後のソ連は酷い状況だった。何せ、その戦争でソ連の大都市といえる場所はほとんどドイツに占領されて、取り返しこそしたが手痛いダメージだったからな。そんな苦い思い出が、ミハイルにある決意を植え付けた。曰く『平均識字率の低い我が国の国民でも簡単に扱えて、尚且つ高い動作性を持つ、強力な小銃を作らねば』だったか。まぁ、とにかく彼は自分達の手で自分達を守れる力を作り上げたかったんだ。その“守りたい”って言う思いの塊が、今君が構えている銃の本質だ」
いつの間にか米田は戦闘用のカーゴパンツとタクティカルブーツ、そして黒のシャツ1枚という、戦場にあるまじき出で立ちになっていた。
戦闘はとうに終結しているのだが。
「今のオッサンの話が、少年にも届いていたら嬉しく思う」
____トモキは、反応を示さなかった。
と言うよりも、話しが長すぎて逆に、更に分からなくなっていた。
(むぅ、俺の話は説教臭すぎるのか? まぁ、だいぶ良い感じにかき乱せたみたいだから、予想とは違うが、結果オーライってとこか)
米田は少し距離を置いたままトモキを観察するにあたって、彼の変化には気付いていた。
最初に見た彼は、どこもかしこも起爆スイッチだらけの爆弾みたいな、かなり危険な印象だった。
だが、今の彼は違う。
米田が話した内容の真意は届いていないだろうが、それでも何となく話していたのは理解していたはずだ。
今のトモキは、爆弾ではなく、不安や混乱を溜め込みすぎた風船だ。
そこまできたら、後の対処法は簡単になる。
風船の中に詰められた不安と混乱を抜けば良い。
ちなみに、風船を割るのは無しだ。
それこそ、今度こそ乱射を冒しかねないリスクが生まれてしまうからだ。無理に、安全牌以外の選択を選ぶ必要もない。
「良いか少年。つまり、おっさんが言いたいのは“大切な何かを守るためにその銃を撃つ”のは別に構わないと言うことだ。だが、今の君は、“分からないからとりあえず撃つ”になっている。それじゃあ駄目だ。分かるな?」
トモキは、何も応えない。
ただ、困惑の色を多分に滲ませた目をしているだけだ。
「……まぁ、早い話」
その瞬間。
「早く銃おろせっつってんだよ、オッサンは」
目にもとまらぬ速さを以て、一瞬でトモキに肉薄して。
次の瞬間、トモキの世界はひっくり返っていた。
__やばい、投げられた
身体が宙に浮いた感覚を自覚したとき、その時やっと彼は正気に戻った。
そして、地面にたたきつけられる。
受け身は__ギリギリ間に合った。
おぉ、とか、オヤジも大人げねぇな、とか周囲の反応が耳に入ってくる。
どれもこれも、少なくとも敵意がある声ではなく、どちらかと言えば、ほぼ間違いなく楽しんでいる。
ノゾミは、目の前の光景が信じられないでいた。
(何で笑ってるのよ!? トモキを舐めてみると痛い目に遭うんだからね!!!!)
笑っている隊員達を睨むも、誰にも気付かれない。
ノゾミのそんな行為をよそに、トモキの状況は流動的にその姿を変えていく。
身体に叩き込まれた感覚が、次に迫ってくるであろう相手の追撃を予期させ、トモキは素早く横に転がってその場から離れた。
すると、つい先程まで自分の頭があった場所にはよく見れば意外と攻撃的な機能も兼ね備えているブーツがあった。
「避けるとは、なかなかやるじゃねぇか少年」
素性を知らない男、しかもかなりの手練れ、の突然の攻撃に対して、トモキはむしろ冷静さを取り戻していた。
今、ここで油断したら、殺られる。
トモキの本能が、そう叫んでいるのだ。
だが、トモキは自ら攻め入ろうとはしない。
自分の実力(イリヤに教えてもらったステゴロの技術)と、相手の実力を測りかねているからだ。
ここで読み違えたら、負ける。
相手の動きを見て、できる限りクセを覚え、相手の動きを予測し、そこから自分の動きを相手に順応させていく。
それが、トモキがイリヤに教えてもらったステゴロの“少なくとも負けない、運が良れば勝つため”のロジックだ。
ちなみに、順応までにかける時間によって、自動的に相手の実力も測れるという便利っぷりだ。
単純に、強ければ順応に時間がかかり弱ければ順応させるまでもなく力押しで行ける、それだけのことだ。
唐突に始まった徒手戦。
始まってから、おおよそ2分が経過していた。
お互いにギリギリの間合いを保ちながら、お互いに攻めあぐねていた。
(このオッサン、強い)
(まさかここで俺が1番苦手なタイプの奴と出会うとはな)
まさかのまさか、お互いに相手に対して苦手意識を持つ展開になっていた。
(ラチがあかない……)
(やりようはいくらでもあるがなぁ……どれも悪手に思える)
互いをにらみ合いながら、次にどう動くべきかを高速で判断していく。
(ラチがあかないなら……威力偵察がてらにっ!!)
先に動いたのはトモキだった。
米田と視線をずらさないまま、相手の呼吸の裏を付く形で肉薄し、相手の後ろ足の膝を蹴り上げた。
あのガキえげつねぇ、などとギャラリーの感嘆の声が聞こえるが、今は聞き流す。
米田としても、予想外で、完全に虚を突かれ、そして何よりも
(オッサンの身体もっと労れぇぇっ!!!)
ギリギリ顔と態度には出さないが、悶絶級の痛みが彼の左膝を襲撃した。
だが、彼と直接対峙しているトモキは、その隙を逃すこともなく。
動かない、否、動けない米田の襟を掴みつつ懐に入り込みながら相手の腕を掴み、自分の背中と相手の腹をピッタリと合わせやがら掴んだ腕を自分の方へと引き込み、その瞬間すかさず相手の脚を払う。
米田の身体が宙を舞い、地面にたたきつけられた。
そして、とどめに鳩尾に爪先を刺すように落とす。
(しまった__!!)
そして__
『___決まった!!!』
一瞬だった。
正確な狙いを以て突き刺しに言った脚を弾かれ、一瞬からだが止まった隙を突かれ、地面に倒された。
気が付けば、トモキは地面に倒され、そしてあろう事にも4の字固めを極められていたのだ。
「あ、がぁっ!!!」
「煩いぞ少年__いや、クソガキ。もっとオッサンの老体を労った攻撃を……しろっ!!!」
「いだだだだだだだだた!!!!」
トモキはしばらくの間、何の反撃をすることも許されないまま、ただ痛いだけの責め苦に悲鳴を上げることしかできなかった。
ノゾミは、その1連の様子を笑いながら鑑賞に徹し続けていた隊員達の神経が信じられなかった。
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____A管区第8中隊第8取調室
「ん、まず自己紹介から行こうか。俺は相羽。相羽タケシだ。この小隊で2番目に新参者だ……つってももう2年経つがな。あぁと……少年、君の名前は?」
無駄にこぎれいに整理されている殺風景な部屋の中、部屋の真ん中にある余り大きくないデスクでトモキと相羽は対面していた。
「あ、あと勘違いして欲しくないんだが、これは別に尋問とかそう言うんじゃない。君の素性を知りたいだけなんだ」
落ち着いた優しい声で、相羽はそう付け足した。
(まぁ、しばらく喋る気配は見せねぇだろうな。警戒されてるの丸分かりだし)
トモキの目と、動きのクセ、雰囲気、あとは自分の勘でそう判断を下す。
(ここは、適当に下らない話をして向こうの壁を溶かすか)
目の前の少年は、少なくとも自分のことを味方だとは思っていない。
無理もない。
相羽自身、目の前の少年のことを未だに、若干だが警戒しているのだ。
「それにしても、内の隊長とあそこまでやり合える人間が、まさか外の方にいるとは思ってなかった。隊長が関節技使うときは、本気で相手してるときだからな」
思い出し笑いを堪えながら、話を振る。
それでも、反応しない。
さて、どう言うアプローチで行こうかな、と思考を巡らせているときだった。
部屋の空気に似合わぬ、突然の腹の虫。
「おぉ?」
まさか自分か!? 出所不明の羞恥が相羽の心を動揺させる。
すると。
今度こそ、相羽の腹の虫も鳴った。
「おぉう…………飯、食べるか?」
相羽が引きつった(誤魔化そうとして上手く笑えていないだけ)顔でそう提案すると。
トモキはだまって1回頷いて、それを返事とした。
(見た目通りの年齢らしいか、少し幼いくらいの反応、か)
そう観察して、彼はコールで軽食2つを頼んだ。
10分ほど経過して、コーンと何か肉っぽい食材と野菜を混ぜて炒めた料理が出てきた。
ちなみに言うと、見た目は、決して良くない。
流石のトモキも
「ん?」
と、怪訝そうな反応を示すほどだ。
「あぁ、ソレな。部隊に渡されてるレーションと増加食で渡されるトウモロコシを混ぜて焼いた、内の小隊特製の野菜炒め、だと思い込んでくれ。味は悪くない。それだけは保証する」
トモキの反応を見て、相羽はそう説明した。
トモキもその説明を聞いて、恐る恐るソレに箸を延ばす。
が、いったん口に入れてしまえばあとは早かった。
よほど腹が減っていたのか、『一般隊員が1日を活動するために必要とされる最低限のカロリーと量』を相羽よりも早く平らげてしまった。
ソレにも驚きながら、更に相羽はトモキに対する不信感が高まっていた。
まず何よりも、あの街にいた人間にしては、かなり身なりが清潔である。
そして、食事のマナーや食器類の扱いを心得ている。
先の1件で披露された、高度な徒手格闘技術と銃の扱いに対してそれなりの知識を有していること。
挙げていけばキリが無いが、今ぱっと出てきた情報だけでも目の前の少年は、不自然な存在であると言えた。
どこで、それらの知識を身につけたのだ。誰から教わったのだ、と。
すると、唐突にトモキが話し出した。
「名前は、トモキ。イリヤが名付けてくれた」
話し始めたんだから、ソレを逃す理由も無い。
相羽は続きを促した。
「年齢は、少し前に15歳になったばっかり。一緒にここに運ばれてきた女の子……ノゾミも僕と同い年だ。他の11人の子供達はほとんどがまだ10歳にもなってない。僕も、他の子達も、親に捨てられるか、親がその子を市民登録する前にアラガミに殺されたかのどっちか。ほとんどは捨て子だ」
トモキの話を聞きながら、要点をまとめてメモに取る。
「どう言う経緯で、その…イリヤ? だっけ? その人と知り合ったんだい?」
「イリヤも僕と同じで捨て子だったみたい。本人が言うには、親に捨てられたことは確かなんだけど昔のことを覚えてないって言ってた。知り合ったのは確か、7年くらい前、かな。僕が親に捨てられて、道端で野垂れ死にしそうだったところをイリヤに助けられたんだ。あのときが、確かイリヤは10歳だったはず」
「つまり、君は8歳の頃からイリヤ君とつるんでる、と」
「その言い方であってる、かな。多分。それからは、僕もイリヤも生きるために必死だった。イリヤは凄かったよ。街のチンピラと喧嘩して金を巻き上げて、そのお金でどうにか食いつないだり。とにかく、毎日が死なないために必死だった。まぁ、そんな感じの生活を続けていく内に他の子達もかくまうようになってね」
「チンピラから金を巻き上げた話は、聞かなかったことにしておこう。バレたら充分犯罪だからな」
「イリヤからは色んな事を教えてもらったよ。ステゴロの負けない戦い方とか、立ち回りとか技とか。他にも、道徳的な話も聞いたし、イリヤが知ってる限りでの社会的なマナーとか常識も教えてもらったな。箸の使い方なんて、彼から初めて教わったんだ。そして、僕達はいつの間にかあの工場を家にしてしばらく暮らしてた。最初の頃は他のホームレスの人達とも折り合いが悪かったけど、イリヤが何とか__多分力技だろうね、イリヤだし。とにかくイリヤが治めてたから、街全体としても落ち着いてた」
相羽は、トモキの声にだんだんと影が帯びはじめていることに気付いた。
そして、その話を聞きながら、あるいは今回の1件の発端の1部が自分達にあるのでは、と言う仮説が浮かび始めていた。
相羽の中で嫌な予感を感じさせているのは、イリヤという人物。
___まさか。
「でも、数週間ほど前にね。イリヤが失踪したんだ。それからだったかな、あの街がだんだん崩れていったのは」
その言葉で、相羽の中で組み立てられていた仮説は事実となり、そして全てが繋がった。
数週間前。
正確には2週間と6日前になる。
相羽の所属する小隊に、危険人物の捕獲と言う名目の任務が下ってきた。
対象は、フェンリルの食糧配給車を襲撃したり、職員への暴行をはたらいたり、と確かに犯罪者と言って間違いではなかった。
少なくとも、フェンリルとしての見解はそれで合っている。
そして、自分達はその側面的な事実のみを全部だと思い込んで、悪者__イリヤを捕獲した。
悪者を捕まえたのだ。
これで、また世の安寧に貢献した。
何の問題もない。
そう思い込んでいたら。
自分達が知り得ぬところで、その行いが崩壊を招いていたのだ。
「……そのイリヤという人物は、俺達が逮捕した」
トモキとしては、おおよその予想はしていたので特に驚くところもない。
トモキ自身、イリヤが食べ物を持って帰ってきている裏には、間違いなく“一般的な常識と道徳の観念から見て”悪いことをしていると確信していた。
僕達のために彼は仕方なくやっていた、と言う言い訳でイリヤを守るつもりはない。
イリヤが、ソレを望まないからだ。
イリヤという人間は、少なくともトモキの目から見れば「自分の行いを客観的に見ることが出来る人間」であり「社会的常識の上での善悪」を基本にして生きている。
つまり、イリヤ自身が犯罪に手を染めている自覚はあった。自覚している上で、それでも続けていたのだ。トモキはそう確信している。
だから。
「イリヤが然るべき罰を受けるために捕まったことには、何も文句はありません。ただ、1つだけわがままを言えば、僕達のような“フェンリル的には存在しないことになっている”存在にも気付いて欲しかったかな。そのおかげで、僕達は命の危機、恐い思いをしたんだ」
「それは、君個人の見解として認識しておくよ」
「構いませんよ。それより、他の子達は大丈夫なんですか?」
「あぁ、彼等なら医務室で検診を受けているはずさ。勿論、君も後で看てもらうよ。まぁ、質問に付き合わせて悪かったな。君のおかげで、俺も今までよりも広い視野を持つことが必要だって事は思い知らされた。有意義な時間だったよ」
相羽はトモキに手を差し伸べた。
トモキは、それに対して____
_______お互いに、1個人としてなら
小さくほほえんで、手を取った。
ふぅ…。
何でしょうか、すごくGE-B本編とは関係なくなってる。
分かってはいたんだ。分かってはいたんだぁぁあ!!!!
多分次回あたりから、イリヤ君の主人公が放浪の旅から帰ってくるはず……(遠い目
楽しんで下さい!!
楽しみにしてて下さい!!!