世界一可愛い錬金術師がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:スキン集め隊

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初めまして、よろしくお願いします。
グラブルやってない人にもできる限り分かりやすい表現ができるように頑張っていきます。

…カリオストロをスタートダッシュキャンペーンで選んでもええんやで?


本編
1話


 

────目が覚めたら目の前に強面な顔があった。

 

 

ギョロッとした目玉があって、目の位置や顔全体の割合的に蛇にも鮫にも見える獰猛性を秘めたような顔…っていうかそもそも人間じゃなかったようだ。

 顔から視線を外し、その全体像をゆっくりと下に伝って見ていくと見ただけで鋼鉄並みに硬いだろうと予想できる光沢を放つ鱗、そこらの爬虫類に生えているものと同じだがあまりにも巨大な翼、軽く振るうだけで人が吹っ飛んでいきそうな立派な尾。

 

 

───あ、これはドラゴンさんですわ。

 

 

……うん、いやいや待ってくれ。え?ドラゴンって実在したの?とか色々思うところはあるけれど、それよりも何で自分がこんなに落ち着いているのかわからないんだけど。

いや、まあ。目の前のドラゴンさんがその見た目とは違って襲いかかってこないからかもしれないけど。それに、このドラゴンは逆に心配そうに覗き込んでくる。非常に友好的というか…あれ?おかしいな、ドラゴンなのに犬の尻尾が見える。

 

…でも顔は厳ついんだよなぁ。

 

よくこれで漏らさなかったよな、俺。

なんか寝てた筈なのに、背中とかの感触ゴツゴツしてるし、絶対ベッドじゃないぞこれ。だから現状把握するために起き上がりたいんだけども…視線が。ドラゴンさんからの視線が。

 

幸い?ドラゴンさんの体は何十メートルとかゲームで出てくるような大きさではなく、大柄な人一人に巻きつけるような中国の龍タイプの体型。

恐る恐る手を伸ばして、ドラゴンさんの顎下を犬とかを撫でる要領で軽く撫でた。すると、ドラゴンさんはグルグルゥ、とおそらく小動物が出せば可愛い呻き声を出して安心したのか離れてくれた。

 

っていうか俺の手なんか小さくない?しかも滅茶苦茶白くて綺麗だったんだが…まあ気の所為だろう。

 

そう疑問に思いつつ立ち上がると、風で髪が舞う。金色の髪────って待てよ。俺はNOと言える日本人だぞ。そんな外国人な身体的特徴はしていない。思わず頭を触る。

 

「痛っ!?」

 

すると、触った指先に激痛が走った。

 

あれだ、針とかが刺さった感覚。うわぁ、血が滲んでるよ。鈍痛が地味に痛い。それを見かねたのかドラゴンさんが近付いてきてパクッと俺の指を咥えた。

 

……いやあああああ!!俺の指いいいい!!?

 

あれ?痛くない。指を引き抜くと傷は塞がっていた。もしかして、ドラゴンさんが治してくれたのか?ちょっとだけ唾液ついてるのがあれだけど…

ドラゴンさんは褒めてと言わんばかりに俺の方をどこかキラキラした目で見つめてくる。

 

「えーっと…ありがと?」

 

その声に満足したらしいドラゴンさんはちろりと俺の鼻先を舐めて頭上をくるくると回り始めた。

…なんだお前ごっつ可愛いな!!最初は誤解してですまない…。

 

ってそうじゃなくて髪だ、髪!さっきは怪我したから恐る恐る頭を触る。なんだこれ?なんか頭に付けているような感覚。それを取るとカチューシャタイプの金色の王冠らしきもの。その天辺が三叉になっててその中心に蒼い宝石が淡く輝いている。多分この三叉の部分に指が当たったんだろう。

つーか、なんでこんなもんつけてるんだ?俺だったら間違いなくこんなもんあったら売りにいくぞ。ましてや身につけるなんでありえない。

 

この王冠と同じように変なもん俺持っていないだろうな?またあんな痛い思いはしたくないぞ。

下を見るとスカートを身につけていた。…変態街道まっしぐら。周りを見るとどう見ても外。外でスカート穿くとか豚箱に連行だぞ。しかもそれを無意識にやるとかなかなか高度なプレイだ。グッバイ、俺の平穏な日常。

 

「あん?こりゃ…試験管?」

 

内心で無意識に誕生していた性癖に涙を流していると手が服のような柔らかい感触でなく硬い感覚がした。硝子の筒状で尾部が丸っこい物体。小学生から高校生、さらに大人になっても一部の人は使うであろう全年齢層に大人気な理系のお供、その名を試験管という。

 

「なんでこんな変なもんばっかり…」

 

とりあえず身につけている物で変わったものはこれぐらいかなぁ?なんとなく自分の体を手で確認してみる。うん、他に変なものは無さそうだが自分の体に違和感がある。体が小さいのも腕が綺麗なのも、金髪なのも、微妙に胸に膨らみがあったのも気の所為じゃない。ついでに背も低そう。なんとなくこの服に見覚えがあるが…駄目だ、思い出せん。せめて鏡とかあれば顔見えるんだけどな。水溜りでも代用できるかね?それも周りを見た感じ洞窟っぽいところだから望みは薄いけど。なんで明るいのかは聞きたいところだが、灯りはあるから人はいるんだよな。いざとなれば助けを求めれる。

 

「とりあえず何か顔見れるも、のォッ!?」

 

いったぁ…転んだ。血は出ていないようだが本当に今日は厄日だな。人がいなくて良かったぜ。さっきから結構な醜態を晒してるからな。つーか何に転んだんだよ。

 

「こりゃあ本と棒…いや杖か?」

 

杖なんて何に使うんだ。ドラゴンいるし魔法使えたり?いやないな。

本は…著者が書いてあるといいんだが。

 

『天才で世界一可愛い☆錬金術師の、錬金術師による、錬金術師のための魔道書』

 

 

…なにこの人を小馬鹿にしてるとしか思えないようなタイトル。本当にこれの著者誰だよ。

 

『著者:カリオストロ』

 

カリオストロ?………あ、わかったかもしれない。

 

 

変わった形の王冠に、低身長の金髪、試験管、魔道書。

 

そして極めつけは俺の頭上で旋回している龍。

 

よく見れば、赤い体色に何本かの槍が刺さっている。そんな特異な特徴を持つこいつの名前は多分『ウロボロス』ていうことは…

 

「────俺、『グラブル』のカリオストロになってんのか?」

 

えーっと…………………一人称『俺様』にした方がいいのか?




実はまだダンまちまだ全然読んでいないという…少しずつ読み進めて設定とかも理解しつつ投稿していきたいと思います。

ではお目汚し失礼しました。

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