世界一可愛い錬金術師がダンジョンにいるのは間違っているだろうか   作:スキン集め隊

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ちょっと遅れましたかね?ハロウィンのカリオストロでないんですか?って言われてつい妄想が捗ってつい番外編のハロウィンを書いちゃってまして…そっちは現在15%くらいですかね。きりのいい所までいったら投下しようと思ってますけど。

…なんか投下はクリスマスになりそうだなぁ。そうなったらクリスマスのおっさん書きたくなって、その次は正月、その次は節分(鬼はウロボロス)以下無限ループ。


9話

ベルが項垂れながらもポツりポツりとその経緯を語り出した。

 

全ての始まりはオレとダンジョンで出会う前のこと。早朝から零細ファミリアであるベルはダンジョンに潜ろうとこの廃教会からダンジョンへの道中、一人の少女とぶつかってしまった。

そして、その時に運悪く飯を食べていなかったベルの腹が鳴り、その少女がそれを哀れんで弁当を恵んでくれたらしい。ぶつかった際に落ちた魔石も拾ってもらったためその好意を無碍にもできず、ならば代わりの条件として今夜自分が働いている店に食べに来て欲しいとのこと。

なんというか、(店員の女の子が)逞しいな。それにベルよ、たまたまぶつかった少女にさえ食べ物を恵んでもらう惨めな気分はどうだ?ちょっとお姉さんに話してみようか。

 

「うぐっ…お、美味しかったよ!」

 

「なんだそのおもいっきり取り繕った答え」

 

ベルもオレの罵倒に慣れてきたか?由々しき事態だ。早急に対策を考えないと。ベルは弄ってナンボの愛玩動物なんだからさ。

 

「ま、お前が素直に美味しいって思った店にオレ様を誘ったのは褒めてやろう」

 

「う、うん」

 

あまり褒めないオレが褒めた事でベルは無邪気に笑う。だけどなお前の話聞く限りじゃ結構立派な店らしいじゃねえか。

 

「このヘスティアファミリアに、オレ様の分の飯の代金まで払うような金、あんのか?」

 

その言葉にベルは一瞬固まり、顎に手を当て、上を見て、下を見て、財布を見て、廃教会の全貌を見て、そして大量の滝汗を流して逡巡しつつも言い放った。

 

「…ない!」

 

「開き直るな阿保」

 

「へぶっ!?」

 

こいつ、やっぱりこうゆうノリに慣れてきたな。誰のせいだ。…オレか。

 

…純粋無垢で初心な少年を私色に染めるなんて、やっぱりカリオストロは罪な美少女だねっ☆

 

なーんて言ってる場合じゃないよなぁ。

 

 

ま、こういう時は大抵ウロボロスに頼ればどうにかなるってもんだ。

 

「ウロボロス。もし金銭があるならここにぜーんぶ吐き出しちゃえっ☆」

 

「いやいや、さすがにそれはできるわけ」

 

「無い、と言い切れないのがウロボロスの凄いところでしょっ?」

 

「………」

 

 

押し黙るな。もうちょいなんか、こう、反応しようぜ。

かくいう俺が一番戸惑ってるけども!だって現在進行形で大量の金が出てるもん。

 

廃教会の部屋に小山ができるくらいにはな。

 

いやーおかしいなぁ。どう見てもウロボロスの全長よりも多い量だぞ。これほどの金、入りきるわけが無い。

 

『キシャー?』

 

唖然として見ているオレ達の反応に、正しいことをしているのにこれで合っているのか?というウロボロスの戸惑いの声が上がる。あ、悪い続けてくれ。

 

これいったいいくらあるんだ。オレじゃなかったらとても美少女がもっていていい量の金貨じゃない。荒くれ者にとってカモがネギ背負ってくるようなもんだ。

 

 

「全部で1億5165万4124ヴァリス…!!」

 

「なんでそんな数えるの早いんだよ!?」

 

「あはは…、ほら、1ヴァリスでも多く稼がなきゃっていつも思ってるから」

 

本当に今までどんな生活してきたんだこいつら…。

 

予想以上に財産はあったわけだが、この後にしたい買い物もあるしな。買う物は安物とはいえ、金が多いに越した事は無い。

 

三十万くらいは手元に置いとくとして…あとは、どうするか。

 

ファミリアに寄付するか?

 

ベル達がある程度の貧乏生活なら放置するつもりだったが、聞いてる限りじゃかなりこいつらの生活やばそうなんだよなぁ…。

ま、眷属としてファミリアの一員の義務として渡せばいいか。ベルとヘスティアは甘いから絶対そういう名目でじゃないと渋る。だからと言って今大量の金渡したらこいつらの労働意欲が心配になるし…ってなんでオレがここまでこいつらのこと心配しないといけねーんだ。おいウロボロス、その素直になれない子供を見るようなな眼差しやめろ。

 

「何はともあれ、これで金は大丈夫だろ。ちゃんとエスコートしてね、ベルお兄ちゃんっ」

 

「…かしこまりました、お姫様」

 

む〜っ、どっちかっていうとカリオストロはぁ、女王様の方が好きかなっ☆

 

理由?私に言わせないでよ、恥ずかしいっ☆

 

 

 

さあ、れっつご〜う!

 

 

 

 

おや、疲れきった顔してどうかしたかベル。あとな、女の子と二人でデートする時は多少強引にでも手を繋ぐべきだ。

 

カリオストロは手を握らせてあげないけどねっ☆

 

 

 

 

 

*******************

 

 

メインストリートにヘタレなベルにダメ出ししつつ出て行くと、既に外はとっぷりと日が暮れ、夜の街へと移り変わっていた。

この道はダンジョンから帰ってきた冒険者向けの店や見世物が栄えており、道の端には魔石灯もあるため廃れて寂しい様子もなく、むしろ豪快すぎる音を鳴らす楽器隊もいたりして非常にうるさい。耳が痛くなりかけてその楽器隊の近くでわかりやすく、されど可愛く耳を塞ぐフリをすると申し訳なさそうな顔でデレデレしつつ他所へいってくれたけど。

やっぱりこの体便利ダナー。普通に歩いてるだけでも男どもは一瞬オレ見て惚けてるし。女は…なんか兄と一緒に出かけてる妹みたくみられて正直堪えた。責任の半分は外面上だけニコニコしてるオレのせいかもしれないが、よくみろ。こんな情けなさそうな男がオレの兄とかねーよ。

ちなみにその時のベルはオレが血の気の多い冒険者と何か騒動を起こさないかハラハラしていたけどな。

するわけないじゃん、そんな無作法者にに付き合うほどこの体安くないし暇じゃないっつーの。

 

 

こんな感じで楽しみつつ、時に女の生温かい視線に辟易としつつ目的地の『豊穣の女主人』に着いた。

外面は結構デカイ。店をチラッと見ると従業員は色んな種族の女性だったためか酒場の中では割と全体的に小洒落ている。

ほんの少しベルくらいの男は入りにくそうな雰囲気もあるが、ここの女将から滲み出るオカンなオーラと内装が木造なのもあって慣れればかなり寛げそうないい店だと思う。

まあ、田舎育ちらしいベルはそれでもガッチガチに緊張してるけど。

 

オラ、もっとしゃんとしろ。美少女の尊厳を失わないように周囲の目がない事を確認して、速さに重点を置いた蹴りをベルに叩き込んだ。ベルは急な攻撃に体をよろけたが、たたらを踏みギリギリ倒れる事を回避した。チッ。

 

「うわっ!?とっ、とと。な、何するのさ!」

 

「軽く押したつもりが、まだ恩恵に慣れてなくてつい力んじゃった☆ゴメンね?」

 

うわ言のように「嘘だ、嘘だぁ…」と言うが知らん。突っ立ってるお前が悪い。今ので新しい客が来たのに気づいたようで一人の店員が近づいてくる。

 

「ベルさん、きてくれたんですね!」

 

「…はい、やってきました」

 

銀の髪と眼を持って、柔らかく微笑んで話しかけてくるこの少女は美少女と言えるだろう。

というか、美少女率がこの酒場は多い。鼻を伸ばしている男性客も少なくない。まあ、確かに猫人やエルフがメイド服っぽいのを着ていたらここの常連となるのもわからなくもない。色んな系統の美少女がいるここは男の一種の楽園なんじゃねーかな。うん、やっぱり美少女は全人類の夢だよな。

というか、偶然でこういうとこの娘と出会うとか意外とベルはハーレム要素持ちなのか?

 

「あれ?そちらの方は…」

 

「あ、同じファミリアの人です」

 

「ベルと同じファミリアのカリオストロでーすっ、よろしくね☆」

 

今のオレの鏡みたい。頬に手を当て、軽くウインクしている姿はきっと最高に可愛いと思う。

ん、なんだぁ?人の顔見て呆然として。顔赤いわけでもないから見惚れたってわけでもなさそうだし。

 

「…ッ!?はい。私はシル・フローヴァといいます。よろしくお願いしますね。カリオストロさん」

 

呆けた顔からまたニッコリと笑って何事もなかったかのように握手を求め、オレがそれに訝しみつつも応じると先ほどまでの良質な町娘に完全にもどっていた。

妙に取り繕うのが上手いな…。あれは何か腹に一物隠し持ってそうだ。それの大小はともかく。

証拠があるわけでもないし初対面相手に憶測で測るのはやめるか。

とりあえず、未だ他の大人達の視線に晒されガチガチになっているベルを案内されたカウンター席の隅に押し込む。

すると、ある程度(主にベルが)落ち着いてきたことを察してドワーフの女将が話しかけてきた。

 

「へえ、あんたらがシルの知り合いかい?冒険者を連れてくると言ったからどんなのが来ると思ったら随分可愛らしい子達じゃないか」

 

「そうだろう、そうだろう、オレ様は可愛いだろ」

 

あっ、いけね。隠してたのについ反応してしまった。

 

「あっははは!!そっちがあんたの本性かい?こういう場所では自分を曝け出してじゃんじゃん飲み明かせばいいのさ」

 

「…そうかよ」

 

なんだろうな。圧倒的なオカンのオーラの前では色々やり辛いよな。こっちが何かしても笑って弾き飛ばすようなあっけらかんとした姿勢がオレにはキャラ的にキツイんだが…。

 

「シルには大食いって聞いてるからね!!すぐにこの店の上手い料理をたらふく食べさせてあげるよ」

 

「えっ、あの、まってください!?大食いってなんのことで…」

 

ベルの静止の声もなんのその。すぐに厨房で料理を作り始める。

やっぱりああいうタイプは美少女モードではダメだよなぁ。そういうのも含めて生温かい目で見られそうだ。オレが期待してる反応とは間逆の反応しかしない。ま、素の状態としては嫌いじゃないんだけどな。たまにはあのオーラに触れたくなるし。

 

 

 

 

その後、料理のお金関係でうんうん言ってるべるをシルと共にイジリ続けること数分後、大量の料理が並べられた。

ついでにエールも女将が高笑いしつつ普通に置いていた。それと女将の名前はミアお母さんと店員が読んでいたが、お母さんはオレ的に恥ずいのでおばちゃんと呼ぶことにする。

 

「あー、フルーティーなコクの深さがやっぱりいいなエールは」

 

「か、カリオストロもお酒は飲めるんだね」

 

「まあ、人並みにはなー」

 

グイッと一気にエールを流し込む。「あれ?僕の中の美少女ってなに…?」とベルが自問自答しているがそういう反応のベルを見たいがためにこういう飲み方をしているのはご愛嬌。ちゃんと他の客がオレを見てる時は

「このお酒、アルコールつよーいっ。カリオストロ酔っちゃったかも☆」

とやってるので問題ない。

 

ミアのおばちゃんは爆笑してたけどな。オカンには勝てない(確信)




どうでもいい話ですけど、カリオストロとアーミラしかSSRキャラいないのになんで武器のSSRがドラゴンスレイヤー3連続なんですかねぇ?(半ギレ)
ドラゴンスレイヤーの突破の星の数がしゅごい
無課金なんだ、早くSSRキャラでてぇ…

あとなんか今回の話し詰め込みすぎた気がするのでちょくちょく書き直すかもしれません。

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