世界一可愛い錬金術師がダンジョンにいるのは間違っているだろうか 作:スキン集め隊
休んでる間にランキング入ったり、1位になっていたりで狂乱演舞しました。どうも、ありがとうございます。ぶっちゃけカリおっさんの人気にあやかっている状態だとおもうのでこれからも精進していきます。
あとこんなのカリおっさんじゃない!って意見ももらいましたが、あくまで二次創作ですし、作者の中でのカリおっさんなんで自分のイメージと合わない点もあるかもしれませんが、まあ自分のやりたいように気楽にやっていくつもりですので肌の合わない方にはごめんなさいという事で…
さて、今回の話と次回はヘスティア視点ですかねー。ステイタスなのでやっぱり神視点が書きやすいので。
ゼェハアと荒く吐かれる息の音がこの部屋を支配する。原因は彼女と口論に口論を重ねてなったわけだが、息の荒い音は僕しかしていない。
こんなに僕は疲れているというのに彼女はそれを意に介した様子もなく、あっけらかんとこう言った。
「満足したか?それじゃ、ファミリア入団の検討よろしくね☆」
軽快な足取りでベル君の元へ遊びに(いじりに)いった彼女には軽く殺意を覚えたが、なんとか自分を下界の子供に八つ当たりするのは情けないと自制してファミリアと彼女について考えてみた。
とりあえず彼女と口論を重ねる内に、彼女が悪人でない事は分かった。
僕達神は下界の子供達の嘘を見抜くこともできるからそれは間違いない。それに、本当に彼女はベル君に恋しているわけではないようだ。
だからといって、本当に僕達が安全かと言われるとそうでもない。彼女は賢いのだ。こちらが彼女を言及しても、はっきりとした言葉ではなくのらりくらりとした曖昧な言葉で濁し、神にさえ真意を掴ませない。それでいて、彼女はカウンターで的確に僕のダメージとなる場所を抉り、人の弱みを得る。既に僕のベル君への想いも気付かれているのではないだろうか……。時折ベル君を弄っては僕の方をチラチラと、そして顔を赤くしたベル君をポイ捨てし、回復したらまた弄る。
……ファミリアが乗っ取られそうで怖いなぁ。彼女はするつもりはなさそうだけど、気づけばファミリアの中枢を掌握してたなんてありえそうで。
とはいえ、それ程の子を逃すことも今のファミリアにはありえない。今最も欲しいのは人材だ。何年後になるかは別としてベル君をこのファミリアの団長にするつもりでいる。となれば戦闘方向に眷属達が傾くのは想像に難くない。
それとは別にファミリアを運営できる能力をもつ人材が必要だ。ここは迷宮都市オラリオ────多種多様の人類と神が集まる場所。それぞれが厄介なクセをもつ、何時何が起こるか予測できないのだ。彼女のような良くいえば人の本質を見抜く能力はファミリアが大きくなればなるほど得難いものとなるだろう。
腹の探り合いなど今のベル君からは想像できないし、この彼はあまりにも純粋すぎる。
盛者必衰────十年程前まで栄えていたあの二大ファミリアも一瞬で消え去ったのだ。力の集まる場所ほど生まれる地雷の種は多い。
きっと、僕のファミリアもいつかは消え去るだろう。だが、それでも僕はベル君とまだ見ぬ眷属達とできうる限り長くいたい。神の命は永遠だ。だからこそ、その日々を一日でも多く焼きつけて忘れないようにしたい。だから僕は彼女が欲しい。
だが、それは未来の話。僕自身、ファミリアに何が必要かなんてまだわからないし。だから、今最も彼女に僕が求めるのはベル君の教育かな。
ベル君は少々夢見がちなところがある。だから、人の悪意なんて分からないし、理想しか知りえない。
それを彼女に抑えてもらいたい。彼女のようにやれとはいわない。ただ、彼女のいじりを通して人を疑い、隙を見せずに自衛するすべを学んでほしい。
本当に彼女には悪いと思う。もしファミリアに何かあった時、僕の次に彼女に皺寄せがくるということなのだから。ベル君のため、と言い訳しながらベル君の時とは違って打算で彼女の事を考えている自分が嫌になってくる。目の前でげんなりとしつつも満更でない様子のベル君と笑い転げている彼女を見ると尚更だ。
頭のいい彼女の事だ。それを察しているのだろう。だからこそ僕に一人で考える時間を与えてくれたのだ。
なんだかんだ皮肉っぽいことを言っている彼女だが、きっと根は優しい。それに僕の神としての直感が言っているのだ───ファミリアを最も愛すのは彼女だろう、と。
目を閉じれば、彼女が団員達を罵りながらも世話を焼く姿が───……なんか母親みたいだね。あれ、可笑しいななんでロキのところのハイエルフ君が一緒に浮かび上がってくるんだろうか。
…………………
「よし、さっさと恩恵の儀式をしてしまおうか」
「急にどうしたロリ女神様」
「君は何も気にする必要はないさ!さあ、早くソファーに寝転がりたまえよ」
「?わかった」
何故だろう。彼女の事はまだ理解出来ていないのにそれもいいかもしれないと思ってしまった。
ソファーに寝転がる彼女の姿を見ると、シミ一つない陶磁器のように真っ白な肌と黄金の髪にどうしても惹かれ、年相応の可愛らしさというか、その儚さに庇護すべき存在として印象づけるだろう。…ほんの少しでも彼女と相対すればそれはありえないと誰もが意を共にするだろうが。
それでも神でも嫉妬する美しさだよ…。それこそフレイヤを筆頭とした美の神と同じレベルの容姿ではないだろうか。
「それじゃあ、上の服を脱いで────」
はたと気づく。そういえばここにはベル君もいたはずではなかったか。彼女もそれに気がついたようで先程彼がいた場所に目を向ける。
「二人ともどうかしたんですか?」
ベルくーーーん!?駄目だ、彼は一切気づいていない。ああ、そっか、彼の中でこれは既に"儀式"として確立しているんだ。最初はともかく、二度目のステイタス更新からは恥じらいもなかった。でも今は女の子が対象になっているのにベル君がここにいるのは不味いのではなかろうか。
そんな僕の思考を知ってか知らずか、彼女はイタズラする時に浮かべる笑みをベル君には見えないように浮かべ────あ、これは嫌な予感。
そして、彼女は態と目立つように────おもむろに服を脱ぎ出した。
僕は叫びたかった。とにかく彼女のとんでもない暴挙を止めようとして、だができなかった。
余りにも美しかったのだ。ほんのわずかに覗けた彼女の腰、曲線美が。
ああっ!?そ、そんなところまで見せるのかい!?
自然と息を呑む音が二つ。
ん?二つ?………まさか。隣を見るとベル君が顔を真っ赤にしながら正常に生態機能が稼働しているのか心配になるほどの汗を流していた。もう、もうっ、本当に君ってやつはああああああ!!!
そう言っている間にも彼女は服を捲りあげて、そしてベル君に綺麗な流し目で言い放った。まったく、そんな技術どこから拾ってきたのか。
「も~、ベルお兄ちゃんったらカリオストロのどこ見てるの?お兄ちゃんのへ・ん・た・い・っ☆」
変態って…ベル君にそんな事言ったらどうなるか分からない君じゃないだろう!?
ああっ、ベル君がぶるぶる震えて…
「うわああああああああんっ!!」
そりゃ、そうなるよ。ベル君純粋に生きてきたのに急に変態のレッテル貼られちゃあね…。ベル君、強く生きるんだ!!
「くくっ、ホントベルは何度弄っても飽きねえな。よーっし、邪魔はいなくなったな。ヘスティア、早くやってくれよ」
「…………」
「おい、ヘスティア?」
「…本当にベル君を狙ってないんたね?」
「狙ってねーって言ってんだろ?…まあ、ベルが俺様に惚れちまったら別だけどな」
な、なにを言い出すんだ!ベル君だぞ!女の子に夢見てるベル君だぞ!?こんな理想の女の子の猫を被ってる女の子に惚れるなんて…………ありえそうだ。いや、素を知ってるからそれはないか。精々顔を赤くする程度かな。もし初対面が猫かぶり状態なら彼女の素を知った時のベル君はかなりショックになっていただろうなぁ。
「顔真っ青になってるぞ。だが仕方ないよなぁ、なんたってカリオストロ可愛いしっ☆」
ぐっ、これまた否定できないのが悔しいぃ!!いや僕は胸は勝ってるし!ってそうじゃなくて。
「あー、もう!ほらほら恩恵するから!」
「いやん、私に跨って何するつもりなの?ヘスティア様のえっちー☆」
「ちょっと黙っててくれないかな!?」
美の神と同レベルという事はその肢体で神でさえ魅了できるということなのに…フレイヤ達はともかく下界の子たちが下手に晒していいものじゃないことを分かっているのだろうか。無駄に面倒くさそうな子達や神を釣ることになりそうだから用心してくれよ。
ぐっと我慢して神の血を彼女の綺麗な背中に垂らす。その時に一瞬ピクッと彼女が動いたが…なんか得したというか、この先見れないような姿に妙な優越感がする。そういう姿を普通にしてれば本当に可愛いと思うんだけど。ベル君が意識しちゃいそうだから僕としては良いことなのだろうか。
血を広げていくとさらにピクピク反応して可愛いというか…今だけは美少女スキーなロキに賛成しないこともないかな。
「おい、ま・じ・め・に・や・れ!!」
「あ、うん。ごめんよ」
フンと彼女がそっぽを向いた。一抹の寂しさが何処からか溢れてくる。こんなものをロキは毎回感じているのだろうか、メンタルがすごく強くなってるだろうな、あいつ。
なんだかんだで可愛いところもあるし、彼女とは何気にうまくやっていけそうかな。
そう思っていた時期が僕にもあったんだ。
そして、彼女のステイタスを見た瞬間、僕のSAN値がやばくなった。ああ、お腹痛いぃ…
最初ヘスティアの所でシリアスっぽい雰囲気くら一気にシリアルにしてみました(笑)
ステイタスのかっこいいものが思いつかない。そのままでもいいでしょうかね?それで時間かかるよりは進めたほうがいいと思いますし。