魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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分かる人にしか分からんネタですよね、この車はw




第61話 第一種普通自動車運転免許

時は流れに流れ。

 

3学期に入りました。

 

高校3年生なので最後の学期でもある。

 

もう自由登校ではっきり言って冬休みの延長みたいなものだが。

 

さて、今は何をしているのかというと。

 

車の免許を取る為に自動車学校に通っております。

 

例によってなのは達と一緒に。

 

もっとも、俺が入校するときは色々とゴタゴタがあったがな!

 

見た目が小学生(135cm)にしか見えないから……推して知るべし。

 

しかし、色々と変わったんだな。

 

前世の前世で免許を取った時は四段階まであったんだが。

 

今は基礎を教えてもらう一段階と応用の二段階のみ。

 

まあ、昔の一段階と二段階を足して今の一段階に。

 

昔の三段階と四段階を足して今の二段階になっただけだがな。

 

とりあえず。

 

仮免許試験ではやてが撃沈してみたり。

 

「あと1点やったのに……!」

 

頭をかきむしっている姿は笑わせてもらった。

 

まあ、他の地区から来た男達がなのは達をナンパしていたが秒殺されていたり。

 

おかげで俺に殺意の目線が絶えないこと絶えないこと……。

 

何回も言うが、その程度の視線ならもはや慣れたから痛痒にも感じないがな!

 

ちなみに。

 

俺の担当の教官はショタ属性持ちの美女だった事を伝えておく。

 

……。

 

毎回、終わった後にホテルに誘うのはどうかと思うんだがね!

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだかんだで無事に免許を取る事は出来た。

 

なのは達も同じように免許を取る事が出来た。

 

それぞれ車はどうしようか~と言う話になったが。

 

来年からミッドチルダのベルカ自治区で生活するようになるから。

 

車は必要ないと思うが。

 

その旨を伝えると全員納得して車の話は無くなった。

 

もっとも、俺は前世の前世からの車を持ってるから買うつもりはさらさら無かったが。

 

……そう言えば、ミッドチルダはディーゼルエンジンは大丈夫だろうか。

 

うーむ、こっちでベース車手に入れてあっちで改造しようかな……。

 

ま、それは後々考えようか。

 

さあ、久しぶりに乗っていた車を出そうかな!

 

ちなみに、登録して車検も終わってるから何の問題もないぜ。

 

 

 

 

 

 

 

「~♪」

 

俺は鼻歌を歌いながら車のチェックをする。

 

魔法のポシェットに入れていたからボディに腐食とかは見られないし。

 

時が止まっていたからその他の不具合も見あたらない。

 

さて、どんな車を出したのかと言うと。

 

「アレスく~ん……って、なんやこの車」

 

「わ、凄いごつい……」

 

「……アンタにこんな趣味があるなんて」

 

なのは達が庭に来て俺が手入れしていた車を見ての感想がこれだ。

 

「お兄ちゃん……これって」

 

「何か、たまに自衛隊だっけ? その人たちが乗ってる車に似てる」

 

「あ、これって『三菱ジープ』だよね?」

 

すずかが言い当てる。

 

「良く知ってるな」

 

「えへへ、お姉ちゃんの知り合いの人が乗ってるの見たんだ」

 

「ほー、ジープって言うことは4WDやな」

 

「まあな。大概の悪路なら走れるな」

 

「けど……こんなに車高は高く無かったし、こんな大きなタイヤは履いてなかったな~」

 

そう言ってタイヤをジロジロと見るすずか。

 

「思い出した。鮫島の友達もこんな車を乗ってたわ。……でも、何か微妙に違うわね」

 

……多分、鮫島さんの友達が乗っていたのは50系ジープであろう。

 

50系はホイールベース(前輪と後輪の間の距離)が短いタイプだ。

 

4人乗車ではあるが、後部の2人乗り部分はほとんど荷物扱いだ。

 

「……その友達が乗っていたのはこれより短くなかったか?」

 

俺は携帯電話を取り出し、画像を出してからアリサに見せる。

 

「あ、これよ。こんな感じ」

 

「だろうな。俺のこれは20系と呼ばれるヤツでちょっとだけ車体が長いのと、後ろが観音開きなんだ」

 

自衛隊では1973年(昭和48年)に正式採用されたから73式小型トラックと言う名前でもある。

 

1996年にジープベースからパジェロベースに変更しているが、それでも73式小型トラックと言う名前である。

 

ジープとパジェロだと全然違うんだがな!

 

ちなみに、プロトタイプのパジェロはどう見てもジープにしか見えなかったがな!

 

「ほー」

 

「へー」

 

はやてとなのはが珍しそうに見ている。

 

ちなみに。

 

今ここに出しているのは。

 

シャシー部分は民間用20系ジープで上のボディ部分は自衛隊のヤツを貰って載せている特注仕様である。

 

色は黒に塗り替えて幌も特注の黒に作り替えている。

 

ついでにエンジンも非力なNAの4DR5型からJ55に載せているインタークーラー+ターボの4DR5型に換装済みだ。

 

カタログスペックではJ55はネット出力100馬力、NAの4DR5はグロスで80馬力(ネット換算64馬力位)だから大分違うと思う。

 

最も、J53に載せている4DR6型エンジンは直噴で低速の粘りと低速からの吹け上がりは下手なディーゼルと上回る。

 

だが、4DR6はなかなか入手出来なかったから以前乗っていたJ55のエンジンを流用したわけだ。

 

 

※作者はJ54ナローボディ(4DR50型・渦流室式・ターボ無し)とJ55(4DR52型・渦流室式・インタークーラー+ターボ)とJ24A(4DR50型・渦流室式・ターボ無し・自衛隊仕様)しか乗ったことが無いのでJ53(4DR6型・直噴・ターボ)のフィーリングは良く知らない。

 

 

ただ、昔のエンジンだからうるさいのが難点だが。

 

そうそう、トランスファー(副変速機)は昔の三速ガソリンジープ(J3・J52等)のトランスファー(DANA18)に換装して更に低速ギアを組んでるから普通のジープより出足は速いぜ。

 

更に、高速道路を快適に走るためにウォーン製(今現在はアドバンス・アダプター社が商標登録)オーバードライブギアも装着済み!

 

そして、足回りはとある四駆ショップの『ZERLサスペンション』に板を二枚増した仕様!

 

ショックはプロコンプのMX-6と言うショックを装備!

 

フロントシャックルは90mmのグリスアップ仕様のシャックル、リヤは110mmのグリスアップ仕様のシャックルに交換!

 

タイヤはダンロップのグラントレックMT2・ナローの235/85/16に4×4エンジニアリングのブラッドレーV、幅6Jでオフセット-6!

 

※今はオフセットではなく、マイナス側をアウトセット、0をゼロセット、プラス側をインセットと呼ぶようになりました。

 

 

 

……。

 

 

 

まあ、4駆知らなきゃ分からんネタばかりだがな!

 

兎に角。

 

改造しまくっている仕様なのだ。

 

「なるほど……ちょっと興味はあるなぁ」

 

はやては興味津々だ!

 

「乗ってみるか?」

 

「ええの?」

 

「まあ、俺の予想ではちょいと乗ったら『あかん! こんな車よー乗らんわ!』って言いそうだがな」

 

「……全く、アンタの声真似はいつ聞いても恐ろしく感じるわね」

 

苦笑いのアリサ。

 

「聞いとる私もそう思うわ。まあ、とりあえず乗らせて貰うわ」

 

そう言ってはやては運転席に乗り込む。

 

俺は助手席に乗り込み、サポートする。

 

後ろは……。

 

「狭いの」

 

「これは新感覚と言うか」

 

「ほとんど荷物扱いね」

 

「戦場に向かう兵士の気持ちが少しだけ分かる気がするわ」

 

「と言うか、定員オーバーな気が」

 

うん、20系の幌は6人乗りなんだが。

 

ハンドルシフト仕様なら前3人の後ろ4人で合計7人まで乗れるのだが。

 

ハンドルシフトなんか乗ってられっか!

 

「アレス君!」

 

「どうした?」

 

「レバーがいっぱい生えとる」

 

うむ、初めて乗るヤツは絶対言うだろうと思ったよ。

 

真ん中の長いレバーがミッション切り替えのシフトレバー。

 

運転席側に2本生えてて長めのが2WDと4WD切り替えレバー。

 

短いのがトランスファー切り替え。

 

通常走行は『H』で悪路走行は『L』だ。

 

真ん中の『N』はオプションでPTOウインチを付けたときに使うのだ。

 

そして、俺のはオーバードライブギアを付けてるから更にそれをON-OFF切り替えのレバーもある。

 

うん、そりゃあ教習車から比べたらレバーがいっぱいあって訳が分からないだろう。

 

その旨を説明してはやては理解する。

 

「さすが軍用車。一般の車と違うわ」

 

「とりあえず、道路ではこれしか使わないからな」

 

俺は長いミッションレバーを指す。

 

「了解や」

 

そう言ってはやてはクラッチを踏んでエンジンキーを回す。

 

 

 

 

キュルキュルガラガラガラガラガラガラガラ

 

 

 

うむ、独特なディーゼルサウンドが聞こえるな。

 

「……なあ、これトラック?」

 

はやては口元を引きつらせている。

 

「まあ、昭和45年にキャンター(T90型)と言う2tダンプに積んでいたから間違いではない」

 

もっとも、アレは初期の4DR5型ではあるが。

 

「まあ、ええわ。……バックが逆についとる」

 

「ああ、気を付けろよ。1速はここだ」

 

「ここ……ね。慣れるまでは大変やな」

 

「トルクは太いから少々クラッチ操作誤ってもエンストはしないぞ」

 

「その点はええな」

 

そう言ってゆっくりと前に出る。

 

「うわ、ハンドルが重いで」

 

「パワステなんぞ付いてないぞ」

 

「なるほど。まあ、これくらいならどうって事はないな~」

 

そう言ってゆっくりと公道に出る。

 

 

 

 

 

 

近くの国道に出て走る。

 

 

 

「エンジンがうるさいの!」

「クッションが固いね!」

「私達、荷物扱い!?」

「戦場に向かう兵士の気持ちが本当に良く分かる車だね!」

 

 

 

後ろの方でなのは達が騒いでいるが、俺はとりあえず無視することにする。

 

「坂道が面白いなぁ! 4速でも軽々登っていくわ!」

 

うーむ、オーバードライブがONになってるから5速なのだが。

 

まあ、噴射ポンプを調整してあるから大抵の坂なら余裕で上がるのだが。

 

それと。

 

後ろの車との車間距離が妙に空いてるのは何故だ?

 

……おっと、そう言えば。

 

後ろのタンクに旭日旗のマークを貼っていたな。

 

右の翼的な人に勘違いされてるのだろう。

 

……まあ、良いか。

 

「そう言えば、後ろの車の車間距離が妙に空いてるのは、なして?」

 

はやてがバックミラーをちらりと見てから話しかけてくる。

 

「うむ、多分これのせいだろう」

 

俺は旭日旗のマークを見せる。

 

「ぶっ!」

 

吹き出すはやて。

 

「ぶふっ!」

 

後ろからも同じように吹き出す声が聞こえる。

 

「この車にこのマークはあかんやろ!」

 

「うむ、似合うかと思っていたんだが」

 

「似合うけど違うベクトルに向かってるやん!」

 

「まあ、『十六八重表菊』とかはさすがに躊躇したぞ?」

 

「当たり前やー! 右の翼的な人達と勘違いされるやん!」

 

そんな感じでドライブは続く。

 

 

 

 

 

 

 

30分近く走って休憩にとある道の駅に入る。

 

結構人がいるな。

 

「何処に止まろうか」

 

ジロジロと駐車スペースを探すはやて。

 

「んーと……」

 

俺も助手席に座っているので同じように探す。

 

……。

 

何かいるな。

 

視線に入ったのは、VIP系の車が数台。

 

クラ○ンとか、シー○とかVIP系と言うヤツだ。

 

車高を限界まで下げている。

 

その周りにいるのは、頭を金髪にした男性が10名位。

 

どうみてもD○Nと呼ばれそうな雰囲気の方々だ。

 

あー、歩く人達皆視線を逸らしているぞ。

 

あれの近くに止めると絶対にロクでもないことが起こるな。

 

「あれの近くは止めてくれよ」

 

「……うわぁ……アレはあかんな」

 

「どれどれ……うわ」

 

「……どこにでもいるんだね」

 

「触らぬ神に祟りなしってね」

 

そんな感じで遠くに止める。

 

 

 

 

 

 

「ん~」

 

降りて背伸びするはやて。

 

他のメンツも同様に降りて背伸びをしたりしている。

 

……。

 

何か、やたらに視線を感じるな。

 

周りを見ると、驚いた表情を浮かべてる方々が沢山。

 

ふむ、やはり俺達は目立つのだろうか。

 

車も目立つが、運転手と同乗者も目立つか。

 

 

 

※平均身長170㎝以上の女性が6人でモデル並みの体型なら十分目立ちます。

 

 

「さて、どうする?」

 

俺は皆に尋ねる。

 

「とりあえず、休憩だね」

 

「ジュース飲みたい!」

 

「面白そうな食材とか無いかな?」

 

「と、とりあえず……お花摘みかな」

 

顔を少し赤らめさせてるフェイト。

 

「お花……摘み? ああ、行ってらっしゃい」

 

俺は即座に納得してそう返す。

 

「……一緒に来る?」

 

「……行ってどうしろと?」

 

「一緒に入って……とか?」

 

俺にはそんな趣味は無いんだが!

 

「一人で行って来なさい」

 

「……うん」

 

少し残念そうな顔で歩いていくフェイト。

 

変な道に走らなければ良いが。

 

「あ、私もちょっとお花摘みに行って来るね」

 

そう言ってすずかもフェイトの後を追う。

 

……考えてみたら、フェイトって俺にキツめに攻めて貰うの好きだったよな。

 

うーむ、少し道を踏み外しかけているが。

 

いや、まだ許容範囲内だろう!

 

「うーむ、フェイトちゃんもなかなかマニアックな方に入って来てるな!」

 

「……お母さんのせいだね」

 

「え? プレシアさんのせい?」

 

驚いた顔でアリシアを見るアリサ。

 

「昔、お母さん……フェイトの事、鞭で叩いてたから……」

 

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 

 

アリシアの台詞で全員沈黙する。

 

 

 

 

「プレシアさんのせいだね」

「うん、間違いない」

「だから、アレス君にいじめられて感じてるんだ」

 

 

 

 

「これ以上は色々と問題が出るから止めない?」

 

 

 

 

 

 

 

中に入って休憩していると。

 

なかなか帰ってこないフェイトとすずかから念話が。

 

〈アレス……助けて〉

 

〈絡まれちゃった〉

 

2人からこんな救援が。

 

……十中八九あいつ等だろうな。

 

車を駐車場に止める時に見たD○N共だろう。

 

その他あり得るのはヤのつく職業だろうけど。

 

いや、それより下位になるチのつく職業か。

 

どちらにせよ、助けにいこうか。

 

すずかはまだあの手の男に苦手意識を持ってるからな。

 

「フェイトとすずかがアホ共に絡まれてるから助けに行くわ」

 

そう告げると、全員ついてくる事になった。

 

中に残っていると集中的に注目を集めて鬱陶しいとの事。

 

 

 

 

 

 

 

先ほど見たVIP系の車が止まっている場所に来ると。

 

フェイトとすずかを取り囲んでいる男達。

 

「そんなつれないこと言うなって」

 

「そうだぜ? 俺達に付いてくると楽しいことがいっぱいだぜ?」

 

「とりあえず、今夜はホテルで沢山遊ぶことだがな!」

 

「ぎゃはははは! それ良いな!」

 

何とテンプレ的な台詞が満載。

 

うーむ、こんな馬鹿共を相手にせにゃならんのか。

 

ちょっとため息が出るが、仕方ない。フェイトとすずかの為にもな。

 

「悪いが、その2人はこっちの連れなんだがな」

 

俺は馬鹿共に声をかける。

 

「あん?」

 

「何だ?」

 

一斉に俺達の方を見るD○N共。

 

その隙にフェイトとすずかはすり抜けて俺の後ろに回る。

 

「何だこのクソ餓鬼?」

 

「おいおい、見てみろよ」

 

「うひょ! すげぇ美人!」

 

「こりゃ良いな!」

 

「6人もいたらずいぶん楽しめるじゃねぇか!」

 

ざわめく馬鹿共。

 

……見てるだけで疲れそうだからこのまま帰ってみるか。

 

「駄目だぞ、こんな奴らの相手をするなんて」

 

「うん……」

 

「私がうっかり目を合わせたせいで」

 

何事も無かったかの様に帰ろうとするが。

 

「おいおい待てよ」

 

「これも何かの縁ってヤツだぜ?」

 

「とりあえず、全員置いていけよ」

 

「お前みたいな餓鬼には勿体ないぜ」

 

馬鹿共が俺達の回りを囲む。

 

え? イベント戦闘ですか?

 

逃げられないんですか?

 

……まあ、負ける要素が一つも無いがな!

 

とりあえず、少し挑発してみるか。

 

「置いていく理由が全く見当たらないんだが……」

 

「だから言ってるだろ? お前みたいな餓鬼にこんな美女は勿体ないって」

 

うーむ、確かに第三者の目から見ると大学生から社会人の美女が小学生の男の子を連れ回している……と言う認識に近いよな。

 

それはさておき。

 

「あ、お前等勘違いしてるみたいだが。俺と彼女達は同級生だぞ?」

 

俺がそう言うと目の前のD○N共は動きが止まる。

 

そして。

 

「どわっはっはっはっはっはっ!」

 

「何だよそのジョーク!」

 

「どう見てもお前小学生じゃねぇか!」

 

爆笑しやがった。

 

うーむ、久々に腹が立ってきたぞ。

 

「うわー……」

 

「お兄ちゃんにそれは禁句に近いよー」

 

「……地雷原でジクザク走りするくらいの危険な行為だよー」

 

アリサ、アリシア、すずかの声が聞こえる。

 

うむ、以前に管理局で思いっきり子供扱いした新人を殴り飛ばしたのは良い思い出だ。

 

ちなみに。

 

ヴィータも『よくやった!』と褒めていたがな!

 

状況はエヴァとヴィータと歩いていたら、『ここはいつから小学校になったんすか?』とニヤニヤしながら言う男がいたので。

 

思わずボディブローをかましてしまったのだ!

 

その後、その男はリンディさんとレティさんに連行されていったが。

 

数日後に会ったら、従順になっていた。

 

どんな事があったのやら。

 

まあ、いい。

 

今は目の前の状況を片づける事にするか。

 

「よーし、良いだろう。俺とタイマンで勝ったら彼女達を連れて行って良いぞ?」

 

そう告げると浮かれだすD○N共。

 

うむ、無理ゲーと言うモノを見せてやろう。

 

「うわー、至上最悪の無理ゲー」

 

「でも、安心して見ていられるね」

 

安心しきっているなのは達。

 

そうこうしていると目の前に現れたのはがたいの良い男。

 

身長は190~2m前後か。

 

スポーツ刈りだが、金髪に染めている。

 

鼻にピアスつけてるぞ!

 

出来れば関わり合いたくない風貌だな。

 

「へっへっへっ」

 

薄ら笑いを浮かべている。

 

俺は男を見上げている。

 

その瞬間。

 

男の右手が僅かに動くのを見る。

 

このモーションは……何かを投げつける?

 

俺は即座に眼を閉じる。

 

顔に何か粉の様なモノが……!

 

僅かに鼻に入った瞬間。

 

コショウだった。

 

即座に呼吸も止めるが、クシャミが出てしまう。

 

「クシュン!」

 

僅かだが、スキが出来てしまう。

 

「はーっはっはっはっはっ! どんな相手でも俺は油断しない! どんな手を使ってでも……最終的に……」

 

男の台詞がいったん止まる。

 

「……勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」

 

うーわー。

 

どこぞの究極生命体の台詞だよ、それ。

 

お望みなら宇宙に放り出してやろうか?

 

……まあ、それは酷だから止めておこうか。

 

そして、予想通り男は上背を生かした上からの右パンチ。

 

眼をつむっていても空気の流れで男の動きは読める。

 

「ま、その考えは嫌いじゃないぜ」

 

俺はそう呟きながら男のパンチを難なく左手で受け止める。

 

「なっ!?」

 

驚愕する声が聞こえる。

 

それもそうだろう。

 

余裕で当たると思ったパンチが難なく受け止められたのだから。

 

「目潰しか。金的に匹敵するあくどい手段だよな」

 

俺は受け止めた拳を握りしめる。

 

「な、何だこの力は……!」

 

俺は眼を開く。

 

「ま、お疲れ様ってヤツだ」

 

そう言って俺は右拳を握りしめて、一気にパンチを繰り出す。

 

相手の鳩尾目がけて拳は食い込む。

 

「うげぇ!」

 

男は腹を押さえてその場にうずくまる。

 

あ、もちろん手加減はしてますよ?

 

周りを見るとD○N共は眼を見開いて動きが止まっていた。

 

「はい、これで終わり。それじゃあ、帰ろうか」

 

俺はなのは達にそう言う。

 

「ま、まだだ!」

 

「こうなったら、力ずくで!」

 

「やっちまえ!」

 

D○N共はそう言うと一斉に襲いかかってきた。

 

「はあ……」

 

俺はため息をつくしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

15分後。

 

俺達は帰路に着いていた。

 

え? あのD○N共はどうしたのかって?

 

勿論、瞬殺と言う単語が似合うかのごとく沈めましたが何か?

 

なのは達を人質に取ろうとするもこれまた同じように瞬殺。

 

ま、普通の一般人が鍛えまくったなのは達に勝つなんて無理ってもんだが。

 

「うーん、とうとう私達も人外の域に達したのかー」

 

後ろに乗ってるはやてがそんな事を言っている。

 

いやいや、とうの昔に人外になってるんですよ?

 

「でも、あの手の奴らをぶっ飛ばすのは凄く気持ち良いね~」

 

アリシアちゃん? 言ってることが物騒になってるよ?

 

「それは分かる……アレスみたいな子を夜いじめるのとは違う快感が……」

 

……アリサェ。

 

「コレにこりてあの人達も大人しくなれば良いね」

 

「そうだね」

 

なのはとフェイトの声も聞こえる。

 

「ま、大丈夫じゃね? あれだけ言い聞かせれば」

 

「……アレは言い聞かせると言うより脅迫に近かったよ」

 

すずかの台詞は敢えてスルーすることに。

 

どんな事をしたのかと言うと。

 

あいつ等の目の前でスチール製の空き缶を指で簡単そうに引きちぎったり、その辺に落ちていた石を粉々に握りつぶして見せただけだが。

 

顔を真っ青にしていたがね!

 

「良いじゃないか。これであいつ等も更正すれば結果オーライってヤツだ」

 

「それはそうなんだけどね……」

 

そんな感じで俺達は家に向かって帰るのであった。

 

 

 

 




今でもこんな輩はいるんですかねぇ?w


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