魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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第39話 プレシアさん、もう1人お願いします!

 

 

 

 

 

「こっちか!?」

 

「こっちよ、アレス!」

 

「あと少しなのに!」

 

俺達はリンディさんからの応援依頼である管理世界に来ている。

 

メンツは俺、アリサ、すずかの3人だ。

 

空戦魔導師が1人で犯人を追いかけていたら数人の仲間に今追いつめられているらしい。

 

応援を求めてる魔導師の名前を聞いて俺は驚愕した。

 

『ティーダ・ランスター』一等空尉。

 

そう、StS編で出てきたティアナ・ランスターの実の兄だ。

 

関わった以上は何とかしてあげたい所だ。

 

しかし、地形が分からない上に敵の攻撃もそこそこキツい。

 

それに敵も連携が上手いのだ。

 

俺1人突撃する訳にもいかず、こうして攻めあぐねている状態だ。

 

「ちぃ! こうなったら、俺も遠距離魔法を使うしかあるまい!」

 

一応、ベルカ式の使い手だから遠距離魔法は苦手……と言う事にしてあるが。

 

こうなっては仕方ない。魔法の矢を敵にぶち込んでやる!

 

さっきからすずかとアリサが遠距離魔法で応戦しているが、相手は15人近くいるのだ。

 

「良いの? アンタは表向きは遠距離魔法は使えないって事になってるんだけど?」

 

「もはやそんな事言ってる場合じゃないだろ。たった1人で救援待ちしてるんだ。さっさと片付ける!」

 

「分かったわ。あいつ等にぶちかましてやりなさい!」

 

「言われなくとも! リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 闇の精霊75柱、集い来たりて敵を切り裂け。『魔法の射手・連弾・闇の75矢』!!!」

 

俺の手から放たれる闇の矢。

 

1人あたり5矢行く計算だ。

 

「なっ!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「聞いてないぞ!?」

 

敵の驚いた声が聞こえる。

 

その直後、爆音が周囲に響いて敵の攻撃が止む。

 

一応手加減しておいたから死人は出てない……ハズ。

 

「行こうか」

 

「ええ」

 

「うん」

 

俺達は先に進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

【こちらの方に微弱の魔力反応があります!】

 

エヴァの指示に従って進むと。

 

「っ!」

 

「そんな!」

 

血まみれになって倒れている男が1人。

 

茶髪の20代前半の男性だ。

 

間違いない、ティーダさんだ。

 

間に合わなかったのか?

 

「駄目か?」

 

【いいえ、微弱ですが生命反応が有ります! まだ大丈夫です!】

 

エヴァの声が頼りに聞こえる。

 

だが、一刻も争う状況だ。

 

「アリサ、すずかは周囲の警戒を。俺はこの人を助ける」

 

「分かったわ。でも、大丈夫?」

 

「分からん。だが、やるだけはやってみる」

 

「うん、お願いね?」

 

アリサとすずかは空を飛んでいって周囲の警戒をしている。

 

【お兄様、復活(リザレクション)でいきましょう!】

 

「分かった。エヴァも実体化してくれ。2人でかけよう!」

 

【了解です!】

 

エヴァは俺の隣に実体化する。

 

「よし、一緒にいくぞ?」

 

「はい、お兄様」

 

俺とエヴァは手を握る。

 

 

 

「聖なる癒しの御手よ 母なる大地の息吹よ 願わくば 我が前に横たわりしこのものを その大いなる慈悲にて救い給え 聖なる癒しのその御手よ 母なる大地のその息吹 我等が前に横たわる 傷付き倒れしかのものに 我等総ての力もて 再び力を与えん事を 『復活(リザレクション)』」

 

 

 

「聖なる癒しの御手よ 母なる大地の息吹よ 願わくば 我が前に横たわりしこのものを その大いなる慈悲にて救い給え 聖なる癒しのその御手よ 母なる大地のその息吹 我等が前に横たわる 傷付き倒れしかのものに 我等総ての力もて 再び力を与えん事を 『復活(リザレクション)』」

 

 

 

俺とエヴァの声が重なり、横たわってるティーダさんの身体が光り輝く。

 

傷口があっと言う間に塞がり、呼吸も元に戻る。

 

「ふう、これで大丈夫だろう」

 

「ですが、失った血までは回復しきれてませんわ」

 

「そうか。なら後は病院に……」

 

「ちょっと待って下さい、お兄様……」

 

エヴァはティーダさんが持っていたデバイスを手に取る。

 

しかし、デバイスは一部壊されている。

 

よく見ると、メモリが抜けている。

 

誰かが抜いたのだろうか?

 

「……何かあったのか?」

 

「……プレシアさんの所に行きましょう」

 

俺の顔をジッと見つめるエヴァ。

 

いつもの優しい雰囲気は一切感じられない。

 

「……。分かった」

 

俺はティーダさんを背負う。

 

「身代わり人形を」

 

「……なるほどな。俺のアレに入ってる。エヴァなら出せるだろ?」

 

「はい、大丈夫です」

 

エヴァは俺が常に持っているポシェットに手を突っ込む。

 

「……確か……ありました」

 

手を取り出すと、白い小さな人形が握られていた。

 

前世で開発した身代わり人形だ。

 

血を付けるとその人の姿になる。

 

偽装死させるにはもってこいの人形だ。

 

「これに血を付けて……」

 

エヴァはティーダさんの小指を傷付け、人形に血を垂らす。

 

人形は光り輝いてティーダさんの姿になる。

 

「あとは、同じように傷を付けて……と」

 

エヴァはティーダさんの姿をした身代わり人形に傷を上手く付ける。

 

そして、血が多い場所に寝かしておく。

 

「これで大丈夫。お兄様? 周囲に監視等の目は?」

 

「……うん、いない。大丈夫だ」

 

「分かりました。それでは、アリサさんとすずかさんを呼びますね」

 

エヴァはアリサとすずかの元に飛んでいく。

 

その後は2人に事情を説明したあと、2人を先にプレシア女史の元に帰らせる。

 

むろん、ティーダさんを2人に任せて……だが。

 

2人が転移した数分後、管理局員3名が到着する。

 

「……間に合いませんでした」

 

「……そうですか」

 

「くそっ! ティーダ……お前が逝くなんて……!」

 

同期の人だろうか。涙を流している。

 

「敵の姿とか確認出来ました?」

 

「いえ、来た時には既に……」

 

「そうですか」

 

「それで、どうしましょうか?」

 

「そうですね、アレス君はとりあえずは帰還してください。後はこちらで処理します」

 

「了解です」

 

俺は悲しんでる局員を後目にリンディさんの所に帰還する。

 

 

 

 

 

 

 

リンディさんの部屋に行き、事の顛末を報告する。

 

「そう……間に合わなかったの……」

 

「はい、到着した時には既に息を引き取っていました」

 

俺の言葉を聞いてリンディさんはお茶を飲む。

 

ちなみに、例によって砂糖とミルクをたっぷり入れたあのお茶である。

 

俺のお茶は普通の緑茶ではあるが。

 

「やるせないわね。将来有望だったのに……」

 

「そうだったのですか。しかし、気になる点が1つだけ」

 

「……それは?」

 

「デバイスが壊され、中のメモリが抜き取られていました」

 

「……なるほど」

 

リンディさんは顎に手を当てて考え込んでる。

 

「何か、心当たりでも?」

 

リンディさんは周りを見る。

 

そして、手招きをする。

 

俺はリンディさんに近づく。

 

「ここだけの話だけどね」

 

耳打ちしてくるリンディさん。

 

吐息が耳に当たってくすぐったいです。

 

「はい」

 

「ティーダ君、独自で管理局の汚職を調べていたって言う噂を聞いたの」

 

「……なるほど」

 

「ひょっとしたら、今回の殺害も上の高官の指示の可能性もあるわ。でも……」

 

「証拠は無い……ですね?」

 

「ええ。けど、私の勘ではかなりの確率だと思うわ」

 

「でしょうね。俺も今回はなんかきな臭い物を感じてるんですよ」

 

「やっぱり、アレスちゃんもそう思う?」

 

「はい」

 

「さすがアレスちゃんね♪それじゃあ、ご褒美ね♪」

 

「へ?」

 

その瞬間、リンディさんは俺を抱きしめてくる。

 

「ん~♪アレスちゃんはやっぱり可愛いわ~♪」

 

「あの?」

 

「プニプニのほっぺた、さらさらの髪の毛……どれも一級品ね~」

 

頭を撫で、ほっぺたをスリスリしてくるリンディさん。

 

今までのシリアス空気を返して貰おうか!

 

「ありがとう……ございます?」

 

とりあえず、礼を返しておく。

 

「それで? はやてちゃんはもう頂いちゃったの?」

 

「ぶほっ!」

 

盛大に噴き出す俺。

 

「まだなの? はやてちゃん、早くアレス君に(性的に)食べて貰いたいっていつも愚痴ってたわよ?」

 

「……まだ早いでしょう」

 

あのタヌキはそんな事までリンディさんに言ってたんかい!

 

「そうね、はやてちゃんの話だとまだ精○(○通とも言う)迎えて無いんですって?」

 

……やはりあのタヌキはとことんお仕置きをした方が良いかもしれない。

 

「……ノーコメントで」

 

「それなら、今迎えてみる?」

 

「ゑ?」

 

「ここは大人の女性として、アレスちゃんに教えておかないといけないわね♪」

 

もの凄く、不穏当な台詞に聞こえるんですが?

 

「久しぶりだから、余り上手くないけど……許してね?」

 

そう言ってリンディさんは俺のズボンのベルトを緩める。

 

「あの……? リンディさん?」

 

「うふふ、私に任せておけば大丈夫よ♪」

 

これは色々とシャレにならないんですが!

 

このままだと大人の漫画的な展開が待ち受けてるんですがねぇ!

 

「!? バインド!?」

 

気が付いたら四肢が固定されていた。

 

俺に気付かず……だと!?

 

〈お兄様、ここは早く大人の階段を上って頂けたら幸いかと……〉

 

〈うをををっ!? 助けると言う選択肢は!?〉

 

〈有るわけないじゃないですか♪お兄様と久しぶりに肌を重ねたいのですよ?〉

 

ここでエヴァの裏切り!?

 

「さあ、ご対面♪」

 

ズボンを脱がされ、パンツが見える。

 

絶体絶命のピンチ!?

 

そんな事を思っていたら。

 

「リンディ~? この書類なんだけど……?」

 

ドアが開いて現れたのは。

 

手に数枚の書類を持つレティさんだった。

 

「……」

 

レティさんは俺達の状況を見て動きが止まる。

 

手に持っていた書類は床にばらまかれる。

 

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 

 

時が止まった様に部屋が鎮まる。

 

「……レティ? こ、これは……ね?」

 

「リ、リリリリンディ!? 貴女、何羨ましい事してるのかしら!?」

 

そう言って詰め寄ってくるレティさん。

 

あ、大して状況変わらなさそうな予感。

 

「あ、アレスちゃんが……ちょっとここに攻撃を受けたって言うから……」

 

うぉい!? なんだその言い訳は!?

 

「!? それは一大事ね! 私が治療してあげるわ!」

 

余計悪化したぞ!

 

「だ、駄目よ! 私が責任持って治療してあげるから! レティ、貴女は用が済んだならさっさと退室してちょうだい!」

 

「何を言ってるのよ! 私の方が治療魔法上手いって言うの忘れたの!? ほら、アレスちゃ~ん♪私が痛いの治してあげるわ~」

 

レティさんはそう言って俺のパンツに手をかける。

 

こ、これ以上はもう色々とシャレにならん!

 

「『眠りの霧(ネブラ・ヒュプノーティカ)』!!」

 

俺は無詠唱で霧を発生させる。

 

霧はリンディさんとレティさんの顔周りを覆う。

 

 

「あ……」

「え……」

 

 

2人は途端に眠りにつく。

 

「ふぅ、これで一安心」

 

俺は手足を固定しているバインドを破壊する。

 

その後は、2人をソファーに座らせる。

 

テーブルに書類を置いておく。

 

ついでに記憶をちょっと弄っておく。

 

まあ、無詠唱で弱めにしておいたから15分で目を覚ますだろ。

 

「それじゃあ、お疲れさまでした~」

 

俺はリンディさんの部屋からこっそりと出ていく。

 

〈エヴァ、今夜はニンニク餃子な〉

 

〈ごめんなさいです! それだけは!〉

 

〈そうかそうか。なら、身体を重ねた時は……抜かず5発だな〉

 

〈それは……〉

 

〈楽しみだな~〉

 

〈お兄様は鬼畜です……〉

 

エヴァの呟きを無視しつつ俺はプレシア女史の家に向かって転移するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男性専用アームドデバイスをリンディさんの手でカートリッジロードされそうになった所を逃げ出して来た。

 

あのままだとリンディさんにケフィア的な液をぶっかける所だったぜ。

 

その後は……大人の漫画的な展開になっていたに違いあるまい。

 

色々とシャレにならん所だったぜ。

 

そんな事を思いつつもプレシア女史の家に到着。

 

アリサとすずかはきちんと届けてくれたかな~と。

 

俺はテスタロッサ家のチャイムを鳴らす。

 

 

 

 

 

 

 

 

出迎えてくれたのはリニスさん。

 

いつもの様に中に案内してくれる。

 

リビングに着くと、プレシア女史、アリサ、すずかの3人がいた。

 

アリシアとフェイトはエリオとキャロのお勉強の講師をやっているとの事。

 

リニスはお茶の準備で離れる。

 

「おかえり、アレスちゃん? いきなり怪我人をここに連れてきた理由をお願いして良いかしら?」

 

「それについては私から説明致しますわ」

 

エヴァが実体化してソファーに座る。

 

事の顛末を説明する。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどねぇ……確かにミッドの病院に入れるのは良くないわね」

 

そう言って紅茶を飲むプレシア女史。

 

「全く、汚職するヤツって言うのは何処にでもいるのね」

 

少し語尾を荒げつつクッキーを手に取ってかじるアリサ。

 

「そうだね。このままだと、ティーダさん……本当に殺されちゃうわ」

 

紅茶のカップを両手に持ちつつソレを眺めてるすずか。

 

「とりあえずは、偽装死用の遺体を置いておいたから当分は大丈夫だろう」

 

「そうね。それにしても、アレスちゃんは色んな物を持ってるわね」

 

「まあ、な。備えあれば憂いなしって言うヤツだ」

 

「それで、この人もウチで預かれば良いのかしら?」

 

「出来れば、そうしてもらいたいんだが……」

 

「良いわよ。見たところ、身体に異常は無さそうだしね。1週間あれば大丈夫でしょ」

 

「すまない、ここんところ連続で人を預けてばかりで」

 

「良いのよ。他ならぬアレスちゃんの頼みですもの」

 

「でも、食費とか本当に大丈夫なのか?」

 

「大丈夫よ。ウチは全員で働いてるし、私も管理局の仕事が無い時は翠屋でウエイトレスしてるから」

 

その話は初耳なのだが。

 

いつの間にアルバイトしていたのだろうか。

 

まあ、プレシア女史だから……な。

 

「えっと……もし何かあったら言ってくださいね?」

 

「あたし達も協力しますから」

 

「ええ、その時はお願いね?」

 

プレシア女史はアリサとすずかに微笑みかける。

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫か?」

 

俺はティーダさんを寝かせている部屋に入る。

 

中ではアルフが看病していた。

 

「大丈夫だよ。しかし、凄いねぇ~アリサとすずかに聞いたけど、ほとんどやばかったんだろ? それをここまでねぇ~」

 

そう言ってティーダさんの額に乗せてるタオルを取って洗面器につける。

 

「まあ、五分五分の賭けでもあったんだがな」

 

「大したもんだって。あたしやフェイトでも出来ないと思うよ?」

 

「まあ、今は出来なくともいつかは2人も出来ると思うが?」

 

「そんなもんかねぇ……」

 

そう言ってタオルを絞ってティーダさんの額に乗せる。

 

「うぅ……」

 

「お? 目を覚ましたみたいだね」

 

「ああ、リニスさんかプレシアさんを呼んで来てくれ」

 

「了解」

 

アルフは部屋から出ていく。

 

俺はティーダさんの顔を覗き込む。

 

「……」

 

目を開けるティーダさん。

 

「……目が覚めましたか。分かりますか?」

 

「……ああ。ここは?」

 

「第97番管理外世界の地球です」

 

「97……」

 

「大怪我を負った貴方を知り合いの家に連れて来たんですよ」

 

「そうか……ひょっとして、君は……アレス君?」

 

「俺の事をご存じで?」

 

「ああ。古代(エンシェント)ベルカの伝説の魔導書を持つ少年だからね。色々と噂は聞くよ」

 

「はは、どんな噂かは聞かないでおきますよ」

 

「そうだね……っ!」

 

苦しそうな表情を浮かべるティーダさん。

 

「どこか……痛みますか?」

 

「すまない……リンカーコアが少し。どうやら、魔力生成が困難になってるみたいだ」

 

「……そうですか」

 

どうやら、俺の魔法ではさすがにリンカーコア修復までは厳しかったみたいだ。

 

「しかし、死んだと思ったのに……」

 

「本当にギリギリでした」

 

「……君が?」

 

「はい、術式が少し違いますが。相当の重傷でも回復させる魔法を知っています」

 

「凄いなぁ。いつか、教えて貰いたいよ」

 

「そうですね」

 

ドアが開き、入ってくるのは……。

 

「元気そうね」

 

プレシア女史だった。

 

「……貴女は……」

 

「私の事を知っているのかしら? 一応自己紹介しておくわ。プレシア・テスタロッサよ」

 

「……ティーダ・ランスターです」

 

「さて、と。貴方……リンカーコア損傷してるわね?」

 

「……ええ」

 

「まあ、ソレは追々治す事にしましょうか。それよりも……知ってはいけない事を知ったわね?」

 

「……」

 

プレシア女史から目を逸らすティーダさん。

 

「全く。好奇心はネコを殺すって言うわよ。まあ、管理局の腐敗具合は酷いのは分かるけど」

 

「すいません」

 

「当面、貴方はミッドでは死亡扱いになるように偽装しておいたわ。この方が都合良いでしょ?」

 

「……ええ。ですが、妹がいるので、妹だけは」

 

「知らせてあげたいのは山々だけど。そこから貴方が生きてる事を知られるのは今はまずいのよ。それだけは我慢して頂戴」

 

「そうですか。分かりました」

 

「貴方の身体が完全復帰したら、知らせてあげるわ。ただ、数年かかるかも知れないけど……」

 

「ありがとうございます」

 

「それまでは、ウチで療養しておきなさい。困った事があったらリニスに言いなさい」

 

「はい……」

 

「それじゃ、後はごゆっくりどうぞ」

 

プレシア女史はそう言うと部屋から出ていく。

 

「ま、そんな訳だ。当面はここで生活して貰いたい」

 

「色々とありがとう」

 

「どうも致しまして。そうそう、妹さんの名前は?」

 

「ティアナ。将来は僕みたいに管理局に入りたいって言ってたからな。もし、会う事があったら、お願い出来るかい?」

 

「分かりました」

 

俺はティーダさんと約束をかわして部屋を出るのであった。

 

 

 

 




 
ティーダさん生存です

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