魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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第36話 修学旅行〈小学校編〉 後編

 

 

 

 

 

その後、俺達は市内を散策してから時間が来たので旅館に帰ってくる。

 

明日は海鳴市に帰るので、今日は最後のお泊まりである。

 

それだけに、結構今夜は騒がしくなりそうな……予感。

 

いや、昨夜以上の事は起こらないだろうと思う。

 

俺はそう思いつつも自室に戻って風呂に行く準備をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……どうして……こう……なった……」

 

俺は息絶え絶えに呟いた。

 

今居るのは、女湯の更衣室だ。

 

周りでは女子の同級生達が興味津々で俺の方を見ている。

 

貴女方、みんな思春期を迎えたのですか?

 

「ほらほら、観念して脱げばええやん♪」

 

黙らっしゃい、この元凶(タヌキ)めっ!

 

どうしてこうなったのか―――――

 

 

 

 

 

 

 

「~♪」

 

口笛を吹きながら風呂場に向かっていると。

 

「お兄ちゃん♪」

 

俺の前に来たのはアリシアだった。

 

周りを見ると、特に誰も見当たらない。

 

「ん? どうした?」

 

「えへへ~お兄ちゃんを連行しに来ました♪」

 

「……なぬ?」

 

「もう、2日もお兄ちゃんと一緒にお風呂に入ってないの」

 

「ああ、そりゃ修学旅行に来てるから仕方ないよな」

 

段々ときな臭い予感を感じる。

 

「だから、一緒に入ろ♪」

 

「どうして、そこで『だから』になるのか理解出来ないんだが!」

 

「もう! お兄ちゃんは男だから細かい事は気にしないの! さあ、一緒にお風呂に入ろうよ~」

 

そう言って俺の腕を掴んでくるアリシア。

 

いかん、アリシアはフェイトと違って……。

 

「問答無用で連行だよ~♪」

 

「ウヲヲヲヲヲヲヲッ!」

 

アリシアの手をほどく事も出来ずに俺はそのまま連行された。

 

 

 

 

 

 

 

――――――と今に至る。

 

アリシアはフェイトと違って力に任せて事を進める事があるのだ。

 

……アリシアの名誉の為に言っておくが、脳筋とは少し違うのだぞ?

 

力持ちで素直なだけだ。

 

問題は、こんな事を画策した奴に問題があるのだ。

 

言うまでも無く、はやてである。

 

実は女湯にはこんな条件があったのだ。

 

 

『10歳以下の男児入浴可』

 

 

旅館の人に確認済みで、そんな事を聞いたのははやてだった。

 

俺はもう12歳を迎えているのだが、見た目はどう見ても10歳……いや、9歳と言っても通用する外見なのだ。

 

担任にばれたらエラい事になるが、それも対策済みで。

 

今の時間帯の監視人を……。

 

あろう事か、横島先生にしたのだ。

 

これもはやてが横島先生に交渉している。

 

……0.05秒で了承する横島先生の姿が目に浮かぶようだ。

 

ちなみに、混雑を避けるために2クラスごとに入る様に設定されている。

 

故に、クラス全員が俺と一緒に入る事を了承してしまえば……バレる事は無い。

 

思春期女子共の行動力を侮った俺が悪いのか……!

 

「くそ……帰ったらお仕置きしちゃる……」

 

俺はブツブツと呟きながらボクサートランクスを脱ぐ。

 

もう、こうなったら自棄である。

 

 

 

「わあ……」

「嘘……」

「昔見た、お父さんのアレみたい……」

 

 

 

 

女子達の声が聞こえる。

 

俺は動物園の珍獣扱いか?

 

女子達の視線は俺の男性専用アームドデバイスに向かっていた。

 

「さあ、アレス君に洗って貰わないと色々と欲求不満やからな!」

 

「そうだね。今日はたっぷりと洗って貰うからね」

 

はやてとすずかに両手を引っ張られて俺は中に入る。

 

うむ、男湯と大差ない作りだ。

 

中は当然だが女性しかいない。

 

……たまに小さな男の子らしいのはいるが。

 

 

 

『……ジュルリ』

 

 

 

背筋に何か冷たいモノが走ったんだが。

 

「……なんか、肉食獣に狙われる草食動物の気分なんだが」

 

「あら、あそこに横島先生がいるわよ?」

 

アリサが指を指し示す先には、目をぎらつかせて俺の方を見る横島先生がいた。

 

バスタオルも身体に巻かず、腕を組んで威風堂々といった感じで立っています。

 

……隠せよ。

 

「素晴らしい……!」

 

横島先生は唐突にそんな事を言ってくる。

 

「……聞きたくは無いのですが。何が、素晴らしいのですか?」

 

「決まっているだろう? 君みたいな小柄な少年が……そんな逞しいイチモツを持っている事にだよ」

 

横島先生の視線は俺の股間の男性専用アームドデバイスに向けられている。

 

「見ていても何もありませんよ?」

 

「何を言う。しっかりと目に焼き付けて今後のおかずにするんだ」

 

しっかし、最悪な先生だよな。

 

「……好きにしてください」

 

「……何……だと? それなら今夜は私の……」

 

「それは却下です」

 

危なかった。

 

この先生には言葉を選ばないと恐ろしい事になる。

 

「……それにしても……だ。君達は……」

 

横島先生はジロジロと俺達を見る。

 

「全員、ツルツルが好みなのか?」

 

……?

 

一体、何の事を言ってるんだ?

 

「何を仰ってるんですか?」

 

なのはは不思議そうな表情を浮かべている。

 

「何、君達の下手な大人顔負けの体型なんだが……。アソコは毛が生えていないのかと……」

 

そう言う事か。

 

まあ、確かに横島先生の言うとおり、俺はアームドデバイス周辺に毛は1本も生えていない。

 

だが……。

 

なのは達も何故か毛が生えていないのだ。

 

世界の修正なのか、よく分からないが。

 

彼女達も……いわゆるパ○パンなのである。

 

一部のマニアには大ウケなのだろうな。

 

「あ~。そう言えば、私達……」

 

「生えてない……わね」

 

フェイトとアリサがお互いの股間を見ながら苦笑している。

 

「まあ、アレス君がボーボーになるのは許されへんがな!」

 

「そうだね。生えたら剃ろうね」

 

満面の笑みで俺を見るすずか。

 

安心しろ、前世の前世でも生える事はなかったのだから。

 

 

 

「……無毛(パ○パン)六歌仙と呼ぼうか?」

 

 

 

「横島先生? 少し頭を冷やしてあげましょうか?」

 

「……遠慮しておく」

 

なのはの笑顔に見えない笑顔に顔を青くする横島先生。

 

「まあ、とりあえず。後で私の身体を洗って貰うからな」

 

「ゑ?」

 

「八神とそう言う契約を結んだのだからな」

 

「……」

 

俺ははやての方を見る。

 

「……」

 

はやては頬に冷や汗を流しながら俺から視線を逸らす。

 

「……後日に石抱き(ソロバン責め)だな」

 

「堪忍や!」

 

顔を青くするはやて。

 

ちなみに、石抱きとは十露盤(そろばん)板と呼ばれる三角形の木を並べ、その上に囚人を正座させ、さらにその太ももの上 に石を載せる。

 

江戸時代の拷問である。

 

前世の前世でもやられた事があったが。

 

痛いなんてもんじゃなかったな!

 

「まあ、24時間鬼ごっこだな」

 

「……それも堪忍やけど……」

 

「ま、帰ってから考えるか」

 

そんなこんなで風呂に入る事になった。

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~、良い湯だった」

 

部屋に帰ると好雄と学がやたらに睨む様な目つきで俺の方を見る。

 

「……お前、何処の風呂に行ってた?」

 

わざわざ俺の事探したのか。

 

「は? 何言ってるんだよ。一緒に風呂に入ってたじゃないか」

 

「嘘だッ!」

 

学が間髪入れずに返答する。

 

背後に鉈を持ってセーラー服を着た栗色髪の少女(竜宮レナ)が見えるんだが。

 

……幽波紋(スタンド)

 

「ネタは上がってるんだぜ?」

 

「……何の事だ?」

 

「匠のヤツが、こんな写真を持っていたんだ」

 

好雄が差し出した手には。

 

アリシアに連行される俺が写ってる写真が。

 

「……」

 

思わず閉口する。

 

「てめぇ……もしや……女湯に行ってたんじゃ……」

 

好雄と学の背後には金剛力士像の姿が見える。

 

こんな所で阿吽の呼吸を合わせんでも。

 

つーか、ポラロイドカメラ持ってきてたんかい。

 

「……そこら辺は想像に任せる」

 

「殺ろーす! 氷室先生に報告だ! 好雄!」

 

「おうよ! 今度こそ……このハーレム野郎に人誅を下してやる!」

 

好雄はエラい勢いで部屋から出ていった。

 

「……」

 

「まあ、ご愁傷様?」

 

ニヤニヤ笑う匠が俺の方を見る。

 

「……元凶が何を言うか」

 

 

 

 

 

 

 

 

30分後。

 

「……ただいま」

 

元気が無い好雄が帰ってくる。

 

「……どうした?」

 

「……氷室先生に言ってみたらさ、『その時間の担当は横島先生だから横島先生に聞いてみて?』って言われたんだ」

 

「そしたら?」

 

「『藤之宮君? 何言ってるの? 男湯に入っていたんじゃないの?』だってさ。証拠の写真見せても……」

 

「見せても?」

 

「『これってアリシアさんが藤之宮君を引っ張ってるだけじゃない。これが女湯に連れ込んでる証拠?』だって」

 

「……確かに……アリシアちゃんがアレスを引っ張ってるだけだよな……」

 

好雄と学は写真を眺めながら呟いてた。

 

うむ、横島先生に任せて正解だったと言う事か。

 

同級生達もばらす事はしないだろうし。

 

なんだかなぁ。

 

俺は何となく釈然としなかった。

 

 

 

 

 

 

 

さて、今夜は修学旅行最後の夜だ。

 

昨夜はなのは達の部屋でそのままお泊まりしてしまったので今夜は大人しくしておこうと思う。

 

これ以上は好雄と学が発狂してしまいそうだ。

 

……今でも充分発狂しているが。

 

「さて、折角だから……旅館内を少し散歩してから就寝しようかな」

 

俺は部屋から出て館内をうろついてみることにしてみた。

 

ちなみに、俺以外のヤツは全員他の部屋に遊びに行っている。

 

何処に行ってるかは知らないが。

 

 

 

 

 

 

 

「藤之宮君♪」

 

「ん?」

 

呼び止められる声が聞こえたのでそちらの方を見る。

 

見ると、同じクラスの女子が4人。

 

「どうしたんだ?」

 

「えへへ~」

 

女子達は妙な笑いで俺の方を見る。

 

非常に嫌な予感を感じる。

 

「……さて、そろそろ寝る時間だ」

 

俺はきびすを返して部屋に戻ろうとする。

 

「逃がさないよ~?」

 

女子達が俺の身体を掴む。

 

実に最悪の展開だった。

 

「お、おのれら……どこに……」

 

「さあ、可愛い男の子をご招待~♪」

 

「人の話を聞けぇ!」

 

俺はそのまま連行される。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何だコレは」

 

連れて行かれた先は案の定、なのは達の部屋。

 

だが……!

 

 

 

「キャハハハハハハハハ!」

「アレスが襲ってくれないから……私はいつでも準備オッケーなのに……」

「お兄ちゃんの浮気者! 早くあたしを襲ってよ!」

「アレス! アンタ……何で3人もいるのよ! 良いから早くあたしにいじめられなさいよ!」

「アレス君……アレス君の血が欲しいよ~……」

「さあ、アレス君のアームドデバイスをやね……」

「藤之宮……食べて良いかい? むしろ食べさせろ!」

 

 

 

 

顔を真っ赤にしているなのは達+横島先生がいた。

 

な、何だこの状況は……。

 

俺は呆然となのは達を見ていた。

 

「……えへへ、来てみたらこんな状況でさ」

 

「こうなったらアレス君を連れて来るしか無かったんだよね」

 

つまりは生け贄と言うヤツか?

 

言うか……なのは達の近くに転がっている……空き缶。

 

チューハイと呼ばれるお酒です。ありがとうございました。

 

40缶近く転がってるぞ。

 

1人頭5本を超える計算なんだが。

 

つまり、彼女達は酒に酔っていると言う状況だ。

 

……ばれたらシャレにならんだろ!

 

〈お兄様……〉

 

〈……彼女達が出ていったら防音結界を張っておこう〉

 

〈その方が良いですわね〉

 

「……ああ、分かったよ。彼女達のおもりは俺がしておくから」

 

「ごめんね、アレス君」

 

そう言って同級生の女子達は部屋から出ていった。

 

「さて……」

 

俺は防音結界を展開しておく。

 

これで音が部屋の外に聞こえる事は無いだろう。

 

「これはどういう事ですか? 横島先生?」

 

元凶は明らかに横島先生以外いない。

 

「……いや、これには太平洋の海溝よりもふか~い事情が……」

 

「なるほど。どうやら肩がこってるみたいですね?」

 

「へ? それはどういう……?」

 

俺は横島先生の背後に回り、両肩を掴む。

 

「揉みほぐしてあげましょう」

 

「い、いや……別に肩は……いたたたたたたたたた! い、痛い!」

 

問答無用で俺は横島先生の肩を揉む。

 

「おやおや、結構こってるじゃないですか♪」

 

「べ、別にこって……と言うか……見た目に寄らず君は力が強いんだな!」

 

「ええ、外見に騙される人が多いです」

 

「だ、だから! 肩が! 骨が砕ける~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐは……」

 

畳に突っ伏している横島先生。

 

そして、俺は酔っ払い達に取り囲まれていた。

 

もはやへべれけで言語がおかしい。

 

素面でもたまにおかしい時はあったが、今回は酔っているから余計におかしくなっている。

 

「私の酒が飲まれへんのかぁ!」

 

はやては絡み酒みたいだ。

 

〈お兄様……〉

 

〈言いたい事は分かる〉

 

〈気を付けてくださいね?〉

 

俺は酒はそれなりに強いが、許容限界を超えると記憶が無くなる。

 

前世の時も、前世の前世の時もそれでエラい事になっている。

 

「分かったよ」

 

俺ははやてから梅酒のチューハイを貰ってから飲み始める。

 

それからと言うもの、全員が俺に酒を勧めて……。

 

記憶が無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うん」

 

やけに肌寒いんだが、何か……暖かくて柔らかい感触が。

 

ってちょっと待て。

 

俺は寝ぼけた頭を覚醒すべく、目を開ける。

 

左右を見るとなのは、フェイトが俺に抱きついている。

 

どういう訳か、俺は全裸。

 

しかも、なのはとファイトも全裸。

 

昨日よりも状況が悪いじゃねぇか!

 

股間の男性専用アームドデバイスは天に届かせようと建設した塔(バベルのとう)よろしく、真っ直ぐ起立している。

 

これは男の朝の現象ゆえにどうしようもないのだ。

 

「はあ……」

 

ため息しかでない。

 

多分……大丈夫と信じたい。

 

酒に酔った勢いで肉体関係を持ってしまうのは……どうかと思う。

 

しかも、まだ12歳なんだぞ!

 

 

 

「……ドキドキ」

「……これは……!」

「直に見ると……」

「凶器に見えるわね……」

「……しゃぶりたい」

 

 

 

 

声が聞こえるのでそちらの方を見ると、なのはとフェイト以外のメンツが目を覚まして俺の方を見ている。

 

視線の先は勿論、そそり立つ男性専用アームドデバイス。

 

ちなみに、最後の台詞は横島先生だ。

 

「見物料取るぞゴルァ!」

 

「身体で払ってええよな? むしろ払わせてぇな!」

 

頬を赤くして両手を胸の前でツンツンとつついてるはやてがそう言う。

 

……全裸だし。

 

「それ以外にしやがれ」

 

「え~? 私の身体じゃ駄目なんかぁ……」

 

そう言って自分の胸を揉んでるはやて。

 

……まあ、充分なのだが。しかしそれを言うと面倒なので言わない。

 

言うか、他のメンツも全裸だった。

 

横島先生、何で貴女も全裸なのですか?

 

「む? 皆が全裸になるなら私も全裸になるしかあるまい?」

 

なにそのドヤ顔。

 

全裸になる必要性が無いだろ。

 

「ほれほれ、小娘には無い大人の魅力が満載だろ?」

 

そう言って自分の胸を下から掴んで揺する横島先生。

 

あんた……それでも教師か?

 

「何を……やりたいのですか?」

 

「とりあえず、パイ○リ。先っちょをペロペロと舐めてあげるぞ?」

 

「訴えて良いですか?」

 

「全く、冗談が分からんヤツだな……」

 

貴女の冗談は冗談に聞こえないのです、横島先生。

 

「にゃはは……おはよ、アレス君?」

 

「アレス……おはよ?」

 

気が付くとなのはとフェイトも目を覚ましていたみたいだ。

 

「おはよう、なのは、フェイト」

 

「今日もアレス君のソレは元気だね?」

 

「うん。ソレで突かれたらどうなるんだろうね?」

 

なのはとフェイトの頬は赤い。

 

視線は俺の男性専用アームドデバイス。

 

「どうなんだろう……なぁ?」

 

「……という訳で……や! 私が実験体になってあげるわ! さあ、ガンガン突いてええで!」

 

朝から何を暴走してるのか、このタヌキは。

 

「朝から暴走するな。いい加減に服を着ろ」

 

「え~? ええやん。もうちょいこのままでええやろ?」

 

「何故に」

 

「アレス君のソレを頭に焼き付けておきたいからや」

 

……もう、何て言って良いのやら。

 

ちなみに、アリサとアリシアとすずかは先程から無言で俺の男性専用アームドデバイスをじっくりと眺めている。

 

目を見開いて、頭に焼き付けているのだろう。

 

ツッコミを入れるのは止めておいた。

 

 

 

 

 

 

 

「申し開きは?」

 

「何を申し開けと?」

 

部屋に帰ると案の定、好雄と学がいた。

 

背後に金剛力士像のオーラを出しながら。

 

「また朝帰りだと……! 何処の部屋にいたのか……言えぇ!」

 

「ノーコメントだ」

 

「畜生……証拠さえあれば……!」

 

「このハーレム野郎に人誅を下せるのに!」

 

2人は血の涙を流しながら着替えている。

 

……そう言えば、なのは達はあれだけ飲んだにも関わらず……二日酔いしてなかったな。

 

恐るべし!

 

 

 

 

 

 

 

広島駅に着いた。

 

後は新幹線に乗って海鳴市に帰るだけだな。

 

しかし、今回の修学旅行はなかなかドタバタしたよな。

 

鹿・グレートと不良達の戦い。

 

女風呂連行事件。

 

……中学校に行って修学旅行に行ったらどうなる事やら。

 

何となくだが更に恐ろしい事になりかねないが、まあそん時はその時だ。

 

さあ、海鳴に帰るかな。

 

 

 

 

 

 

 

〈なあ、昨晩は酔ってたから記憶に残ってないんだが。俺は一体何をしたんだ?〉

 

新幹線で俺はエヴァに念話で聞いてみる。

 

ちなみに、マルチタスク使用しているので問題はない。

 

〈えっと……皆様を口説いていました〉

 

……。

 

〈横島先生もか?〉

 

〈いえ、横島先生は早々と酔いつぶれていました〉

 

〈そうか。で、だ。俺は彼女達と肉体的な関係を持ってしまったのか?〉

 

〈……そこは大丈夫です。私が皆様を眠りにつかせました〉

 

ナイスだ、エヴァ!

 

〈ナイスだ。さすがにこの年齢でなおかつ酒の勢いとかもはやシャレにならん〉

 

とりあえずは、エヴァに感謝する。

 

〈その後は私がお兄様のアームドデバイスを……〉

 

〈ちょっと待て〉

 

〈えへへ、冗談ですわよ?〉

 

〈……かなりのブラックなジョークなんだが〉

 

こうして新幹線での時は流れる。

 

ちなみに、俺はなのは達の膝の上に座らされるハメになっていたのが。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~」

 

海鳴駅で解散となり、そのまま家に直帰した。

 

なのはとフェイトとアリシアはそのまま自分の家に戻り、アリサとすずかも今日は自宅に戻るとのこと。

 

はやても途中で別れて同じように家に帰る。

 

「おかえり、アレスちゃん」

 

「おかえりです~お父様~」

 

「……何故に?」

 

出迎えに来たのはリインフォース・(アインス)とリインフォース・(ツヴァイ)の2人だった。

 

言うのを忘れていたが、昨年にはやて専用のユニゾンデバイスを作る事になって出来上がったのがツヴァイの方だ。

 

見た目は似た様な雰囲気で髪の色とか瞳の色が違う位でそっくりなのだ。

 

何故に俺の事を『お父様』と呼ぶのかというと。

 

アインスをベースに俺がエヴァに入っているユニゾンデバイスのデータを取り入れて作成したからだ。

 

無論、俺1人で作ったわけではないが。だが、かなり関わったのは事実でもある。

 

それをあろうことか、はやては『悔しいけど、アインスとアレス君の子供やな!』と言い。

 

それに気を良くしたアインスが『ならばお父様と呼ばせるしか有るまい!』と暴走。

 

結局、そのまま俺が父親扱いになってしまったのだ。

 

……もう反論する気は起こらなかった。

 

ちなみにシグナムとシャマルがかなり嫉妬していたのは見なかった事にする。

 

「つれない事を言うな。ツヴァイがアレスちゃんに会いたいと言うから来たんだ」

 

その割には貴女も嬉しそうにしてますね、アインス?

 

尻尾が生えていたらハタハタを振っている様な感じだ。

 

「お父様に会いたかったです~」

 

そう言って俺に抱きついて来るツヴァイ。

 

ちなみに、ツヴァイの身長は90~1mの間位だ。

 

親子と言うより兄妹と言った方が違和感無いだろう。

 

「全く、甘えん坊だな」

 

そう言って俺はツヴァイの頭を撫でる。

 

「えへへ~」

 

「お兄様……私もお願いします」

 

いつの間にかエヴァも実体化して俺の後ろから抱きついている。

 

「エヴァ伯母様は後です~!」

 

「だから、私は伯母じゃないです!」

 

まあ、確かにアインスの姉だから伯母で合っているのだが。

 

でもユニゾンデバイスのデータを提供したのはエヴァだから……。

 

一応は母親なんだろうがな。

 

「やはり、はやてさんは一度氷漬けにした方がよろしいですわね……!」

 

黒い笑みを浮かべてるエヴァ。

 

エヴァを伯母扱いしたのははやての仕業なのだ。

 

「ほらほら、2人とも落ち着けって」

 

俺は2人の頭を撫でる。

 

「は~い」

 

「はいです……」

 

頬を赤くして笑みを浮かべてるツヴァイをエヴァ。

 

「……羨ましい……。私もアレスちゃんにああやって頭を撫でて貰いたい……」

 

羨ましそうに俺の方を見るのはアインス。

 

確かに、アインスの身長はシグナムと大差無い165㎝。

 

※作者独自の解釈です。公式ではありません。

 

俺より30㎝高いアインスの頭を撫でるのは無理である。

 

最も、俺が宙に浮かんで頭を撫でれば良いだけの話だが。

 

「それはそうと、母さんは?」

 

「直美さんですか?直美さんは翠屋の手伝いですよ?」

 

そうか、今日は手伝いの日だったか。

 

そう言えば、母さんが手伝いを始めてから売り上げが上がったと桃子さんは喜んでいたな。

 

看板娘の1人だ~って。

 

……看板娘って言う歳でも無かろうに。

 

 

 

 

『アレスちゃん? 今夜は食べさせてあげようかしら?』

 

 

 

 

ゾク……!

 

俺は背筋に恐ろしく冷たいモノを感じる。

 

これ以上は、ヤバい。

 

シャレにならん。

 

年齢の事は気にしない事にしよう。

 

……ちなみに、母さんの年齢は28歳である。

 

見た目はどう見ても中学生くらいにしか見えないが。

 

いや、小学校高学年かもな。

 

これ以上は……言わせないでくれ。

 

「まあ、勝手知ったるなんとやらだ。私が留守番を頼まれた」

 

「なるほど……」

 

下手な泥棒来ても泥棒が可哀想になるだけだな。

 

「そう言えば、シグナムとシャマルは?」

 

「ああ、シグナムは隣町の剣道場の稽古、シャマルは管理局で回復魔法と支援魔法の講師だ」

 

なるほど、そう言う事か。

 

「ヴィータとザフィーラは?」

 

「ヴィータは敬老会の誘いでゲートボール、ザフィーラは家で留守番兼鍛錬だ」

 

「聞くまでもないが、シグナムとシャマルの様子は?」

 

「無論、歯ぎしりして悔しがっていたぞ?」

 

……予想通りでした。

 

アインスが実に嬉しそうに語っている。

 

「お父様♪私もお父様とユニゾンしたいです♪」

 

「……ツヴァイ? ツヴァイははやてとユニゾンする様になってるんだよ?」

 

ツヴァイがニコニコしながら俺にそう言ってくる。

 

満面名笑みだが、ここはきちんと教えておかないと。

 

「え~? アインスお母様やはやてお母様は許可してくれましたよ?」

 

……何となくだが。妙な予感を感じる。

 

「……つかぬ事を聞くが、2人からどんな事を聞いたのかな?」

 

俺は優しく聞いてみる。

 

「えっとですね。お父様のアームドデバイスを私のここに挿入すれば良いと……」

 

 

よっし、2人は後で全殺し(ホームラン)だ。

 

 

無垢なツヴァイに何を教えてるんだ!

 

「アインス?」

 

「……娘の為に教えただけです」

 

頬に冷や汗を流しながら俺から視線を逸らすアインス。

 

「おのれら主従コンビは今度の土曜日は24時間鬼ごっこの刑な」

 

「そ……それは……」

 

ダラダラと脂汗みたいな感じで汗を流すアインス。

 

ちなみに、以前は24時間笑ってはいけない刑だった。

 

笑うと年末にやってる笑ってはいけないシリーズの様に黒いしなやかな棒で尻を叩くのだ。

 

長年生きた経験でありとあらゆる笑いを誘う手法で2人を地獄に追い込んだのだ。

 

叩く人は交代でなのは、フェイト、アリシア、アリサ、すずか。

 

アリサは恍惚表情で叩いていたのを俺は見逃さなかった。

 

……アリサ本人は気付いていなかったみたいだが。

 

「ツヴァイ? それはちょっと厳しい願いだが、今度一緒に寝てあげるからそれで勘弁な?」

 

「それでも良いです~お父様と一緒に寝ると凄く暖かくて気持ちいいです~」

 

ちなみに、ツヴァイは俺限定で抱きつく癖があるみたいだ。

 

はやてとかアインスとかだとたまにしかしないらしいが、俺の時は100%抱きついてくる。

 

別に、俺の体温は高い訳じゃないんだがな。

 

「それじゃあ、お父様~遊びましょう~」

 

ツヴァイが俺の手を引っ張る。

 

「はは、分かったよ」

 

「申し訳ないです、旅行から帰ってきたばかりなのに……」

 

「これくらいなら大丈夫だ」

 

俺達はリビングに行ってからゲームをするのであった。

 

 

 




 
ツヴァイファンの皆様、ご安心下さいw

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