魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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久しぶりのまったり


第33話 日常生活編②

 

 

 

 

 

――――― 私立聖祥大学付属小学校、六大美少女誕生

 

早いモノで夏休みが終わってしまった。

 

まあ、よくあるパターンで夏休みの宿題を溜めてしまって最終日にニワトリのごとく大騒ぎすると言うのがあるが。

 

終業式当日に終わらせた俺には死角は無かったのだ!

 

なのは、アリサ、すずかも同じように終わらせている。

 

ちなみになのはは終わった時に某ボクサーの様に真っ白になっていたが。

 

それはさておき。

 

明日から始業式であるが、隣のプレシア女史から連絡があった。

 

『アリシアとフェイト……明日から同じ学校に通うからよろしくね♪』

 

いつの間に編入届けを出していたのか。

 

編入テストは大丈夫だったのか。

 

疑問は尽きないが、プレシア女史がそう言うなら大丈夫だろう。

 

それから間を置かずにリンディさんから通信があった。

 

『はやてちゃん、明日から同じ学校に通う様になったから♪』

 

そう言う事か。

 

最近は車椅子に乗る事も少なくなって来たから石田先生に了承を得たのだろう。

 

まだ松葉杖を使ってるが、車椅子よりは融通は利くのだろう。

 

ってな訳で明日のHRは騒がしくなりそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

「アリシア・テスタロッサで~す」

「あの……フェイト・テスタロッサです」

「八神はやてやで~」

 

 

 

教室の黒板の前で自己紹介するアリシア、フェイト、はやての3人。

 

始業式が終わった後、LHRにて紹介となった。

 

男子はアリシアとフェイトを見て顔を赤らめさせていた。

 

ちなみに俺のクラスの男子は妙に大人びている。

 

女の子に興味が湧いてる年頃なのだ。

 

……早すぎるのも問題だよな。

 

女子達もアリシアとフェイトを興味津々で見ている。

 

まあ、金髪で双子だから目立つよな。

 

「うう、アリシアちゃんとフェイトちゃんに喰われてもうた……」

 

若干影が薄くなってるはやてだった。

 

「それじゃあ、席はアレス君の後ろね」

 

担任の台詞で男子達の視線が俺に集まる。

 

無論、嫉妬の視線以外無かった。

 

席替えで俺は後ろの移動して前にアリサ、右横になのは、左横にすずか。

 

それで後ろはアリシア、フェイト、はやて……だと?

 

何か、肉食獣に囲まれた様な気がしないでもないが。

 

 

 

「よろしくね?」

「よろしく?」

「よろしくやで~」

 

 

 

3人は席に来る時にあからさまな挨拶を俺にする。

 

おおぅ、嫉妬の視線が殺気の視線に進化しそうだぜ。

 

「折角ですから、これからの時間は質問タイムにしますね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コラー! 好雄! アンタさっきアリシアちゃんの所で質問してたでしょうが! きちんと並びなさいよ!」

 

アリシア、フェイト、はやての所でクラスメイト達に指導するアリサ。

 

大半がアリシアとフェイトの所ではやての所はボチボチいる……と言った感じだ。

 

俺は面倒だからその光景をぼんやりと遠くに離れて眺めている。

 

そこへ来たのはなのはとすずかだった。

 

「にゃはは、アリサちゃんも大変だね」

 

「フェイトちゃんも大変そうだよ?」

 

まあ、フェイトの性格だとこういった感じの騒がしさは苦手かもしれないな。

 

「……ってか、アリサの手伝いとかしなくて良いのか?」

 

「大丈夫だって。それよりアレス君の監視をお願いされたよ?」

 

すずかの後半の台詞はどこかおかしかった。

 

「何故に俺の監視を?」

 

「ん~? アレス君の事だから何かするんじゃないかって」

 

俺は歩く事件発生器か。まあ、確かに前世の前世とかでも何もしてないのに勝手にトラブルに巻き込まれる事はあったがな!

 

「……実に心外なんだが。俺は見ての通り何もしてないぞ」

 

「でも、何もしなくてもトラブルからやって来る事あるよね?」

 

なのはの台詞に反論出来ない俺がいた。

 

「あ~、なのはちゃんの台詞……何となく分かる」

 

納得するすずか。

 

「そんなに俺はトラブルメーカーなのか?」

 

そう言って2人の方を見ると。

 

「藤之宮ぁ!」

 

何やら俺を呼ぶ声が聞こえる。

 

聞こえた方を見ると怒りの形相の好雄……と周りの男子達。

 

もの凄く、イヤな予感。

 

好雄は俺に駆け寄り、こう言った。

 

「お前、アリシアちゃんとフェイトちゃんをお嫁さんにするつもりか!?」

 

目の前が真っ暗になりそうだった。

 

「しかも、はやてちゃんもか!?」

 

他からも声が聞こえる。

 

いきなり俺と知り合いだったとバラしてくれたんですね、この3人は!

 

「ほら、トラブル発生したよ?」

 

「にゃはは、やっぱりアレス君はトラブルに巻き込まれやすいんだね」

 

2人は苦笑いしていた。

 

「アレス! アンタ、あたしをお嫁にするんでしょうが!」

 

アリサが更に乱入してきたからもはや収拾がつかなくなりそうなんだが。

 

 

「……」

 

 

俺は窓際に座っていた担任を見つめた。

 

 

 

『藤之宮君、六股とか救いようが無いよ? とりあえず、みんなからお仕置きされなさいな♪』

 

 

 

と目で語られてしまった。

 

敵だらけしかいない事に気付いた。

 

「……戦略的撤退!」

 

「逃がすかぁ!」

 

逃げようとしたが、男子生徒達に囲まれてしまった。

 

 

 

「うぬらに止められると思うてか!(CV.内海賢二)」

 

 

 

俺は周りの男子達にデコピンを喰らわせる。

 

ボゴンとかズゴンとかデコピンに相応しくない音を立てながら俺は周りの男子達を沈めていくのであった。

 

ちなみに、この話は他のクラスにも回って同学年の男子生徒達から言われ無き恨みを買ってしまった。

 

 

 

そうそう、いつの間にかなのは、アリサ、すずか、アリシア、フェイト、はやての6人は『私立聖祥大学付属小学校六大美少女』としてずっと語られる事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――― 残念な転生者

 

 

「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁっ! あのクソ見習い神! 今度天界に行った時ぶち殺してやるわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

周囲に響く若本ヴォイス。

 

俺の目の前では身長2mを超える筋肉隆々の男が大暴れしていた。

 

容姿は髪が一切生えてない頭でオマケに眉毛もない。

 

服装はビキニパンツ一丁と言うかなり危険な雰囲気しか感じない。

 

さて、俺が今いるのは管理局も知らないとある次元世界。

 

生き物は一応いるが、人間はいない世界だ。

 

まあ、何で来たかと言うと……ただの偶然。散歩みたいな感じで来ただけだったのだが。

 

来てみたら泉の縁で大暴れしている色黒でマッチョな男。

 

と言うか、この世界を管理しているマッチョ神にそっくりなのだ。

 

「お兄様……」

 

「エヴァ、言いたい事は分かるが。アレは単に似てるだけの転生者だ」

 

「そう……ですわよね。本来、神族が降臨するのは禁止されているハズですし。もし、干渉したいのであればお兄様みたいに人として転生か幽体で一時的に降臨するしか無いですものね」

 

エヴァは頬に冷や汗を流しながら目の前のマッチョ男を眺めている。

 

言うか、どういった経緯であんな容姿になったのか気になるが。

 

……大方の予想はつくが。

 

「まあ、近づく気が失せてしまうが……一応近づいてみるか」

 

「……ええ、行きましょうか。ちょっと……恐いですけど」

 

俺とエヴァはイノシシの様に大暴れしているマッチョ男に近づいていった。

 

 

 

 

 

 

「何をそんなに大暴れしてるんだ?」

 

「フゥーフゥー……む?」

 

口から煙の様な蒸気をあげて呼吸しているマッチョ男。

 

子供が見たら泣くレベルだな。

 

視線は俺とエヴァの方に向かう。

 

「何で、ここは人がいないはず……む?」

 

マッチョ男の目が俺の後ろにいるエヴァを捉える。

 

「っ」

 

さすがのエヴァもあの容姿は慣れるのに時間がかかりそうだ。

 

組んでる腕に力が入る。と言うか、エヴァちゃん? あんまり力入れると俺の腕の骨が折れるんだけど?

 

「エヴァンジェリン……! ここは『リリカルなのは』じゃないのか!?」

 

はい、転生者確定だね。

 

「いんや、『リリカルなのは』だぜ? 転生者さん?」

 

「!? お前も転生者か! 畜生! 何でお前にはエヴァンジェリンがいて俺は!」

 

そう言って地面を叩くマッチョ男。

 

少し、地面が揺れる。

 

「くそぅ、こうなったらお前を殺してそこのエヴァを奪ってやる!」

 

そう言って男は俺に向かって襲いかかってくる。

 

「お兄様!」

 

「エヴァは離れてろ!」

 

「金髪幼女貰ったあぁぁぁぁぁ! ぶるあぁぁぁぁぁぁ!!」

 

俺は殴りかかってくるマッチョ男の右拳を逸らし、鳩尾に向けて右肘を食い込ませる。

 

「んぶるあぁっ!?」

 

「はあぁ!」

 

更に俺はマッチョ男の顎目がけて左ジャンプアッパーを繰り出す。

 

「ぶえぇあぁ!?」

 

マッチョ男はのけぞるようにして倒れる。

 

うーむ、俺の身長だと昇竜拳の方が良かったかな。

 

マッチョ男は足をピクピクと痙攣させている。

 

「こ、恐かったですぅ……お兄様ぁ~」

 

そう言って俺に抱きついてくる涙目のエヴァ。

 

まあ、2m超えた男が130㎝位の金髪少女を襲ってるのみたらどう見ても犯罪行為にしか見えないよな。

 

とりあえず、俺は魔法のポシェットから縄を取り出してマッチョ男を大木に縛り上げる事にした。

 

ちなみにこの縄、魔力と気を大幅に半減する仕様なので下手なヤツでは千切る事は不可能である。

 

 

 

 

 

 

 

「っ! ここは……」

 

マッチョ男が目を覚ましたようだ。

 

俺とエヴァはシートを敷いてピクニック気分で弁当を広げていた。

 

「目が覚めたか?」

 

「おのれ! 縄をほどけ! あと、そこの金髪幼女を寄こせ!」

 

「誰がやるか、ボケ。それより、お前のその凶悪な容姿はどうしたんだ?希望したのか?」

 

「ぶるあぁ! 誰が希望するか! 転生させてくれた見習い神に任せたらこんな容姿にしやがったんだ!」

 

どういう観点でこんな容姿にしたのか、よく分からないが。とりあえず、希望したわけではなさそうだ。

 

そう言えば、あのマッチョ神も自分の姿を相当気に入っていたな。

 

前にゼルディア様から聞いたのだが。

 

以前に手違いで人を死なせてしまって転生させる際に。

 

容姿の指定が無かったから自分と同じ姿にさせて転生させた事がある……と言ってたな。

 

……その転生者に同情したくなったぜ。

 

最も、その転生者は一応天寿を全うして無事に天界に迎えられた時。

 

そのマッチョ神と殴り合いになったとか。

 

同じ姿のモノが殴り合いとか、異様な光景だっただろうな。

 

と言うか、暑苦しいことこの上なしだな。

 

少し、話が逸れたが。

 

どうやら、今回のケースは嫌がらせのつもりだったのかもな。

 

何となくだが、この転生者……見習い神をバカにしたのだろう。

 

でなきゃ、こんな姿にはしないだろ。

 

「なるほどな。参考までに聞くが、お前……見習い神をバカにしたとか?」

 

「おうよ。酒飲んで仕事するようなヤツ、神(笑)で充分だろ?」

 

なるほど、これは怒りを買っても仕方ないな。

 

さて、どんな口車に乗せて天界に戻って貰おうかな。

 

俺は顎に手を当てて考える。

 

どんな能力を貰ったか知らないが、この容姿ではなのは達と接点を持つ事は無理だろう。

 

アリサとすずかは特に見た瞬間、卒倒するし。

 

エヴァなんか俺の後ろに隠れて目の前のマッチョ男を見ようとしないし。

 

「聞くまでも無いが、お前は自分の容姿を気に入ってるか?」

 

「だぁれが気に入るか! こんな容姿だと白い魔王様に撃ち殺されるわ!」

 

まあ、ここのなのはは白い魔王じゃないのだがな。

 

「それなら、俺の口利きで何とかしてやろうか?」

 

「何とかなるのか?」

 

「まあ、また転生と言う形になるが。それと、ここの世界じゃなくなるな。だが、望みならなのはやフェイトとかに似た人がいる世界辺りに転生させてくれるように頼んでも良いが?」

 

「た、頼む! 折角転生してもこんな容姿じゃハーレムとか無理だ!」

 

ハーレムを望むか。

 

まあ、ハーレム位ならアイツも許容はしてくれるだろう。

 

少女偏愛(ロリコン)はダメだが。

 

「商談成立だな。とりあえず、天使を呼ぶぜ」

 

俺は天界に向かって念話を飛ばす。

 

「す、すまねぇ……恩に着るぜ……」

 

 

 

 

 

 

「アレス様~……って! 何で××様がここに!?」

 

大木に縄でくくられているマッチョ男を見た死神職の天使が驚きの声を上げる。

 

何と、よりによって小柄な少女が来たのか。

 

「ウホッ、良い幼女じゃないか!」

 

鼻息が荒くなるマッチョ男。その容姿で幼女に反応とかもはや犯罪以外の何者でもないぞ。

 

「……似てるが、違うぞ。今回の騒動の見習い神の仕業だ」

 

「ああ~、そう言う事ですか。考えてみたら、××様が地上に降臨される事は無いですもんね。それに、私を見て欲情とかあり得ませんし」

 

ハッハッハッと犬みたいな息をしているマッチョ男。

 

これで縄をほどいたらこの場で襲いかかりそうだな。

 

「まあ、とりあえず頼む」

 

「了解です。とりあえず、魂をこの壺に……」

 

「おい、一緒に連れて行って……」

 

有無を言わさず男の魂を壺に封印する。

 

「ふぅ~、あんな危険な香りのするヤツと一緒に行きたく無いです」

 

確かに、その通りだな。

 

「それじゃあ、アイツにきちんと届けてくれ」

 

「了解です! それにしても、アレス様って人間の姿は可愛いですね~」

 

二ヒヒと言う笑いが似合いそうな感じで笑う小柄な天使。

 

と言うか、お前も似たような体格じゃないか。

 

俺と目の前の死神職の天使は背の高さが一緒なのだ。

 

「何が言いたい?」

 

「イヤですよ~? 今度、その姿でデートしませんか?」

 

「アテナと妖子(アヤコ)の許可を得る事が出来たらしても良いが?」

 

「……聞かなかった事にしてくれませんか? あのお二方にそんなお願いは…」

 

顔を真っ青にする天使。

 

まあ、そうだろうな。

 

アテナと妖子は俺のこの人間の姿を気に入っているし。

 

ちなみに、アテナと妖子は前世の前世で一緒に冒険した仲間でもある。

 

アテナは神界では俺の姉、妖子は暗黒天使(ダークエンジェル)で俺の部下である。

 

目の前の天使よりも階級は上なのだ。

 

「まあ、機会があれば鍛錬くらいつき合っても良いが?」

 

「アレス様の鍛錬はアテナ様よりも過酷と聞いてるんですけど?」

 

「そうか? 慣れたら戦闘でも他の天使より強くなれるぞ?」

 

「それは……まあ、確かに……そうなんですが」

 

声が段々と弱くなっていく天使。

 

「無理強いはしないがな。それじゃあ、そいつを送ってくれ」

 

「了解です! それでは!」

 

天使はそう言うと転移する。

 

「ふう、とりあえず、穏便に済んだな」

 

「……お兄様? お兄様とデートするにはアテナ様とアヤコ様の許可がいるのですか?」

 

顔を青くするエヴァ。

 

「何言ってるんだよ。エヴァなら大丈夫だよ。前世で1000年近く俺一緒だったじゃないか」

 

「え? 大丈夫ですか?」

 

「大丈夫だよ。1000年寝食を共にして、一緒に戦って俺を守ってくれたじゃないか」

 

「それは……お兄様だって私の事、ずっと守ってくれたじゃないですか」

 

涙目になるエヴァ。

 

「それだけの絆があるんだ。アテナもアヤコもそれを知ってるからな?」

 

「はい、分かりました、お兄様?」

 

そう言ってエヴァは俺に抱きついてキスしてくる。

 

「さあて、家に帰るか」

 

「そうですわね。アリサさんやすずかさんが待ってますわよ?」

 

「はは、そうだな」

 

俺とエヴァは家に向かって転移する。

 

 

 

 

 

 

 

――――― エヴァちゃんの実力ってどれくらいやの? byはやて

 

 

 

フェイト、アリシア、はやての3人が転校してきて数日経ったある日の事。

 

「なあ、アレス君とエヴァちゃん……どっちが強いんかな?」

 

はやてが不意にそんな事を聞いてきた。

 

ネギま!式魔法を練習していたアリサとすずか。

 

2人の動きがピタッと止まった。

 

アリシアは座禅を組んでいたが、片目だけ開けてこっちの様子をうかがっている。

 

なのはとフェイトは宿題をやっていたが、手を止めてこっちを見ている。

 

「姉上とアレスちゃんですか……これは興味深いです」

 

最近、俺の事をちゃん付けで呼ぶようになったリインフォースがやってくる。

 

「確かに、リインフォースの言うとおりだな……実に、興味深い」

 

「何か……最強の盾と槍をぶつける様な感じになりそうだな」

 

顎に手を当てて考え込むシグナム。

 

ヴィータ、それはこちらでは『矛盾』と言うんだぜ?

 

「アレスちゃんとエヴァちゃんが戦う……結果が想像出来ないわ」

 

「うむ……」

 

シャマルとザフィーラも同じ感想だった。

 

「そうですわねぇ……前世でしたら『千日手』みたいにラチがあかなかったのですが」

 

エヴァはちらっと俺の方を見る。

 

「今のお兄様は身体能力が私よりも落ちてますから……ひょっとしたら私が勝てる……かも?」

 

エヴァは首を傾げながらそんな事を言う。

 

「……! それは面白い事を聞いたわね!」

 

エヴァの言葉を聞いて食い付いて来たのはアリサだった。

 

ええぃ! 大人しく魔法の練習をしとけ!

 

「エヴァちゃん? 身体能力だけで俺に勝てると思ってるのかな?」

 

俺は口元を少し釣り上げてからエヴァを見る。

 

「どうでしょう? そう言えば、転生してからお兄様と模擬戦を行ってないですわね」

 

「そう言えば、そうだったな。久しぶりに……」

 

「やりましょうか?」

 

俺とエヴァはお互いの顔を見合いながら頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さあ、今度こそアレスが負ける姿を拝めるわよっ!」

 

嬉しそうな声を上げるアリサ。

 

だから、そこまでして俺の負ける姿を拝みたいのか……アリサ。

 

ダイオラマ魔法球に入って、城の近くの海岸で俺とエヴァは立っていた。

 

ギャラリーはなのは、フェイト、アリシア、はやて、アリサ、すずか。

 

ヴォルケンリッターの4人にリインフォース。

 

ちなみに、レイハさんとバルディッシュ卿、アイゼンは記録係となっている。

 

別に、そこまで凄い戦いになるとは……いや、なるか。

 

「さあ、て。とりあえず……やってみるか?」

 

「ええ。いってみましょうか?」

 

俺とエヴァは空中に飛ぶ。

 

 

「まずは、小手調べ! いくぜ、リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 闇の精霊五千一柱。集い来りて敵を射て。『魔法の射手・連弾・闇の5001矢』」

 

 

俺の手から放たれる闇の矢。

 

数は俺が放つ事が出来る限界数5000本である。

 

数えるのが面倒になる程の闇の矢がエヴァに向かって飛んでいく。

 

 

 

「お兄様? それ位の数で私を仕留める事が出来るとお思いで? リク・ラク・ラ・ラック・ライラック 氷の精霊一万二千一柱。集い来りて敵を射て。『魔法の射手・連弾・氷の12001矢』」

 

 

 

エヴァの手から放たれる氷の矢。

 

数は俺の最大数を上回る12000本の矢だ。

 

やっぱり、魔法に関してはエヴァには勝てないなぁ。

 

そんな事を思いつつ、向かってくる氷の矢を作り出した『断罪の剣(エクスキューショナーソード)』で打ち落とす。

 

無論、両手に『断罪の剣(エクスキューショナーソード)』を作り出している。

 

所謂、双剣状態なのだ。

 

俺とエヴァの矢の威力は同等。

 

だが、数が全然違うから俺の方に矢は飛んでくるが、俺は臆する事無く全てを弾き飛ばしている。

 

「やっぱり魔法はエヴァには勝てないなぁ~」

 

「お兄様こそ、それだけの数の矢を臆する事無く落とすなんて……私には無理です」

 

お互いに苦笑しながら会話する。

 

さあて、どんな手を使おうかな。

 

 

 

 

 

―はやて視点―

 

 

 

私は目の前の戦いを呆然としながら見る事しか出来へんかった。

 

何やねん、下級の魔法のハズなのに……もう決め手に近いやん。

 

エヴァちゃんの12000矢とかもう意味が分からへん。

 

なるほど、前世では2人ともバグやったんやな~……。

 

「にゃあ……アレス君、私の砲撃魔法見てバグだバグだって言ってたけど……アレス君の方がバグなの!」

 

「だね……5000本って言ってたよね? あんなの飛んで来たら……無理」

 

なのはちゃんとフェイトちゃんも私と同じように呆然と戦いを見ていた。

 

「あたしは今後エヴァとも模擬戦はしないぞ……!」

 

「ううむ……エヴァは近づけば勝機はある……いや、アレスちゃんの攻撃をいとも簡単にいなしている……一筋縄ではいかないな」

 

「アレで後方支援とか……。前線もこなせる後方支援とか……意味が分からないわ」

 

ヴィータ、シグナム、シャマルはそれぞれの感想を述べてる。

 

確かにシャマルの言うとおり、アレで後方支援とか詐欺に近いわ。

 

そう言えば、アルバートオデッセイって言うゲームで仲間に『ソフィア』って言う女の子がおったなぁ。

 

赤毛の14歳の女の子。

 

職業は魔法使い。

 

けど、鍛えると杖でストーンゴーレムを一撃で殴り殺せる様になるんやけどね!

 

何処の世界にストーンゴーレムを杖で殴り殺せる魔法使いがおるっちゅーねん!

 

う~ん、エヴァちゃんも同じ真似出来そうやな。

 

〈お望みなら、やってあげましょうか♪〉

 

エヴァちゃんからの念話が届いて来た……って!

 

「か、堪忍や! 頭がザクロみたいに割れてまう!」

 

私は大声で叫ぶ。

 

〈失礼ですよ? 私はこう見えてもか弱い女の子なんですよ?〉

 

絶対嘘や。

 

バッファ○ーマンとか第五次聖杯戦争の某狂戦士とかでも笑いながら殴り殺せそうやん。

 

〈はやてさん、氷漬けになると若い姿で歳を重ねる事が出来るそうですよ?〉

 

『えいえんのひょうが』とか堪忍や!

 

「ごめんなさい、口が過ぎました!」

 

これ以上は本当に私の氷漬けが出来そうや!

 

大人しく戦いを観察しとこ……。

 

 

 

―はやて視点・終了―

 

 

 

 

 

「やっぱり魔法だけだとキツい!」

 

「けれど、お兄様が言い出した事ですわよね?」

 

エヴァの言う通り、気は使わず魔法のみで戦う事を選択したのだが。

 

「ちょっと後悔してるぜ……!」

 

容赦なく飛んでくる氷の矢を打ち落とす。

 

「やっぱり、使うしかないか……。エヴァ、1分程時間をくれるか?」

 

「ええ、良いですわよ。その代わり、私も同じようにさせて貰いますから」

 

余り使ってなかったからなぁ。ネギみたいに早く装填出来ないんだよな。

 

 

「|特殊術式「夜に咲く花」《アルティス・スペキアーリス・フロース・ノクティクルス》|リミット30《リミタートゥル・ペル・トリーギンタ・セクンダース》。|無詠唱用発動鍵設定《シネ・カントゥ・クラウィス・モウエンス・シット》キーワード「風精の主」(ウェルパ・ドミヌス・アエリアーリス) 契約に従い(ト・シュンボライオン) 我に従え(ディアー・コネートー・モイ・ホ)炎の覇王(テュラネ・フロゴス)来れ(エピゲネーテートー)浄化の炎(フロクス・カタルセオース)燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)ほとばしれよ(レウサウトーン)ソドムを焼きし(ピューム・カイ・テイオン)火と硫黄(ハ・エペフレゴン・ソドマ)罪ありし者を(ハマルトートゥス)死の塵に(ハマルトートゥス)。『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)』『術式封印(ディラティオー・エフェクトゥス)』」

 

 

 

炎の呪文を遅延呪文で一時遅らせる。

 

 

 

「|特殊術式「夜に咲く花」《アルティス・スペキアーリス・フロース・ノクティクルス》|リミット30《リミタートゥル・ペル・トリーギンタ・セクンダース》。|無詠唱用発動鍵設定《シネ・カントゥ・クラウィス・モウエンス・シット》キーワード「風精の主」(ウェルパ・ドミヌス・アエリアーリス)  契約に従い(ト・シュンボライオン) 我に従え(ディアー・コネートー・モイ・ヘー) 氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)。 来れ(エピゲネーテートー) とこしえのやみ(タイオーニオン・エレボス) えいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)術式封印(ディラティオー・エフェクトゥス)』」

 

 

 

目の前のエヴァも同じように遅延呪文で氷結呪文を遅らせる。

 

 

 

「|特殊術式「夜に咲く花」《アルティス・スペキアーリス・フロース・ノクティクルス》|リミット30《リミタートゥル・ペル・トリーギンタ・セクンダース》。|無詠唱用発動鍵設定《シネ・カントゥ・クラウィス・モウエンス・シット》キーワード「風精の主」(ウェルパ・ドミヌス・アエリアーリス) 契約に従い(ト・シュンボライオン) 我に従え(ディアー・コネートー・モイ・ホ)炎の覇王(テュラネ・フロゴス)来れ(エピゲネーテートー)浄化の炎(フロクス・カタルセオース)燃え盛る大剣(フロギネー・ロンファイア)ほとばしれよ(レウサウトーン)ソドムを焼きし(ピューム・カイ・テイオン)火と硫黄(ハ・エペフレゴン・ソドマ)罪ありし者を(ハマルトートゥス)死の塵に(ハマルトートゥス)。『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)』『術式封印(ディラティオー・エフェクトゥス)』」

 

 

 

そして、もう1回遅延呪文で遅らせる。

 

 

 

「|特殊術式「夜に咲く花」《アルティス・スペキアーリス・フロース・ノクティクルス》|リミット30《リミタートゥル・ペル・トリーギンタ・セクンダース》。|無詠唱用発動鍵設定《シネ・カントゥ・クラウィス・モウエンス・シット》キーワード「風精の主」(ウェルパ・ドミヌス・アエリアーリス)  契約に従い(ト・シュンボライオン) 我に従え(ディアー・コネートー・モイ・ヘー) 氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)。 来れ(エピゲネーテートー) とこしえのやみ(タイオーニオン・エレボス) えいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)術式封印(ディラティオー・エフェクトゥス)』」

 

 

 

 

エヴァも同じようにもう一度遅延呪文で遅らせる。

 

 

「……」

「……」

 

 

俺とエヴァは見つめ合う。

 

 

左腕解放(シニストラー・エーミッタム)固定(スタグネット) 燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス) 右腕解放(デクストラー・エーミッタム)固定(スタグネット) 燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス) 双腕掌握(ドゥプレクス・コンプレクシオー)! 術式兵装(アルマティオーネム) 『炎の魔神2』」

 

 

俺は左右に闇の炎を出現させ、両手でソレを取り込む。

 

身体が闇の炎に包まれる。

 

 

左腕解放(シニストラー・エーミッタム)固定(スタグネット) |千年氷華《アントス・パゲトゥー・キリオーン・エトーン》 右腕解放(デクストラー・エーミッタム)固定(スタグネット)  |千年氷華《アントス・パゲトゥー・キリオーン・エトーン》 双腕掌握(ドゥプレクス・コンプレクシオー)! 術式兵装(アルマティオーネム) 『氷の女王2(クリュスタリネー・バレイシア・ツー)』」

 

 

エヴァの身体が氷に覆われる。

 

さてさて、炎と氷か。

 

確か、前は俺が勝ったハズだからな。

 

今回も、勝たせて貰おうか!

 

 

 

 

 

 

 

 

―すずか視点―

 

 

「何よ、アレスったら……。魔法の才能は無いって……嘘ばっかり……」

 

私の隣でアリサちゃんがブツブツと呟いていた。

 

確かに、アレス君はいつも『魔法の才能は無い』って言ってるけど。

 

私に言わせれば、あれだけ出来れば充分だと思う。

 

基本形の魔法の矢が5000本とか普通の人が見たら悪夢に近いよ?

 

現になのはちゃんやフェイトちゃんも言葉を失っているから。

 

確かに、エヴァちゃんの魔法の才に比べたらアレス君は下になるのは間違いないかな。

 

あ、あの呪文は……最新刊(ネギま!23巻)に出てた確か……『闇の魔法(マギア・エレベア)』じゃない!

 

※この世界ではネギま!はまだ23巻までしか出てない

 

しかも……なんか……凄い事になってる!

 

アレス君とエヴァちゃんが……精霊みたいに……。

 

ひょっとして、今後の展開にあんな風に使う技があるのかな?

 

すごく、気になる。

 

……。

 

……あの技、私なら使えるかも。

 

『夜の一族』の私なら、ほとんどペナルティー無しで使えるかも。

 

アレくらい強くなれば、お姉ちゃんやみんなを……アレス君を守る事が出来る。

 

アレス君には2度救って貰ったから。

 

いつも守って貰ってばかりじゃダメ。

 

私もアレス君やみんなを守れる様にならなきゃ。

 

うん、アレス君とエヴァちゃんの模擬戦が終わったら聞いてみよう。

 

 

 

―すずか視点・終了―

 

 

 

 

「奥義・火神(ヒヌカン)!!!」

 

「っ!!」

 

僅かな…油断。

 

ほんの僅かな油断で俺はエヴァの攻撃を喰らう事となった。

 

「がっ!!!」

 

胸に一撃が入る。

 

前蹴りで胸に親指を食い込ませる様に蹴る。

 

全身の捻りを集約したとどめの一撃に使う技だ。

 

まさか、ここで使うとは思ってもみなかった。

 

くっ、今の一撃は痛かった!

 

「はぁ、はぁ……」

 

「うふふ、お兄様。油断が過ぎましたわね?」

 

「ああ、全くだ。まさか、ここでソレを放つとは思わなかったよ」

 

おかげで闇の魔法が解けてしまった。

 

「どうされます? 降参します?」

 

エヴァは微笑みながら俺に問いかけてきた。

 

「……悔しいが、今日は俺の負けだ」

 

やはり、身体を強化する必要があるなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

「やっとアンタの負ける姿を拝めたわ! さあ、あたしが介抱してあげるわよ!」

 

「介抱されるほど怪我はしとらんのだが?」

 

「ウッキー! 怪我したところを手当してあげてあたしの好感度をあげようと思ったのにー!」

 

そう言う魂胆だったのか、アリサ。

 

ってか、怪我してもすぐ回復出来るからその手はほとんど意味が無いと思うぞ。

 

「頭が暴走しとるアリサちゃんはほっといて……や。アレス君……ちぃーっと言いたい事あるねんけど」

 

はやてが目を細めながら俺の方を向く。

 

「どこら辺が魔法の腕は二流か教えて欲しいんやけど……」

 

「へ? ああ、見ての通りだ。エヴァに負けただろ?」

 

「いやいやいや、確かに負けてんねんけど……比較対象がおかしいやろ?」

 

「そうか?」

 

「そうや! なのはちゃんとフェイトちゃんを見てみい! 両手両足を地面につけて落ち込んでるやん!」

 

はやてが指を指した先にはなのはとフェイトの2人が落ち込んでいる。

 

「お、お兄ちゃんはバグだから比較しちゃダメだよ~!」

 

アリシアは必死になって2人を慰めていた。

 

バグとは失敬だと思わないかね?

 

「素晴らしい戦いでした」

 

手を叩きながら現れたのはリインフォース。

 

「まあ、あんなもんだぜ?」

 

「アレをあんなもんで過ごすオメーはおかしいと思う」

 

ジト目で俺を見るヴィータ。

 

「うむ、アレスちゃんは近接戦だけかと思っていたが、遠距離も大丈夫なのだな」

 

そう言って頭を撫でてくるシグナム。

 

「ここまでいけば、アレスちゃんは万能型と言っても差し支えないわよ」

 

シグナムに張り合う様に頬を撫でてくるシャマル。

 

シグナムとシャマルの目線が合う。

 

間に火花が見える様に見えるが、気にしないでおこうか。

 

「そう言えば、俺かエヴァを蒐集したらこの形式の魔法使えるんじゃないか?」

 

「! 確かに、そうでしたね」

 

その言葉を聞いてはやての耳がダンボの様に大きくなったように見えた。

 

「よし! リインフォース! 蒐集や! 許可するで!」

 

「分かりました! 姉上でも良いのですが、やはりここはアレスちゃんの方が良いでしょう!」

 

「そうやな! ついでにアレス君のプライベートデータとかも蒐集出来へんかな?」

 

「すみません、主はやて……。その様な素晴らしい機能は付いてないです」

 

この主従コンビは色んな意味で一番最悪じゃないかと思う。

 

「さあ、アレスちゃん! ちょっとこっちで蒐集をお願いしましょうか」

 

そう言って城の方に向かって手を引っ張るリインフォース。

 

当然、俺は動こうとしない。

 

「何故に城の方に向かう?」

 

「本来ならリンカーコアからデータを蒐集可能なのですが。ですが、アレスちゃんの場合はですね……アレスちゃんのそのアームドデバイスを私のここに……」

 

俺の股間を指差してから自分の股間部分を指差すリインフォース。

 

 

 

 

 

何だ、この痴女は!

 

 

 

 

 

「エヴァ?」

 

「はい、お兄様♪」

 

にこやかな笑みでリインフォースににじり寄るエヴァ。

 

「あ、姉上? ちょっとした……ジョークですよ? ああ! その手は! 関節がゴキゴキ鳴ってます!」

 

後ろにジリジリと下がるリインフォース。

 

「とりゃ!」

 

エヴァは瞬時に間合いを詰めてリインフォースの背中に取り付いてから。

 

「ああ! 姉上! 頭が! 頭が割れそうです! 砕けそうです!」

 

リインフォースのこめかみに両拳をあててグリグリと力を込めてる。

 

「全く、けしからん魔導書だな」

 

「そうやな。私だってアレス君とベッドの上で合体(ユニゾン)したいのに!」

 

「お前もな~」

 

俺ははやての背後に回ってから同じように両拳ではやてのこめかみをグリグリと挟み込むように押さえる。

 

「あたたたた! アレス君! 頭が砕ける!」

 

「お前等主従揃ってロクな事言わんからな」

 

「痛いけど、お尻にアレス君のアームドデバイスが当たって……あたたたた!」

 

確かに、俺ははやてと肌が密着している。

 

はやてのお尻部分に俺のアームドデバイスが当たってるのも事実だが。

 

更に力を込める。

 

「はやて……良いなぁ……。私もアレスにあんな風にされてみたいなぁ」

 

……なんか、怪しげな台詞が聞こえてきたんですが。

 

声の方を見ると、指をくわえて羨ましそうに俺とはやてを見るフェイト。

 

「……色々とツッコミを入れたいんだけど?」

 

「私、アレスにだったら何されても良いよ? 痛いのも平気だよ? むしろ、痛いのをお願いしても良いかな?」

 

 

帰って来いフェイトさん!

 

 

それは行ってはいけない道だぞ!

 

「うわ~ん! お母さんのせいでフェイトが~!」

 

アリシアが涙を浮かべてフェイトを抱きしめている。

 

まあ、一時期鞭でフェイトをお仕置きしていたからな…。

 

プレシア女史のせい……だと思う。

 

「フェイト……その道は……まあ、確かに分からんでもないが」

 

シグナム、納得してもらっては非常に困る。

 

「フェイトってそんな趣味が……あたしはアレスの泣く姿とか見てみたいけど……」

 

やはりアリサはドSの可能性が非常に高い。

 

「アリサちゃんもフェイトちゃんもその道は……茨の道だよ……」

 

苦笑しているすずか。

 

「アレス君?」

 

「うん?」

 

俺ははやてを解放してすずかの方を見る。

 

「うう、頭がひょうたんみたいになってないやろか」

 

頭をさすってるはやて。

 

「私にも……『闇の魔法(マギア・エレベア)』使えるかな?」

 

そう言う事か。

 

まあ、すずかなら適性は高いから充分使う事が出来るだろう。

 

「……あまりオススメはしないが。すずかなら使う事は出来る」

 

「そっか。いつか、教えてね? お姉ちゃんや、みんな……アレス君を守りたいから」

 

「……ああ。守る為に使うならしっかり教えてやる」

 

「ありがと、アレス君」

 

すずかはそう言って俺に抱きついてきた。

 

 

 

 




 



リインフォースファンの人達「それなら俺達を蒐集してくれ!」

リインフォース「闇に染まれ……魔性の放出(デアボリック・エミッション)

リインフォースファンの人達「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!」

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