魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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捕まえられた者達はどうしてる事でしょう


幕間 その頃の天界

 

 

 

「ぶるわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

「ぐわあぁぁぁぁぁ!!!」

「うおぉぉぉぉぉぉ!!!」

「のぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

身長2m位の男が数十人の団体に突撃する。

 

数10人の団体―――10代後半から20代前半の青年の集まり―――は蜘蛛の子を散らすように吹っ飛ばされた。

 

「貴様等、10代前半の少女を見て欲情だと!? その様な邪な考えを抱く以上は転生なんぞ認めんぞぉ!!」

 

そう怒鳴るのは全身筋肉ムキムキで股間に僅かな布で出来たブーメランパンツを履くスキンヘッドの男だった。

 

ちなみに、髪も無ければ眉毛も生えてないと言う、子供が見たら超高確率で泣き叫ぶ外見を持つ……この世界を管理する神だった。

 

そして周囲に響く声は若本ヴォイスだった。

 

神はボディビルダーのポーズの1つ、『モスト・マスキュラー』(両拳を胸の前で合わせて筋肉を見せるポーズ。詳しくはググってくれ)を見せていた。

 

「全く、ここまで私が矯正したにも関わらず、未だ転生条件を満たす者が現れぬとは」

 

神はそう言って身体に流れる汗をタオルで拭く。

 

吹っ飛ばされた男達は頭から地面に突き刺さって足を痙攣させていた。

 

「しかし、次から次にやってくるな。まあ、こやつらも運が悪いな。最も、特殊スキルばかりに気を取られて『運』の方を忘れているとはな」

 

神は部下から聞き出した事を思い出していた。

 

「全く、『来るヤツ来るヤツ我欲にまみれた事ばかり抜かすから頭に来たからスキルは与えたが運を極限まで落としてやった』か。まあ、その点は褒めてやるか」

 

マッチョ神の部下は始めはそれなりにこなしていたが、来るヤツ全員が自分勝手な事を言う上、自分を駄神扱いするのが多く、頭にきたので運の数値を落としてやったらしいのだ。

 

結果、転生したのは良いが、事故とか同じ転生者同士の戦いで相打ち等の不運で結局アレスに会わず天界に舞い戻ったヤツも結構いるのだ。

 

そこ、ご都合主義とか言うな。

 

それでも、結構多数残っているのも事実。

 

ただ、笑える位不運になっているのだ。

 

「ふむ……これはこれでなかなか楽しいモノだ。そう言えば、人間でも出来の悪い子供ほど後に良い思い出が出来ると言っていたな」

 

そう言ってマッチョ神はタオルで頭を拭く。

 

毛が生えてない頭が光り輝く。

 

「××様、また新たな者が来ました」

 

現れたのは純白の羽根が生えた女性型の天使。

 

黒い髪に色白でそこそこスラリとした体格の美女である。

 

「ふむ、また来たか。今回は?」

 

「はい、アレス様の手ではなく……不幸な事故によるものと」

 

「不幸な事故?」

 

「はい。次元転送に失敗して壁の中に入って……壁と同化してしまった模様で」

 

 

※某3Dダンジョンゲームの様に『いしのなかにいる』みたいな感じ

 

 

「……」

 

眉間に皺を寄せて額に指を当てて考えるマッチョ神。

 

「しかし、独創的な亡くなり方をする人が多いですね」

 

「うむ……」

 

「こないだは……何でしたっけ? バナナの皮で足を滑らせてピンと張った縄に引っかかって転んだ所にタライが降ってきて……」

 

「うむ。そのタライの角が後頭部に突き刺さる様に当たってそれが致命傷だったと」

 

 

「……」

「……」

 

 

マッチョ神と女性天使の間に奇妙な無言が流れる。

 

「これは……コントと言うヤツか?」

 

「はい。人間の娯楽にありますね」

 

「まあ、良い。とりあえず、連れて来たまえ」

 

「分かりました」

 

女性天使はそう言うと姿を消す。

 

「さて、どの様な者が来たかな……」

 

マッチョ神が呟くと、先程の天使が現れる。

 

前に、かなり太った男を連れて。

 

長髪で眼鏡をかけていて、かなり太っている男だ。

 

「な、何すんだよー! もう1回転生させてくれるんじゃないのかよー!」

 

太った男は文句を言いながらマッチョ神の前に連れてこられた。

 

「……」

 

マッチョ神が太った男を見る。

 

「ひぃ! 何で恋姫の貂蝉がいるんだよ!」

 

男は顔を真っ青にしてその場に座り込む。

 

「……やれやれ。また私をゲームのキャラと間違えたか」

 

マッチョ神はため息をついてからそう語る。

 

「え……? 貂蝉じゃないのか?」

 

「うむ。私はこの世界を管理する神だ」

 

「ちょっと待てよ。こないだ会ったのは?」

 

「あれは私の部下だ。まだ見習いの神だ」

 

「見習い……」

 

「さて、君の処遇なんだが」

 

「ちょっと待てよ! もう1度、あの世界に転生させろよ! まだなのはちゃんとか会ってないんだぞ!」

 

男は立ち上がってマッチョ神に詰め寄ろうとしたが、マッチョ神のあまりの迫力にその場に立ち止まった。

 

「それは出来ない。だが、元々はこちらの不手際で亡くなったのは事実。希望に叶う様にするつもりだ」

 

「そうか! それなら……銀髪のオッドアイで……」

 

男が嬉しそうに言う所で。

 

「だが。その前に、私のテストに合格してからだ」

 

「な、何だよそれ……」

 

「何、簡単なテストだ。今から私が質問するから答えて欲しい。君の本心が知りたいのだ」

 

腕を組んで男を見下ろすマッチョ神。

 

身長が2m近くあるから迫力満点だ。

 

「分かったよ。それで? どんな質問だ?」

 

「うむ。それでは……『友人の所に遊びに行ったら小学校高学年の女の子がいた。聞けば友人の妹。その妹が君になついてきた。どうする?』」

 

「もちろん、遊んであげるよ。仲良くなってから、(性的に)頂くけど」

 

「……ふむ。では、次……」

 

マッチョ神と男の会話は続く。

 

ちなみに天使はすでにその場にはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「では、最後。『小学生高学年の義妹と一緒にお風呂に入ることになった。その日は両親もいない。君はどうする?』」

 

「決まってるっしょ? 一緒に入って中で(性的に)頂きますよ」

 

男は興奮状態でマッチョ神に自信満々に語った。

 

「そうか……分かった」

 

マッチョ神は腕を組んでウンウンと頷いた。

 

「やっと終わりか~。じゃあ、イケメン、銀髪、オッドアイで能力は……」

 

「何を言ってるんだ貴様?」

 

「え? だって、質問が終わって……テストに合格したら……」

 

「誰が合格と言った?」

 

底冷えするような低い声でマッチョ神は男に語りかける。

 

「合格……じゃないの?」

 

「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ひぃぃぃぃぃぃ!」

 

マッチョ神が咆吼して男はその場に座り込んでうずくまった。

 

「貴様の様な輩を転生させると思ったかぁ!! 貴様の様な『少女偏愛(ロリコン)』はこの私自らの手で矯正させてやるわぁ!!」

 

「な、何だよ! 小さい女の子可愛いじゃねぇかよ!!」

 

「1つ教えておこう」

 

「な、何を……」

 

「転生したければ、その『少女偏愛(ロリコン)』を完全に矯正させることだな」

 

「今、治りました! 年増のお姉さんサイコーッス!」

 

男は立ち上がってその場で敬礼する。

 

「……神にその様な嘘が通用すると思うか? 魂の色ですぐに分かるぞ?」

 

「え……?」

 

男は顔が青くなる。

 

「さあ、貴様も今日から私の『修行』に参加だ。小柄な少女を見ても性的興奮しなくなる様になって貰うんだからな」

 

「え? ええっ!?」

 

「さっさと行かぬか! ぶるぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

男はマッチョ神に片手で頭を掴まれてから吹っ飛ばされた。

 

「さあ、貴様等が真人間になるまで100年だろうが1000年だろうが続けるからな!」

 

マッチョ神は腕をグルグルと振り回しながら吹っ飛んで行った男の方に向かって歩き出した。

 

 

さあ、我欲にまみれた男達が真人間になって転生出来るのはいつのことだろうか?

 

 

 




 
どうみてもギャグですw

ありがとうございましたw


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