魔法少女リリカルなのは -転生者共を捕まえろ-   作:八坂 連也

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いよいよA's編です

原作?

何処かに放り投げてきましたw


A's編
第16話 ついに目覚めた魔導書


 

 

 

 

 

6月3日。

 

とうとうこの日がやってきた。

 

明日ははやての誕生日だ。

 

今夜の0時になったら夜天の書が起動して守護騎士4人が召喚されるのだ。

 

そんな訳で、俺は八神家に泊まる事となった。

 

晩ご飯ははやてのお手製で舌鼓を打つ。

 

9歳でこの腕なら将来が楽しみである。

 

ちなみに魔法の事を知ってからはウチの母さんやすずかの所のノエルさんとファリン嬢がはやての世話をしに来ていた。

 

車椅子の生活で9歳の女の子が1人だなんて物騒だしおかしいだろうに。

 

多分、認識阻害の魔法がかけられていたに違いないだろう。

 

そんな事はどうでも良い。

 

今現在の問題は、はやてがお風呂に入れてくれと言ってるのだ。

 

そりゃあ、足が不自由だから風呂に入るのも一苦労だろう。

 

それは分かる。湯船に入る時は下手したら滑って怪我とかするだろう。

 

問題は、俺と一緒に入って欲しいと、裸で。

 

断ろうとしたが。

 

「私の身体はなのはちゃんやアリサちゃん、すずかちゃんよりも見苦しいんか?」

 

しっかりと聞いてたのね。

 

「……分かったよ」

 

と言う具合に一緒にお風呂に入ることになった。

 

 

 

 

 

風呂に入ってはやての身体を洗ったら言われたよ。

 

「アレス君、あかん……それはあかんよ。毎日一緒に入りとうなるわ」

 

顔を真っ赤にして言われましたよ。

 

その後は一緒に湯船に漬かって軽く暖まりましたよ。

 

ちなみにはやてはこう言いました。

 

「裸で抱き合うって何か恥ずかしいわ」

 

その後、はやての頭を軽く叩いておきました。

 

 

 

 

 

一緒にゲームしたりと時間が過ぎていく。

 

そして、はやての寝室に入ってベッドの上に向き合って座る。

 

時計を見ると時刻は午後11時50分。

 

あと10分で午前0時になる。

 

俺の時と同じなら……夜天の書が起動して守護騎士4人が召喚されるはずだ。

 

原作ははやてのみだったから気絶して大騒ぎになったが。

 

今回は俺が居る上に知ってるから気絶することは無いだろう。

 

「なあ、どんな人が召喚されるんや?」

 

【私も一度しか会ったことはありませんが。確か、女性が3人で男性が1人です】

 

「ほぉー」

 

【名前は『烈火の将シグナム』、『鉄槌の騎士ヴィータ』、『湖の騎士シャマル』、『盾の守護獣ザフィーラ』と私の記録に残ってます】

 

「何かかっこいい名前やね」

 

【確か当時、最強とまで言われた4人のデータを元に作られたとか。少なくとも戦闘面ではかなりの使い手と思います】

 

「戦闘面……ね。私は家族が居ればそれでええんよ」

 

はやては俺の顔をジッと眺めた。

 

「将来の旦那様や♪」

 

「俺より良い男は世の中に沢山居るぞ?」

 

「私はアレス君が良いんよ?」

 

「大きくなったらな。その時まではやてが俺を好きで居てくれたらな」

 

「アレス君は私の事……嫌いか?」

 

「嫌いな訳無いだろ」

 

「分かった。でもなのはちゃんやアリサちゃん、フェイトちゃんにアリシアちゃん、すずかちゃんには負けへんで?」

 

はやては俺の顔を見て微笑んだ。

 

時計を見たら丁度0時を指した。

 

その時、本棚から魔力が溢れ出す。

 

鎖で封印された本が浮かび、脈動する。

 

そして鎖が千切れ飛び、本は開いてページがめくれる。

 

速い速度でめくれるページ。

 

【封印を解除します】

 

夜天の書から声が聞こえる。

 

中は何も書かれていない。

 

そして本はバタンという音を立てて閉じてはやての前に浮かんで来る。

 

黄金に輝く十字の紋章。

 

起動(アンファング)

 

声が響き、はやての胸から青白く輝く玉。

 

はやてのリンカーコアはあんな色なのか。

 

そして魔法陣が現れてはやてのリンカーコアと合体して光り輝く。

 

「くっ!」

 

「まぶしい!」

 

俺とはやては腕で目を覆った。

 

数秒経って俺とはやては前を見た。

 

「っ!」

 

「『闇の書』の起動を確認しました」

 

桃色髪の女性が喋る。

 

「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にてございます」

 

金髪の女性が喋る。

 

「夜天の主の元に集いし雲」

 

白色髪の男性が喋る。

 

「ヴォルケンリッター、なんなりとご命令を」

 

赤髪の少女が喋る。

 

4人はひざまずいて目を瞑っていた。

 

 

「……」

「……」

 

 

俺ははやてを見た。

 

目を見開いていて視線の先はさっき召喚された4人に向けられていた。

 

 

「こりゃっ」

「……はっ!」

 

 

俺ははやての頭を軽く叩いた。ペチッと言う音が響く。

 

 

「……」

「……」

「……」

「……」

 

 

4人はずっと同じ体勢で動かない。

 

「はやてが命令しないと動かないぞ?」

 

「そ、そやな……えっと、みんな目を開けてくれないかな?」

 

はやてがそう言うと全員が目を開けてはやての方を見た。

 

わずかだが、俺の方も一目見る。

 

「とりあえず、全員こっちに来て自己紹介やな。アレス君、リビングにお願い」

 

「うむ」

 

俺ははやてを車椅子に乗せるとリビングに向けて押して行く。

 

その後ろを4人はついて来る。

 

 

 

 

 

 

リビングに着いてから全員をテーブルに座らせる。

 

「アレス君、何か飲み物をお願い」

 

「ああ。とりあえず……麦茶で良いな?」

 

「そやね」

 

俺は全員分の麦茶を用意して全員の前に置いた。

 

 

 

「……」

「……」

「……」

「……」

 

 

 

全員が怪訝そうな顔で俺を見る。

 

……とよく見たら桃色の髪の女性・シグナムと金髪の女性・シャマルの視線は……何か引っかかるモノを感じた。

 

まさかとは思うが。いらない属性(ショタコン)が付与されてるんじゃないだろうな。

 

「それじゃあ自己紹介や。私の名は『八神はやて』や。この家に住んでる主や」

 

「……私の名はシグナム」

 

桃色髪の女性が喋った。

 

「私はシャマル」

 

金髪の女性が喋った。

 

「私はザフィーラ」

 

青色髪で犬耳を付けた感じの男性が喋った。

 

「あたしはヴィータ」

 

赤髪の少女が喋った。

 

「シグナムにシャマル、ザフィーラにヴィータやな。覚えたで」

 

はやては全員の顔を眺めながら喋った。

 

「俺は藤之宮アレス。はやての友人だ」

 

「え? 恋人違うん?」

 

「まだだろ。今はまだ友人だ」

 

「いけずやなぁ~。でも、まだって言うことは脈ありやな♪」

 

どさくさに紛れて何て事を教えようとしてるんだ、この狸嬢は。

 

「まあ、アレス君の事は置いといて……や。と言っても皆の事は分かってるで。この書を完成させるんやろ?」

 

「はい。それを完成させたら主は強大な力を手に入れることが出来ます」

 

「強大な力……ね。私はそんなのはいらんわ」

 

「なっ!?」

 

はやての言葉にシグナムは驚きの声を上げた。

 

「それに、完成させるには……どうするんや?」

 

「……魔力です。人から魔力を蒐集して666ページになった時に完成します」

 

「あかん! 人様に迷惑かけるなんて……あかん!」

 

「そう……ですか……」

 

うなだれるようにしてるシグナム。

 

他の3人もうなだれるようにしている。

 

「残念だが、はやて。それはある程度蒐集しなきゃダメだ」

 

「え? な、何でや?」

 

【その疑問は私がお答えします】

 

エヴァが喋ると4人は驚いた顔で俺を見つめた。

 

「ああ、俺も魔導師だ。言っておくが、はやての味方と言うのは理解して頂きたい。だから恐い目で睨むんじゃない」

 

ヴィータとザフィーラが目を細めて俺を見つめていた。

 

【初めまして、ヴォルケンリッターの皆様。私は武神の魔導書と呼ばれるデバイスです】

 

「武神の……魔導書……?」

 

「何か……ひっかかるわね……」

 

【どうやら忘れてしまってる様ですわね。お兄様?ブックモードになりますわ】

 

「ああ」

 

そう言って俺の首にかかってるネックレスが本の形になる。

 

「!?」

 

「そ、そんな!?」

 

「な、何で……闇の書が!?」

 

「な、何故だ!? 何故お前がその本を!?」

 

全員が驚いていた。

 

はやての手にはこげ茶色のカバーに装飾は黄金色の本が。

 

俺の手には黒いカバーで装飾は真紅の本が。

 

【私はその闇の書の姉妹機として作られたのです。もっとも、魔法を蒐集するのではなく、武器を蒐集するのですが】

 

「武器を……蒐集……」

 

【そして、そちらにも私と同じ管制人格がいるはずです。ある程度のページを蒐集すれば管制人格が起動するはずです】

 

「と言うことは……その管制人格を起動させなきゃいけないんやな?」

 

【そうです。それが起動しない事にはその本の能力は発揮出来ないし、修復も出来ません】

 

「……修復?」

 

シグナムが怪訝な顔でこちらを見つめてきた。

 

【残念ですが、その書は壊れています】

 

「な、何だと!?」

 

【おかしいと思いませんか? 私のマスターは私と契約しています。見ての通り、五体満足です。ですが、貴方達の主、はやてはどうですか?】

 

「……下半身不随……ですね」

 

シャマルがはやての方を見ながら呟いた。

 

【私の記録では、その書と契約しても別に身体に異常は来していません。それと1つ聞きます。貴方達の前の主はどうなったのですか?】

 

「前の主だと? 決まってる。書を完成……む?」

 

「……おかしいわね……。前の主の記憶が……無い?」

 

「……確かに……おかしい。記憶が……残ってねぇ……」

 

「記憶が……無い?」

 

4人は頭を抱えていた。

 

【それと、その本が起動してからはやてさんの魔力を吸う量が多くなりました。このままでは……年末辺りに下半身麻痺が胸まで来て命を落とす可能性があります】

 

「……!」

 

4人は息を呑んだ。

 

「マジ……で?」

 

【マジです。ですから、魔力蒐集を行う事をオススメします】

 

「そうは言ってもなぁ~。人様に迷惑をかけるのは……」

 

「ならば余所の世界に行って魔法生物から死なない程度に魔力を蒐集するしかあるまい。後は俺から魔力蒐集するか」

 

「前者の案はともかく後者の案は論外で却下や」

 

0.5秒で否決されました。

 

「なら、違う世界に行って魔法生物から死なない様に魔力蒐集と言う事で。皆も良いか?」

 

「うむ……主の為だ……」

 

「そうですね」

 

「……分かった」

 

「従おう」

 

4人は不承不承ながら納得してくれた。

 

「さて、それなら俺も魔力蒐集に協力させて貰うからな」

 

「ええの?」

 

「良いも何も。姉妹機のデバイスのマスターとして、そして大事な友人を助ける為だ」

 

「ありがとう……アレス君」

 

涙を浮かべてるはやて。

 

「さて、と。こうなったらアレをやるか」

 

「え? アレって?」

 

「エヴァ、起動だ。双剣『天照(アマテラス)』と『月見夜(ツクヨミ)』だ」

 

【了解です、お兄様♪】

 

俺は騎士甲冑を身に纏う。

 

ヴォルケンリッター達は驚いて身構えた。

 

「待て待て。俺の足下の魔法陣見てみろ」

 

「……これは」

 

「私達と同じ……ですね」

 

「ベルカ式……」

 

4人は俺の足下に広がる魔法陣を見て驚いていた。

 

手には双剣が握られていた。

 

俺はそれを腰に指してからはやての前に行ってひざまずいた。

 

「え!? アレス君!?」

 

「闇の書……いや、『夜天の魔導書』の主、八神はやて。武神の魔導書の主、藤之宮アレスが剣となり、盾となりて守護することをここに誓おう」

 

【同じく武神の魔導書、エヴァンジェリン。微少な身ですが私も貴女をお守りいたします】

 

「了解……や。よろしくお願いするで? 可愛い騎士様♪」

 

顔を赤らめて俺の顔を見つめるはやて。

 

そして俺は立ち上がってヴォルケンリッター達の前に立った。

 

「……これからもよろしくな?」

 

俺は手を差し伸べた。

 

4人は顔を見合わせてから同じように俺の手の上に手を差し出した。

 

 

 

「ヴォルケンリッター、烈火の将シグナム」

「ヴォルケンリッター、鉄槌の騎士ヴィータ」

「ヴォルケンリッター、湖の騎士シャマル」

「ヴォルケンリッター、盾の守護獣ザフィーラ」

 

 

一呼吸置いてから、言った。

 

 

 

『我らヴォルケンリッター、藤之宮アレスを友として主、八神はやてを守護する事を誓う!』

 

 




 


 
ついに来ました、ヴォルケンリッター!

もし、アレス君が武神の魔導書を持ってなかったらどうなっていたでしょうねぇ…

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