暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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見てわかると思いますが原作と少し時系列を変えてます


客達の時間

スンスンと匂いを嗅ぎつつ、警戒心をもって匂いの方へ向かう落ちている木の実の匂いは食欲をそそられる。それを口にした瞬間にガチャリという音がし、獣は捕らえられた。

 

「すまんな、命は繋ぐ」

 

捕らえられたその獣がその言葉を理解できたかはわからないが、それを聞いた後気絶させられた。

 

「さて、後は任せていいか?」

 

「おう。血抜きもしとくから安心しろ」

 

「今更だが、猟師の免許とか持ってるのか?」

 

「安心しろ。その辺は大丈夫だ」

 

「なら、助かる」

 

風見は捕らえた獣(イノシシ)を写真でしか見たことがないが修学旅行で世話になったレッドアイに渡した

 

「にしても、この山は色あいがいいな。まさか、そんなものまであるとは」

 

「これだけの広い山なら、あるとは思ってたよイノシシもいるしな」

 

それが入ったビニール袋を見せつつ雄二はそう言う

 

「ところで、あんた随分と俺に馴れ馴れしいな」

 

「いやなに、あんたが修学旅行の時に会ったあのスナイパーの教官なんだなって思ってな」

 

「エディに合ったのか?」

 

仕事が終わればそれまでという関係だから顔合わせもしていないと雄二は考えていたので多少驚く

 

「お、俺と会ったて情報を言ってないあたりはやっぱりプロだな。つっても、あっちはたぶん軍人なんだろうがな」

 

「いったい何があったんだ?」

 

「お前さんのタコ教師に聞いてみな」

 

「なるほど、だいたい理解した。それと、俺のこと知ってるってのはロヴロからか?」

 

「まぁな。それなりに金は取られたけど」

 

雄二には理解できない。なぜそこまでして自分の情報を手に入れたかったのかが

 

「今回の件に、9029が関わってるって噂程度の情報があってな。俺は先代の9029と、ちょっとした縁があるんだよ」

 

「麻子と?」

 

気になってどんな関係かと訪ねた

 

「あいつの命を獲る役割をおったのさ。……完敗したけどな」

 

レッドアイは「あの時の俺はまだまだだったからだがな」と言い訳みたいなことを言いつつ続ける

 

「よく死ななかったなあんた」

 

「生かされたんだよ。あの時の9029の本来の標的は別で、その護衛件の仕事だったからな。あの時の俺は、仕事がうまく行きすぎて調子に乗ってた。それを目を覚まさせられたよ。いつか決着つけたかったんだが」

 

「…………」

 

「すまん。こんな話するべきじゃなかったな」

 

レッドアイは「血抜きをしてくる」と去る。雄二はその背を少しだけ見つつ、すぐにE組の校舎へ戻った。

 

 

 

「あ、雄二君おかえり〜」

 

莉桜がテーブルの片付けをしながらむかえる

 

「ああ。木の実といいのがあった」

 

ビニール袋を渡し、莉桜はその中を見る

 

「こ、これってまさか」

 

「西洋松露、所謂トリュフだな」

 

「そんなものまであったの!この山に⁉︎」

 

「ああ。原と殺せんせーに頼んで、これで限定メニューが作れるか聞いてみよう」

 

任せてと莉桜と厨房へ向かう

 

「客足は、なかなか伸びないな。桃花が下で客引きしてるみたいだが」

 

「まぁ、可愛い女の子が宣伝しても、結局はここまで来たいって思わせる物がないとね〜」

 

莉桜は「でも」と指をさした方を雄二は見た。

 

「あいつら、たしか修学旅行の時の」

 

「あ、そうらしいね。本日2回目だね、来るのは」

 

「2回目?」

 

どういうことだと思っていると彼らにビッチ先生が近づき何か言っている。そうすると男達は食事のおいしさと美人に話しかけられた喜びで舞い上がり食べ終わるとものすごい勢いで下へ向かう

 

「ここはそういう店だったか?」

 

完全に貢ぎコース一直線になった彼らに少しだけ同情しながら雄二はつぶやくも莉桜は口笛を吹くだけである

 

「それでも、まだまだ客が足りないし、A組の方はイベントカフェで浅野君の友人のアイドルとかお笑い芸人が無償で出てるらしいよ」

 

「どんな交友関係だよ」

 

芸能人は、自分の芸を売る仕事。それがタダでやってくるなど本来ならあり得ない

 

「しかもマイナーな奴じゃなくて、大物かよ」

 

出演しているのが名の売れた者となれば尚更だ。

 

「こっちも負けてられないな。桃花に連絡をとる。それと菅谷に即席でポスターも作ってもらおう。ここで天然のトリュフを出してますって宣伝する。ちょっとは効果あるだろう」

 

「了解!」

 

雄二はとりあえずまずはこのトリュフをどうするかを原と村松、それと殺せんせーで考える

 

「トリュフラーメンはあるにはあるが、これは香りが強いからこのどんぐりつけ麺に合わないな」

 

「いっそそのまんま売るってのは?」

 

「いえ、一般家庭でトリュフを使う事はそうありません。買っても使いどころがなくて腐ってしまってはもったいない。それに、風見君がとってきた数にも限りがありますしね」

 

「今ある材料なら、それなりにいい出汁もできるし、やっぱり吸い物か」

 

「何にせよまずはどんな売り方するか考えてくれ。そうじゃないと描く物が浮かばない」

 

4人の議論に菅谷は言う。やるなら早い方がいいが悩む。

 

「取り込み中かい?」

 

とそこにレッドアイが血抜きを終えたイノシシとキジを持ってきた。

 

「レッドアイ!」

 

近くで皆の手伝いをしていた烏間が気づき向かう。

 

「死神にやられたと聞いていたが」

 

「一時は死線を彷徨ってたが、どうにかなった。若い分回復も早かったわ」

 

「というか、なぜここにいる!しかも、(それ)はなんだ⁉︎隠せ‼︎」

 

「平気平気。世界各国の狩猟免許持ってるから。つか、あいつから何にも聞いてないのか?」

 

雄二は「俺に指をさすな」と思っていると烏間はズイッと近付いてくる

 

「どういう事だ?」

 

「いや俺も、山で木の実とキノコの散策をしてたら偶然あったから、いっそのこと手伝ってもらおうかと」

 

烏間は頭を抱えて大きなため息をだす

 

「キジだ⁉︎これの肉にトリュフを包んで出そうよ」

 

「それとつけ麺のタレで焼き鳥もしよう」

 

「イノシシの方はすぐに出すのに生姜焼きに、明日に出す物としてチャーシューを作りましょう」

 

「よし、なら描く物は決まりだな」

 

「もしもし桃花か?新商品が出るんだが」

 

あっという間に用意をしていく。

 

「ポスターはできた!」

 

「俺が下まで持っていく」

 

菅谷の出来上がったポスターを受け取り、雄二は下へ降りていく。……道中にすごい勢いで駆け上がっていく帽子の男を見たが無視した。またビッチ先生の貢ぎ相手だろうと思ったからだ

 

「桃花、新しいポスターを持ってっきた」

 

「あ、それが例の?」

 

雄二はトリュフを使った料理がありますと書かれたポスターを立て掛ける

 

「これで人が集まればいいんだけどねー」

 

「わからないな、そこは」

 

「そういう時はちょっとは大丈夫とかいうべきじゃないの?」

 

声をかけられて見るとJBがそこにいた

 

「ハァイ、ユウジ〜」

 

「帰れ」

 

「ちょ、雄二君…」

 

「せっかく来た客に向かって随分なものね。悪い噂が広まるわよ」

 

「何しに来た?ヒマじゃないだろ」

 

心の底から「来んな」と思っていたのか雄二はだいぶご立派である

 

「様子見プラス客としてきたのよ。あ、足弱い方だから中服まで送ってね」

 

足腰が弱い人は中服まで送れるようにリアカーを付近に置いてあり、力担当の寺坂と吉田いるのだが、「いつでも行けるぜ」的な表情でサムズアップをしていた

 

「女の魅力(武器)を使ったなこのビッチ2号」

 

「失礼ね!普通に頼んだわよ‼︎」

 

「まぁまぁ、その辺にして。春寺さん改めて、いらっしゃいませ」

 

「うんうん。本当にいい子。雄二にはもったいない」

 

「嘘泣きしながら言うのやめろ」

 

ポスターを持ってくるだけだったので雄二は校舎へと戻る。中服からはJBと上がる

 

「あ、春寺さん!」

 

「こんにちは陽菜乃さん。いつも雄二がお世話になってるから、来ちゃった」

 

初めて会ったのが陽菜乃だったからか、姉妹のように仲が良い

 

「いい雰囲気が作れてるわね。あのシャチホコとか、いいじゃない」

 

「…………」

 

屋根に付けられたシャチホコは殺せんせーが入れるスペースがあり、今ちょうど入っていた。JBは気づいていてわざとそう言う。

 

ちなみに眼線でこんな会話がされていた

 

(おとなしくしてくれてありがとうございます。今度やったら、わかってますね?)

 

(ヒィぃぃぃぃ、わかりましたからぁ〜)

 

一方それとは別に話題もあった

 

「あ、風見、おかえり」

 

「ん?なんでまたその呼び名なんだ?」

 

「さっきまで南の島であった雄二くんとおんなじ名前のチャラ男いたんだ」

 

「あーあ、渚を女と勘違いして惚れた?…そうか」

 

「なにその【大丈夫、俺は否定しないよ】みたいな表情⁉︎そんな展開ないからね‼︎あと、もう僕が男だって告げたし!」

 

「もったいないよねーあのままコスプレの撮影会で金取れたのに」

 

「だから僕でどういう稼ぎをしようとしてるのカルマ君⁉︎」

 

そんなこんなでJBもさっそくラーメンを食べた

 

「これ、本当に美味しいわ!」

 

「そうかよ。食ったらさっさと帰れ」

 

「雄二、春寺さんのこと嫌いなの?」

 

「バイト先の上司でもあるからな。正直無理な仕事もさせられて困ってる」

 

「誤解されるような事言わないで」

 

渚は2人のやりとりを見てなんらかんだ言っていても仲が良いなと思っていた

 

「…あ、そうだ。どうせなら宣伝にひと役頼む」

 

「まぁ、そのくらいなら良いわよ」

 

「よし。岡島!」

 

「ここに!」

 

「いつのまに⁉︎」

 

渚の後ろからカメラを持って出てきた岡島は完全に気配を消していた。

 

「え、なにこれ?」

 

「お前はそのまま食べてれば良い」

 

「撮られながら食べるの⁉︎」

 

さまざまな理由故に断ろうとしたが既に岡島は数枚撮っていた。断ろうと思うが陽菜乃の「ありがとうございます」的な視線と協力すると言った手前断れない。さらに

 

「はい、そこで一言!」

 

「とっても美味しいわ!ってなにさせてなに撮ってるのよ!」

 

「あざとい笑顔…完璧だな。客の反応を動画で出せばそれなりに集客できるだろう」

 

「ビッチ先生なみのボンキュな美人なら尚更だな!」

 

結局特設ホームページにお客の反応の動画を出されて顔出しをしてしまい、上司からお叱りを受けるハメになったのは言うまでもない

 

「子供の感想とかも欲しいな」

 

「それなら、ちょうどいいみたいだよ。ほら」

 

渚の言っている方を見ると、わかばパークの園児と松方含めた職員が来ていた

 

「渚ーーー来てやったぞー‼︎」

 

真っ先に声を出してこたのはサクラという渚が勉強を見ていた女の子だ

 

「懐かれてるな」

 

「うん。ときどき勉強を教えにも行ってるからね」

 

「とりあえず、客数は稼げたな。松方さんも元気そうで何より。あの後はどうなんだ、園の方は?」

 

「あれ以来、職員もふえてな。桐原君と及川君。気立も良いし、良く働いてくれるし、お前たちなみに運動神経もいいから助かってるわ」

 

と指した方にはその新しい職員の2人の男がいた

 

「最初は日雇いのバイトだったんだけどここは働きやすくて、楽しいしいい感じだよ」

 

「まぁ、色々と難儀なことも多いけどな」

 

「お2人は、しりあいなんですか?」

 

「俺ら2人ともおんなじ会社に勤めててな。副業の方をそれぞれ本業にしたってこと」

 

その2人をJBと雄二はチラリと見て、2人も気付いたのか小さくお辞儀をした。

 

(あいつらが?)

 

(えぇ。つい最近うちを辞めていった職員)

 

楽しそうな表情を見ていると胸に穴が空いたような気がしたが、雄二は2人に話しかける

 

「楽しそうなのは何よりだな」

 

「「え、えぇ」」

 

「前の会社辞めたそうですけど、辛くないんですか?」

 

(雄二がそんなこと聞くなんて珍しい)

 

「正直、前の会社では色々とあって、でもそれが普通なんだって思ってたんだけど、本当の普通って多分わかってなかったんだ」

 

「あのまま働いてても、問題なかったかもしれないけど……子供達の顔見てたら、なんか、ちゃんと見てあげたいっていうか守りたいって思って」

 

彼らは国を守る者だった。故に、自分の事は2の次だった。だが、いざ自分達が日々守っていた者達と、面と向かって接した事で……

 

(本当にやりたい事が見つかったってところか)

 

彼らの人生はこれから大変なものとなる。日々監視があり、提出すべき報告は多いそれでもこの生き方を選んだ。選べた事が、雄二にはたまらなくうらやましかった

 

「ところで、ここは随分と色んな方々いるのですね」

 

「まぁ、な」

 

正直戻ってきた時から雄二もツッコミたかった。席のいくつかが殺せんせーを殺せなかった殺し屋達で埋まっていた。

 

(殺せんせーが呼んだんだろーが、壮観だな。というか、見る奴が見れば何事かと思うな)

「ただ呼ばれただけでは彼らは来ないよ」

 

といつに間にかロヴロが隣に立っていた

 

「おー忍者だ忍者だー」

 

「ばーか、外国の人だからスパイだよ!」

 

「おい、子供がいるんだから目立つなよ」

 

「フフフ、心配はいらない。そういうショーをしている者としてここにいるからな」

 

本当かよと心の中でツッコミを入れていると

 

「ひさしぶりね」

 

「ん」

 

あの時とほぼ同じ服装で違うのは仮面を付けておらず、代わりにサングラスをしていることだけのマーリンがいた

 

「ああ。南の島以来だな」

 

「あ、あの時の仮面さん!」

 

「あーなんか雄二君ボコったていう」

 

「誤解を招く発言をしないでくれ莉桜」

 

「マーリンよ。あと、誤解じゃなくて結構最初からマジだったじゃない」

 

曰く、彼女も殺せんせーに言われて来たそうだが

 

「ここにいる連中は、なんらかんだであなた達の能力を評価してるから来てるのよ。だから、諦めないでやりなさい。明日も私達は来るから、感謝してしてね」

 

「ありがとうございます!マーリンさん」

 

「まぁ、ちょっとした詫びでもあるから…ね」

 

彼女が南の島で雄二にしたことは知っている。そして、彼らはなんとなく雄二との関係も察している

 

「あ、私ちょっと姉さんに挨拶してき」

「必要ないわよ」

 

「い、イリーナ姉さん⁉︎……………イリーナ姉さんだよね?」

 

「なによ?」

 

「えぇと、服が随分普通だから」

 

「あんたも私をなんだと思ってんだ⁉︎」

 

最近になって変化した彼女の服装にマーリンは困惑していた。

 

「あんた、まだそんな服なの?もうちょっとおしゃれしなさい。明日もいるなら、この後一緒に買い出しに行きましょう。いいですか?ロヴロ師匠(せんせい)

 

「構わん」

 

師匠(せんせい)⁉︎」

 

「お前はもう少し女を磨いた方が仕事捗る。いい機会だ久々に色々教えてやれ、イリーナ。遠慮はいらん」

 

じゃああっちで計画立てましょうと引きずられていった

 

「いいのか?」

 

「あれで気を遣ったんだ」

 

雄二と一緒にいたいが、それで彼に辛い記憶を出して欲しくない。けど、少しは女として見れるようにはという複雑な思いをビッチ先生は汲み取ったのだ

 

「しかし、立地条件が悪い分どうにかできんものか……君のところからも、客を呼んではどうかね?」

 

「あいにく、こっちは普段は忙しいもので」

 

ロヴロがJBに声をかけたが本当の理由はあわよくば他の職員についても知りたいからだが、当然断った

 

「……まぁ、そんなことしなくても、どうにかなると思いますけどね」

 

スマホを見ながらJBは呟く。そこに映し出されたブログを見つつ




ちなみに
JBは常にE組の情報(特に殺せんせー関係)が出てないか調べる役目もあり、最後にブログを見ていたのはE組の情報が出ていますという報告がメールであったから。見たけど問題ないと報告をしてます

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