暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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なかなか出せず、すいません。

最近は特に仕事が大変で。しかもちょっとドジって入院もして


はい。言い訳ですねすいません。

そして今回2人目が判明します


尾行の時間・1時限目

「……っていいかな?」

 

「なるほど」

 

「…………のにするよ」

 

「………じないの?」

 

「だい……から」

 

「すごいな」

 

「…………じ?」

 

「悪いのは君じゃない」

 

「じゃあ、明日つくってくるね」

 

タッタと自席へ倉橋が戻り始めたところで雄二の意識は完全覚醒した。

 

「雄二、やっぱり話聞いてなかったんだ」

 

(俺としたことが、最近『バイト』が多くしかもほとんどが深夜。寝不足なのは仕方なかったとしても、迂闊だった)

 

そう思った雄二は言ってきた渚の方を向く。

 

「正直に言って全く聞いてなかった」

 

「すごい正直だ!」

 

「さぁ、何が悪いか言ってみろ渚!」

 

「そしてなんでそんなに偉そうなの!?」

 

とツッコミをいれつつも仕方ないと思って教えようとしたが

 

「実は…「特に問題ないよ雄二」ちょ、カルマくん⁉︎」

 

「ならいいか」

 

「納得するの早!」

 

渚がツッコミをいれたとほぼ同時にチャイムが鳴る。はぁと重い溜息をはいて渚は席について1時限目の教科書を出した。

 

 

時間は過ぎて昼休み。皆が昼食をとりだす。本校舎には学食もあるが公式に差別を受けるE組には当然それを使う権利はない。故に各自で弁当を持参するのだが

 

「毎回思ってたけどさ。風見ってお昼いつもそれなのか?」

 

と、雄二の1つ右前の席の菅谷創介が言う。因みに雄二は寺坂グループの4人を除き全員と一緒に食事をとったことがあるのだが、菅谷は席が近いのもあり昼食時はよく話すようになっていた。

 

「ん。まぁな」

 

「豆ばっかりだな」

 

菅谷の言う通り雄二の食事は缶を開ければすぐに食べられるビーンズの缶とスーパーで売っているパックに入った煮豆とおからだった。

 

「腹が満たされ栄養が入ればそれでいい。何より豆はいいぞ。人間は動物性のたんぱく質1に対して植物性のたんぱく質を2はとる必要があるが豆はその植物性のたんぱく質の塊だ。畑のお肉と呼ばれるのはそれが理由だ。むろんおからも滋養強壮、疲労回復、記憶力アップついでにどちらもダイエット効果と美容効果もあるスペシャルな食材だ!」

 

最後の言葉に女子が反応したのは言うまでもない。

 

「なんなんだよその豆に対するおまえの説明の力は⁉︎肉とかは食わないのか?」

 

「………ベジタリアンと言うほど全く食えないわけじゃないが、あまり得意ではない」

 

「ふーん。まぁいいけど」

 

この話題に興味がなくなったのか菅谷は自分の弁当を食べ出した。

 

 

早々と食べ終わった雄二は外の空気を吸いに行き、日向で本を読みだす

 

「ほー、『かもめのジョナサン』ですか。なかなか良いところにいきますね」

 

「殺せんせーも読むのか?」

 

本を読みながら殺せんせーに質問する。冷静さを保っているが声を掛けられる0.5秒前に雄二はいることを肌で感じていたのにもかかわらず目の前にいることに気付けなかったことに内心驚いていた。

 

「えぇ。様々な生徒と関わるのですから世界の本はマイナーなものを含めて一通り読んでいますよ。その本に関しては人によって感想がまったく異なっているのが面白いですが風見くんはどうですか?」

 

「俺は鳥になったことはない。速く飛びたいと思ったこともないがただ、感想が異なっているように生き方考え方を様々もって、時には変えていくのは悪いことではないと思う。問題なのはどう生きてきて、どう生きたか。それに尽きるな」

 

「なるほど風見くんはそういう感想を出しますか」

 

「ちなみにマッハ20で瞬間移動もできる先生は昼休みにエロ本を買ってしかもそれを学校に置いていて良いのか?」

 

「にゅあ!?なぜそれを‼︎」

 

「今更だと思うぞ。弱点が巨乳の時点でなんとなく想像はついた」

 

要は単なるカン。それにまんまと引っかかり自白させられたのである。

 

「イヤァァァァァ‼︎‼︎」

 

悲痛の叫びが上がったと同時に隠れていた生徒が一斉乱射を始めた。

 

「にゅあ!ひょ、はっ」

 

しかし弾丸をすべて紙一重でかわし一瞬で距離を取られてしまった

 

「あーくそ。いけると思ったんだけどなー」

 

「失敗していいんだ。もともと検証のためだったんだ。それより、杉野達もいいタイミングだった。磨きはもっと必要だがな」

 

「こ、これはいったい?」

 

「ん、あぁ。俺がここに来て初めて1人になって、本を読んでいる。外に出た先生が戻る時間はそろそろ。生徒のことをなんでも気にする先生は必ず俺に話しかける。それでおびき出した。そして、先生として生徒に知られたくないことを知られた時動揺するかを検証し、あわよくばここで仕留める計画だったんだ。匂いでばれているのは間違いないから他のみんなには早めに草むらに入って草の匂いとなるべく同化してもらい、最後に音を消すためにスリングショットを使った」

 

「前に俺が対先生弾を野球ボールに埋め込んだのを教えたら、この武器を使うってことになったんだ」

 

「しかも雄二がある程度先生の意識を自分に向けてたおかげで、未完成ながらも気配を消した攻撃だったんだけどねー。それにしてもやっぱりマジでエロ本を置いてるなんてねー」

 

カルマの言葉に顔を真っ赤にして触手で隠し、小声で恥ずかいとつぶやく殺せんせーはある意味ダメージを負っていた。

 

「とりあえず、先生に精神攻撃が通用するのがわかっただけでも収穫だ」

 

「風見くんが来て、暗殺能力がどんどんあがってますねぇ。ですが、先生を殺すのにはまだまだですねぇ」

 

顔を緑のしましまにして言う。舐められている時の顔だと教わった雄二は

 

「………引き出し3番目の奥」

 

「やっぱり見たんですか‼︎」

 

「もしもし岡島か?やはりお前の言う通りだった」

 

またも自白させられ恥ずかしいと言いながら顔を隠していた。

 

「でも本当、雄二がこのクラスに来てくれてよかったよ」

 

渚の言葉に皆が頷く。

 

「まぁ、役にたっているならいいんだ」

 

と言ったと同時にチャイムが鳴る。渚は雄二の反応に少し疑問を持つが授業が始まるので今は気にしないことにした。

 

 

時間は経ち、放課後

 

渚、カルマ、杉野達が途中まで帰ろうと言い、本当に途中から道が違うので断る理由はないと思い校門を出て少し歩いた時だった

 

「ねぇ、なんかあそこでこっちに向かって手をふってる外人の女性がいるんだけど?」

 

「あ、ほんとだ。……ビッチ先生…じゃないな。スタイルはいいけど」

 

渚に言われてみるとブロンドヘアのスタイルの良い女性が黄色いポルシェにもたれて手をふっていた。

 

「つーか、こっちにというより、雄二に手をふってない?」

 

「俺にはマヌケの知り合いはいない。ガールスカウトのクッキー売りか、ヘルスバーの客引じゃないか?」

 

「なにそれ?つーか、どう考えても雄二にめちゃふってない?」

 

「知らんと言ったら知らん。とにかく面倒だから「ユージー♪」…ッチ」

 

女性は誰にでも聞こえるようにユージーと呼んだ。その時点でもう弁解などできはしない。

 

「やっぱり知り合いか‼︎なんだよあの美人さん‼︎」

 

「落ち着け杉野。あいつは俺の身元保証人だ。すまないんだが、今日はここでわかれて先に帰ってくれ」

 

半分強引に3人を帰す。何度か振り返るが3人共帰って行く。ちなみにカルマはiPhoneで写真撮っていた。明日また聞かれるだろうなと覚悟して黄色い車にもたれた女性に睨みながら歩み寄った。

 

「やぁ!普通の学園生活を楽しんでいるかい?」

 

「なにしに来たんだ?」

 

歓迎する気はまったくないぞと言っているような顔をする。

 

「あなたがちゃんと問題なく普通の学園生活をしてるか様子を見に来たっていうのに、相変わらずつれないわねぇ。子供の時はあんなに素直だったのに」

 

「余計なお世話だ。もし問題があるなら、今ここにあんたがきたことだ。そもそも仕事はしばらく休むと言っているのに最近は緊急の案件が多くないか?正直ほとんど深夜か朝早くで寝不足ぎみなんだが」

 

「月が爆破してから『色んな人(・・・・)』が正式に入ってくる中で、『ゴミ』が紛れ込むことが多くなっているのよ」

 

「だからと言ってこの間のように現場待機だけで呼ぶ必要はあるのか?」

 

「それなりに大きなゴミだったんだから仕方ないじゃない」

 

「もう少しなんとかならないのか?」

 

雄二は小さくため息をついてそう言う。

 

「検討はしてみるわ。とにかくこちからの呼び出しにはすぐ出ること、修学旅行などで県外に出る際は申請書をだすこと、あなたの仕事などの重大なことに関して他の人に知られないこと。『事故死』はしたくないでしょ?」

 

「言われなくても全部わかっている」

 

「あ!そうだ思い出した!あなた歩いて県境を越えてここに来たでしょう‼︎ちゃんと電車のチケット用意してあげたのに! だいたい200キロも歩くバカが何処にいるのよ‼︎」

 

「ここにいる。電車は苦手なんだ。知ってるだろ?それに200キロも歩いてない。せいぜい170キロだろ」

 

「それが原因で警察のお世話になったのに偉そうにしないの!麻子の時もそうだったけど、あなたの勝手なことで毎回毎回上から文句を言われるのは私なのよ‼︎」

 

「はっ了解しました‼︎春寺三佐‼︎(チッ、面倒くさいなこの女)」

 

「その、面倒くさいなこの女って顔はやめなさい‼︎」

 

「お前エスパーか?よくおれのかんがえがわかったな。あと、お前も1発殴ってやろうかしらという顔はやめろ」

 

「あなたエスパー⁉︎」

 

「みんなには内緒にしてくれよ」

 

「……………」

 

先ほどよりももっと殴ってきそうな顔をして雄二を睨む。

 

「冗談に決まってるだろ。なに本気にしてんだ?」

 

「…はぁ。もういいわ今日はもう帰る。しつこいようだけど…」

 

「わかってる。あと、色々と感謝してる。悪かったな、JB」

 

「…わかればいいのよ。じゃ、また連絡するわ」

 

JBと雄二が呼んだ女性、ジュリア・バルデラ。帰化名、春寺由梨亞は髪をなびかせて車に乗り、颯爽と走っていった。

 

「…結局、俺の様子を見に来ただけか」

 

こういうのこそ事前に連絡しろと思いながら雄二は再び帰りはじめる。

 

 

雄二は近くのスーパーでいつもの食事を買い家に帰っていたが歩く速さはいつもよりゆっくりにし、たまに少し速めたりしている。無論理由はある。

 

(やはりつけられている)

 

あのあと帰り始めてすぐに気付いた。なぜなら尾行の仕方が下手だからであった。

 

(JBとの会話を聞かれたか?そもそも何者だ?ここまですぐ気付けるのなら暗殺者ではないのか?…いや、わざとやっているのか?少なくとも、JBや市ヶ谷、サムおじさんの知り合いではなさそうだ。尾行は連絡にでるならもうないとJBから連絡もあったしな)

 

様々な可能性を考えながら歩く。

 

尾行されている時は相手が素人だろうと振り返ることはしない。その瞬間に相手が警戒されたと認識しさらに最悪距離があるなら逃走しかねない。近づくなどもってのほかである。

 

(なら、追わせればいい)

 

この場合の対処としては速度を上げて角を使いまく、建物の中入り込んでやり過ごす、乗るはずのないバス、電車に入り発車直前で出るなど様々あるが、雄二は捕まえる気でいた。

 

(問題は捕まえた後だ。もし相手が囮で増援がいるのならあえて人のいない場所を選び誘き出す。そこの方がやりやすい。いないならいないで、目的を聞き出すのにもいい)

 

道をそらし狭い裏路地に行く瞬間に気持ち早足にする。そこは隠れるところなどないように見えるからこそだ。そして雄二は即座に細工をし、素早く行動する。

 

 

 

side???

 

面白いくらい順調だった。

 

彼のことは皆気になっていたが私の場合は彼の謎と思われる一部始終を何度も見たためである。

 

金髪の外人女性との会話は残念ながら聞こえなかったが写真は撮れた。これで色々言ってもいいがはぐらかされるのがオチと思い尾行をする。スーパーでは周りに変に思われぬよう距離を置いて適当に買い物をした。そこからは結構長い距離を歩いた。自分も毎日険しい道を通るが距離でいうなら彼の方が多いであろう。こういった気配を消す訓練はまだやり始めたばかりだが意外とできるものだと思い始めるが相手が少し早足になって細い裏路地に入り、私もすぐに後を追った。

 

「……あれ?いない」

 

気付かれた?ここまで順調だったのに?こんな細い路地じゃ隠れるところなんてない。気付いてここを早々と通り抜けた?一応少しだけ奥へと進む。

 

〈ピリリリリ!〉

 

「ッ!?」

 

突如聞こえた着信音に私はおもわず振り向いた。瞬間

 

「さて、目的を聞こうか?」

 

訳も分からないまま拘束された。

 

 

side雄二

 

俺は普段からプライベート用のiPhoneとJBの履歴しかない仕事用の携帯電話、通称ガラケイと呼ばれているものの2つの通信機器を身に付けている。今回はプライベート用のiPhoneを路地を進んで少し暗がりになったところで気付かれにくいところにわざと落とす。そして近くのパイプの陰に隠れる。日中ならすぐ気付くだろうがすでに日は落ちだし、ここまで入れば暗く見えづらい。だがそれはこちらも同じ。路地の入口とそこにきた人影は見えるが顔は分からない。

 

「…れ……い?」

 

距離が開いているのと、周りの雑音で聞こえづらいがどこかで聞いたことがあるような気がする。もしかするとずいぶん前からあっていた可能性もあるな。

 

そして罠の可能性も充分にあるのにのこのこと入ってきやがる。……よし!かかった!

 

〈ピリリリリ!〉

 

「ッ!?」

 

先ほど落としておいたiPhoneにかけることで奴の真後ろで音が鳴る。それに気を取られて後ろを見た瞬間に隙だらけの背中にせまり瞬時に相手の腕を後ろにして抵抗されるのを防ぐためバランスを崩して固める。この場で俺のもう片方の手を使い相手の首をしめることもできるがあえてせず、要件を聞く。やはりこいつは素人、何か他のものが絡んでいるなら尾行はもっと最適の人材がいる筈だ。

 

「さて、目的を聞こうか?」

 

と顔を見ると

 

「ずいぶん強引なんだね〜意外だな風見くん」

 

見知った顔だった。というか、

 

「なんでお前が俺の尾行をしてんだ中村?」

 

クラスメイトの中村 莉桜(なかむら りお)だった




はい、というわけで2人目は中村莉桜さんです。

どういう風に惚れさせようか考えどころです

因みに、話の冒頭にあった倉橋との会話の結末は次の次の話で判明します

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