暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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シロがイトナを見放したのは正直酷いですが維持し続けると100億もらっても赤字というのを最近知りました
そうなんだ……でも結局人権無視なのは変わんないけどね!


助ける時間

「堀部糸成、これがあいつの正式な名前か」

 

「そう。そして彼を殺すのが今回のミッション」

 

資料を全てみて、彼の過去と触手を得た経緯を理解し、その彼の抹殺にあてられた雄二は

 

「また俺に同級生を殺せってか?ふざけるのも大概にしろ」

 

「竹林孝太郎の時とは訳が違うの。この騒ぎが広まってしまえば、どうなるかくらいわかるでしょ?現状は人的被害はないけど、このままいけば時間の問題よ。……それに、すぐに殺す必要はないわ」

 

「どういう事だ?」

 

「まず言っとくけど上の連中はね、堀部糸成も、それに触手を与えたシロも組織も信用してない。あの怪物と触手の専門家だから雇ってるだけ。そして今回そのシロの要請で泳がせているの」

 

「……こんどは何をする気だあの野郎」

 

「悪いけど、これ以上は教えられない。あとはあなたのタイミングで処理しなさい」

 

このような依頼が出たのには当然だが理由がある。この数日で携帯電話ショップが破壊されている。堀部糸成があの夜姿を消したその日からだ。まだニュースになってないが今日中に発表されるだろう。犯人が誰かなど言うまでもない。

 

「1ついいか?」

 

「何かしら?無理とかはなしよ。いくら触手持ちでも、弱体化してるならいくらでもやりようはあるでしょう?」

 

「いや、もし………」

 

 

 

その日遅れて雄二が教室につくと律がニュースを見せており、皆がそれをみていた

 

「おう、風見これみろよイトナが……」

 

「おれも新聞で見たよ。携帯電話ショップが立て続けに破壊されている。複数犯って警察は言ってるがおそらく情報統制だろう。破壊活動はイトナがいなくなってからだ。そうだろ、殺せんせー?」

 

「ええ。使い慣れている先生にはわかりますよ。この破壊は触手でないとまず出来ない」

 

「でもどうして携帯ショップばかりを?」

 

「……いま重要なのはそこじゃない。これ以上放置していたら人的被害がいずれ出るという事だ。ケガで済めばいいが、死者が出たら当然だが政府も隠しきれない。触手の情報とともに暗殺のことも伝わって、最悪ここでの授業、俺達の生活にも関わってくる」

 

悪くなる未来を言われ全員の顔が青くなるなか

 

「彼を止め、保護します。…担任として、責任を持たなければ」

 

殺せんせーがそう言うも皆否定的な意見が出る。つい先日まで商売敵のような存在で巻き込まれて命の危機になった事もある。しかもイトナを率いていたシロは他人を全て捨て駒扱いしている。そんな奴が何をしてくるかなどわかったものではない。だが

 

「……それでも担任です。“どんな時でも自分の生徒から手を離さない”先生は先生になる時、誓ったんです」

 

「…はぁ、殺せんせーならそうくるとは思ってたよ。でも、それ俺もついて行っていいか?」

 

「俺もいくぜ。あいつには借りもある。何よりシロにいいようにされた仲だ」

 

雄二、寺坂がそう言うと自分もと言いだし、結局は全員で行く事となった

 

 

ロケットが突っ込んできたかのような速さで携帯ショップに突撃し扉とその周囲の物を破壊して、着いてすぐに周囲の携帯を触手を振るっていくつか破壊する。そのたびに自身の命と体力が減っていくのを感じつつ触手を暴れさせるのを止めるがすぐに破壊する

 

「キレイ事も、遠回りもいらない。負け惜しみの強さなんてヘドが出る」

 

触手でいくつか携帯電話を掴んでそれをグシャリと破壊する。彼は気付いてない。いま自分が心の中で言うはずの言葉が声に出ていることにそれほどまでに疲弊している

 

「勝ちたい。……勝てる強さが欲しい」

 

「やっと人間らしい顔が見れましたよイトナ君」

 

声に気付いてそちらを見ると殺せんせーとE組メンバーがそこにいた

 

「感謝しろよ。おまえが人的被害を出さないように烏間先生に頼んでここの警備員を退散させたんだからな」

 

雄二はイトナを探す為に現在被害にあった店をマッピングしそこから次に狙うであろう店をピックアップした。だが当然だが警察もバカではない。同じように被害にあった店の場所から次に狙うであろう場所を見極め警備員を置く。故に、雄二は烏間に頼みそれを防いだのだ。もし来ていたら最低でも気を失うレベルのダメージを負っていただろう

 

「スネて暴れてんじゃねーぞイトナァ。テメーにゃ色んな事されたがよ、水に流してやるからおとなしくついてこいや」

 

「…うるさい」

 

寺坂の言葉などどうでもいいと言わんばりに残った力で触手を動かすがキレがなくなっているのはよくわかる

 

「…兄さん、勝負だ…今度は…勝つ」

 

「殺せんせーと呼んでください私は君の担任ですから」

 

「というかその設定まだあったのか?いい加減どうかと思うぞ?コレが兄だぞいいのかおまえ?」

 

「コレとか言わないでください⁉︎普通に傷付きます‼︎………おほん。まぁ勝負は受けてもいいですが、お互い国家機密なんですからどこかの空き地でやりましょう」

 

「国家機密だってわかってるならもうちょい普段からそれらしい行動しろって烏間先生にほぼ毎日言われてる奴が何言ってんだ」

 

「シャラップ‼︎」

 

雄二はへいへいと言って黙るが生徒達にはウケたようである

 

「暗殺が終わったらその空き地でバーベキューでも食べながら皆で先生の殺し方を勉強しましょう」

 

「そのタコしつこいよ〜。ひとたび担任になったら地獄の果てまで教えに来るから」

 

気の抜けたような感じでカルマが言うがそれは身をもって受けた経験と殺せんせーへの信頼からくるものだ。

 

「当然です。目の前に生徒がいるのだから…教えたくなるのが先生の本能です」

 

触手の力が抜けいくのが素人目でもわかった。このまま彼の心の扉を開き、触手を取り除く……はずだった

 

「逃げろ‼︎」

 

時すでに遅い投げ込まれたものが爆発し大量の粉末が飛び出す

 

「(煙幕弾?違う粉爆弾か)目と鼻を塞げ‼︎ゲホっ」

 

そしてただの粉爆弾ではない。これは対先生物質を粉状にしたもの。殺傷能力は低いが触手を溶かし弱体化はできる。そこに外から一斉射撃が行われ対先生弾が殺せんせーを襲う。当然避けられるがこれはブラフ。真の目的は

 

「がっ…」

 

同じく触手が溶かされただで弱っていたイトナはどうすることもできず捕獲網に捕まえられそれを発射した砲台付きのトラックに引っ張られていく触手で強化されていなければすぐに死んでしまうだろう。そして死なないにしても、相当のダメージが入る

 

去っていくトラックにはシロとシロと同じく白いフードをつけた集団が乗っていた。

 

「クソっ舐めやがって」

 

ゲホゲホと咳き込みながら様子を見るどうやら怪我人はいないようだ。殺せんせーは全員の無事を確認するとイトナを助けに飛んでいった

 

「さて、正直ここまでされて俺も憤慨なんだが、おまえらはどうだ……って聞くまでもなかったな」

 

「おう、当然だろうよ」

 

全員が怒り浸透である。

 

「…あンの白野郎〜…とことん駒にしてくれやがって」

 

早速行動を起こす為簡単な作戦会議をし、トラックが逃げた方に向かった

 

 

トラックを上空で探していや殺せんせーは見つけ出す。停止しており、周囲には不自然なほど人がいない。どう見ても罠だが構わず地上に降りてイトナを捕らえているネットをどうにかしようと触れようとしたが止まる。捕まっているイトナの触手がネットに触れて少しずつとけているからだ。そこからこのネットが対先生繊維であると理解した

 

「お察しの通り。そしてここが君達の墓場だ」

 

シロがそう言って合図を出すと周囲の木々からライトが当てられる。以前教室でも使われた殺せんせーの動きを一瞬止める圧力光線。そしてトラックと木々の上から狙いを定めているがその砲身が向けられているのは殺せんせーではない

 

「撃て。狙いはイトナだ」

 

そしてあえて殺せんせーに聞こえるようにシロは指示を出す。発砲音と共に大量の対先生弾がイトナに向かう。どうにか反応して自身の服と風圧でイトナを守る。そして防御しつつハサミでネットを切ろうするが

 

「無駄だよチタンワイヤーを対先生繊維でくるんだネットだ。いくらおまえでも弾を防ぎつつ救い出すのは難しいよ」

 

シロの言うとおりなかなか切れない。その間も攻撃は続く。弱体化したイトナの触手が破壊されてしまえば彼の命は失われてしまう。故に先生は防御するしかない。だが先程のダメージと光線によって動きづらい中で守り続けるのは至難だ。

 

「今までの暗殺で確認は取れている。おまえは自分への攻撃は敏感に避けるが自分以外への攻撃は反応が格段に鈍い。しょせんは自分の事しか大事にできない身勝手な生物なのさ」

 

シロの計画は完璧…………

 

 

 

 

 

 

 

「…身勝手ね。おまえが言うか、そのセリフ」

 

にはほど遠い。いつの間にか近くにいた雄二に驚くがその瞬間に木の上にいたシロの部下がカルマと前原の蹴りで落とされた。突然のことに

驚く暇もなく落ちたとこには布を広げた生徒がキャッチしそのまま簀巻きにして縛り上げる。フリーランニングの成果で全員が素早く木に登る。部下達は全員が対先生繊維の服を着ている。だが、この服は先生では触れられないし当然掴めないが、普通の人間には掴みやすくなっている。それを逆手にぽんぽんと落とされ簀巻きにされていく。

 

「こいつらっごうぅ!」

 

「きさま…がぁ!」

 

「う、うわああああ!」

 

「トイガンの弾と同等なら目を狙えよ」

 

トラックに乗った3人はあっという間に雄二に倒される。

 

「…おまえら、なんで…」

 

かすれた声でイトナは問う。

 

「カン違いしないでよね。シロの奴にムカついてただけなんだから殺せんせーが行かなけりゃ私達だってほっといてたし」

 

「…速水がカン違いしないでよねって言ったぞ」

 

「生ツンデレは良いものだね」

 

「あそこまでリアルなツンデレは俺も初めてだな」

 

意図して言ったわけではなかったが後方の岡島と孝太郎、前方の雄二にからかわれて速水はちょっと赤くなっていた。ちなみにイトナを捕らえていたネット付きの砲台はすでに雄二と入れ替わりでトラックに乗っていた殺せんせーが根元から外して分解していた

 

「さて、雄二〜今回は何点?」

 

「甘口辛口ともに0点だ。前回は俺らの介入を意識してたくせして今回はない。学習能力が無いのかおまえ?あと、部下は軍人じゃないな?どうせここまでするなら軍人にしとけだから訓練してるとはいえ学生にいいようにされるんだ」

 

「その通りです。どれほど用意周到に計画を練ろうとも、生徒達を巻きこめばその計画は台無しになる。まずその事に早く気付いた方がいい」

 

雄二と殺せんせーの指摘を受けたシロは手を顎にあてる

 

「モンスターに小蝿たちが群がるクラスか…大層うざったいね。だが確かに私の計画は根本的な見直しが必要なのは認めよう」

 

「否定せずようやくそこに気づくなんて大したもんじゃないか、えらいえらい」

 

「黙れよ駄犬。そもそも君がいなければこんなにも鬱陶しくはなってない」

 

「前言撤回。人のせいにしてるようじゃ、永久に何も得られない」

 

睨み合いが少しだけあったが、すぐに「フン」といって踵をかえしてトラックに乗り込む。部下達の武器を取り上げた後解放すると全員悔しそうに乗り込みエンジンをふかせる

 

「くれてやるよそんな子は。どのみち2~3日の余命、皆で仲良く過ごすんだね」

 

窓を開けてそう言うシロに雄二は告げる

 

「一応言っておくぞ、烏間先生からだ」

 

正確に言えば烏間ではなくもっと上(・・・・・・・・・・)からなのだがこの場で言えるわけないのでそういう事にする。

 

「政府はあんたらの組織を信用してない。ここまで失敗したんだ人のせいにする前にまずその信用をどうにかした方がいいんじゃないか?」

 

「もとより信用(そんなもの)必要ない。最終的に結果さえあればそれでいいのさ」

 

「ああそうかい」

 

そうしてトラックは去っていく。残る問題はイトナの触手だ。

 

(ここまではまぁ、予想通りだが)

 

 

 

 

「もし、人的被害が出ないプラスあいつの触手を取り除いて、あの教室に来たら、その時は処理を無効にできるか?」

 

「………正直言って難しいわよ。上の説得も堀部糸成の方も」

 

「承知の上だ」

 

ハァとJBはため息をだす。

 

「上の相手は私なのよ、もう」

 

と言いつつやってくれる事がわかり雄二は感謝した。

 

 

 

(死なせねーよ。助ける。……これでいいよな、麻子?)




ちなみに
烏間とJBはよく雄二の報告をする為よく電話をしていますが一度だけ直接あっています。その時お互いに感じたのは
「なんだか苦労人(同類)の気がする」
です。烏間 &JBほんと苦労人ですわ。
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