暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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泥棒編でーすそろそろ1人進めてみようかと考える今日この頃


確保と逃走の時間

暗殺訓練は今日も始まる。今までは基礎だったがこの2学期からは応用に入る。1つはプリンの時に使用した火薬。そして今回は

 

「2学期から教える応用暗殺訓練……そのもう1つの柱がフリーランニングだ」

 

「フリー…」

 

「ランニング?」

 

よくわからないのか首をかしげていると雄二が補足する

 

「パルクールって言ったらわかるか?あれに似たものだ」

 

それで何人かが「あぁー」と納得しているがやはりわからない者もいる

 

「百聞は一見にしかずってやつだな。烏間先生?」

 

「うむ。例えば、今からあの一本松にまで行くとして……三村君、大まかでいい。たどり着く為にどのように行って何秒(・・)かかる?」

 

三村は再度距離を確認し、次に周囲を観察して答えを出した。

 

「えーっと…まず、この崖を這い下りて10秒。そこの小川は狭いところから飛び越えて…茂みの無い方から回りこんで岩場をよじ登ぼるからまぁ、だいたい1()でいければ上出来ですかね?」

 

このクラスの素早い者達もだいたい同じ答えなのか頷いている。

 

「三村、甘いぞ」

 

「?何が」

 

「最初に烏間先生はなんて言ってた?何秒かかるだぞ」

 

論より証拠といわんばりに烏間はネクタイを外し、ストップウォッチを三村に渡す。三村に聞いたのは最初から渡す為だろう。動画編集をしてきた彼なら正確に測れる。

 

「これは1学期でやったアスレチックや崖登り(クライミング)の応用だ。フリーランニングで養われるのは自身の身体能力の把握する力、受身の技術、目の前の足場の距離と危険さを測れる力、これが出来ればどんな場所でも暗殺が可能なフィールドになる」

 

10メートルはある崖を背に立っていた烏間はそのまま倒れるよう落ちるが空中で一回転して着地と同時にしゃがんで勢いを殺し同時に残った勢いでバク転し、小川の崖を登り小さな滝を越える為ジャンプする再び空中で一回転して見事に小川を越えた地面に着地し勢いそのまま進んで近くの木に飛びつき登る。そこから一本松が立っている崖と立っていない崖を壁キックで左右に動いて最後のジャンプで一本松の枝の太い部分を持ち到着した。

 

「タイムは?」

 

「じ、10秒です」

 

「さすがって感じだな」

 

余裕そうに服についた汚れを取りつつ烏間は説明を続ける

 

「道無き道で行動する体術。熟練して極めれば、ビルからビルへ忍者のように突破する事も可能になる。……だがこれも火薬と同じで初心者のうちから高等技術に手を出せば、死にかねない危険なものだ。この裏山は地面が柔らかくトレーニングに向いているここ以外や危険な場所での使用、俺が教えた以上の技術を使う事は厳禁とする」

 

「はーい!」と元気な声が響くと皆チラリと雄二を見る

 

「ん?なんだ?」

 

「ひょっとしてさ、雄二君もできたりする?」

 

「…………できたとしてどうしろってんだよ」

 

「「「「「じー」」」」」

 

目線が訴えかけてくる。チラリと烏間を見ると頭をかきつつ。小さくコクリとうなずいた。

 

「まぁ、正直烏間先生は凄すぎてお手本といってもオーバーキル感があるからなっ」

 

烏間と違いせを向けてではなくそのままぴょんと軽く飛ぶように落ちていくが落ちる瞬間に体勢を変え着地と同時に前転して勢いを殺す。同時にダッシュして岩を使い滝側の崖を走るように登り滝を回避するため烏間と同じく飛ぶ。着地して木の方に行きささっと登り枝を掴むと逆上がりのように回って勢いをつけて飛ぶそして崖登りをして到着した

 

「ま、こんな感じか」

 

「えーと多分15秒くらい」

 

「……測ってなかったのかよ」

 

いきなりすぎたのでタイムをリセットして測るのを忘れていた為測れなかった。多少がっくししながら雄二も烏間のところに着地した

 

「流石というべきか」

 

「あんたみたいなバケモンに言われてもな。まぁ、最近はやることがなかったしこの機会に基礎をやり直すのもいいかもな」

 

「そうか。……それと久しぶりだが言うぞ、ここでは先生だ」

 

「はいはい」と少し気だるそうに言って皆のところに戻ると称賛され基礎を習いつつ雄二もそれとなく指導をしていた。

 

その姿をうずうずと見ている超生物がいるのに気づかず

 

 

 

「あれ、風見くん?もしかしてバイト?」

 

不破の言う通りバイトをして雄二は遅れた

 

「あぁ。ちょっと『でかいゴミ』らしくてな南の島に行って休んだ分を補ってた。そっちは?」

 

「私の方はジャンプがどこも売り切れでさーあちこちのコンビニ探しちゃって」

 

「買ったのなら後で読ませてもらっていいか?」

 

いいよーと受け答えながら教室に入ると同時にカシャンと音がして手に違和感が出た2人は見ると手錠をかけられていた。

 

「遅刻ですねぇ、逮捕する」

 

サングラスをしてクチャクチャとガムを噛み、海外映画でよく見るガラの悪い警官みたいな格好と言動で言ってくる殺せんせーにまた何かに触発されたのかと雄二は考えていた

 

「なるほど、今の先生のブームの趣味は高速ならず拘束プレイか」

 

「違いますから⁉︎やめてぇそういう勘違いを起こさせる言葉は‼︎」

 

「じゃあ何なんだよ殺せんせー朝っぱらから悪徳警官みたいなカッコしてよ」

 

木村の言葉によくぞ聞いてくれたと言わんばりに笑いだす

 

「最近皆さんフリーランニングをやってますねせっかくだからそれを使った遊びをやってみませんか?」

 

「なぜかすこぶる嫌な予感がするが何をするんだ?」

 

「それは…ケイドロ裏山を全てつかった3D鬼ごっこ‼︎」

 

 

ケイドロ:ドロケー、ドロジュン、ドロタン、助け鬼など地方によってさまざまに名称が変わる遊び。2チームに分かれて鬼の逃げる側、捕まえる側になって捕まった鬼は牢屋地点に入り、鬼側はその捕まった人をタッチすることで助けてまた逃げることができる制限時間以内に全員捕まえる。制限時間逃げ切るかで勝負が決着する

 

 

「追いかける警官役は先生自身と烏間先生、そして風見君です」

 

「何…⁉︎」

「マジか?」

 

「1時間目以内に皆さん全員をタッチできなかった場合先生が烏間先生のサイフで全員分のケーキを買ってきます」

 

おい‼︎と烏間がツッコミを入れるが無視して続けていく。

 

「ちなみに俺はどうするんだ?」

 

「相談された生徒1人の言う事を聞くということで」

 

「何だそりゃ?」

 

それに反応した生徒が一気にやる気が出るが次の言葉で愕然とする

 

「ただし、全員捕まったら宿題2倍です。あ、風見君もですよ」

 

「何でだ⁉︎」

 

「つーか待てよ‼︎殺せんせーから1時間も逃げられるかよ‼︎」

 

当然のようにブーイングがおきる

 

「その点はご安心を。最初追うのは烏間先生のみ先生は校庭の牢屋スペースで待機し、ラスト1分で動き出します」

 

「…なるほど、それならなんとかなるか……」

 

「よっし、やってみるか皆!」

 

と意気込む中

 

「なーこれ俺だけ勝っても負けてもなんの報酬無くないか?」

 

不満タラタラな雄二の言葉が教室の声に消えた

 

 

開始後1分の逃げる猶予が与えられそれぞれがバラバラにチームを組んで逃げる。そしてここには雄二が好きと公表してる3人があつまっていた

 

「いくら烏間先生と雄二君でもこの広い裏山で私たち全員を捕まえるのは不可能」

 

「うん。なら殺せんせーが動くまでが勝負だね」

 

「とりま、今は共同戦線って事で」

 

3人はよしと意気込む

 

「まぁ、誰が当たっても文句なしで」

 

「莉桜ちゃんと陽菜乃ちゃんはこのあいだデートしたじゃん私に譲ってよ」

 

3人はそれぞれもう苗字でなく名前で呼ぶ仲になっていた。

 

「いやいや。君だって毎回お弁当作ってるじゃんおあいこおあいこ」

 

ポン

 

「でも莉桜ちゃんは雄二君とKISSまでしてるよー私の時してないもーん」

 

「ちょ、それ蒸し返すのやめてぇ!」

 

ポン

 

「そうだよせめて今回くらい引いてよ」

 

ポン

 

「「「………」」」

 

「莉桜、陽菜乃、桃花、3人とも逮捕だ」

 

「「「えーーーっ⁉︎」」」

 

いつのまにか音もなく近付き3人の肩をポンっと叩いて静かに宣言した雄二の顔は

 

(((すっごいイライラしてる)))

 

(何で俺だけ報酬無しなんだ)

 

意外と小さな事であった。だがもうやけくそだと本気にもなっていた。スマホを見ると同時に律の音声で現状が伝えられる

 

「岡島君、速水さん、千葉君、不破さん、中村さん、倉橋さん、矢田さん、アウトぉー」

 

デデーンと年末によく聞く音と共に報告がいくと3人は戦慄する。そして「あ、これやばいかも」とようやく気付いた

 

「烏間先生は一気に4人か俺もまだまだだな…」

 

とすぐに茂みの中に消えていく姿を3人は眺めるだけであった。

 

 

 

「あ、今気づいた。これ無理ゲーだ」

 

牢屋スペースで莉桜はそう愚痴る

 

「黙らっしゃい囚人ども‼︎おとなしく刑務作業に没頭していなさい‼︎」

 

ちなみ刑務作業とはドリルで勉強させていることである。と近くの茂みを見ると渚を含めた5人の生徒が悔しそうにこちらを見ていた。牢屋の泥棒を解放するためきたがここを守るのは音速の超生物殺せんせー。ラスト1分まで動かないという事はラスト1分までここを死守することができる。

 

(…そうだ‼︎)

 

と岡島はそれを取り出す

 

 

「原、孝太郎、片岡、木村、逮捕だ」

 

「風見ちょっとマジ過ぎないか⁉︎」

 

「報酬がない事がだいぶイラつかせているね。流石にちょっと同情するよ」

 

「だからって私達にその鬱憤をぶつけるのはどうかと思う」

 

彼らの愚痴を無視して再びスマホを見るデデーンという音がして捕まった人物が出る

 

「前原君、寺坂君、村松君、狭間さん、吉田君、原さん、竹林君、片岡さん、木村君、アウトぉー」

 

「…これなら30分どころか15分かからないかもなさっさと終わらせて…」

 

「脱走〜」

 

「………は?」

 

今何いったという顔をして再び見る牢屋にいた全員が脱走していた。

 

「…殺せんせー、まさか」

 

と烏間に連絡し確認をとる

 

「どういう事だ?」

 

【…君の考えている通りだ】

 

あの収賄警官がと愚痴をだしたがさっさともう一回捕まえてやると意気込み移動する。程なくして再び何人か捕まえたが

 

「脱走〜」

 

【烏間さん、風見君、聞こえるか‼︎どうして牢屋から犯人が脱走するんだ‼︎】

 

【こっちのセリフだザル警官‼︎】

「こっちが聞きてーよザル警官‼︎」

 

再び脱走された。ちなみ今度は再び捕まった桃花の真実半分以下の情報を交えた嘘泣きで脱走したそうだ

 

「純情派かあんたは⁉︎」

【もう2度と同じ手で出すなよ‼︎】

 

と言ってたら

 

「脱走〜」

 

【「………」】

 

その後も泥棒の取り逃しは続いた。最初の岡島からのグラビア写真の賄賂に始まり今度はお菓子で釣られて、暇になって寝る、新しいドリルを取りに行く、そして

 

「あのバカタコはどこだ?」

「どこにいる‼︎出てこい‼︎」

 

「ヒマだから長野県まで信州そばを食べに行くって言ってましたー」

 

逃げる生徒を横目にどこかの警察みたいなコントをする2人と超生物

 

「これ以上逃すなら俺は降りるぞ?ただでさえ報酬もないんだからな」

 

「俺もだな。これじゃゲームとして成立しない」

 

「えぇ、もう絶対に逃しません」

 

本当だろうなと思うが殺せんせーの次の言葉でそれをなんとなく2人は確信する

 

「ーーーでもお2人共、ここから先は泥棒の性能も上がっていますので、油断しないように」

 

 

そこから先、すぐにわかった。

 

(あいつらの気配がとらえにくくなった)

 

すぐに烏間に連絡する

 

「烏間先生、あいつらの姿を見たか?」

 

【いやまだだ。というより痕跡すらない。おそらく生徒達が牢屋にいる間に逃走のコツを吹き込んだのだろう】

 

「なるほど、殺せんせーは最初からこれが目的だったのか。ここまで短時間で急成長するとはな。これじゃ、時間的にも俺達2人でもギリギリ全員捕まえるのは無理だな」

 

【だが、奴1人でも1分あれば全員捕らえるだろう。少しでも可能性をつぶすため可能な限り捕まえる】

 

そうして2人は本気で捜索、確保をしだし捕まえていく。

 

【こちらに機動力の特に優れた4人組を発見。待ち構えて挑戦する気だ時間的にもこれが最後だろう】

 

「了解した…こっちも、どうやらリベンジしたい奴らがいるようだ」

 

通信を切りその相手、ゲーム開始後に最初に捕まえた3人がそこにいた。

 

「もう油断しない方がいいよー雄二くーん」

 

「人のことより自分の方だろ陽菜乃?この中でお前が1番に弱い」

 

「だからチームなんじゃん……いくよ‼︎」

 

ババっと同じ方向に逃げだす

 

「同じ方に逃げたら意味がないだろっ⁉︎」

 

踏み出す瞬間に足がもつれる。それは小さな落とし穴。だが人工ではない。そんな物すぐに雄二は見抜く。故にそれは自然のもの……否、準自然と言おう。彼女達はただこの場所を選んだのではない。ここは穴熊の縄張り。穴熊は脱出用の穴をいくつか作るその1つを細工して小さな落とし穴を作った

 

「やるな。だから陽菜乃と行動したのか」

 

行動が遅れると捕まえるのに時間をロスする。ちなみ雄二は知らないが捕まえられた人は今回の報酬は無しと取り決めている。それはすなわち逃げ切る気満々という事。

 

「逃げ切るの満々ってか?……たしかにフリーランニングにブランクは少しあったが…」

 

逃げ切るつもりという事だけはわかり、バッと動き出した。3人とも既に分かれて移動しているが相手は烏間の次にフリーランニングの猛者。

 

「あッちくしょー‼︎」

 

「うわ、うわわ」

 

「ひゃー」

 

本気を出せばロスタイムなどすぐにどうにかなる

 

「こっちは確保した。なかなかよくやったなってところだ」

 

【こっちもだ。ずいぶん逃げた。だが、もうすぐラスト1分奴が動けばこちらの勝ちだ】

 

「てなわけだこっちの勝ちだな」

 

と言うが3人はニヤリと笑う。

 

「ねぇ、雄二くん?ここからプールまで、どのくらいかかるかなぁ?」

 

「?…………あっ」

 

この夏、ほぼ全員が水中での行動できるよう訓練をして、訓練を終えた者は全員1分以上水中での行動ができるようになった。わざわざ自分が殺られる可能性が上がる水中に行くほど殺せんせーは愚かではない。

 

「なるほど、既に何人かはプールの底か……烏間先生ー」

 

【こちらも聞いたところだ】

 

2人がため息をはくと同時にタイムアップの音が鳴った。

 

 

「で、今回の報酬なんだが」

 

「あぁ、私はそれいいよ」

 

「あたしもー」

 

「えと、残念だけど、私も」

 

理由を聞くと捕まえられた3人の間で捕まったら今回の報酬は無しとしていた

 

「……なら、俺が決めるがいいか?」

 

「「「‼︎」」」

 

3人がゴクリとなる。が

 

「神崎、何か俺にして欲しい事はあるか?」

 

「え?」

 

なにぃという言葉が聞こえてくるかのような顔で皆見る

 

「お前ら、気づかなかったのか?……烏間先生、今回1度でも神崎を捕まえたか?」

 

「いや。最後の1分で奴が捕まえいたが、それ以外は捕まえてない」

 

「オンラインの戦争ゲームに役に立つかもって風見君から色々隠れ方とか逃げ方とか聞いて今回使えるかなってやってただけなんだけど」

 

「それで実戦で活かせるのは大したもんだ。これは文句ないだろ」

 

うぅと唸るが認めるしかない。

 

「なら、今度またゲームしよう。いいゲーセン知ってるから、修学旅行の時の班の皆で」

 

とこれであるほっした女子3人と影でよっしゃあ!とガッツポーズをする男子1人。そして

 

(……2人の方が良いって思ってるのは何でだろ)

 

と考える女子1人があった

 




原作より神崎を多少ですが強化しました

1人進めるが、まだヒロインには入れません←おい


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