暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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出せた、短いけど出せた‼︎ちょっと嬉しい


正体の時間

3年E組の大規模潜入ミッションはホテル側の人間誰1人気づかれることなく完了した。もう1機のヘリに乗ってホテルに戻る。疲れと安堵の両方が今になってどっと肩にのしかかり皆なにも話しをしない。ちなみにビッチ先生は烏間からの合図で既にホテルから脱出した

 

「ありがとう、雄二、寺坂くん」

 

「どうした、急に」

 

不意に渚が2人に感謝をした

 

「あの時、声をかけてくれて、それで冷静になれた間違えずにすんだから」

 

「ケ、テメーのために言ったんじゃねぇ。1人欠けたらタコ殺す難易度上がんだろーが」

 

「うん…ごめん」

 

「あやまるな渚。ごめんなさいって言葉は言うほど言葉の価値を下げる。それに寺坂のそれはただのツンデレだ気にすんな」

 

「テメェ…あとでおぼえてろ」

 

その光景にくすりと笑みがこぼれていた。

 

ホテルに戻って皆に全て終わり、もう大丈夫である事を伝えもらった錠剤であっという間に回復した。だが潜入組はミッションの疲れでウィルスも偽物とはいえ相当苦しんだのは変わりなく、竹林と奥田も看病を必死で行いそれぞれクタクタになり、その日は泥のように眠りについた。

 

 

 

「以上が今回の事の顛末だ」

 

【了解したわ。お疲れ様…面倒事になってしまったわね】

 

「まったくだ。今回の件、まさかと思うが報告書を出さないといけないのか?」

 

【残念ながらね】

 

雄二がめんどくせぇと思うがJBもそうだ雄二の報告書を取りまとめ、添削をしなくてはいけない。余計な仕事が増えて嬉しい人などいない。

 

【いちおう聞いておくけど、これ、他の人…特に怪物には聞こえてないでしょうね?】

 

「…それなら大丈夫だ。他の皆は疲れでグッタリしててまだ寝ている。これなら昼過ぎでも起きないだろ。殺せんせーの方は烏間が寝ずに指揮をとって閉じ込めてるからな」

 

朝日が登る海岸…今は軍の特権によってプライベートビーチになったそこには殺せんせーが元の姿になった時に殺せるように、対先生弾で殺せんせーを囲み分厚い鉄板で囲みそれを更にコンクリートで囲み、最後に海の中。すなわち水で囲んだ。だがここまでしても

 

「多分無理だろうがな……あの時、完全防御形態になってなきゃ、仕留めてたんだがな」

 

【そんな切り札持ってるなんて情報はなかったんだから、どうしようもないわ。むしろそこまで追いつめたのはまず間違いなくあなた達だけよ】

 

「それでも、上は納得しないだろ」

 

【そうね】

 

上が欲しいのは結果だけなのはわかりきっている。今回の件で評価上がらない。むしろ下がった可能性すらある。

 

【とはいえ、このままあなたがそこにいる事はできるわ。怪物殺しの手伝いはあなたの任務のついで(・・・)…ここだけの話だけど、奴を殺す算段ができてきている。それも確実にね………覚悟は、決めておきなさい】

 

そうして電話はきれた。

 

「………もうできてるよ」

 

ふぅ、と息をつく

 

「で、ビッチ先生聞いてんだろ?」

 

がさりと音がして見るとビッチ先生が腕を組んで睨んでいた

 

「………会話の内容はわからないけど、マーリンから聞いた事と今のであなたの事はなんとなくわかるわ」

 

「マーリンに会いに行ってたの…」

 

その先を言わせる事なく近付いてきたビッチ先生は思い切りビンタをしてきた。雄二は、防がなかった

 

「なんで、防がないの?」

 

「理由はなんとなくわかる。その権利がある」

 

「バカ言ってんじゃないわよ。本当ならこれは私じゃなくてマーリンの権利よ」

 

「随分と大切にしてんだな、マーリンのこと」

 

その言葉が気に食わないのか反対の手で再びビンタをした

 

「あの子と、あんたが生きてきた場所の事も聞いた。だから仕方ないのはわかる…けど、あの子を泣かせたことは許さない」

 

背を向け、ビッチ先生は去る。ポイっと傷薬を投げて

 

「あの毒使いの作ったものよ腫れないように塗っときなさい。あと、あの子達まで泣かせたら………今度は殺す。覚えておきなさい」

 

殺意のこもった目で睨んだあと去っていくビッチ先生が見えなくなるまで雄二は見ていた。

 

「肝に免じるよ」

 

泣かせないようにする為にもこのまま彼らと問題なく過ごせるよう努力する事を誓う雄二。

 

 

 

余談だが、ビッチ先生の言うあの子達とは雄二を好きな女子の事なのだがそれには雄二は気付いていない

 

 

 

雄二の考えた通り、他の皆は昼過ぎでも起きず、夕刻になってようやく起き出した

 

「おはよう雄二くん。いつから起きてたの?」

 

「朝の7時くらいだ。いつもより遅く起きたから日課のランニングは遅くなってしまった」

 

「そんな早くに起きれるんだ」

 

あれだけの事があったのにと驚いていた。

 

「俺はまだまだだ。烏間先生は不眠不休だそうだ」

 

「ほんと、疲れも見せずすごい人だよねー」

 

「何言ってんだ。ちょっと前までただの中学生だったおまえ達も充分すごい」

 

雄二に言われて嬉しいのか皆照れる

 

「けどさ、後10年で烏間先生と同じ歳くらいになるけどあんな超人になれんのかな?」

 

「……さーな」

 

本当に不眠不休かと思うほどテキパキとした動きと指示を出す烏間を見てそんな感想がでる。

 

「ビッチ先生もああ見えてすごい人だし、ホテルで会った殺し屋達もそうだったけど長年の経験でスゲー技術身に付けてたり、仕事に対してしっかり考えがあったり」

 

「だが鷹岡のような存在もいる。反面教師としてある意味理想の姿だ」

 

「たしかに“ああはなりたくない”っていう大人だった」

 

「いいなと思った人は追いかけて、ダメだと思った奴は追い越して…………多分、それの繰り返しなんだろーな、大人になってくって」

 

この数日で様々な特殊な大人を見た彼らは大人になるという事に考えを巡らせていた。

 

「その時はいつか来る。なら、胸を張れるように、せめて自分の知ってる大切な誰かに誇れる大人になる…そのくらい、簡単な事でいいんじゃないか」

 

「簡単だけど、むずかいね」

 

そうして会話が止まり3秒ほど経った瞬間、海の方からドドーンと爆音が起きる

 

「爆発したぞ‼︎」

 

「殺れたか?」

 

と言うものの結果は皆うすうすわかっていた。

 

「先生のふがいなさから苦労させてしまいました。ですが皆さん、敵と戦い、ウィルスと戦い本当によく頑張りました!」

 

いつのまにか後ろに回り込み、この島に来た時のアロハシャツと帽子を着て生徒の頭を撫でる殺せんせーがそこにいた。雄二はチラリと烏間の方を見るとわかってはいたがやはり残念そうな顔をしているのを見て少し同情した。

 

「皆さん、おはようございます。では旅行の続きを楽しみましょうか」

 

元に戻った触手で全員の頭をなでてそう言う殺せんせーを見てようやくE組がいつもの雰囲気に戻った事を感じていた。

 

「おはようって言っても、もう夜だけどな。それにそれに明日は帰るだけだから今から旅行の続きって言われてもな」

 

「ね、1日損した気分だよね〜」

 

三村と莉桜が言うが殺せんせーは心配ご無用と言いアロハシャツと帽子を脱ぎ一瞬で着替える。その姿は白装束と三角頭巾…いわゆる幽霊の格好だ。

 

「昨日の暗殺のお返しに…ちゃんとスペシャルなイベントを用意してます。真夏の夜にやる事はひとつですねぇ」

 

殺せんせーの見せてきたプラカードには『夏休み旅行特別企画・納涼‼︎ヌルヌル暗殺肝だめし』と最近の視聴率低そうな無駄にタイトルの長い番組名のようなタイトルが書かれていた。

 

「先生がお化け役を務めます。久々にたっぷり分身して動きますよぉ。勿論、お化け役の先生は殺してもOK‼︎暗殺旅行の締めくくりにはピッタリでしょう?」

 

「なるほど、いい考えだ。だが殺せんせーちょっといいか?」

 

「はい?なんでしょうか風見くん?」

 

平常心を装っているが実際はこの肝試しの本当の目的、カップル成立させそれをネタにひやかしたり実録小説を書くのが目的がバレたのかと思う。しかしそんな事ではなく

 

「幽霊になるなら衿元は逆にしとけよ」

 

「まだ死んでないからいいんです⁉︎」

 

衣装のダメ出しだった。

 

「おほん。では、気を取り直してペアをきめましょう」

 

(((雄二くんとペアに)))

 

殺せんせーの企み通り女子3人は我こそがと思っている。本来ならこのまま結果を待ちたいが彼女達も予想だにしない事態が起こった

 

「あぁ、そうそう、風見くん君は参加せずに先生の手伝いをお願いします」

 

(((ガーン⁉︎)))

 

「……わかった」

 

「では、準備が出来たら律さんから皆さんに連絡しますので…いきましょうか風見くん」

 

 

 

「で、なんで俺をここに連れてきたんだ先生?」

 

殺せんせーの指示を聞いて飾りや物を置いて準備を手伝う雄二は聞く。正直こんな作業は殺せんせー1人で充分なのはわかる。理由があってここにつれてきたのだ。他の生徒に聞かれないように

 

「風見くん」

 

黙っていた殺せんせーは顔は見せず話しだす

 

「今回の件と鷹岡先生やあの仮面暗殺者の言葉、今までの君の言動踏まえて、なんとなく君の正体に感づく人もいるでしょう」

 

ピタリと作業の手が止まる。平常心を保てと心が命令を出す

 

「先生は、どうなんだ?俺のこと、知ってんのか?」

 

「君の経歴を調べようと思えば正直に言えば調べられますが調べていません。…が、それでも私もなんとなくあなたが何者なのかは初めて教室に来た時から気付いてました。…別の意味で違和感がありましたけど」

 

「違和感?」

 

「以前言いましたが君が殺意そのものを殺していることもですが仮に先生を殺しに来たのならもっと効率の良い方法があるけど君はただこの時を楽しもうと努力しようとしている(・・・・・・・・・・)。まぁ、それにも違和感ありますが」

 

バレている可能性はあったが全て見透かされいたことに流石に雄二は驚いた

 

「で、先生はどうすんだ?俺に、なにをしてほしいんだ?」

 

「なにも」

 

思わず「は?」と言葉が出ていた

 

「君の過去も、君の正体も、君が話したくないから話さないのでしょう?それを無理矢理だしてもどうしようもありません。ただ、プールの時と同じだと私は思いますがねぇ」

 

気にし過ぎそう言っていた事を思い出していた。

 

「……ごめん、先生」

 

「かまいません。しかし、いずれどんな形であれわかる時が来ると私はおもってますよ。きっと皆さんもね」

 

それはその時まで聞かないと言われたようなものだ

 

「……ありがとう」

 

「にゅふふ。どういたしまして」

 

そうしてまた手を動かす

 

「……ところで、殺せんせー」

 

「なんでしょうか」

 

「ベタすぎないか脅かすためにコンニャクって」

 

「ベタだからこそくっつき……もとい、良いんです」

 

「それにこのツイスターゲームはアメリカ発祥だ。琉球にはないと思うんだが…」

 

「…琉球王国には古い遊びがありそのひとつに似たのがあるんですよぉ」

 

「なん、だと⁉︎」

 

ここにクラスの皆がいたら「あるかんなもん⁉︎」とツッコミが入っているだろうがそんな人はいないので

 

「なら、このやたらピンクでハートの多い椅子も…」

 

「…琉球王国の隠された伝統です」

 

「マジか。琉球すごいな」

 

先生のデタラメにも驚き感心する雄二であった。

 




このまま肝試しからビッチ先生のくだりまで行こうとしましやが長くなるのでキリのいいとこにしました。
けど短い…文才ねぇなと思う今日この頃

そしてなかなか南の島編おわらねぇ

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