暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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ゆっくりとする時間がもっとほしい
早く自由な生活がしたい。そう思うこの頃です。

今回も楽しんでくだされば幸いです


大人の時間

side雄二

 

月日は5月となり、暗殺期間まであと11ヶ月。

 

「ありがとうございましたー」

 

コンビニの店員が出した営業スマイルもないありがとうございましたを聞き流し、買った水を少しだけ飲んで早歩きで学校に向かう。生徒が登校する時間には少しだけ早いが、昨晩いきなり『バイト』に呼び出された。終わった後仮眠を少々とり、訓練がてら遠回りをして登校していた。

 

「ん?あれは…殺せんせーか?」

 

先ほどの場所から少し離れたコンビニから出てきた物体は色を肌色にし、不自然な付け鼻をした殺せんせーだ。しかし、店員はなにも思わないのか?関節も合間なのだから通報くらいはされそうだが…それだけこの国は平和ということか?

 

「…見なかったことにするかっと、あっちも既に行動してるのか」

 

絡まれていた外人の女を助ける殺せんせー。どうでもいいが、あの金髪もっさりヘアーとスタイルだけを見ればあいつそっくりなところが多い。

 

「烏間の言っていたやつか。邪魔にならなければいいんだがな」

 

気付かれる前にさっさと行くとするか。どのみち教室で会うだろう。

 

 

 

 

sideフリー

 

「今日から外国語の臨時講師を紹介する」

 

「イリーナ・イェラビッチと申します。皆さんよろしく!!」

 

烏間の紹介で名乗る金髪の外国人女性は笑顔いっぱいで言いながら、殺せんせーの腕に抱きついて胸を押し付けている。渚はメモとペンを持って観察をしている。タコ型生物の殺せんせーが人間の女性にベタベタと好意を示された時どのような反応があるか確かめるためだ。しかし

 

「ニュフーン♡」

 

口角は恥かしさによってデレデレにゆがみ、顔はピンクに染まり、目は胸にいっている。要するに美人にデレデレする人間とまったく同じ。何のひねりもない顔である。

 

「ああ、見れば見るほど素敵ですわぁ。その正露丸のようなつぶらな瞳、曖昧な関節、私とりこになってしまいそう」

 

いや、そこがツボの女なんていねーだろとクラス全員が思った。そして、十中八九この先生は只者でないなということも。

 

 

 

 

「ヘイパス!」

 

「ヘイ暗殺!」

 

殺せんせーがサッカーボールを高く上げてパスしてくる。それを渡された相手が返すと同時に銃を撃つ、ナイフで切りかかる等の暗殺をしかける。もちろんうまくいくはずもなくかわされる。それを見ていた雄二は何人かにある助言をした。

 

「当てる必要はない。だが、そこにターゲットがいると思った位置を自分で作れ。場所は殺せんせーに当たるか当たらないかのギリギリの位置だ」

 

この指示を出されたのは雄二が訓練や日々の射撃による暗殺風景を見て選んだ4人。千葉 龍之介、速水 凛香、磯貝 悠馬、赤羽 業それに雄二も参加する。

 

「ヘイ暗殺!」

 

雄二の撃った対先生弾は殺せんせーの横を通る。勿論ねらってだ。何度か行って気付いたことがあった。それは当たる弾には敏感で当たらない弾はそうでもないということ。はじめは雄二が撃った弾だからかと思った者もいたがやっているうちにそれは違うと皆確信していく。渚はすぐにこれをメモに書こうとしたときだった。

 

「殺せんせー!」

 

赴任してきたイリーナという先生が手を振りながら殺せんせーに近付いて胸を強調しながら話す。

 

「烏間先生から聞きましたわ。すっごく足がお速いんですって?」

 

「いやぁ、それほどでもないですねぇ」

 

「お願いがあるの1度本場のベトナムコーヒーを飲んでみたくて、私が英語を教えている間に買ってきてくださらない?」

 

そうお願いされると「お安いご用です」とすぐさまマッハ20でベトナムへと飛んで行った。一瞬だけシンとなるがチャイム音がなる

 

「で、えーと、イリーナ先生?授業始まるし、教室戻ります?」

 

「授業?ああ、各自適当に自習でもしてなさい」

 

いきなり態度が変わり何人かが困惑する。

 

「それとファーストネームで気安く呼ぶのやめてくれる?あのタコの前以外では先生を演じるつもりもないし、イェラビッチお姉様と呼びなさい」

 

「ふむ。淫乱女か把握した」

 

「変な言い方すんな!」

 

「いやー流石に失礼しょ雄二。ねービッチねえさん」

 

「略すな!あと、お前が言うな!」

 

沈黙をぶった斬りそう言った2人に流石だなと皆が思っていた。

 

「で、どーすんの?あんた殺し屋なんでしょ?クラス全員で殺せないモンスター相手に、ビッチねえさん1人で殺れんの?」

 

「ガキが。大人には大人のやり方があるのよ」

 

と言って渚の前に立つ

 

「潮田 渚ってあんたよね」

 

「?はい。そうで……むぐ」

 

といきなりキスをする。クラスの皆が驚くなか、渚も一瞬なにが起こった分からず困惑する。しかしただのキスがディープキスに変わって舌が入ってきて10HITで力が入らなくなり、20HITで力が抜けてきて、30HITで身体がくたぁとなって気絶した。

 

「後で教員室にいらっしゃい。あんたが調べた情報聞いてみたいわ」

 

胸の中でふにゃーとなっている渚にいう。

 

「ま、強制的に話させる方法なんていくらでもあるけどね」

 

「…そんなことをさせると思うか?この淫乱クソビッチ。穴掘って泣かすぞ?」

 

毒めいた言葉を言いながら睨んでいる雄二にクラス全員の体が震える。

 

「ふん、あんたは黙ってなさい。技術と人脈、全てを兼ね備えてから出直しなさい。それと、私の暗殺の邪魔をしたら殺すわよ」

 

「殺ってみろよ。淫乱クソビッチ」

 

「その呼び名やめろ!」

 

「それと、2つ言っておくが暗殺者ならタバコはやめとけ。あんたみたいにターゲットも他人も舐めた奴じゃ、あの怪物はしとめられない」

 

「あっそ。その言葉、後で負け犬の遠吠えにならないようにせいぜい祈りなさい」

 

それを言うと雇ったと思われる3人の見るからにそっちの人間と思われる怪しい男達が現れ、作戦を練り出す。

 

雄二も含め、クラス大半が思った。_____この先生は嫌いだ‼︎

 

 

 

教室に戻ったら黒板に自習と書いて渚から聞き出した情報を元にタブレット端末を使い作戦を練っていた。

 

「なービッチねえさん授業してくれよー」

 

「そーだよビッチねえさん」

 

「一応ここでは先生なんだろビッチねえさん」

 

「あー‼︎ビッチビッチうるさいわね‼︎」

 

ビッチと言われることにいい加減我慢の限界なのかイリーナはついにつっこんだ。

 

bitch(ビッチ)じゃなくてVic(ヴィッチ)‼︎あんたら日本人はBとVの区別もつかないのね‼︎」

 

「で淫乱もっさり金髪女、授業はする気はないのか?」

 

「お前はドンドン名前を酷くするな!」

 

「安心しろここまで酷く言う女はお前だけだ」

 

「黙れや!」

 

クラス全員、雄二のシモネタ混じりの罵倒に驚く。すごい発想だなと

 

「授業する気がないなら、全員外に出て暗殺のための訓練をしても問題ないよな?」

 

「ふん。私が暗殺するから無駄でしょうけど、勝手にしなさい」

 

「よし。もっさり金髪淫乱クソビッチから許可も得たことだ全員外に出るぞ。無駄な時間を過ごすよりよっぽど有意義だ」

 

ギリギリと歯ぎしりをしながら雄二を睨むが気にせず皆にいう。

 

「雄二のその罵倒すごいよね。僕じゃ絶対思いつかない発想だよ」

 

「まぁ、どうやら俺もあの女には相当イライラしてる。人の普通の学校生活を邪魔しやがって」

 

(この教室で授業を受けてる時点で、充分普通じゃないような)

 

と渚は思うが会えて口に出さなかった。そうして話しながら校庭につく

 

「それで、なにをするの雄二くん」

 

「なに簡単だ。ゆっくり走るだけだ」

 

雄二の言ったことに質問した矢田を含め全員疑問を持つ。

 

「だが、ただ走るんじゃない。歌いながら走るんだ」

 

「けっ。くだらねー俺らはやんねーぞそんなこと」

 

「まぁそう言うな寺坂。今回だけは参加してくれ」

 

「なんか面白そーなこと考えてそうだね。なにをするんだい雄二?」

 

「ランニング・カデンスと言ってな。俺が前いた学校では走る時はよく歌ったものだ。とにかく俺の後に続いて歌え」

 

 

 

 

「ふう、ようやく静かになったわね」

 

全員雄二に説得されて外に出て静かになった教室で再び作戦を練り出した。が、

 

「イェラビッチは淫乱だー♩」

 

「「「「い、イェラビッチは淫乱だー♩」」」」

 

イリーナはガンとずっこけたと同時に頭を打つ。

 

「何人かが声が小さすぎるぞ!もう一回だ! イェラビッチは淫乱だー♩」

 

「「「「イェラビッチは淫乱だー♩」」」」

 

「いいぞ。 男のベッドで身悶えるー♩」

 

「「「「男のベッドで身悶えるー♩」」」」

 

はじめは恥ずかしかったメンバーもこうなりゃヤケだとノリノリで言い出す。

 

「グッドフォーユー♩」

 

「「「「グッドフォーユー♩」」」」

 

「グッドフォーミー♩」

 

「「「「グッドフォーミー♩」」」」

 

「ウームグッド♩」

 

「「「「ウームグッド♩」」」」

 

「やめんかこらー!!」

 

我慢できずにイリーナは教室の窓からツッコミを入れた。遠くで見ていた烏間は頭を抱えていた。

 

 

 

 

sied雄二

 

5限目前の休み時間に俺は烏間から注意を受けているのだが

 

「腹が立つのはわかるが、国の決定だ。彼女の暗殺計画の阻害行動は我慢してくれ」

 

すまなさそうな顔をしているためどっちが注意を受けているのか分からない。

 

「察してくれということか?」

 

「そういうことだ。せっかくあの時の借りと約束を果たせると思ったんだがな」

 

「俺の境遇を考えれば、仕方ない。ある程度覚悟は出来ていたさ」

 

「…そういえば、聞いてなかったな。どうして普通の学校生活にこだわるんだ?」

 

「別に。ただ、そんな生活に憧れていただけさ。それより、市ヶ谷やサムおじさんから俺について何か言われていないのか?」

 

「他のゴミ掃除をしっかりとこなすならある程度の期間は認めるそうだ」

 

「JBからは?」

 

「あんまり無茶苦茶しないでとのことだ」

 

まったく、面倒な。女っていう生き物は本当に面倒だ。

 

「とりあえずわかった」

 

失敗するとは思うがな。

 

「俺はあいつが呼んだ怪しい男達のことを聞き出す。次の授業の準備をしてくれ」

 

「確か次はあんたの受け持ちの体育だったな。着替えてくる」

 

「それと、気が緩んでいるのかわざとなのか知らんが、ここでは先生だ」

 

「了解しました!烏間先生!」

 

「…やはりわざとか。次に実施訓練を行う時は覚悟しておけ」

 

フッと笑い烏間は踵を返して歩き出す。

 

「ダニーとは性格も年齢も国籍も違うな」

 

もし年齢が同じだったら、それこそ親友になっていたかもしれないな。

 

 

 

 

今日の体育の授業は射撃訓練だ。殺せんせーの形をした的に向かって対先生弾を発射する。俺も拳銃型のモデルガンを使い、狙い撃つ。

 

「すごい」

 

と俺の隣で訓練をしていた千葉がぼそりと言い、近くにいた速水もコクリと頷き同意する。わざと外してもよかったかもしれないな。まぁ、今さらだ。それに嘘はあまりつきたくない。

 

「俺からしたらお前達の方がすごい。本格的に始めてまだ半年も経っていないのにこの命中率は優秀だ」

 

「半分だけだ風見は9割以上命中してる」

 

「慣れてくれば、お前達ならできるようになる」

 

「慣れてくればって、何処かで習ってたの?」

 

速水の言葉に周りにいた全員が耳を傾けていた。…話せるだけ話すか。

 

「俺が前に住んでたのは山の中の小屋だったんだが、熊や猪が出るところでもあった。師匠は猟銃の免許を持っていた。ある時に銃の整備をしてる時に撃って見るかと言われてモデルガンで射撃訓練をしてくれたのがきっかけだ。まぁ、その時使ったのはスナイパーライフル型のものだがな」

 

「自分の身を守るためか?」

 

「それもある。それより、あれ見ろよ」

 

話しを変える口実にもなったものに指を差す。そこに見えたのはニヤニヤした顔でイリーナと体育倉庫に向かう殺せんせーの姿だった。

 

「おいおいマジか。2人で倉庫にしけこんでくぜ」

 

「なーんかガッカリだな、殺せんせー」

 

「三村も木村も心配する必要はない。失敗する」

 

「って、何でわかるんだ?」

 

「理由は2つ。1つはあいつはターゲットを舐めてる。もう1つは、あいつの用意したものだ」

 

「「「「?」」」」

 

分かりにくかったか。

 

「どうして俺たちに支給された武器がこんなオモチャみたいな武器だと思う?おそらくこれしか効果がないからだ。烏間先生から聞いたが、ミサイルに撃たれても死ななかったそうだ。そんな相手に」

 

話している最中に銃声が聞こえてくる。やはりか。

 

「実弾が効くと思うか?」

 

そして次に聞こえてくるのは悲鳴とヌルヌル音。…うむ、自分で言うのもなんだが、なんだあの音は?

 

「ていうか、めっちゃ執拗にヌルヌルされてるぞ‼」

 

行ってみようと言われて俺もそこに移動すると殺せんせーがタイミングよく体育倉庫から出て来た。

 

「殺せんせー‼︎」

 

「オッパイは?」

 

岡島の発言に何人かの女子がゴミを見るような目をする。もう少しオブラートに包むべきだぞ。

 

「いやぁ…もう少し楽しみたかったですが、皆さんとの授業の方が楽しみですから。6限目の小テストは手強いですよぉ」

 

テストと聞いて少しだけ皆が苦笑していると、フラフラした足どりでイリーナが出てくる。なぜか体操服姿で。

 

「ま、まさか、わずか1分であんなことされるなんて…肩と腰のコリをほぐされて、オイルと小顔とリンパのマッサージされて、早着替えさせられて、そのうえまさか触手とヌルヌルであんな事を…」

 

そこまで言ってパタリと力尽きて倒れた。

 

「殺せんせー、何したの」

 

「……さぁねぇ。大人には大人の手入れがありますから」

 

肌を鼠色に変えてしれっと言いやがったこいつ。

 

「悪い大人の顔だ‼︎」

 

「今更だろ渚。というか、随分色々とナニをしたんですかね?」

 

「にゅあ!?なぜか風見君の言い方が渚君と違う気がします‼︎そして目が冷たい‼︎」

 

「別に。本当、ナニをしていたんでしょうね。信じてますよ、殺せんせー」

 

「棒読みで言わないでー‼︎」

 

先生のうったえを無視しつつ、教室に戻る。ふと見るとイリーナがわなわなと震えている。プライドをズタボロにされたからだろう。さてさてどうなることやら




雄二がキレていた要因としてはJBとスタイル等は似てるのに性格が全く違うことの違和感もあります。

次の次でグリザイアの話を混ぜたオリジナルができればと思ってます

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