暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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南の島編です
今回はオリジナル要素及び設定がいくつかある予定です
ではまず先生暗殺計画から


決行の時間

雄二を含めたE組は目的地へと船でのんびりと移動している。近付いて来ているのかカモメが数羽船の周りを飛んでいる。周りからの海風のおかげで夏の日差しも暑く感じることはない。そんな中E組教師の殺せんせーは

 

「にゅやぁ…船はヤバい…先生、頭の中身が全部まとめて飛び出そうです」

 

「道中の暗殺全部回避して何言ってんだか」

 

「というよりも殺せんせーならマッハで先に着くことできるだろ」

 

「皆さんとの一緒の旅行がしたいんです…」

 

「それで酔うなら元も子もないんじゃないか?」

 

渚と雄二のツッコミは最近息が合うレベルになって来ている。

 

「乗り物で酔うのも…旅行の醍醐味ですよ…」

 

「ふむ、それは知らなか…」

 

「信じないでないね⁉︎」

 

…訂正ボケとツッコミは息が合うレベルである。

 

「あ!みてみて殺せんせー‼︎」

 

ナイフを振りながらキャキャと言う陽菜乃だが当然殺せんせーには当たらない

 

「見えて来たな」

 

「ああ!じっくりと見とけ殺せんせー‼︎あれが殺せんせーを殺す場所だぜ‼︎」

 

東京から6時間。『普久間島リゾートホテル』‼︎

 

「ようこそ、普久間島リゾートホテルへ。こちら、サービスのトロピカルジュースでございます」

 

ウェイターの男がクラスの何人かにジュースを配り、飲みながら周り客もキャキャとビーチで遊んでいるのを見るとリゾート感もさらに増す。が、ここには遊びに来ただけではない。

 

「例の暗殺(アレ)は夕飯の後にやるからさまずは遊ぼうぜ殺せんせー!」

 

修学旅行の時と同じく班別行動で予定通り殺せんせーの意識を他に向けさせその間に暗殺の為の準備を行う。

 

「最終テストは実戦だ。俺は質問するが答えは自分で出すこと」

 

雄二は今回の暗殺の要であるスナイパー、速水と千葉に着く為2班に同行している。雄二の言葉に2人はコクリと頷き目線だけを動かして歩く

 

「殺せんせーは?」

 

「いま3班と海底洞窟巡りしてるこっちの様子は絶対に見えないよ」

 

「今なら射撃スポット選び放題だな」

 

「えぇ。サクッと決めちゃいますか」

 

烏間と雄二の訓練の賜物か、仕事人のような風格が出だしていた

 

「シブいな、あの2人…師匠的にはどうなの?」

 

「師匠と呼べるようなことは特にしてない。お互いにお互いを伸ばせるように訓練を手伝っていただけだ」

 

「あと、風見くんも仕事人の風格あると思うけどね…」

 

岡島と不破に受け答えながらも雄二は2人を観察する。見晴らしの良いポイントに着くと2人は少しキョロキョロと目を動かし、そのあと目標地点を見ると再び動く

 

「…今の場所を選ばない理由は?」

 

「見晴らしもいい」

 

「狙撃に充分」

 

「「でも見えすぎている」」

 

(正解だな)

 

スナイパーは、見つかったら終わり。見つかりにくい場所を選ぶのは当然であり、2人はすでにそれを把握していた。

 

「ここだな」

 

「えぇ」

 

「…理由は」

 

「目的地点との距離、隠れてるためのスペースそして射界に見つかるかのギリギリ(・・・・)の位置」

 

「今回に限っては見つかるのはダメだけど見つけられなくてもダメ(・・・・・・・・・・・)

 

「「そのバランスを考えてここ」」

 

「…最後の質問だ狙撃に必要な準備は全てできているな?道具も気持ちも」

 

少し、ほんの少しだけ、雄二くらいしかわからない間をあけて2人はコクリとうなずく

 

「「やっぱ3人とも仕事人だ」」

 

 

 

陽は落ちてきて辺りが暗くなりだす。

 

「いやぁ〜遊んだ、遊んだ」

 

殺せんせーは日焼けして黒くなった

 

「というより表情がわからんくらいに黒いな」

 

「歯まで黒く焼けてやがる」

 

「ほんと、どういう体なんだ?」

 

「じゃ、殺せんせーメシの後で暗殺なんでまずはレストラン行きましょう」

 

磯貝が言うと殺せんせーは「はーい」と子供のような反応をしてついていく。船上レストランも貸し切りにしたため豪勢感も上がった感じがする

 

「………」

 

「心配か、ビッチ先生?」

 

「何がよ?」

 

「嬉々として殺すとか言ってるあいつらを見てだよ」

 

「そう言うあんたはどうなのよ?」

 

そのお互いの問いにお互い答えることはなく時間は進んでいく。余談だがあまりに黒いのでどうにかしろと言われた殺せんせーが月に1回しかない奥の手、脱皮をして自ら戦力を減らしたことは雄二も哀れとしか言いようがなかった。

 

船と酒の2段構えですっかり酔った殺せんせーは杖を使ってなんとか歩いている。

 

「先生、飲んでも飲まれるなって言葉しってるか?」

 

「ご心配…ありがとうございます、風見くん…けど大丈夫ですよ酒は高速分解できますので」

 

「そうみたいだが、さっきの飲んでデロデロのスライムになられても困る」

 

「しかもその状態でも当然のごとく回避するしね」

 

話しながら今回の旅のメイン、本命の暗殺馬水上パーティールームについた。

 

(壁や窓には対先生物質がしこまれている可能性もある。脱出はリスクが高い小屋の中で避けきるしかないですねぇ)

 

((((と、思っててくれよ殺せんせー))))

 

皆の考え通り殺せんせーは大きなミスリードに入っていた。がそれを確認する術はない。ぶっつけ本番に緊張は高まっていく

 

「渚、ボディチェックを頼む」

 

「うん。いくら周囲が水とはいえあの完全防水の水着を持ってたら逃げられるしね」

 

「入念ですねぇそんなヤボはしませんよ」

 

「全身鎧をわざわざ作ってたやつが言うセリフじゃない」

 

当時の写真を見せながらいうと「グハっ」と精神ダメージを与えていた

 

しかし、これだけ近い距離にいてかつ直に触れているにもかかわらず攻撃が当たる気がしないのは流石というべきであろう。雄二は忘れかけていた殺せんせーの超生物という肩書きを思い出しながら考察していた。

 

ボディチェックを終えた殺せんせーは前列中央の席に座る。すべての準備ができた。それを悟ったのか「準備はいいですか?」と先生は聞いてくる。

 

「全力の暗殺を期待してます。君達の知恵と工夫と本気の努力それを見るのが何よりの楽しみですから」

 

楽しみというがおそらく今まで1番の警戒心なのはすぐにわかる

 

「遠慮は無用、ドンと来なさい」

 

だから、それをまずは削ぎ落とす

 

「言われなくても」

 

「そんじゃいくぜ殺せんせー、上映スタートだ」

 

パチリと電気を消すと備え付けてあったテレビに映像が映る。三村が編集したものでなんでも遊ぶ暇も惜しんで作成したそうだ。

 

これを見た後にテストで勝った雄二含めた7人と3つ分の触手を同時に破壊するためとして特例で権利1回分を渡した磯貝、合計8人で触手を破壊しそれを合図に一斉に暗殺が始まる。ちなみにタイトルは『3年E組が送るとある教師の生態』

 

この時点で殺せんせーは気づくべきであった。いな、たとえ気づいても止められないが精神的なダメージは少なくとも軽減されていただろう

 

殺せんせーは映像を見ながら自分の見える視覚情報と敏感な嗅覚情報を使って周囲を警戒していた。

 

[先ずはご覧頂こう。我々の担任の恥ずべき姿を]

 

 

映された映像は殺せんせーがトンボが付いた被り物をしてエロ本が積まれて山になってるところで座りじっくりニンヤリとエロ本を読んでいる姿が映し出される

 

[おわかり頂けただろうか。最近のマイブームは熟女OL、この本は全てこのタコが1人で集めたエロ本である]

 

「違っ…ちょっ岡島君達‼︎皆に言うなとあれほど……」

 

言い訳すればするほどドツボにハマるニヤニヤとした皆視線は先生の精神を崩壊させていくがしかし、映像はこれで終わらない

 

[お次はこれだ。女子限定のケーキバイキングに並ぶ巨影、誰であろう?]

 

言わずもがな

 

[奴である。バレないはずがない、女装以前に人間じゃないとバレなかっただけ奇跡である]

 

「バカなのか」

 

ストレート過ぎる雄二のツッコミは更に傷を広げていく

 

[給料日前の奴である。分身でティッシュ配りに行列を作りそんなに取ってどうすんのかと思いきや……何と唐揚げにして食べ出したではないか。教師……いや、]

 

[生物としての尊厳はあるのだろうか?]

「生物としての尊厳もないな」

 

容赦ないツッコミはブスブスと入っていく

 

[こんなものでは終わらない。この教師の恥ずかしい映像を1時間たっぷりとお見せしよう]

 

(あと1時間も⁉︎)

 

「殺せんせー、ガンバ」

 

応援のかけらもない言葉に意気消沈したが当然の如く映像が続き、その度に雄二のキツイツッコミが入り1時間後には

 

「死んだ、もう、先生死にました…あんなの知られてもう生きていけません」

 

精神ダメージが限界まで達してヘロヘロになっていた____作戦①精神攻撃は大成功だ。そして

 

[さて、秘蔵映像にお付き合い頂いたが、何かお気付きで無いだろうか殺せんせー?]

 

ナレーションから問いかけられて殺せんせーは足下からチャプチャプと言う音が聞こてくるのにようやく気づく。

 

床全体に水が流れており、殺せんせーの触手はぷくぅぅぅと膨らんでいた。

 

(いつのまにこんな…誰も水など流す気配などなかったのに…まさか)

 

ハッと気づく

 

(満潮か‼︎)

 

本来なら満潮で水が入るなどというザルな造りをリゾートホテルがするはずもない。すなわち人為的な工作だ

 

「俺等はまだなんにもしてねぇぜ。誰かが小屋の支柱を短くでもしたんだろ」

 

「酔って、恥ずかしい思いして、海水吸って…だいぶ動きがにぶったよね」

 

寺坂、中村の言葉が口切りに座っていた皆は銃を殺せんせーに構えながら近付いていった。

 

「さて、本番だ殺せんせー」

 

「約束だ、避けんなよ」

 

ジャキッと銃が向けられる。殺せんせーはというと焦りが出だす。しかし嗅覚情報でスナイパーの2人、速水と千葉の居場所が解っていた。そこは雄二と取り決めた場所。そこがわかっているなら対処もできると、先生の目線がそこに移った瞬間に9本の触手が一斉に破壊された

 

作戦②触手9本破壊当然ながら成功

 

「く…っ」

 

その射撃音を合図に四方の小屋の壁と天上が外れる。それと同時に取り替えるように水圧で空を飛ぶフライトボードで水の檻を作り出した。

 

「そうそう‼︎もっといっぱい飛び跳ねて‼︎」

 

陽菜乃による調教によってイルカ達は彼女の指示を聞き入れ飛び跳ねて大きな飛沫となる。更に水の檻の外側にも消防用のホースを使い水の檻を分厚くする。

 

急激な環境変化に殺せんせーは弱い。脳処理をさせないようにドンドン混乱させる

 

さて、殺せんせーと水の檻の中にいる者達はこの状況で何もしてないわけがない。水中にその姿を隠し、先生に内密で本体をこの場所に移動させた律が左右から銃口が2つ付いた銃を計6つ殺せんせーの真横(・・)に撃つよう計算された弾丸が放たれる。

 

「畳みかけろ‼︎」

 

雄二の指示で一斉射撃が起こるがどれも先生には当たらない。避けられてるのではなく、そもそも当たるところに撃っていない。ロヴロから研修も受けて皆射撃の腕が上がったにもかかわらずだ。超至近距離から渚が攻撃しても避けることができると確信できる相手に無闇に撃つよりも弾幕を張って逃げ道を塞ぐ

 

これこそが作戦③のクラス全員での攻撃。

 

そしてトドメ。殺せんせーはスナイパーは陸の上にいると思っていたが実際はかなり近くにいた。それこそ殺せんせーが小屋に来た時点で。酔った先生の注意不足で2人の出す気泡音など耳に入るわけもなかった。雄二と決めたポイントには射撃スポットの時に使用した服を着せたダミー人形を置いて本当は水中に身を潜めていた。

 

「スナイパーの仕事の大半は待つこと。そして待ちから狙撃に入る切り替えが大切だ」

 

雄二の訓練の中で2人が最も嫌だと思ったのは実は待ちの訓練だった。日陰とはいえ炎天下の中でいつくるかわからない射撃指示にミスが多かった。だが、それに慣れる頃には2人共冷静に水を飲む余裕すらできていた。

 

 

「最後は射界訓練だ」

 

射界、その名の通り射撃ができる範囲ないのことでこれが狭まるほど困難になる。開けた場所で的の中央に当てるのではなく的の間に障害物を置き、射界を狭くしかつ真ん中に当てる訓練。因み射界14〜16センチで距離は100メートル強。

 

「こんなの、できるのか?」

 

千葉が困惑して速水も冷静に見た結果無理と表情に出る。が、試しにと雄二は撃った結果はど真ん中に命中し唖然とさせた。しかも射界は13センチといったところだ

 

「ちなみに、師匠の記録は射界11センチでこれよりも距離は遠い」

 

((どんなバケモンだ))

 

「この記録は俺も超えてない。この訓練に関して教える事はない———今までの技術を自分を信じることができるかだ」

 

ゴクリと唾を飲むそして最後の訓練が始まった。

 

 

好機を逃す事はない。匂いも発泡音も塩の匂いが、波と飛沫音が、消し去る。

 

((もらった))

 

ここでようやく放たれた弾丸に殺せんせーは気づく。周囲は水と弾幕で逃げ場はないそして

 

・・ん・せ・せい

 

掠れるような声がした後、殺せんせーの全身が弾け飛んだ

 

 




ちなみに
もし今回殺せんせーを殺せていたら雄二は千葉を第1候補に上げていました
でも偶然やら精神てきな色々な理由をつけて向かないとも報告するつもりでもありました
(烏間を証人にして)

逃げ上手の若君良いです!面白い!
感想、意見、誤字報告がありましたらお願いします!

あと、今度短編(呪術廻戦の)を上げるつもりでもありますよければそちらもどうぞ

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