11から12月のこの時期は毎回いそがしくて泣ける(つД`)ノ←血の涙をながしながら
感想も返信できずすいませんでした。
また亀更新になりますが呼んでくれたら幸いです。
烏間VS雄二の模擬戦は2戦目に突入していた。
「ふっ」
「しゃっ、はっ!」
1撃目の攻撃をよけて続く第2撃は1撃目の勢いそのままに倒れこむようにしバク転のをするように足蹴り。そこに付けている対先生ナイフで攻撃するも紙一重でかわされる。
「甘い!」
足が着地し3撃目は前方に飛ぶようにかかる
(ここだ)
「しまっ!」
しかし烏間はあえてつけていた上着をここで前に脱ぎ飛ばす。片腕を使い何とか振り払うも視界が一瞬阻害される。目の前には近付いてきた獲物をしとめる獣のような眼をした烏間
「なんてな」
「なぁ!」
烏間は気付くがもう遅かった。雄二は烏間の一瞬の動きも見逃してはいないだから罠にかかったふりをした。あの時相手が見えなかったのは雄二だけでなく烏間もだ。故にナイフを上に投げた。烏間の頭上に落ちるよう。体勢を崩した相手に、技を掛けていなすつもりだった烏間はもうその体制に入っている。
(だが、よけられる)
烏間がそう思った時点で勝負は着いていた。こう思ったということは意識はナイフにいっている。もちろん雄二の動きも警戒しただろう。だがほんのわずかに意識をそらすことが重要だったのだ。先程も言ったように上着で相手が見えないのは烏間も同じ。ナイフを投げて、意識を空中のナイフに向けるよう持っていた手を見せ、少し視線を上にした。それとほぼ同時に身体を傾けてスライディングに入った。
「ちぃ!」
完全に意識が雄二にいっていればこの攻撃は通用しないだろう。だが、たった1割でも意識が外れるならば、瞬きにも等しい一瞬。さらにスライディングによって視界からも外れる。滑り込みながら足にナイフを当てた。
*
「当たるかどうかは賭けだったが、何とかなったな」
「嘘をつくな。あれ以外にも方法もあり、攻め方も違うだろうに」
「流石にわかるか。とにかくこれでイーブンだな」
小声で2人は話すが息は上がっていない。
その姿にこの模擬戦を見ていたE組の全員が唖然としていた。
「いや、すげーわ」
「俺、手に汗握った。あいつ何者?」
「余計にわかんなくなったね」
カルマ、杉野、渚は先程言っていた疑問がさらに大きくなる。すでに彼の周りには生徒の大半が囲んでいる。
「本人に聞いてみる?」
「うーん、教えてくれるかな?」
*
昼休み、今だに皆の興奮は収まってはいなかった。自分達が手も足も出ない相手に充分すぎる戦いをしていたのだから当然といえば当然である。雄二はいま質問攻めにあっていた。どこから来たのかだとか、好きな動物は何かとか。ちなみに、前者は磯貝、後者は倉橋
「山梨で暮らしていてそこから来た。好きな動物は犬だ」
質問には全て答えており、このクラス1エロくゲスい岡島の好きな女のタイプと言われた時も
「特にはないが、でかい女には少し苦手意識があるな」
「え、お前貧乳好き!?」
「岡島君、黙ろうか」
「貧乳で何が悪いかじっくり聞こうかな」
「ちょ、待って!ていうか、思ったけどさっきの俺の紹介文ひどくね!?」
磯貝とおなじく、クラス委員の片岡メグに肩を掴まれ、貧乳に反応した茅野が鬼の形相をして引きずられながらそう言うエロ島こと岡島
「だからひどくね!?あとどっかにある島の名前みたいに言うな!」
ひぃぃと言う声が教室の外から響いているが全員無視して会話を進めている。
「それにしても雄二って結構質問には答えるんだね」
「確かに。岡島の質問なんて答えるのためらう奴の方が多いと思うぞ。何より女子の近くだと」
渚と杉野はそう言うが雄二はさも当然だと言わんばかりの顔をして言う。
「答えに迷って答えないは俺の性分に反するんでな」
「じゃあさ、今日の体育の実習で烏間先生といい勝負してたけど、ああいう戦い方ってどこで覚えたの?」
「山梨に住んでた時、俺の保護者の師匠から教えられたことがあって、それに沿って格闘術も教わったんだ」
カルマの問いに対してスラスラと答える。
「教わったこと?何それ」
「俺もよく分からなかったが女にモテる術だそうだ」
「「なにぃ!?」」
1秒かかったかどうかもわからない速さで反応したのは前原と岡島であった。
「てか、岡島君復活したの?」
「作者曰くここで反応しないのは、岡島じゃないとのことです」
「メタすぎる発言はダメだよ不破さん!」
「え、けど本編含めてこれ以外の小説でも結構私こんな感じだけど。詳しく知りたいならそちらも見てね」
「だからメタすぎるって!!あと宣伝が露骨すぎ‼︎」
渚と茅野によるツッコミを横に雄二は話す。
「師匠曰く、小学生の間は足が速い奴がモテ、中学生になったら喧嘩が強い奴がモテ、そこから先は頭がいい奴がモテる。つまり、走って殴って本を読めって事らしい」
「分かりやすいし、納得はできるけどなんかすげー大雑把だな」
「まぁ、実際師匠は大雑把な奴だったからな」
「で、その師匠ってのは親戚?親?」
「親戚はいない両親と姉もいたがもういない全員死んだ」
その言葉が出た瞬間全員の表情が変わる。迂闊に聞きすぎたと聞いた前原も含めて全員がそう思っていた。
「何年も前の話だ問題ない。それより、そろそろ殺せんせーが来る頃だ席に座っておけよ」
「あ、ああ」
それを皮切りに席に戻り、全員が座って少しして殺せんせーが入ってきた。
*
side潮田渚
雄二が帰った後も僕は放課後に教室に残っていた。
「おや、渚くんどうしましたか?」
「殺せんせー、ちょっといいかな?」
昼休みにあったことをかいつまんで先生に話す
「なるほど。そのようなことが」
「雄二は問題ないって言って気にしてないみたいだけど僕も含めてクラスのみんながどう接すればいいかわからなくなってるんだ」
あの後気まずくなり、みんな雄二と話さなかった。いや、話せなかった。雄二のことを知りたいって好奇心はみんなあったけど…辛くないわけがない事を話して貰おうとは思ってなかった。
「 先生も、彼のことはよくは知りません。しかし、風見くんは最初に言いました。【俺たちで先生を殺す】とそれは、みんなとの協調を結んで学園生活をおくりたいという表れです。だからこそ、みなさんの前でも話した。きっと嘘をつきたくないのでしょう。それに、本当に話したくないなら、言わないはずです」
「………」
「それと、これは風見くんからです」
「え?」
「【もしクラスの人が俺のことで心配したりするなら、その必要はない。普通に接してくれ】と私に言って帰って行きました」
先読みされたようだ。その言葉を聞いてようやく「ふぅ」と安堵の息が出る。
「ありがとう殺せんせー」
「ヌルフフフ。どういたしまして。でもその言葉は風見くん本人に言うべきです。まだ知らない生徒にも連絡を取ってください」
side雄二
戻る際に連絡があり『バイト』に行ったが現場待機といわれ、しばらくすると状況終了と連絡が入る。人使いが荒い。まぁ、今回のバイト代も俺の口座に入っているからいいのだが。
「ん?」
メールの送信履歴がプライベート用の携帯にあった。JBからなのがすぐ分かりみる。
[バイトお疲れ様]
それだけかよ。まぁ、あいつなりの労いだろうな。
「[こちらから用がある場合は連絡する。…ありがとうジュリアxxx]こんなところか」
しかし、普通の学園生活か。…暗殺を除けば後は自由と言っていたな。
「仮にそうだとしても、やはりいいのだろうか」
不意に口に出てくる。1人で居る時は最近いつもそうだ。だが、原因は分かっている。この暗殺は早く成功させなければいけないと思うと同時に、この生活が少しでも長く続いて欲しいと思う自分がいる。だがこんな生活が、楽しいと思える普通の日常が俺に許されるのか?答えのでない自問自答が俺を狂わせる。
「そういえば、話しすぎたかもな」
質問に答えたがほぼ真実しか話してない。一応カナダから帰国してきたという設定で資料は出したが…とはいえ、あまり嘘もつきたくはない。いまはなるようになると思うしかない。
「ドアが開けられた形跡はないな」
相手がマッハ20な相手だけに警戒する。もしかしたらピッキングもできる可能性もあり、部屋を見る。隠しているものは開けられた形跡が一つもない。しかし、用心はいる。マッハ20で扉を開け、一瞬で部屋を物色し、お目当ての隠しものを見つけて何通りもあるケースの番号キーを解いて中身を見た後、証拠を全て消して去った可能性もある。
「気付かれている可能性も視野に入れるか」
今日やることはもうない。しばらく休むか。
siedフリー
こうして雄二の転校初日は終わる。余談だが、雄二がメールを送った相手はメールの最後の[xxx]を見て少し赤くなっていた。
次の日彼が考えていたことが外れていると知る。
「これが今分かっている殺せんせーの弱点か」
「うん。そうだよ」
朝登校すると、全員というわけではないが再び雄二を歓迎した。昨日のことは渚の連絡により、誰も気にしていなかった。だから雄二も普通に挨拶をして接する。1名は少し頬を染めていたが。そして昼休み、協力して暗殺する際の参考として渚から殺せんせーの情報を共有していた。
「今のところ使えそうなのはこの2の《テンパるのが意外と早い》くらいか」
「そうでもないよ。例えば1の《カッコつけるとボロが出る》から2が分かったくらいだし、何が役に立つかもわからないよ」
「なるほど。そう言われて考えると4の《パンチがヤワい》ということは、パワーはあまりない可能性があるな」
このような感じで話が進んでいく。しかし現状で判明している弱点が少ないためこの話題は早く終わり、次の話題に入る。
「なら次だが…カルマは殺せんせーについての情報は何かないのか?」
「ん?なんで俺?」
「オレはこのクラスに来て日が誰よりも浅い。情報は色々な奴から色々なことを聞く方がいい。だからたまたま一番近くにいたお前に聞いたんだ。それに戦場では、いかに早く敵の情報を得られるかで勝敗がほぼ決する」
「最後の例えになんでそれなの!?」
「たまに雄二ってそういうの言うよね?ミリオタ?」
「…まぁ、それに近くはある。それより、どうなんだ?」
一瞬だけ雄二が黙ったことに渚とカルマは疑問に思うがとりあえずカルマは質問に答える。
「そうだねー。生物として殺せるかどうかまだわかんないけど少なくとも先生として殺すのはほぼ不可能だと思う」
「どういうことだ?」
「雄二が来る前なんだけど、殺せんせーを殺す策で俺の命を使ったんだ。崖から飛び降りて、助けに来るなら銃で撃ち、助けに来ないなら生徒を見捨てた教師として殺す算段だったんだけど、結果はどっちも失敗。ネバネバした触手で下からキャッチされて」
「ずいぶん無茶するな」
まぁね。とその時のことを思い出しながら言う。
「で、そん時に言われたのが、【見捨てるという選択肢は先生にはない。いつでも信じて飛び降りて下さい】だってさ。殺意が湧くほどムカつくけど…俺が知ってる先生では間違いなく1番だね」
「………」
「雄二?」
「いや、なんでもない渚。(それなら、人の家に勝手に進入して物色することもなさそうだな)しかしだ、やはりわからないな。なぜわざわざ暗殺に適した空間を自ら要求し、なぜ教師をしてるのかも」
「「確かに」」
理解できない疑問に行き着いた時に昼休みが終わり次の授業が始った。
*
side雄二
放課後になり皆が帰る。俺はというと、殺せんせーの補習授業を受けている。先生曰く、俺の学力を知っておきたいからだそうだ。
「ふむふむ。なかなかの高成績です。これなら学年50位以内にも入れますね」
顔をオレンジ色にして、顔面には大きく◯を出す。しかし進学校とはいえ中学レベルとは思えない問題も多いな。正直なめていた。ブランクもあるな。
「ところで、その皮膚はどうやって色を変えてるんだ?」
「ヌルフフフ、秘密です」
だろうな。
「さて、では先生も質問です風見くん。こうやって先生が目の前にいるにも関わらず、暗殺を一切しないのは何故ですか?」
「…別に。渚達から聞いて今は1人で暗殺しても無理な可能性が高いからやらないだけだ」
「確かに1人より複数の方が効率はいいですが、君の場合純粋に殺意がない。いや、暗殺をしたくない気持ちとする気持ちが混ざりあっています」
「!」
「いや、少し違いますかねぇ。殺意そのものを殺していると言うべきですかね」
俺の気持ちを読むとはな。
「そうだな。その通りだ」
「なにがそこまで君を不安にさせるか、何が君をそうさせるのかはわかりません。が、先生は君の味方です。クラスの皆もそうです。自分ではどうしようもない時、不安な時、色々考えるでしょう、悩むでしょう。それが出来なければ楽かも知れません。でもそれでいいんです。そうして人は前に一歩ずつ進むのです。それで迷うなら仲間の道しるべを借りてもいい。そしてそれが次に悩む仲間をたすける新たな力になるのです」
「………先生って本当に先生なんだな」
「なんだか酷いことを言われた気がします⁉︎」
やはり色々と侮れない。今も不安だ。押し潰されそうなくらいに。けど、少しだけ和らいだ気がした。
「ありがとう殺せんせー」
その言葉に再び笑顔になっていた。なぁ、麻子。どんな結果になるかはわからないけど、ここなら、あんたのような
次回もよろしくです