暗殺教室 グリザイアの戦士達   作:戦鬼

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遅めのお盆休みに一気に書きました

ほんと、いつもこれだけ早く書きたい


挑戦の時間

side ???

 

情報とは、いつの時代でも武器となる。正確により早く得るのはもちろんだがそこには当然のことだが信頼できる情報源であるというものも必要だ。

 

「わかっていると思いますが、この件は内密で」

 

「わかっているとも。君たちの国のことは君たちでどうにかすべき事で、俺がするのは刺客を送ること」

 

「なら、何故このような事をお聞きに?」

 

「一応ね、知っておいて損はないと思ってね9029について」

 

警戒心が鋭くなった気がした。教え子と見た目しか似てないと思っていたが、こういう部分だけは似ているかもしれんな

 

「別にどうこうしようというわけじゃない純粋な興味さ。噂とどう違うか知りたいとね」

 

ただそれだけだこの国のエースがどのような存在か、知りたいだけだ。

 

偶然にも9029の情報を得たので確認したいそれだけだ。とはいえここまで警戒心が強いのは俺だから(・・・・)だろう

 

「ではそろそろ行くとしよう」

 

教え子を迎えに……

 

 

sideフリー

 

「しっかしヒワイだよな〜ビッチ先生の授業」

 

放課後、帰りを共にしていた三村が言う

 

「確かに参考に持ってくる海外ドラマは中学生が見るようなもんでもないし、正解しようがしまいが公開ディープキスする痴女だが、それ以外は勉強になるんじゃないか?」

 

「まぁね。わかりやすいし、経験談も聞いてて飽きないし。というか思うんだけど、雄二には公開ディープキスしないよね」

 

「警戒してんだろ、俺のことを」

 

「あー雄二にしたら逆にどうなるかわからない的な?」

 

「失礼だな」

 

(((でもその通りだと思う)))

 

カルマの言葉に心から納得していた。

 

「まぁ確かにそれもあるんだろうが…………」

 

「雄二?」

 

「すまん、教室に忘れ物をした取りに行くから先に帰っててくれ」

 

少々不自然であるが渚は特に気にせずそのまま下校をした。

 

 

 

 

(さっきの感じ、気のせいか?)

 

先程見られている気配を感じ校舎に戻った雄二であるが何も起きないことに疑問を感じた。さらに言えば以前の莉桜の時ほどではないがそれと同じくらいにわかりやすい。まるでこちらに来いと言われているかの様な、それほどまでに視線を感じたからこそきたのだ

 

少し校舎内を見るが変わった感じがせず警戒しながら進んでいると教室に着く

 

「って風見じゃない帰ったんじゃないの?」

 

「ビッチ先生か………後ろに気をつけろ」

 

そこから先は一瞬だった。ビッチ先生が反応するよりも早くワイヤーが彼女の首にかかり加えられた力で一気に天井に吊るしあげられる

 

「いやさせるかよ」

 

前にそのくだんの人物に蹴りを入れる。蹴りを受けた男は受け身を取りダメージを最小限で済まし、さらにこうなることを最初から想定していたのか胴体部に軽めの防具をつけているのを蹴った雄二はわかった。

 

『ふむ、流石にこれは止めるか。警戒を全く解かず、俺が行動をするまで待って即反応する器量と動作、見事なものだ』

 

(どこの言葉だ?だがこれほどの技術を持ってるなら)「Are the eyes of a little while ago you?(さっきの視線はあんたか?)Can you speak English?(英語くらい喋れるだろ?)

 

「おっとこれは失礼、日本語で大丈夫だ。別に怪しいものじゃない」

 

と男は言うが雄二は睨みをきかし警戒する。

 

「いまの行動を見て怪しくないと思う奴はこの世のどこにもいないと思うがな」

 

「ふむ、正論だな。だが俺がイリーナに仕掛ける前に存在に気付いたのだろう?その時点で動かずにいたのは俺に殺意がないと判断していたからではないかね」

 

「………確かにビッチ先生ならワイヤーに対する防御は出来ただろうし、あんたに本当の殺意がないのも分かる。で、それのどこにあんたを警戒しない理由がある?あれだけのことが出来る奴が目の前にいるそれだけで充分だろ?」

 

雄二は動けない。何故なら雄二は武器はないが相手は持っている確率がかなり高い。見たところ歳をとっているがさっきの動きを見て実力は相当であるのは明らかであり、戦っても不利な可能性があった為だ。

 

「何している?風見くん、君もその殺気を抑えるんだ」

 

一触即発の時に烏間が入ってきた為何も起きずに済んだ。

 

そしてこの男の正体も判明した。男の名前は“殺し屋屋”ロヴロ。腕ききの暗殺者であったが現在は引退して後進を育てるかたわらその斡旋で財を成しているとのこと。つまりビッチ先生の上司であり師匠だ

 

「…………」

 

「そんなに怖い顔をしなくても別に何もしないよ。と言ったところでいまの話を聞いたらやめないだろうね特に君の場合(・・・・)

 

「烏間先生、こいつ…」

 

「信頼は出来る。いくらなんでも政府もそのくらいは判断できる」

 

「正直言ってあんたを好きにはなれないが、烏間先生が言うなら信用してやるよ。大人どうしの話があるんだろ?俺は退散させてもらう」

 

ここに長居する理由がないからか、ロヴロのことが嫌いだからか、それとも別の理由か雄二は少し早足で教室を出て行った。そして周囲に人がいないところでJBに連絡する

 

「JB、実は…」

 

[話があるんでしょ?ロヴロがあなたのことを聞いてきた時点でわかってたわ]

 

お見通しである。

 

 

 

場所は移り、雄二はバイト先のJBの部屋に来ていた

 

「烏間には聞いたが、本当に信用になんのか?」

 

「………この国は表向きには暗殺に縁がない国よ。彼が貴重な人脈なのは確かだし、暗殺者を育てているといっても彼は生徒にも信頼されているし、斡旋する任務もきちんとしてるわ。あなたが警戒する理由もわかるし、彼があなたのことを聞いてきたときは私も警戒したわ。どこから情報を得たのかも気になったし、当然その情報源はシャットアウトしたわ」

 

「裏切りか?」

 

「いいえ。ただの情報統制不足。まったく、普段からうるさいくせにあのクソ上司ども」

 

と怒りだす。

 

「苦労してんだな」

 

「あなたにそれを言う資格はないんだけどね」

 

ウフフ〜と額に青筋を立てて言うのを見て薮蛇であったと思い、すぐさま話を変えようと雄二は思った。当然だろう、この前の律の件で貯金とボーナスさらには車もなくしたのだから

 

「まぁ、そもそも俺もあいつに何か言う権利もする権利もないんだがな」

 

「………自分を陥れるような発言はやめなさい」

 

「……あぁ、そうだな」

 

話は終わり帰るため立ち上がろうとするが、JBはスッと1枚の用紙を出す。

 

「せっかく来たんだから、ついでにこっちもよろしくね。一応言っておくけど、拒否権はないから」

 

すごくいい笑顔でいうので雄二もすごくいい笑顔で

 

「だが断る」

 

当然だが通らずバイトをすることになった因みにその時間は早朝4時である。

 

 

 

 

 

 

早朝からのバイトを終えて少々眠いがそれを抑えて登校し初っ端の授業が体育である。

 

「もらった!」

 

「うぐっ⁉︎やらせっかよ」

 

攻めてきた相手、前原の突き出されたナイフをブリッジする勢いで避けて同時に弾き飛ばし、そのまま下がる拾う前に雄二はナイフを前原の目の前に投げる

 

「なっ⁉︎」

 

ギョっしたの見て即時に背後に回り込んでバランスの崩れた勢いそのままに服の背中を掴んで転倒させた

 

「そこまで!」

 

烏間のストップが入り模擬戦が終了した。

 

「あークソ‼︎強すぎだろ」

 

「いや、相手の隙をよくついていた見事だったよ前原くん。逆に風見くんは今日は調子でも悪いのか?いくらなんでも隙が多い」

 

「すいません、寝不足で」

 

と指摘が入るが前原が隙をついたのは今のだけであり、周りから見たらその試合は烏間との模擬戦同等に圧倒的である

 

「ふむ、体調が優れないのなら休んでもいいんだが?」

 

「いえ、いけます」

 

このくらいいつものことな雄二はそう言うと「ならいいが」と烏間は言って次の訓練に入る…まえにいい加減ツッコミしないのにも我慢の限界だったのか倉橋が聞いた。

 

「あの、烏間先生あれ…」

「気にするな、訓練を続けてくれ」

 

とすぐさま言うがそうは言っても気になるものは気になる。木の陰からギョロリと獲物を狙う肉食獣のような顔をしたビッチ先生とロヴロ

 

あと変装も隠れる為の工夫も素人以下の殺せんせー

 

「不審者さもあそこまで行くともはや笑えてくるな。昨日見た奴もいるが、俺が帰ってから何があったんですか?まぁ、大方殺せんせーがなんか提案したってところですか?」

 

「……そうだ」

 

話を聞くとロヴロはビッチ先生がこれ以上E組にいても無意味と考えて彼女を連れ戻しにきたそうだ。当然だがビッチ先生はそれを拒否したが受け入れられず、ならばと殺せんせーの提案で彼女の残留をかけて今日1日、ビッチ先生とロヴロ、どちらかが先に烏間先生を対先生ナイフを先に当て、ビッチ先生が当てれば残留し逆にロヴロが当てたらビッチ先生はE組から去るとのことだ。

 

「話は理解したが、大変だなぁ」

 

「その全く心にもないセリフの方に関しては次の模擬戦でかえすとして、迷惑な話だがルールに君等の授業に影響は与えないとあるから普段通り過ごしてくれてかまわない」

 

説明が終わり解散が言い渡されるとすぐさまビッチ先生が近付いてきた。

 

「カラスマ先生~おつかれさまでしたぁ~。ノド乾いたでしょ?ハイ!冷たい飲み物‼︎ほらほら、グッいってグッと‼︎」

 

((((((絶対なんか入ってる))))))

 

(((((いつかの奥田の時よりもひどい)))))

 

ビッチ先生は飲み物を差し出した。分かり易すぎる対応に烏間はため息を吐く。

 

「毒だとしたら、命のことも考えて筋弛緩剤だと思うぞ」

 

「ちょ、あんた言うんじゃないわよ‼︎」

 

「風見くんが言わなくても分かる… それ以前に受け取る間合いまで近寄らせないぞ」

 

つきあってられるかといった感じで烏間は離れていった。

 

「さすがにそれだと俺らだって騙せねーよ」

 

「そうだぜ。だいたいあの堅物に色仕掛けが通用すると思ってるのか?」

 

「なんでかしら、あんたに言われると普通の奴に言われるよりも100倍ムカつくわ。だって仕方ないでしょ‼︎顔見知りに色仕掛けとかどうしたって不自然になるわ‼︎」

 

「まぁ、そうだとは思うが、早くした方がいいんじゃないか?あのロヴロって奴が先に仕留めるかもだが、まず烏間先生は今はやる気ないから多少は油断しているけどもしやる気出したら本当にマズイぞ」

 

「?」

 

雄二の言ったマズイの意味がわかったのは昼休みになってからすぐだった。

 

ロヴロが行動した。職員室でデスクワークをしていた烏間に正面から襲いかかった。事前に座っているイスが引きにくいように床下に細工して行動を一瞬遅らせた。そこまでは良かった……しかし相手の動きに臆することなくナイフを持った腕を掴んで叩きつけ、そのままヒザ蹴りをくらわせようとした。そう、ようとした、つまりは寸止めである。

 

雄二の言う通り、本気になっている彼に一太刀入れるのは至難となった。

 

奇襲に2度目はない。さらに腕を痛めた時点でもうロヴロでは殺れない。もちろんビッチ先生も……そう思うであろうが

 

(どうする?ビッチ先生)

 

物陰から一部始終を見ていた雄二は意外にもビッチ先生に期待していた。

 

(ヒントは言った後は先生のいままでの練習(・・)次第だろう)

「って、なんだあれ?」

 

 

教室に戻り少しすると早速動きが見られた。

 

「あ、雄二も来たんなら見てみ。殺る気だぜ、ビッチ先生」

 

昼食をとるの中断して皆が窓に寄っていた

 

「正面から行くんだ」

 

「でもそれで殺ると考えるほど馬鹿正直でもないからって、あれってやっぱり色仕掛け?」

 

ビッチ先生は上着を脱ぎグラマーな身体を見せつける当然ナイフを持ったまま

 

「あれじゃ、無理だよ」

 

「桃花はそう思うのか?」

 

「だって、烏間先生に色仕掛けが通用しないって言ったのは雄二くんじゃない」

 

少し泣きそうな顔をする彼女を見て「落ち着け」と頭を撫でる

 

「それを理解してないようなら、ビッチ先生は暗殺者として成功してない。それに、潜入の際に必ずターゲットに色仕掛けする必要もない事なんて多々あっただろうし、相手によってはそれを警戒したのもいただろう。これは俺の勘だが、そういったやつも暗殺してると思う」

 

「え?でも今…」

 

「ビッチ先生がそれらもふまえてやってるのだとしたら、ここで色仕掛けをする必要があると判断したからだ。まぁ、結局はただの勘だけどな」

 

そう言って視線を外に戻した

 

 

 

「私はこの教室にどうしても残りたいの、わかるでしょ?ちょっと当たってくれれば済む話よ」

 

少し離れた位置からビッチ先生は言いながら上着を地面に置き、木に寄りかかる烏間の背後に付いた

 

「見返りはイイコト。あなたが今まで受けたことの無い極上のサービスよ」

 

「……いいだろう、殺れよ。どこにでも当てればいい」

 

烏間はビッチ先生が最初から当てれるだけの技術がないから何かしかやってくるとは思ったが先程と同じ、効果無しの色仕掛けをしてきたこに失望した。失望してしまった

 

 

 

「決まったな」

 

「え?どういうこと」

 

渚の問いに「見ればわかる」と言う雄二。カルマはなんとなく気付いていた

 

 

 

「じゃ…そっち行くわね」

 

ビッチ先生が動くのを見て烏間が動こうとした瞬間、烏間先生の足に先程ビッチ先生が置いた上着が足にもつれ体勢を崩す

 

(‼︎…これは、ワイヤートラップ)

 

色仕掛けはブラフで服と木を使いこの罠に誘い込む。雄二が言っていたように烏間は完全に失望し、本気にならず油断したからこそできた。

ちなみにこれはロヴロも教えていない彼女がここに来てから編み出した技術である

 

マウントを取りビッチ先生はそのままナイフを振り下ろす

 

が、相手が悪かった。完全に油断したとはいえ精鋭部隊の教官レベルにいた彼にナイフをあてるのは至難。ギリギリ掴んで腕を止めた

 

 

 

「っと、マズイな」

 

「いける」雄二ですらそう思っていたが、ここで防いでくるとは思わなかった。どうすると思考を巡らす前に、諦めたように烏間は手を離しナイフが当たった。

 

「あ、当たった‼︎当たったぞ‼︎」

 

「すげぇ‼︎ビッチ先生残留決定だ‼︎」

 

周りが盛り上がる中、雄二も桃花もホッとしていた。

 

「どうにかなったな」

 

「うん。雄二くん、ありがとう」

 

彼女はビッチ先生から雄二をオトすため接待術や交渉術などを真剣に学んでいた。色仕掛けがしたいわけではないがやれることはなんでもやらないとこの男はオトせないと踏んだからだ。ちなみに、最近は莉桜と倉橋も参加していたので彼女達も当然残留にホッとしている。

 

 

こうして、見事に彼女は自らの意志を貫くことに成功したのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

「最後は結局色仕掛けに負けたのか?」

 

「単に1日中諦めの悪い奴に付き合ってられないからだ」

 

「というか、なんであんなに途中からやる気になったんだ?」

 

いきなり烏間が本気になったことがやはり気になってそう尋ねるとどうやら殺せんせーが報酬として1日耐えれば殺せんせーは烏間先生の前で1秒身動きしないと言ったそうだ。所詮は口約束だからのもあり、諦めたようだが

 

「あぁ、あれはそういう意味か」

 

「?なんのことだ」

 

雄二はとある人物に連絡し、殺せんせーも呼んでそれがある所に行く。

 

 

 

「………おい、なんだあれは」

 

青筋を立ててそれに指を指す。そこにあったのは殺せんせーの触手を含めた全身を防御するための鎧だった

 

「にゅや… 万が一の為のために備えをと」

 

「まさかと思うが殺せんせー、俺達の暗殺にもこれ使うの?だとしたらチキンにもほどがあるぞ。名前をチキン先生にしてもいいんだが」

 

「にゅわんですって!そ、それはイヤですし、何よりムカつきます!いいですよ、使いませんよ!」

 

「岡島、三村、今の撮影したか?」

 

「「バッチリだ」」

 

こうして先生はまた自ら墓穴をほったとさ

 




雄二がロヴロを嫌う理由は…彼のこと知ってる人なら言わずもがなです

次回は以前にも言った倉橋とのデート回です……たぶん、できるかなぁ

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