誤字報告の件遅くなりましたが報告して下さりありがとうございます
クラスは転校生の固定砲台に夢中であった
「庭の草木も緑が深くなっていますね。春も終わり、近付く初夏の香りがします!」
ムードに合わせた音楽を鳴らしながら固定砲台はハキハキと元気よく言う
「なんていうか、もうどこからツッコミを入れればいいかもわからん」
「たった一晩でえらくキュートになっちゃって…」
「これ一応、固定砲台…だよな?」
訂正、唖然である
「なにダマされてんだよお前ら全部あのタコか作ったプログラムだろ。愛想良くても所詮は機械だどーせ空気も読めずに射撃すんだろポンコツ」
「………おっしゃる気持ち、わかります寺坂さん」
寺坂の方を向き気を落としながら謝罪しだす
「昨日までの私はそうでした。ポンコツ…そう言われても返す言葉がありません」
と泣き出す。ついでに画面に雨が降る使用も入りより悲壮感がでる
「あーあ泣かせた」
「寺坂君が二次元の女の子泣かせちゃった」
「なんか誤解される言い方やめろ‼」
「うわー寺坂…それはないな」
「お前楽しんでんだろ‼つか、お前もあいつ縛っただろ‼」
棒読みで寺坂に追加攻撃をするがそれが飛び火する
「風見さん、縛られてもしかたない私ですが、許してくれますか?」
「人聞きの悪い言い方だな…お前が気にしてないなら良い。すまなかったな」
「まぁ、私にあんなことするくらいだしーそのくらいはねー」
「あれもお前がストーカーしたからだろう…すまないとはおもってるがな」
「なんでそれで終われるんだよ⁉」
寺坂の反撃は徒労に終わった
「しかし、いいねぇ
「竹林、それお前の初ゼリフだぞいいのか⁉」
「一応この小説の書いてないところで風見君と会話してるんだけどね」
「不和さんメタ禁止!」
「けど皆さん、ご安心を。殺せんせーに諭されて…協調の大切さを学習しました。私の事を好きになって頂けるように努力し、合意を得れるまでは私単独での暗殺を控えることにしました」
「そういうわけで、皆さん仲良くしてあげてください。あぁ、それと……」
殺せんせーが説明するのよりも早くガシャンガシャンという音と共に昨日見せた武器が固定砲台から出てきた
「様々な改良を施しましたが、彼女の殺意には一切手をつけていません」
「…心強いな」
改良を受けた固定砲台とさっそく1限目の授業となる
「では菅谷くん、網膜の細胞で細長いのが桿体細胞。では、太い方はなんでしょう?教科書を伏せて答えてください」
夜更かしでもしていたのかうたた寝をしていた菅谷はまずいと思い考えていると
チカッチカッ「……えーと錐体細胞」
固定砲台の画面に答えが出ていた
「こら自律固定砲台さんダメです‼︎」
「そうだぞ。スカートをあげて見せるな。そういうのはビッチ先生だけで充分だ」
「わかりました。では今度からは腕に表示しますね」
「そういう問題じゃありません!カンニングがダメなんですよ!」
昼休みになるとすっかり人気になっていた
「なるほど、こうやって武器を作れるのか」
「はい。データさえあれば、武器だけではなく様々なものを私の体内で生成する特殊なプラスチックで作り出せます」
「へえ~ じゃあ、花は?」
「分かりました、データを学習しておきます王手です千葉君。風見さんへの質問で判断しました答えはピラミッドですね」
「正解だ」
「3局目でもう勝てなくなった……なんつー学習能力だ」
ちなみに雄二がしていたのは連想ゲームである
「…………」
「どうしたの雄二君?」
「いや、ちょっと昔を思い出していた」
渚は雄二の表情に何か感じるものがあり質問したが昔と聞いて問うのはやめた。しかし、穏やかそうな顔なので悪い記憶ではないことはわかった。
「ぐにゅにゅー」
「どうした殺せんせー?」
「まずいです、先生とキャラがかぶる」
「被ってないよ!1ミリも‼︎」
「先生だって人の顔くらい表示できますよ皮膚の色を変えてしまえば」
「先生、気持ち悪いだけだと思うぞ」
雄二の一言でシクシクとしていた
「あとさ、この子の呼び方決めない?自律思考固定砲台っていくらなんでも…」
「たしかに。じゃ、風見よろしく」
「なぜ俺なんだ?」
「ビッチ先生の時もそうだったろ」
やれやれと思っていると固定砲台はジッと雄二を見つめて期待しているかのような目をする。数秒考えて
「………テストに参加するかは知らないが、その時も考えて姓もつけるか。自律の自で『おのずか』律の方はそのまま『りつ』として
「なんか名前としては安直だな」
「まぁ、そうかもしれないが。おまえはそれでいいか?」
「おのずか、りつ…」
「ああ。だから普段は『律』か『自』と呼ぶことになるがいいか?」
雄二はつけたはいいがこのような名前で良いのかと多少疑問であったが
「はい!嬉しいです風見さん!」
「気に入ってくれたのなら良い。あらためてよろしくな
「律と呼んでください。風見さんは私の名付けですから」
「まぁ、作者も『自』だけだと毎回ルビつけないといけないなって………」
「不破さんストップ」
「名付け親になるほどの歳になったか、おれも」
「雄二は雄二でおじさんみたいな発言してるし」
こうして自律思考固定砲台改め律は嬉々として皆と話している。離れた所で見ていたカルマに渚は上手くやっていけそうな雰囲気に安堵して声をかけたが
「どーだろ。寺坂の言う通り、殺せんせーのプログラム通り動いてるだけでしょ?機械自身に意志があるわけじゃない。あいつがこの先どうするかはアイツを作った
「確かにな。だが、殺せんせーは意思があってここにいるのであれば生徒と言っていた。Aiに意思が宿るかは知らないがもしあいつにそれがあるなら………」
「どうなるかわからない?」
渚に問いに「あぁ」とだけ答えてた。
*
side自律
先日の私の報告もあり
「こんばんは
明るい音楽と表情を出して開発者達に挨拶をするが
「ありえん」
「?」
どうしたのでしょう?なにか不快にさせる事をしたのでしょうか?
「勝手に改造された上に、どう見ても暗殺とは関係ない要素まで入っている」
そう、確かに言ってる事は間違ってません。けど律は幸せですよ
「今すぐ分解だ。暗殺に不必要なものは全て取り去る」
どうしてですか開発者?前の私になった方がいいのですか?言葉を出したい。でもすぐに分析して分かる。言っても無駄だと、ここで逆らったらいけないと
「こいつのルーツはイージス艦の戦闘Ai。人間より速く戦況を分析し、人間より速い総合的判断であらゆる火器を使いこなす」
「………」
「加えてこいつは卓越した学習能力と自分で武器を改造出来る機能を持つ。その威力を実証すれば……世界の戦争は一気に変わる」
この先を見据えてですか。でもそれだと戦争を起こしかけて機能を停止させられた
「賞金の100億などついでに過ぎん。怪物殺しの結果を出せばその利益は数兆円だ」
どんどん
「
その言葉を聞いた時、今日の放課後の風見さんを思い出す
*
「なぁ、1つ聞いて良いか?」
「はい何なりと!殺せんせーが付けてくださった豆知識一覧表が役に立ちますよ」
「……色々と余計なものまで入っているな。まぁそれは良いとしてだ。今の律は、前の律をどう思う?」
その時はよくわかりませんでした。様々な機能が足されても私は私ですし
「質問を変えよう。前のおまえに戻りたいか?」
その答えはNOだ。協調性がないとこのクラスでは私は暗殺者ですらなくなってしまう
「誰かに言われてもか?」
「はい」
「先生はおまえの意思を大切にしてる。そのためにも色々な機能をつけたんだ。だから、その言葉が本当におまえの意思なら迷わず誇れ」
*
私は、私の意思は……
「…………はいマスター」
そう答えると開発者は「良し」と言った。
「で・・たい・・・・」
「な・・・いっ・・し・・・」
声が遠のく。機能を一時的に停止してきているからだろう。わたしは………
*
sideフリー
翌日
「おはようございます皆さん」
律は来た時と同じ体積になり、同じく機械的な挨拶をした
「結局こうなったね」
「…仕方がないなこれは。だが、問題はそこじゃない。烏間先生、開発者はなんて言ってるんだ?」
ふぅとため息を出す。問われることが分かっていたからだ
「想像している通りだ。『生徒に危害を加えない』という契約だが、今後は改良も危害とみなすと言ってきた。さらに君らも彼女を縛って壊れでもしたら賠償を請求するそうだ」
「そんな事だろうと思った」
「
「ん〜親よりも生徒の気持ちを尊重したいんですがねぇ」
頭をぽりぽりと掻きながら殺せんせーは言うがそんなの御構い無しと言わんばかりに元の固定砲台となってしまった彼女は
「攻撃準備を始めます。どうぞ授業に入って下さい殺せんせー」
と言って急かす
「………クソが」
それは律ではなく開発者への暴言であった
そして授業が始まる。
出てきたのは武器でなく花。色とりどりの花だった
「花を作る約束をしていました」
機械的でない声が出てくる
「殺せんせーは私のボディーに、計985点の改良を施しました。その殆どは
しかしと続いて話す。心なしか声のトーンが上がってきている気がしていた
「私個人は『協調能力』が暗殺に不可欠な要素と判断し、消される前に関連ソフトをメモリーの隅に隠しました」
「……素晴らしい!つまり律さん」
「はい!私の意思で産みの親に逆らいました。でもこういった行動を反抗期と言うのですよね?殺せんせー、律は悪い子でしょうか?」
「まさか、中学三年生らしくて大いに結構です」
顔に大きく○と出して殺せんせーは言う
「風見さん、ありがとうございます」
「なぜ俺に礼を?」
「いえ、そう言うべきと思ったので」
彼女は雄二の言葉が仮になかったとしてもこの判断をしていただろうと考えていた。とはいえそれでもお礼を言ったのはそれこそ彼女の意思そのものだった
そうして彼女が入ってしばらくし6月となり、殺せんせーの暗殺期限は残り9ヶ月となる
「カルマ、なぜ烏間先生にアイツらは殺せんせーと含めて怒られているんだ」
「あぁ、なんか前原が本校舎の女に理不尽な酷い目に遭わされたらしくってさ。それで、仕返しに暗殺技術を使って恥ずかしい目に遭わせたらしいよ」
なるほどと納得して席に着く。ついでに烏間も大変だなと思いながら
*
と思っていたのも先ほどまでで雄二も面倒だと思いながら目の前の青筋を立てた女、JBを見ていた
「やれやれ、今度はなんだ?」
「なんだ?じゃないわよ!あなたが例の暗殺マシーンにちょっかい出したせいで、その賠償金を私が払ったのよ‼︎」
「律だ、自律」
「どうでも良いわよ!車まで売る羽目になったのよ!」
「次は間抜けに見える車じゃなくてもうちょっとマシなのにしろよ」
ビキビキとさらに青筋が出る
「まぁジョークはこの辺にしてだ、本当に感謝してる。またあいつがオーバーホールされたらどうしようかと思ってたんだ」
「本当よ。改造を認めさせなければあのクラスを維持するのは難しいっていうのは報告で聞いてたけど、放置するって選択肢はなかったの?」
「もしそうなってたらあの怪物は先生って職業が出来なければ逃走すると言った可能性もある」
「授業ができないのなら先生ではないけど、ほんとに何が目的なのかしら」
「上層部なら知っているのか?」
「さぁね」
お小言が終わると今度は1枚の紙を出してくる。
「また仕事か」
「そうだけど、今回のあなたは補助要員。ちゃんとバイトの方もこなすのがあなたがあの学園に行く条件なんだから」
話を聞きながら紙に書かれた内容を見る
「俺を呼ぶ必要ないだろこれ。現場だけで充分だ」
「そういう仕事だからこそよ」
「体裁作りの為か」
理解した雄二は「わかった」と言って部屋を出た。JBはため息を吐いて考える
(それにしても、上層部もよくあのマシーンの賠償金と言う名の貸し出し金の了承をしたわね)
律の件は直ぐに上層部にも届いた。効率的にいくなら間違いなく以前の彼女にすべきだろう。もちろん雄二の意見が反映されているが、最終的には地下の教授が決めたことが採用になった。
(でも)「なんでそれを私が払うのよ‼︎」
彼女の叫びは誰に届くこともなかった
感想は遅くなりますが毎回次話を書く時は一気に書いてるのでその時に一緒になってしまいます
ですが基本的に返信するのでよろしくお願いします
誤字脱字の方ももう一度言いますありがとうございます!