やはり心は叫びたい   作:ツユカ

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皆様!一日ぶりです!
そろそろ本編に入りたいと思いながらも
キリの良いところまで終わらせたいAnother world編です!

今回は結構ゲロ甘注意です!
ちなみに作者は我が家へ帰ってきてテンションMAXで書いたのでこれからどうするか悩んでます!


Another world ver修学旅行 三話 八幡サイド

ラーメン屋を三件ハシゴし終え、俺も順も満腹だった。ひとりなら今頃吐いていたと思うが、順と全てのラーメンを六対四で分けることにしたので、ちょうどいい腹の具合になった。ちなみに先生は全て一人で食べ終え、今も余裕そうである。

「さて、そろそろ我々もホテルに向かおうか。」

平塚先生は修学旅行の予定を見ながら言う。俺はずっと思ってた疑問を口にする。

「先生、そういや俺達部屋はどうするんです?このまま戻るわけにも行かないでしょ?」

そう、俺達は修学旅行を抜け出しているわけである。そんな二人が夜に部屋にいては気まずいに決まっている。それは先生達にとってもまずいことだろう。

「あぁ、それなら私と成瀬、そして比企谷、の三人部屋だ。」

当然のように言う先生だが、俺はその言葉をうまく理解出来ない。順もほうけているようだったが、すぐに理解して顔を赤くする。

「うぁ……ぇ、と…」

何かを言おうと頑張るが、うまく声を出せないようだ。なんとなく言おうとしていることは分かるが。俺もまだ整理がついてないが、順のために無理矢理にでも声を出す。

「いや、年頃の男女が同じ部屋ってのはどうなんですか?」

という、至極全うな質問だ、しかし、この先生には俺達には天敵とも言える人との繋がりがあった。

「おや?君たちは兄妹じゃないか、それに未だに一緒に寝ていて困っているとこの間泉から聞いたのだが?」

そう、この人の持つ繋がりとは俺達の母さん、泉との繋がりであった。聞いた話では小学校時代からの同級生で親友同士であったとの話だ。知られているとは思ってなかったため、俺も順も恥ずかしくなる。

「まぁ、もちろん私も教師なのでな、今夜は一緒に寝かさないつもりだ。」

笑いながら追い討ちのようにダメージを与えてくる。順は茹でたタコのように真っ赤になり、俺は顔を隠すために下を向いてしまう。

「うん、やはりこちらの君達の方が子供らしくていい、君たちは妙に大人っぽいからな、たまにはこうした方が疲れなくて済むだろう。」

どうやらからかわれたようだ。だがこの先生に怒りは覚えない。それは圧倒的な経験値から言われていることだとわかるから、素直に言葉を受け止める。先生はタクシーを止め運転手にホテルの名前を告げ、助手席に乗る。そして、俺達は後部座席に乗り、車が走り出す。

『ねぇ、お兄ちゃん。部屋、一緒なんだね。』

順が携帯で打ち込み見せてくる。このやりとりも久々だと思い、少しだけ懐かしく思ってしまう。おそらく前に座っている先生には聞かれたくないのだろう。俺は自分のスマホを出すことをせずに順の携帯を受け取り、その下に書く。

『あぁ、そうだな。ま、いつも通りだしいいんじゃないか?』

それを順に渡す。順はさらにその下に文字を綴る。

『そうなんだけどさ……やっぱりなんでもない!』

と、返ってきた。何かあるなら言えばいいのに、思いつつ携帯に打とうとするが、その前に順に取られてしまった。すると、目的地に着いたのかタクシーが止まる。先生がお金を払い車から出ると、そこには大きめのホテルがあった。先生について行くと、そこでは同級生達が食事をしているところだった。バイキング形式なのでそれなりの生徒が立ち上がり食べ物を取りに行っている。

「さぁ、君たちは自分のクラスに行ってきなさい。そして、食べ終わり次第、私のところに来なさい。」

……正直、先ほどラーメンを食べたのでお腹は空いていなかった。席に戻らずにその場に二人でとどまっていると、先生は察してくれたようで

「部屋は601号室だ。六階だからエレベーターで行くといい。」

部屋番号を聞き、部屋へ向かう。エレベーターを見つけ乗り込み六階へ向かう。この間、順は全く話さなかった。疲れたのかと思っていたが、部屋を見つけ、入った途端にそれは違うと分かる。

後ろから衝撃を受けた、順が抱きついてきたのだ。

「順?どうしたんだ?」

順は抱きついたまま動かない。それどころか更に強く抱きしめてくる。それは昔の順が悪夢を見た時のように見えた。しばらく経って順はそのままの体勢で少しだけ力を緩めて話し出す。

「充電中……かな?」

その言葉を聞いて順の拘束から逃げ出し、こちらから順を抱きしめる。

「そうか、なら俺も充電だ。」

順の気持ちも少しだけ分かる気がした。これからはおそらくこう出来ることも少なくなる。ならばこの間に順の匂いを、感触を感じていたかった。順はその言葉に反応して体をこすりつけてくる。やがて、立っていることが辛くなりお互いにベッドへ座る。順が俺を抱きしめ頭を撫でてきた。俺はこれが好きだった。これは初めて会ったときにもしてもらっていた。それ以来これは特別な意味の行為になっていた。

「お兄ちゃん、これ好きだよね?ホントは弟くんが良かったんじゃないの?」

なでながら聞いてくる順。しかし、それは否定したかったので、全く同じように抱きしめて頭をなでる。

「いや、俺は順を甘やかす方が好きだから兄貴でいいんだよ。」

順は気持ち良さそうに目を細める。そのままの体勢でなで続けてたら順は寝てしまった。いつもこうすると寝てしまうので俺としては少しだけ物足りない感じであるが、それ以上に幸せを感じる。ベッドに優しく寝かせて俺もその横に寝転がる。順の寝顔を見ながら順をなで続ける。

(順は妹なのにな……こんな気持ちを抱くのは兄貴として失格かもな……)

そんなことを考えながらも、気持ちは思い通りに動いてはくれない。そして、俺は寝ている順の唇に触れてしまった。

そして、そのまま幸せな気分で寝てしまう。次に起こされのは先生が戻ってきた時だった。




ありがとうございました!

別の世界ということで好き放題させてます!
そろそろ区切りをつけると思うので、本編を待っている方はもうしばらくお待ちください!

それとこのAnother worldは作者が修学旅行中の暇つぶしで書いたものなのですが、これからも時々続行すべきでしょうか?そちらもコメントに書いていただけると嬉しいです!

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