扉を開けば。
......青春物だったら良かったんですがねぇ......。
「ハァ......ハァ......!」
この街に悲鳴が聴こえなくなってからどれ程の時間がたっただろう。
少なくとも、この事件が発生したのが夕方だった事は覚えていた。
ソレからは酷い有様だった。
血肉をぶちまけて死ぬ人々の山を踏みつけ、蹴りつけ。
どうにか今この瞬間を生き延びていた。
そんな私は今この街。
ラクーンシティのストリートを走り抜けていた。
事の発端は夕方。
だったはずだった。
と言っても五時や四時ではなく夜に差し掛かる六時半頃。
人によっては夜と言ってもいい時間だった。
詳しい事は知らないがアークレイ山地の猟奇事件の主犯が街に降りて来たと風の噂に聞いた。
それだけだった、けれどそれで充分だったと今なら言える。
本格的に被害が出た、いいや、正しく言うなれば被害が発覚したのが七時。
街の中心部で人が喰い殺された様だった。
ニュースで流れた時には特殊部隊が動いていて。
犯罪者は死ぬ......事はなく特殊部隊は壊滅。
生き残った、もしくはその特殊部隊の通信記録に残っていたのは動く死人。
詰まる所、ゾンビだ。
ふざけるな、こんなのバカげてる、と言う人間は居なかった。
その時には既に私が住む区域にもその姿が確認されたからだ。
それからは地獄絵図だった。
我先にと、街から逃げる者や恐怖に怯える者、人それぞれが反応を示した。
しかし、街から逃げる者は地獄を見る事になった。
時間が経つに連れ敵の数が増え始めた。
喰われた人間が同じ様に動き始めた。
車で逃げようにも数が多すぎた。
一匹、二匹ならまだなんとかなったはずだ、けれど轢き殺し出来た肉はタイヤを動かなくした。
タイヤが動かないんじゃ逃げようがない、運転手やその同乗者は例外無く喰い殺された。
よって、街の外周部はおびただしい数のゾンビに占拠されていた。
そんな中で聴いたラジオ。
警察署にて保護を行うとかなんとか。
しかし、警察署に行くには表通りは危険で、裏通りは暗くて襲われたらひとたまりも無い。
そこで人は街のガンショップを目指した。
そこでも被害は出ただろう、その中で無事にたどり着けたのは幸運だった。
私はそこでハンドガン「ガバメント」とホルスター、マガジンとそのバックと予備弾薬を邪魔にならない量を傾向した。
ガバメントを選んだ理由は好きだった。からだろう。
ハリウッド映画やゲームに影響されたのだ。
我ながらこの非常時に悠長な思考があったものだ。
そんな事を思いながら角を曲がると、トラックとパトカーが前と後ろから走って来るのが見えた。
......扉を開けば。
バイオハザード2のハンク編で二階のある狭い部屋で無数のゾンビがうじゃうじゃいたのが凄い記憶に残っています。
扉を開く時のあのドキドキ......が忘れられなくてこのタイトルに。
ああ、少なくとも3.4話迄は絶対今月中に書きますうえ......そんな目で見ないで......。
TA,thank you for reading!!(逃げてない。