どうもメリークリスマス!
落第騎士最終話で狂喜乱舞してケンタッキーを
頬張る作者です。皆さんどうお過ごしなんですかねえ…。
ちょっとした話です、本編とはあまり関係ない感じです。
感想、批評お待ちしております。
番外編1「楽の恋愛相談」
ある日の休日、部屋のソファーでダラダラと1人で漫画を読みながらゆっくりと過ごしていると突然携帯に着信が入る。
まったく誰だよとまあ万理花辺りかなあと思いながら画面にうつる文字を見ると、これまた意外な一条楽の文字が。
少し変な声で…そうドナルドダックのものまねで電話に出ようかな。
「はいもしもし二見だよー。」
「うぜえ。」
「開幕早々ひどいなあこの小僧は。どうしたよ。」
「あ、そうだった。貴一今日暇?」
「ん?暇だけど。」
「じゃあさ人生相談聞いてくれないか?」
「え。俺、京介の兄貴じゃないんだが。」
「いや意味がわからいんだが。とりあえず今から貴一ん家行くから。」
「お、おう。了解でやんす。」
「じゃまたなー!」
いきなり人生相談なんていわれてもなあ…まあ頼りにしてくれているのなら力になってやりたいとは思うけども。ここで自分は人の相談に乗れるほど大した人生を送ってないことには一旦目を瞑ることにしよう。
それから少し時間が経ってピンポンが鳴り楽を部屋に招き入れる。
「それで今日はどうしたのさ楽さんよ。」
「まあとりあえず喉渇いたからお茶でも出してくれないか。」
「こいつ…まあいいだろう。」
そして冷たいお茶を楽に渡して向かい合ってソファーにもたれかかる。男同士でゆっくり話すことって意外と少なくなってきてるんだよなあ。万理花と恋人になってから余計にそう感じる今日この頃である。
「実はちょっとした人生相談がありまして。」
「ふむ。大したアドバイスができるかわからないけれど頑張りまっせ。」
「それは助かるわ。恋人のいる貴一なら参考になると思ってさ。」
「つまり恋愛関係の相談ですか。この恋愛脳がっ!」
「ちょ!いきなりダメ出し!?いや、そもそも貴一にだけはそれ言われたくないし!」
「それはそれ、うちはうち。今話していることは楽のことだろ?」
「ぐぬぬ…。実はさ羽姉さんに告白されたんだ。」
「は!?俺たちの羽姉さんにだと!?」
「貴一さん食いつきすぎだろ。」
「あんなに若い美人教師だぞ。冷たい目で蔑まれて踏まれたいなんて願望はあったりするけどここは黙っておくよ。」
「いや口に出てるから。というか変態かお前は!それでさ、その告白は断ったんだ。」
「だれが変態か!変態だとしても変体という名の紳士だよ!というか、うわーもったいない。」
「おいおい。貴一だってもし告白されたら断るだろう?」
「まあそもそもその可能性は0やしなあ。万理花いるから絶対ないよね。もし恋人がいなかったら…ごくりんこ。」
「最後がちょっと気になるな。ってか、ほんとうベタ惚れしてんのな。」
「世界一、いや宇宙1可愛いからね。」
「のろけやがってちくしょうめっ。そこで今回の相談に繋がるんだけどさ。」
「おっ、やっと本題ですか。さあ来なさい。」
「俺さ小野寺のことずっと片思いしてきたじゃん?今もしてるんだけどさ。」
「あー桐崎さんも好きになった感じでしょ?」
「ちょ!まだ話終わってないからね。小野寺の可愛さ、優しさはピカイチやしマジ天使なのは言うまでもないんだけどさ。千棘といるもの心地よく感じてさ、楽しいって思って一緒にいたいと思う…小野寺とも羽姉とも違う、こいつといる時だけ感じてる心地良さを感じたりしてさ、もしかしてこれって。」
「恋じゃないの?恋かな?恋だろ?恋だな。」
「断言するのな。」
「というか聞いた感じ小野寺より桐崎さんのが好きなんじゃね?」
「え!?いやいやまさかそんな…あれだけ片思いしてたんだぜ?高校になってからいろいろあったし…。」
「まあ俺がそう感じただけだからね。鶫は空気なのね。」
「なんでそこで鶫が出てくるんだ?」
「いや、なんとなく名前だけ出してみただけ。特に意味はない。」
「なんだそりゃ。それでさ一度に二人の女性を好きになるのはどうなんだろうって思ってさ。」
「まあ仕方ないんじゃない?人間だもの。」
「人間だものって言われてもさ。頼むよ貴一さん。」
「これに関しては自分で答えを出すしかないと思うけどね。やっぱりギャルゲーのように幼馴染ポジとかは負けヒロインなのかなあ。」
「いやなぜにゲームの話を出すのか。うーん、どうしたものか。」
「二人選ぶってのはこのご時勢厳しいでやんすよ?」
「それはわかってるって!」
「ま、もし振られたらアイスくらいおごってやるから。」
「貴一が優しいとかなんか裏がありそうで怖いわ。」
「こいつ…。一発蹴りいれてやるからちょっと気をつけしろや。」
「いや、いやだよ!」
「まあきっと告白したらOKもらえるって、知らんけど。」
「こいつ他人事だからって好き勝手言いやがって貴一コラ。」
「あえて振られちまえなんて思ったり。あ、今のオフレコね。」
「そうはいくかこの野郎!」
「なんだ俺と戦うのか、いいだろう…ここから先は俺の喧嘩だ。」
「いいえ先輩。」
『ってなにこれ。』
「ということで結論ね。」
「お願いします貴一さん。」
「自分の気持ちにきちんと向き合い告白しなさい。時間がまだまだあるからって心地良さに甘えず、今こうやって過ごしている時間はいつかなくなるのだと思い後悔しないようにきちんと考えた上で気持ちを伝えよう。私はそうしたからこうやって恋人が出来ておしくらまんじゅう的な感じなのだから。」
「後半ちょっとのろけてたよね。わかった、自分なりにいってみるわ。ありがとな。」
「相談料5000円です。」
「金取るのかよっ!ってかぼったくり!」
「冗談すっよ~アメリカン的なあれですよ。」
「ジョークね。まったくまぎらわしいやつだな。じゃあそろそろ帰るわ。今日はありがとな。」
「え?もう帰るの?せっかく来たのに。」
「確かにそれもそうだな。集でも呼ぶか?」
「いいね、どうせあいつ暇だろうし。」
「くくっ、それはまあわからないだろ、ぷぷっ。」
「とりあえず電話かけてみるわ。もしもし?集よ今暇?どうせ暇だろ?」
「なんて?」
「暇らしい。あと決め付けるなくそ野郎だってさ、楽に。」
「俺かよ!」
「とりあえず3人でカラオケとかボーリングしようぜ!」
「グーアイディア!」
「じゃあ家に集合だからな集。40秒で支度しな!じゃあまたなー!」
「どうだった?」
「40秒は無理らしい、あいつ使えねえや。」
「いや、無理だろ。」
「あいつなら限界を超えると思ってたけどどうやら買いかぶりだったようだ。」
「いや誰だよお前。」
「貴一、二見…貴一。」
「そのどや顔やめろ!腹立つからなんとなく。」
「えーー。この童貞うぜえ。」
「童貞言うなし!そう言うってことは貴一まさか!」
「楽にしては察しがいいな。褒めて遣わす。」
「貴一…やっぱりお前大人の階段登ってたんだな。」
「もちろんです、プロですから。」
「その時の詳細聞かせてくれよ。」
「思春期男子はこれだからね。まったく困ったものだ。」
「うぜー。」
「まあ集もいるときに脚色着けて語ってあげよう。」
「脚色するんだな。」
「少し話を盛るくらいは盛り上げる上で大事なのさ。」
「それは口にしたらだめなやつじゃないですかねえ…。」
「楽だからいいのさ。」
「そうか俺だからか~、ってなんでやねん!」
「ツッコミ乙。とりあえず集が来るまで将棋でもしますか。」
「まさかの将棋。いいじゃん…俺の強さを教えてやるぜ穴熊の固さを痛感させてやるぜ!」
「ぐへへ…穴熊ちゃんなんて丸裸にしてやるぜ。」
「そのゲス顔やめろ貴一。」
「いい表情してるでしょう?」
「ああ、全くだよ。」
それから集が来るまで楽と将棋をしていて穴熊ちゃんを丸裸のして王さんを龍で仕留めるのであった。
「俺の出番は…?」
そうつぶやくめがねの高校生がいたようないなかったような。特に誰の記憶にも残っているわけではないので割愛しようと思う。
「なんやて!」
番外編2 小野寺の料理修行
「いいですか小野寺さん、料理で一番大事なことは何かわかりますか?」
そう唐突にこの言葉を隣でキュートなエプロン姿に身を包んでいる小野寺小咲に向かって言葉を告げる。
「えっと、…愛情ですか?」
「そうですね。誰かのために、食べてもらう人のことを第一に考えて自分の作った料理を食べてもらった時の笑顔になってもらいたいという気持ちが大事ですね。その笑顔を見ると作る側の心も暖まりますからね。作りがいがあるってものです。」
「さすが二見君!よっ!彼女待ち!」
「やいやいそう褒めてくれるな照れるじゃあないか。」
「ごめん二見君。今のちょっといらっとしました。」
「小野寺にそんな感情はありません、幻想です。」
「いやいや。聖人じゃあないからね、私だって怒るときは怒るんだから!」
「想像できないな。あ、そうだ、ここでさらにひとつ質問です。たまたまそれも偶然にすごく美味しそうな料理が出来ました。自分の生涯においてこれ以上のものが出来ないとします。この料理を誰に最初に食べてもらいますか?」
「うーん、…自分かなあ?」
「ふむ。その理由について聞いていいかな。」
「えっと、あくまですごく美味しそうであってまず自分で食べて確認してからじゃないと人に出せないかなって思って。」
「さすが小野寺だ。きっと素敵な奥さんになれるね。」
「もうっ、ダメだよ二見君。万理花さんがいるのにそういう台詞を他の女性に言うのは。嬉しかったけどね。」
「そうかなあ。まあ今のは本心だからね。そんな心が清らかな小野寺さんがなぜこう作る料理が壊滅的なのか。」
「二見君!もっと言い方気をつけてもらえないかな!」
「一年のとき調理実習の時にひどい目にあったからね。」
「うわー絶対根に持ってそうだね。悪気はなかったんだよ?」
「そう、そこが尚更悪いんだよね。軽く気絶してたからねあのとき。」
「ハハハ…。」
「まあ過去のことを蒸し返すほど小さな男じゃないからね私。」
「いや、もう蒸し返してるよね二見君。」
「なにそれ聞こえなーい。まあそんなこんなで今日は肉じゃがを作っていきましょうか。」
「はい先生!」
なぜこんな奇天烈な状況になっているのか、小野寺春ちゃんからお姉ちゃんが料理の練習をしているんだけど不安なので手伝ってもらえないかと言われたからだ。かわいい後輩の頼みだ、もちろん即答で引き受けるに決まっているだろう。そして小野寺宅に向かってみたのだが小野寺姉しかいないし、春ちゃんあれ?ってなっている状況だ。まあそういうことだと理解してもらえたらと思うのであった。
レシピ通りに出来ているのか小野寺の調理に神経を集中、目を配りながらなんとか及第点、いや普通に美味しく肉じゃがが完成したのでほっと一息つくのであった。小野寺の手元を確認した限りではかっぱ巻きの呪いだとかお妙さんのような何か焦げたダークマターなものになったりしなかったので良かった。
「うん、美味しい!やるじゃん小野寺!」
「うん!これなら問題ないね!」
「小野寺は手先が器用だし丁寧にやってくれているからなぜ料理が失敗するのか謎なんだが。」
「そう言われても困るよ~。」
「なんか呪いか祟りか…。」
「もう二見君やめてよ~!」
そう言って涙目になりながら肩をポコポコ叩いてくるこの子なんだかすごく可愛いのだが。まあ万理花には敵わないけどねってのろけてみたり。
「まあ一回お払い受けてみるのはどうだろうか、ものは試しに。」
「二見君…マジなトーンで話すのやめて~!」
終始からかいながらもなごやかな時間を過ごすのであった。
「なんで急に料理の腕をあげたいって思ったんだ?」
「いや!特に何か理由があるとかじゃないんだよ!しいて言うなら将来1人暮らしする時のために。」
「へ~てっきり小野寺は卒業してそのまま和菓子屋に就職やと思ってたわ。」
「まあ…まだ進学するか就職するか決めてないんだけどね。二見くんは卒業したらどうするの?」
「俺?とりあえず進学かなあ。国立理系志望。」
「なるほど。二見君成績良いから問題なさそうだね。」
「センター利用の推薦入試もあるからなんとかそこで決めて楽したいのよね。」
「へ~そんなのあるんだ!」
「一応学校では優等生で通っているからね。」
「ふふふ。そうだね一応。」
「なぜそこで笑うのかこのお嬢さんは。」
「ぷぷっ、なんでもないよお。」
「ちなみに楽は進学希望らしいよ?」
「やっぱり大学に進学して公務員になりたい感じなのかな?」
「らしいよ、やくざの跡継ぎが果たしてどうなるか見物ではあるけど。」
「もう他人事だからって好き勝手言ったらだめだとおもうよ?」
「まあまあ、これでも楽には一目置いてるんだぜ?」
「へ~~。」
「棒読みだなあ。小咲はこんなこと言う子じゃないと思ってたのに。」
「もう何も言わないからね。」
「小野寺さんつめたーい。」
「よし、そろそろ後片付けしますか。」
「スルーなのね。」
食器類などを一緒に洗いながらも雑談をまた行うのだった。
「二見君は自炊は結構してるの?」
「まあね、丼物が多いかな。」
「牛丼とか?」
「そうそうそんな感じ。洗いものも少ないし早くて簡単でがっつり食べれるからね。肉とたまねぎ刻んで塩コショウして最後に焼肉のたれをどば~っとやって完成みたいな。」
「なんか随分大雑把な感じなんだね。」
「それが意外と美味いんだよ。男料理はいいものさ。」
「なるほどね。私ももっと頑張ってみるね。」
「まあ進学かはともかくもっと成績上げとかないとな。」
「がんばるぞ~!さあ二見君も!」
「お、お~~!」
「声が小さい!」
「お~~!」
「ふふっ。よく出来ました。」
「なんだこりゃ。」
「お粗末っ!」
「急にどうした小野寺?」
「ふふ。なんでもないよ~。」
「変なやつ。」
「二見君には敵わないよ~。」
「そういう悪い子にお仕置きだ~!」
「きゃ~~!」
意外と小野寺もノリがよく退屈な時間とならず賑やかで楽しげな時間を過ごす事ができた。大丈夫だよ楽さん。小野寺、楽のこと好きだってよ。なんちゃって。
意外に長くなっていた。スラスラと打てている…だと!?
感想、批評お待ちしております。