クマショック!!
ここ数日悪天候でしたが今日からなんとかパーッとパーッと晴れやかに。
雨は嫌いだ。特に休日の雨は。雨の静けさはちょっと好きだけど。
すみません、では続きです。
感想、批評お待ちしております。
「あ~、僕は君に出会うために今まで働いてきたんだね。」
恋人に対して優しく傷つけない様、抱擁するように本日ようやく購入したバイクのボディに触れる。最終的にCBRかNINJAで迷ったけど君に決めた!ブラックのCBR250Rちゃん。
別に何かカスタムとかはしていない。だってわからないもの。プロに任せておけば問題ないのだ。後輪のごちゃごちゃしたところを凄いパワーの部品に変えて爆発的なパワーが出るようになったり、ヨーロッパから取り寄せたエンジン、タイヤ、ハンドルのライトも凄い改造を施し凄い速さを実現したとかそんなことはないのだ。
ありのままの君がいいんだよと優しく触れる。かつて峠越えのバズーカと呼ばれていたことなど一度もない。でも俺はねマッハ涼さんに憧れてるんだ。
フルフェイスをかぶり、両足をまたいでバイクに腰掛ける。うん、いいねこの安定感。左のクラッチを握りギアを入れスロットルを少し空け回転数をあげ、クラッチをゆっくり離し半クラに。あ~この感覚久しぶりだなぁ。
そしてギアを上げて公道を走っていく。風を切るこの感じがとても気持ち良い。普段行かない所にもいけるな。やっぱり足があると行動範囲が広がっていくよね。そのまま自由に楽しく走り回り、ここどこだよとなるのであった。
「あ~楽しかったあ!」
乗り終わった後はマンションの敷地にある屋根つきのバイク置き場にバイクを駐車し、シートでバイクを包む。チェーンを巻きつけ防犯にも気を配り、ロックはしっかりとするのだ。これ大事。うん大事だなことなので二回言うよ。
大切に乗れば長持ちするからね。今日からお前は俺の大切な相棒だよ。
後日。もちろんバイクでは学校には通うことは出来ないので、徒歩のまま通学だ。
いつも通りの日常だな。今は朝のHRだ。
「は~い、HR終わり!じゃあお前ら今日も1日頑張れよ~!」
「「「「はーい!!」」」」
休憩時間、いつものメンバーが集まって談笑中。初めの台詞は楽からだった。
「しかし早いもんだな。二年になってどれくらいたつ?」
「もうすっかり慣れちゃったわね。」
「でも良かったね皆一緒のクラスで。キョーコ先生も一緒だったし。」
「そうね、あんたは特に。この子クラス分け発表の時に嬉しさのあまり泣いてたしね。」
「るりちゃん!!」
「さすが小野寺さんやでー。」
「貴一さんも喜んでおりましたよね。」
「まあな。万里花もだろ?」
「ええ、もちろんっ!」
「良かったわよね席も前と変わらなくて。」
「?なんで良かったなんだ?」
「坊やにはわからないさ。」
「貴一何者だよおい。」
「あ!そっか。るりちゃん俺と席近いもんねー、やっぱり俺と離れるのは寂しい…」
「少し黙っててくれる?」
「貴様だけ別のクラスになれば言う事なしだったのだがな。」
「ハッハッハ、誠士郎ちゃんは相変わらず天邪鬼だなあ。」
「誠士郎よ、集はゴキブリ並みにしぶといからね。」
「ふふっ、そうかもしれんな。」
「ひどいなお二方。」
「俺はこのクラス可愛い子が増えた気がして大満足だけどなー。だよな貴一。」
「そこで俺にふるのか。まああえて答えない事にするよ。」
「つれないなー。」
「おーい!今日の日直誰だ?プリント残ってるけど。」
「誰だっけ?今日。」
「…あ。」
「楽とるりちゃんか。はよ働きな社畜のごとく馬車馬のように。」
「はいはい。」
「るっせえよ。」
そしてプリント運びで教室を出て行く二人。
「なあ貴一、ちょっといいか?」
「ん?集か。どしたよ。」
「ちょっと付き合えよ。コーヒーおごるから。」
「分かってんじゃん。なら行こうか。」
途中でプリント運びを終えた楽と合流し男3人で屋上で耽っている。缶コーヒーを口にいれながら屋上の手すりに背中をもたれかかる。
「なあ貴一、集に好きなやつがいるって知ってたか?」
「ああ、知ってたよ。」
「知ってたのかよ。」
「いやー別に黙ってたわけじゃないよ。たまたま聞かれなかっただけで。」
「同じ事だろ。ズリーぞお前だけ俺の好きな奴知ってるなんて。」
「お前ら青春してんなあ。」
「貴一は好きな人いないわけ?」
「いないよー、みんな好きだけどね。ライク的な意味で。」
「ふーん、それで誰なんだよ好きな子って。」
「ではクイズです!私の好きな人は誰でしょう?貴一は黙秘ね。」
「クイズ形式かよ。んなこと言われてもなあ…。」
「あれか?お前バレンタインにチョコふたつもらったとか言ってたろ?そのどっちかとか。」
「ピンポンパンポン大正解!!」
「はいダウト。」
「んまあ待ってくださいよ。二人ともタイプが違っててどちらも捨てがたいんだよね~。」
「じゃあお前がたまに話してるD組の田中は?」
「ピンポンパンポン大正解!田中ッちもいいよね包容力があってさ~。」
「はいまたダウト。てか田中って誰だよ。」
「田中ちゃん知らないの?」
「知らん。」
「貴一が知らないとは。てかまともに答える気ないよな。」
「いやいやいたってまじめだぜ?俺はただ女性に対する愛と尊敬が強すぎるだけなのさ。これは健全なる男子高校生としては誇るべき…。」
「いや、高校生男子なんて…ムラムラしますとかそんな感じだろ。」
「いやいやそれもどうかと。」
「普通もっとどろどろしたアメーバみたいなこと考えるっしょ。」
「そんなやついないだろ。」
「人は恋をするときみなネバネバさ。」
「それお前だけだろ。」
「ひどいなー。そんな事言うと、そのペンダント、カチ割っちゃうぞ。」
「元気な声で物騒なこというなよ、こえーよ!」
「それで集よ、何か言えない事情でもあるのかね?」
「いやー別にそんなんじゃねえよ。ただ楽には楽の恋愛のやり方があるように俺には俺のやり方があるってだけで。」
「何かっこつけてんだこのめがねは。」
「まあ貴一も抑えて抑えて。」
「楽は今のままでいいと思うぜ?見てるこっちも面白いし。」
「それに関しては同感だわ。」
「だよなー。」
「おいおい。見世物じゃねえんだぞ。」
「ちょっと馬鹿にしてるだろ。」
「ププッ、ダメだ、まだ笑うな…。」
「おい。笑ってるじゃないか!」
「それに俺の場合、相手は手の届かない高嶺の花だから。おーっと。ヒントを出しすぎたようだな。」
「まあわからないだろうな。俺は先に戻るぜ。後でな楽、集よ。」
「ま、俺のことはいいからお前はお前で頑張れよ~。」
「それには同感だわ。」
「あっ、ちょ。てめー、まだ話は…。」
屋上の扉を開くと階段を登っている鶫の姿が。
「ん?誠士郎か。一人で屋上に来るとは珍しいな。」
「ただのきまぐれさ。少し涼もうと思ってな。」
「ふふ、そうか。ごゆっくり。」
「はろ~誠士郎ちゃん、どうか私めにアメリカ式ハグを。ぼ!?」
そして誠士郎のボディブローが集のお腹にシュート!超エキサイティング!
「とうとう死んだか。アーメン。」
「なんかすっきりしたぞ。」
「そりゃ良かったな、その骸に感謝してやりな。」
「そうだな、ありがとう。そしてさようなら。」
「勝手に殺すな。」
「「ちっ。」」
「お二人さんひどいよ!」
なんてふざけないながらもいつもの光景がそこにうつっていた、そして急に転機が訪れるのであった。そう、それは唐突にさりげなく自然と訪れた。
「私、結婚するから、今月で学校辞めるわ。」
「えーー!?キョーコちゃんそれ本当?」
「キョーコちゃん恋人いたんだ~!!」
「今月ってあとちょっとじゃん!」
「ねえねえいつ結婚式すんの!?旦那さんどんな人!?」
「すごーい!キョーコ先生結婚するんだ~!」
「本当に重大発表だったな。」
「すごいね~でも寂しくなっちゃうなあ…。」
「キョーコ先生もヤル事ヤッテたんだな。」
「貴一さんそう言ってはダメですわよ。」
「大人の恋愛はそれが普通さ。万里花はまだまだガキだな。」
「キーーー!おなたも同じ年でしょうに。」
「精神面で俺のがだいぶ大人だね。」
「いや振り返ってみましょう、実際馬鹿みたいなことたくさんしてますよね。」
「いつまでも少年の心は忘れないのさ!」
「余計アンバランスですわね。」
あー集の奴、空元気だなあ。人一倍喜んでいるように見えるがどこか背中が寂しい。哀愁を感じるよ。教師に恋をするなんてまあ、叶うわけないし叶っちゃいけないからね。
あくまで教師と生徒の立場なのだから。
でも好きになってしまっては仕方ないよね、気持ちでは割り切っているだろうけど、好
きな人が他の人と結婚するって聞いて何も思わない人なんてそういないだろうから。
お?楽と集のやつ教室を出ていったな。俺も誘えよなーとはいちいち言わない。とりあえず先生におめでとうとだけ言っておこうじゃないか。
「キョーコ先生っ!」
「おっ、二見か。どうした?」
「ご結婚おめでとうございます!でもまあちょっと寂しくなりますね。」
「ありがとな。二見がそう言うとは予想外だな。」
「いえいえ。お幸せに。結婚式呼んでくださいよ、余興やりますよ?結婚出来てよかったですよね三十路前で。」
「ちょっと見てみたいとは思うけど。あと大人をからかうんじゃないの。」
「あと最後にひとついいですか?」
「ん?なんだ?」
「結婚相手に求める条件みたいなのってあります?」
「一緒にいて気が休まることかな。」
「なるほど、自然体でいられることですね。勉強になりました!ありがとうございます!」
「どういたしまして、二見もちゃんと青春しろよ。」
「ええ。…今までクソお世話になりました!」
「ハッハッハ、ありがとな。」
本当に良い女だよなキョーコ先生って。プライベートではどんな感じなんだろうな。結婚相手がうらやましいぜちくしょうめ。意外とプライベートではぐうたらしていたりとか?普段見せない表情を旦那に見せているのだろう、そういう一面が見てみたいと思うのはきっと贅沢だろう。お幸せにねキョーコ先生。今まで楽しかったよ。
昼休み、缶コーヒーを飲んでいると向こうから楽がやってきてこう切り出してきた。
「なあ貴一、例えばなんだけどさ。」
「ん?急にどうしたよ?」
「もし手の届かない好きな相手がいて、その相手が急に結婚することになった時貴一ならどうするよ?」
「あー、集のことね。」
「い、いや例えばだからね。」
「はいはいわかったよ。そうだな…やっぱり何もしないというか出来ないね。今更何か伝えたところで結局迷惑にしかならないだろうし。納得しないといけない、いや違うな納得するしかない、そうするしかないと思う。そうならないために好きな子がいるのなら早めにがっちり囲んでおかないと後悔するよ、楽の坊ちゃん。」
「やっぱりそうなのかな。てか最後のは余計だ!」
「じゃあ急に小野寺が知らない男と結婚するってなったらどう思うよ?」
「ぐはっ!想像するだけですごいダメージが!」
「それが認められないからって結婚式とかぶち壊してみろ、いろんな人に迷惑かかるだろ?そういうのはやるなよ楽?」
「し、しねえよ!確かに小野寺がそうなったら立ち直れないけど迷惑はかけたりしないよ、多分だけど。」
「そうだぞ来賓とかいろいろ招待するわけだからな。祝儀ももらってるだろうし。ぶち壊されたらいい笑いものになるからよ。するなよ?それが大人というものだ。」
「わ、わかってる!そんなことしないから!」
「フッ、ならいい。」
それからあっという間にキョーコ先生の最後の登校日になるのであった。授業もあっというまに過ぎて、別れの悲しみを感じさせるように外の天気は曇り空、雨が降りそうだな、まるで空が別れを惜しみ涙を流そうとしているような。あ、今日傘持って来てないんだよなあ、まいったなあ。借りパクはダメだからね。
「なあ集。」
「どうしたよ貴一の旦那。」
「いや、大丈夫かなってな。」
「絶賛失恋中だからな。まあ大丈夫だよ。」
「ならいいよ。もしなんか迷ってるなら」
「?」
「蹴り飛ばしてやるからな!まあ…楽がいるか。じゃあ俺は教室に戻るわ。サボりも程々にな!」
「ああ。ありがとな。」
あとは主人公君に任せようじゃないか。彼の見せ場を作ってあげる私。クールに去るぜ。
こういうときの楽はなんかかっこいいんだよな。理屈じゃないんだよな、こういうのって。人は時に理性を無視して割に合わないことをしてしまうものだ。
俺にはできないことだから。結果が変わらないのに後悔することには変わらないのに思いを伝えるなんて俺には到底出来はしない。やらないで後悔するよりやって後悔したい、そういう言葉を聞くが結局後悔すると分かっていて行動を起こすなんてできない。
そうするのはきっと行動すれば結果が変わるのではないかと一抹の希望を信じているからできるのだろう。勝算なくしてチップは払えない。臆病で卑屈で怖がりが自分なのだ。
でもまあその不安定な感じが青春っぽいんだよなあ。悩んで傷ついて大人になっていくのだね。集、楽、二人ともがんばれ!
集の奴先生の所まで言ってちゃんと思いを伝えたのだろう。なぜそう思ったのかいつの間にか雲に隙間ができて日の光がこちらの肌に射してきたからだ。集らしくない行動ではあったけれど、きっと必要なことだったと思う。なんていうか自分のことではないのだけれど、なぜか晴れやかな気分になったのだった。雲が消え晴れた大空が視界に溢れるのであった。
授業も終わり放課後また涼んで空を見たいたいなと思い屋上に向かう。馬鹿は高いところが好きなのだ、ってやかましいわ。
しばらくすると後ろから女性の声が聞こえてきた。どうやら私に用件があるようだ。
「晴れましたわね貴一さん。」
「万里花か。良かったよ傘今日なかったからさ。」
「フフフ、もし雨がやまなかったら傘に入れてあげましたわよ?」
「マジか。くっそー、機会を逃しちゃったか。」
「ですわね、また今度です。」
「ああ、また頼むわ。」
「今日は一緒に帰りません?」
「いいね。なんかこういうの久しぶりな気がするわ。」
「ですね。はい!」
そう言って手を差し出してくる万里花。なんだと、手を繋げってか?ここは学校だぞ、出来るかバカモンっ!
「ここではだめだ。」
「え?なんですって?」
「だーかーらー!ここでは無理だって。」
「もしかして恥ずかしがってるんですか?」
「人目を気にするんだよ、俺は繊細なんで。」
「全く正反対だと思いますわ。」
「そんなこと言う奴はしーらない。」
そうさっさと万里花から距離をとり前に歩き出す。
「ちょっと!待ってくださいよ!」
「やーだよ!待ってほしかったら捕まえてみなさい。」
「キーーー!貴一めっ!」
そう言って後ろから追いかけてくる万里花。でも途中から気配を感じなくなった。距離を離しすぎたかな?あれおかしいぞと思って振り返ると、ひざをつき胸を抱えて苦しそうな表情をしている万里花の姿が。
まさか体調でも悪いのか例の病気なのかわからない。只事ではないぞと、とてもすごく心配になり冷静ではいられなく全力疾走で彼女の元に駆け寄る。
「おい!!万里花!大丈夫か!?」
「だ、だい…。」
「くそっ!どうしよう。どうつらいんだ?病院行くか?立てそうか?」
「……う…うっそですわ!」
「…おいこら、ふざけんなよ…。」
思わず強く低い怖い声で言ってしまった。こっちは本気で心配したんだぞ。俺にとってお前は大事な…いや、なんでもない。こういう冗談は許せないぞ万里花よ。こんなに…心配させやがって。冗談で無事だと分かって安心の感情も内心に秘めている。
「え!?え!?ご、ごめんなさい…。」
「そういう冗談はマジでやめろ。」
「本当に申し訳ありません。あれ…貴一さん泣いてます?」
「は?な、泣いてなんかねーし。」
そう言って顔を背け私の元から早歩きで立ち去っていく。
「もしかして冗談だと知ってほっとしたのですか?」
「は?うぬぼれんなよ。もういい俺先帰るから。気をつけて帰れよ。」
「許してください、貴一さんっ!。」
「別にそんなに怒ってねえよ。ただ心配になっただけだ。病弱と聞いていたしな。もう、そう言う冗談はやめろよな、心臓に悪い。お前の辛そうな顔なんか見たくないから。」
「ごめんなさい貴一さん!グスッ、ヴぇぇえええん!!」
そう言い顔をゆがめながら貴一さんの背中に顔をつけて、ぐちゃぐちゃに顔をゆがませながら大泣きをして泣きつくのであった。
このような悪ふざけで本気で心配をかけてしまった。なにより自分の身を案じていてくれていたのだ。とても申し訳ないと思う以上に気に掛けてくれていることに言葉にいえない、喜びを同時に感じてしまう。
「なに泣いてんだよ、お前が招いた事だろうよ。」
「で、ですがっ!グスッ。」
少し、気をつけないといけませんわね、と改めて思うのだった。
「次、それやったら絶交だから、もう知らねだから。」
「はい、肝に銘じておきますわ。」
「なら、いいんだ。心配かけんな。」
そう言って優しく頭を撫でながら優しい表情を見せる貴一さん。
私だって悲しそうな表情の貴方は見たくない。
親しき仲にも礼儀あり。今日はこの言葉を教訓にして次に活かそうと誓うのであった。
放課後の学校で何やってるんだろう私たち。
こんなところ誰かに見られていたら終わりですわ。
と、しみじみと思った万里花なのであった。
とりあえずここまで!
難しいなあ。40話きて描写の難しさを改めて再認識。
結局のところ難しく考えずに自分らしくいこうと
自己完結という。
また続き読んでもらえたらと思います。
感想、批評お待ちしております。