一色いろはは本物を追い求める【完結】   作:あんじ

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2/14 お菓子業界の策略

バレンタイン、それは女の子にとって想いを伝える日です。最近では男の子から男の子への感謝の気持ちを伝えるものだったり、女の子同士で渡す友チョコなんて物がありますね。私、一色いろは、いえ、比企谷いろは(仮)は1番最初の想いを伝えるチョコを絶賛生成中です。

 

「いや~高校の時も作ったけどあれ以来かな、作るの。せんぱい喜んでくれるかな?」

 

せんぱいはあの時も普通に食べてくれたので心配はしてません。それに今はあの時と違って"恋人"です。そう、ここが重要。恋人であるかないかによってチョコの意味がだいぶ変わります。どれくらい変わるかというとストレートの紅茶かミルクティーかぐらいです。同じ道で結果が違ってくるんですよ。

 

「後は型に流し込んで、冷やすだけっと」

 

さて、準備は整いました!明日はせんぱいの家に突撃です!

 

 

* * *

 

どうも、比企谷八幡でございます。さぁ、みなさん、今日は楽しい(憎い)楽しい(ウザイ)バレンタインです。俺は常日頃思ってるリア充爆発しろが倍増する日だと認識しています。えぇ、俺も思ってますよ。ん?俺もなんじゃないかって?ウチはウチでヨソはヨソ。気にしちゃ負けだよ。

バレンタインはまぁある意味では素晴らしい日だな。なにせお菓子業界の策略によりチョコを渡すという謎の習慣が出来てからは2月14日はチョコが安くなるんですからね。なんと経済に優しい。今年はバレンタインのチョコは1個が最大だろう。いろはからの分だけ。いいんだよ、別に!高2の最大数が人生の中で最高だって分かってるからいいんだよ!

 

「あ~早く来てくれないかな。無性にチョコが食べたい」

 

─ガチャ

素晴らしいね、噂をすればなんとやら。ほんとに来たよ。まぁ、これでチョコ持っなかったら泣くけどね。うん、わりと本気で。

 

「せんぱ~い、もうかれこれ一週間ぶりですね!せんぱいは寂しがってるだろうなと思ってチョコ作ってきました!どうです?食べたいですか?」

「あぁ、食べたい。早く食べたいからくれ。めちゃくちゃ食べたい」

「…せんぱい、何かキメちゃいました?ダメですよ、いくら目と心が腐ってるとはいえ、脳まで腐らせちゃ」

「バカにしてんだろ。俺は今、無性にチョコが食べたいの。だから早く、頼む」

 

まぁ、でも分かってるよ。こういう時、コイツは確実に焦らしてくるって。

 

「えぇ~そんなに楽しみにしてもらえたなら、特別に私が食べさせてあげましょうか?」

「えっ、いいや。うん、普通にちょうだい。食べれればオールOKだから」

「そんな事言うとせんぱいの分無しにしますよ?」

「…ごめんなさい。この私めが悪ぅございました。どうかこの比企谷八幡にお許しを。そして早くチョコを」

 

いろははごそごそと手持ちのカバンから箱を取り出してチョコをつまみ出す。

 

「はい、あ~ん」

「…あ、あ、あ、あ~ん」

「どうですか?美味しいですか?」

「…ん、文句ナシだ。美味いよ」

 

ヤバイ、これは凄いぞ。外は蕩けるように甘く、中はほろ苦い。これが絶妙にマッチしてて美味しい。

 

「そうですか!やはり私は天才ですね」

「はいはい、そうですね」

「そんな私のチョコレートを食べれたせんぱいは幸せ者ですね」

「あぁ、俺は幸せ者だな」

 

初めて、リア充爆発しろと思わないバレンタインだったな。なんでかって?テレビはつけず、外に出ず、家でゴロゴロ。外の情報をカットしてたためだ。まぁ、これから毎年バレンタインあっても問題ないかななんて思ったりしてたのは秘密だ。




バレンタイン過ぎちゃったよ!

はてさてバレンタインですね。みなさんは何個貰えましたか?ちなみに私は義理チョコ2つでした。八幡より多いから俺は勝ち組。
そんなこんなで今回はバレンタイン回です。いや~月日が流れるのが早いですね。新年からあっという間にバレンタインですよ。早い早い。

ここで朗報です。afterstory的なのをやって欲しいと要望がありましたので、まぁ、4月頃から始めようかと。3月いっぱいで本編を終わらせ、afterstoryでは彼らの結婚後を描こうかと。なのでオリキャラとして子供だす予定です。

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