Side 八幡
とある休日。あの海の日から余り経っていないのだが、朝、唐突にいっし……いろはから連絡があった。
『せんぱい!今日はなんと花火大会ですよ!駅の前で待ってますからね!時間は18時ですから!』
そう、これが朝の7時に来たのだ。まだ寝てるんですよ?昨日は夜遅くまで休みのレポートやってて寝不足ですよ、こちとら。しかも、朝からハイテンション…可愛いから許すけど!
「う〜んと、服は…そもそも、大量に持ってねぇから悩む必要ないか」
服は決まったし、身だしなみは行く前にするとして、飯は…いいや。夜食も結構遅い時間に食べたし。昼は抜いてそのまま花火大会の屋台でなんか食えばいいし。
「アラームは16時にセットしてと」
もう一度布団に入る。寝るぞ、絶対。じゃないと花火大会どころの話ではない!
* * *
現在時刻は17時30分。30分前です。いやぁ〜楽しみです、せんぱいとの花火大会!この手のイベントにせんぱいと参加するのは2回目でしょうか?1回目は高校の時の生徒会で他校との合同クリスマスですので、実質初めてですね。
「そわそわしてきた」
ダメダメ、今はせんぱいの事は隅に置いておきましょう。考え始めたらそわそわしてきちゃいます。あっ、ダメだ。考えてなくてもそわそわしてます。
「後20分もあるなぁ〜」
それにしても浴衣の人が多いですね〜。まぁ、今日は私も浴衣なんで人の事は言えませんけどね。えっ?何色かですか…そうですね、主色は─。
「そこの水色の浴衣の姉ちゃん、暇なら俺と遊ぼうぜ」
「せんぱい、その不自然な喋り方と声、キモチワルイですよ」
「こないだのチンピラさんの真似をしてみたんだけどな…なかなか上手くいかないな」
「えっ?真似してたんですか?」
やばい、一切似てなくてビックリしました。せんぱい、絶対にワルとか出来ないタイプの人ですね。悪い事はしそうですけど。
「そ、それと、い、い、いろはの浴衣似合ってるぞ…」
「せんぱい」
「は、はい」
「今日は全力でオシャレしてきました」
「?はい、それが何か」
「なのでせんぱいは全力で私を可愛がって下さい」
今の顔は見られてはいけません。こんなに真っ赤になった顔は見せてはいけないものです。だってせんぱいが似合ってるなんて、不意打ちで言ってくるから…
「…頑張ってみる」
「はい!それでは行きますよ!」
さて、腕を絡めますよ!なにせ今日は下着、付けてませんし。その代わりサラシを巻いてますよ。残念、下着無しの裸に浴衣は着てません。
「お、おい。当たってる、当たってる」
「せんぱい…わざと当ててるんですよ?」
「当てるんじゃねぇよ」
このげっそりした顔は嘘ですね。げっそりした振りです。それぐらいは私の手に掛かれば見抜けます。本当はこんな美女に腕を絡められ、胸を意図的に当てられるなんて最高!ってなってるはずです。
「せんぱい、まずは何にします?」
「ん、俺は昼食ってないし沢山食べたい」
「はぁ…そんなに私に会うのが楽しみだったんですか?」
「違う、寝てた」
即否定…私のガラスハートはバラバラですよ。でもまた集めて溶かせば復活するので大丈夫です。でも、なんか2人だけなのに沢山買ってたら大食いに見られちゃいそうで、なんか不愉快です。
さて、どうだったでしょうか。前編、後編を使うのは初めてだったけど問題ないかな、うん。今回もシリアスは皆無ですし、これからも皆無です。その代わり甘々過ぎる話は余り多く無いです。
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