天を渡るは海の音   作:ちゃちゃ2580

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解説、メタ話、台本書きです。
本編無関係。

登場人物

サクラ  →びっち。

ロロ   →ヤンデル。

リンディー→胃痛が……。

バクフーン→まさかの新キャラ。


頭文字にて割愛。



ミニコーナー【サクラファミリー】

サ「ミニコーナーの時間だよー」

 

ロ「いえーい!」

 

リ「どんどんぱふぱふー」

 

バ「……い、いえーい」

 

 

サ「佳境も佳境! だけど今回から……っていうか、今回だけかもしれないけど、お父さんのバクフーンが参加だよ!」

 

バ「短い間だが、宜しく頼む」

 

ロ「本編じゃとっても怖かったけど、宜しくお願いしますっ!」

 

リ「是非、本編の終わった後でもご指導ご鞭撻の程、お願いします」

 

バ「ああ……とはいえ、以前名前を伏せて参加した事があるけどな」

 

リ「ボクとふたりでやった時ですね!」

 

バ「ああ。あの時の約束を何とか果たせて、感無量だ」

 

サ「うん? けど、バクフーンは私のパーティに入るって感じなのかな?」

 

ロ「サクラちゃん? 自分の事だよ?」

 

サ「え? い、いや、だって……一応お父さんのポケモンだし……」

 

バ「それを言ったらルギアだってそうだろう? 無論、俺は既に殿堂入りを果たしているから、あまりアテにされても困るが……」

 

リ「まあ、ボク等の顧問役兼、サクラさんの護衛的な感じでしょうか?」

 

バ「……だな。必要とあらば戦おう。しかし、出来る限りサクラと皆の力で頑張って欲しい」

 

ロ「でも……それじゃポケモンリーグってどうなるんだろう?」

 

バ「む……必要ならばボックス待機でも構わないぞ?」

 

リ「いえ、そこはもう、ご都合主義宜しく、出場しちゃいましょうよ!」

 

バ「おい。リンディー。お前はしっかり者ではなかったのか」

 

リ「バレナキャイインデスヨ。バレナキャ」

 

バ「ID登録されているからバレるぞ」

 

ロ「あ、そういえば私のIDってどうなってるんだろう?」

 

 

 あーでもない。

 

 こーでもない。

 

 

サ(……気が早いって突っ込むべきなのかなぁ)

 

 

・自己紹介コーナー

 

サ「ここに来て新コーナー来ちゃったよ……」

 

リ「てか、ナチュラルにレオとルー様と変態が居ない事をスルーしてますが?」

 

ロ「……そうだね。レオ君とルー様、居ないね」

 

バ「うん? 変態とやらを忘れているぞ?」

 

ロ「変態は【禁止ワードです】(ピー!)ね」

 

バ「ちょっ! おい、サクラ! この子今【禁止ワードです】(ピー!)ねって言ったぞ!?」

 

サ「あ……うん……あれはルギアが悪いから……」

 

バ「……一体何が」

 

リ「端的に言うと、ストーカー及び強制猥褻ですね」

 

バ「それ、この作品のパッケージキャラクターがやったのか……?」

 

リ「……ええ」

 

サ「……うん」

 

バ「成る程。分かった……サクラ、すぐに戻るから、少し席を外すぞ」

 

サ「……え? ちょ、ちょっと、バクフーン?」

 

 

 数分後。

 

 

バ「とりあえず寝込みを襲って焼き鳥にしてきた」

 

ロ「グッジョブ」

 

リ「ナイスです」

 

サ「ちょ、ええ!?」

 

バ「秩序と平和を乱す者は許さん。仲間が嫌がっているのだからな」

 

リ「流石」

 

ロ「お、お兄ちゃんって呼んでいいですか!?」

 

バ「止せ。どちらかと言えばおっさんだ」

 

ロ「じゃあパパって呼ぶ!」

 

バ「…………」

リ「…………」

サ「…………」

 

バ(……おい、サクラ……この子……)

 

サ(うん……前はリンちゃんだったよね。もういよいよヤバイかも……)

 

リ(ええ。ルギアがやりすぎて、他の男性諸君が皆紳士に見えているんでしょうね……)

 

 

ロ「という事で! パパの自己紹介改め、パパに質問コーナー!」

 

バ「」

 

ロ「し・つ・も・ん・コ・ォ・ナ・ァ!!」

 

リ「……い、いえーい?」

 

サ「……どんどんぱふぱふー?」

 

ロ「いえーい! どんどんぱふぱふーっ!!」

 

バ「」

 

サ(ごめん……バクフーン。少しだけ耐えてあげて?)

 

バ(……已むを得まい。分かった)

 

 

ロ「第一問! パパのステータスを教えて下さいっ!」

 

バ「……相対レベルは九五以上を想定しているそうだ。タイプは無論、炎単体。得意技は火炎車だ」

 

リ「性格はどんな感じでしょう?」

 

バ「ポケモン的に言えば控えめではないか? 俺自身、周りからは一歩引いて見ている方が得意だ」

 

サ「ああ、ある意味のリーダーシップ……この作品の中で言えば、シルバーさんと同じ雰囲気なのかな?」

 

バ「……懐かしい名前だな。幼い頃の彼は見るに堪えなかったが、あれから年月を経て、そうなっているのかもしれない。最後に邂逅した時は、連れ合いの為に泣ける……人情深い男になっていた。俺もサクラを見て、思わず目頭が熱くなる思いだった故、通ずるところがあるかもしれん」

 

リ「目頭が熱くなる思いって言うか、号泣してましたよね?」

 

バ「してない」

 

ロ「泣いてたよ?」

 

バ「泣いてない」

 

リ「いえ、でも……」

 

バ「お前達は皆気絶していたろうが!!」

 

リ「だって本編に書いてますもん」

ロ「だって本編に書いてるもん」

 

バ「メ、メタい……」

 

サ「……ま、まあ、そういうコーナーだし」

 

 

ロ「続いて第二問! 私達への印象を教えて下さい!」

 

バ「印象……と言ってもなぁ。まだ会ってすぐじゃないか」

 

ロ「そこは……ほら、本編読んで下さい!」

 

バ「……メタが過ぎるぞ」

 

リ「まあまあ……率直な感想で良いじゃないですか」

 

バ「ふむ……じゃあ、簡単に纏めるか」

 

サ(何気にこういうのって初めてだねー……ってか、今朝早く起きちゃって、そろそろねむ……)

 

 

バ「先ずレオン。まだまだ荒削りだが、いざという時にサクラを引っ張れる相棒枠だ」

 

リ「確かに……まあ、普段は頼りないですけどね」

 

ロ「でもレオくんは格好良いよー?」

 

リ「ええ。最近になって格好良さが際立ってますね」

 

 

バ「次にルーシー。レオンが気付けない気遣いをする子だな。締めるところは締める……良く出来た女房役だ」

 

リ「……あー、これをレオに聞かせてやりたい」

 

ロ「うん……この界隈じゃルー様可哀想だもんね」

 

リ「ボク等の中じゃ、満場一致でレオが悪いしね」

 

 

バ「ルギアは……ふむ。本編中じゃ、色々と散々だな。それこそ、ここで報われて欲しいところではあるが……まあ、それは俺の言う事ではないだろう。ただ、サクラを想う心だけは、評価する」

 

リ「それを失くしたらただの害悪ですからね」

 

ロ「……ぶー」

 

バ「…………」

 

 

バ「そしてロロ……キミは何と言うか、色んなものに染まり易い純粋さがある。今更かもしれないが、初心を忘れないで欲しい」

 

ロ「……初心?」

 

バ「ああ。出始めた頃のキミは、色んなものが輝いて見えたんじゃないか? 今のキミは、その目に映るものに、ラベルを求めたりはしていないか?」

 

ロ「……うーん?」

 

リ「……まあ、あまり奴のフォローをしたいとは思わないけど、ロロ……っていうか、ほぼほぼルー様がやったんだけど……ルギアって、どれだけぞんざいに扱われたとしても、全部を受け止める器のでかさはあるよね」

 

ロ「…………」

 

リ「ほら、『腕立て伏せ』とか、『タイキック』とか……結構酷い目にあってるけど、あいつ文句言った事ないよ? ドエムなのはさておき、だけど……」

 

ロ「……うん」

 

バ「まあ、もう少し先入観を捨てて、物事を見てみると良いかもな」

 

リ「ですね」

 

 

バ「さて……リンディー。お前は言わずもがなだろうな」

 

リ「うん? 何がですか?」

 

バ「いつもご苦労様ってやつだ……お前のような影の立役者が居るのと居ないのとでは、色々変わってくるだろう」

 

ロ「……うん。リンくんはいつも優しいよね」

 

リ「いえ、ボクはボクのやりたいようにやっているだけですよ? 面倒なポジションはレオに任せて、一番損をしないポジションで佇んでいるだけです」

 

バ「そんな奴が、ロロとルーシーを庇って、俺の前に飛び出すか?」

 

リ「……むぅ」

 

ロ「リンくん良い男!」

 

リ「……照れるので、止しません?」

 

バ「偶には褒められろ。縁の下の力持ち」

 

リ「……ぐぬぅ」

 

 

バ「そして」

 

リ「そして?」

 

ロ「そして?」

 

バ「……サクラ」

 

サ「……はっ!? は、はい!! 寝てません!!」

 

バ「……え」

ロ「……え」

リ「……え」

 

サ「……あ、いや、えっと……その……」

 

バ「寝てたのか」

ロ「寝てたんだ」

リ「寝てましたね」

 

サ「……アハハ」

 

バ「……褒めようと思ったが、やはり無しだな」

 

サ「え、ええ!?」

 

リ「そうですね。もう帳消しでしょう」

 

サ「ちょ、ちょっとぉ!?」

 

ロ「サクラちゃん……」

 

サ「やめて! ロロ、そんな目で見ないでーっ!」

 

バ「……興も削がれたし、次のコーナーに行こうか?」

 

リ「そうですね」

 

ロ「うん。そうしよう」

 

サ「ちょ、待って、待ってぇぇ!!」

 

 

・解説コーナー

 

サ「本当に次のコーナーいっちゃった……」

 

リ「やる気ないなら帰って下さい」

 

ロ「ほんとだよー! もーっ!」

 

サ「……ごめんなさい。言い訳にしかならないけど……その……」

 

バ「何だ? 昨晩はオタノシミだったのか?」

 

サ「」

 

リ「」

 

ロ「?」

 

 

サ「私一四歳なんですけどぉぉ!?」

 

 

バ「おっと失礼……」

 

リ「……まあ、ボクも他人の事言えた立場じゃないですが、おっさんですもんね」

 

バ「うむ。おっさんはナチュラルにセクハラをするぞ」

 

ロ「!!」

 

サ「ちょっとぉ!! 秩序がどうのとか言ってたじゃん!!」

 

ロ「そーだそーだ! えっちぃのは禁止ですよぉー!」

 

リ「おや……ロロが珍しく自己主張している」

 

ロ「パパでもセクハラは許さないもん!」

 

バ「……ふむ。まあ、度が過ぎないよう気を付けよう」

 

リ「気をつけて下さいね。おっさん」

 

バ「……そしてリンディー。お前は随分と良い性格をしているな?」

 

リ「冗談の延長上ですからね。とことん悪乗りしますよ?」

 

バ「そうかそうか。これは愉快」

 

バ「はっはっは」

リ「はっはっは」

 

ロ「……おじさんのノリに着いていけないよぅ。サクラちゃん」

 

サ「……あー、うん。私も着いていけないし、むしろ言い訳さえさせてもらえずに置いてけぼりになってる」

 

バ「愚か者め! 言い訳をするより解説をせんか!」

 

リ「全くだ!」

 

ロ「…………」

サ「…………」

 

ロ(サクラちゃぁーん……。リンくんまで変になってるよぉ……)

 

サ(まあ、うん……。今までリンちゃんひとりで監督役やってたみたいなものだから、バクフーンが同じ立場に来てくれて嬉しいんだよ。きっと……)

 

ロ(ああ! うん。そうだね! リンくんずっとひとりぼっちだったもんね)

 

 

リ「……何です? その寂しい奴を見守るような温かい目線は?」

 

 

・聖なる灰~少年の回答

 

サ「さて……茶番は置いといて、ちゃんとした解説をしようね」

 

リ「勿論です」

 

バ「当然だ」

 

ロ「頑張るよーっ!」

 

サ「先ず『聖なる灰』についてだけど、これは金銀HGSSをやった事がある人なら分かる筈。他のバージョンでも出てるし、やった事なくても知ってる人は多いかも」

 

バ「ホウオウを捕獲した時、持っているアイテムだな。他にも拾えたり貰えたりすることもあるが……基本的にとても貴重な一品だ」

 

リ「売値は一〇〇円ですけどね」

 

ロ「私それの効果知ってるよ! それちゃんと勉強してきたよ!」

 

サ「へえ。じゃあ、ロロ解説お願い」

 

ロ「はーい! えっと……手持ち全ポケモンのHPとPPを完全回復する!」

 

リ「八〇点ですね」

 

ロ「なぬ!?」

 

リ「補足するなら、瀕死状態のポケモンが居た時に使える。瀕死を含め、HPを回復する効果です。PP回復の効果は第二世代までですね」

 

バ「……む、そうなのか?」

 

リ「正直なところを言うと、勿体無くて使えないので、効果があやふやです。だけど但し書きはそうなってますね」

 

ロ「勉強したのにぃ……」

 

リ「貴重なアイテムだからね。横槍入れてごめんよ」

 

ロ「ううん。……でも、本当に貴重で使えないものなんだよね?」

 

バ「一回っきりしか使えないレアアイテムだからな。おまけに戦闘中に使えないときた……比較的使ってしまいそうな四天王戦とて、最近ではその後にイベントが多くあるし、けちってしまいがちだろう」

 

サ「……だよねぇ。私もあんな状況じゃなかったら流石に使えないよ」

 

バ「まあ、聖なる灰についてはこれぐらいで良いだろう。次に……サキ少年の解説回だな」

 

リ「若干話が右往左往して分かり辛いですが、要するにサキさんはククリの正体に勘付いていたようですね」

 

サ「んだね。その示唆はコガネでの会議からこちら、色んな所でしてきた筈だよ」

 

ロ「名前のロジックって、初めから考えてたの?」

 

サ「んー……半分くらいかな。初めは似たような名前をつけとけば、後からどうとでもなるだろうなーって考えてたんだよね」

 

リ「ぶっちゃけますねぇ……」

 

サ「プロットが無いって言っちゃってるからね。序盤から出てきてる人達は、大抵どうやって絡めても大丈夫なようにしてあるよ」

 

リ「じゃあ……ケンタさんとかは?」

 

サ「彼はただのモブです」

 

バ「割とはっきり言うな……」

 

サ「まあ、そんな訳で……解説回の解説しても仕方無いし、次いこー」

 

 

・過去語り――サクラが為

 

サ「これは本当の過去編だね。世界線的に」

 

ロ「最初のシーンって……渦巻き島?」

 

バ「だな。コトネがルギアを捕獲する経緯についてだ」

 

リ「サキさんが推測していたマスターボールの一件ですね」

 

サ「うーん……ちょっと無理があるけど、お母さんだしね」

 

バ「コトネだからな」

 

リ「まあ、出来る限り違和感無いように、マスターボール三つあるじゃん! ってなったタイミングで、コトネさんが残念な性格って構想が出来たらしいですが……」

 

サ「ぶっちゃけ伏線じゃなかった。ただの度忘れだった」

 

ロ「……あはは」

 

サ「それでもラジオ塔の景品で確保しました! とか、レッドさんから貰いました! とかより、マシな感じだとは思うけどね」

 

バ「後者は兎も角、前者は『おいおい……』だな」

 

ロ「……それで、配役についてはどんな感じなのかな?」

 

サ「ああ、そういうところこそちゃんと補足しとかなきゃね。基本的に男が異世界のお父さん。女が異世界の私。青年がお父さん。追々お母さんとかフジシロさんも出てくるけど、そこは主観とってるから分かると思う」

 

リ「この過去語りはサクラさん達が観ているのを想定して、成る丈第三者視点をとろうとしたらしいですが……」

 

サ「力量不足だったよ。フジシロさんのくだりとか、回想まで入っちゃった」

 

バ「分かり易さ重視で、已む無くそのままにしたらしい」

 

ロ「成る程……」

 

リ「渦巻き島のところはこれでいいかい?」

 

ロ「うん。中盤と後半もお願いします」

 

サ「中盤は理由、後半はその為の行動を開始したところだね」

 

ロ「理由を簡単に纏めて欲しいかも」

 

リ「要するに、ルギアを覚醒させない為に、ポケモンの声を聞ける才能を持つサクラさんを遠ざける必要があった。だけどそうはいかないから、ならばその才能の開花をさせない為に、ポケモンをサクラさんから遠ざけよう。となって、ヒビキさんとコトネさんを拉致することにした」

 

バ「しかしその場合、異世界の過去編で示唆されていた通り、サクラの才能が万が一開花してしまった際、彼女を襲うプラズマ団の存在が危惧される。だからこれは自分達が滅ぼそう……って感じか」

 

サ「だね」

 

ロ「成る程……あれ? でも」

 

リ「うん?」

 

ロ「それってルギアを奪うだけで良いんじゃ――」

 

サ「それ以上はいけない」

リ「それ以上はいけない」

バ「それ以上はいけない」

 

ロ「あ、はい」

 

リ「……で、後半だね」

 

ロ「う、うん……何でコトネさんだけ気絶させられて、ヒビキさんはお話したんだろう?」

 

バ「まあ、コトネは馬鹿だからな。人の話を聞かん。ヒビキはその点、事情を加味した上で結論を出す。……自分自身だからこそ、懐柔出来ると判っていたのだろう」

 

ロ「成る程」

 

 

・過去語り――家族が為

 

バ「上記の通り、ヒビキを懐柔しようとしているシーンだな」

 

リ「でも、何で懐柔しているんでしょう? 洗脳しちゃえば良いじゃないですか。効き辛いとは書いてありましたが、効かないとは書いてませんよ?」

 

ロ「うん。私も気になった」

 

サ「んーとね、パラドックスとか難しい話は抜きにして、簡単に言うと『ホウオウ』を持っているお父さんを『ホウオウ』が洗脳するとさ……ホウオウが解けるよね? って話」

 

リ「ああ、確かに……」

 

ロ「どゆこと?」

 

リ「異世界ホウオウが洗脳をかけたとして、同じ神通力をもつこの世界のホウオウがそれを解けないっていう理論は、些か暴論じゃないかな? ってこと」

 

ロ「あ、そっかぁ。じゃあかけても意味無いね」

 

リ「まあ、頭がきれるサキさんの思考を牽制するなら、それこそ異世界はこの世界よりずっと未来ですから、ホウオウの力量も変わるでしょう。その限りではない筈です。事実ククリは洗脳されていて、解けませんでしたし」

 

バ「ただまあ、使う側としては気を使うよな」

 

サ「そそ。そゆこと」

 

リ「……して、その行の最後で早くも異世界ヒビキさんが悪落ちしかけてますけど」

 

バ「割りとこの作品の世界観は過酷だからな。必要悪を割り切れる男になったんだろう。……事実、この世界のヒビキだって、サクラの為、コトネの為と割り切って、何人も殺している」

 

リ「ポケモンの作品として……どうなんでしょうね」

 

サ「だから言ってるじゃん」

 

リ「?」

 

サ「これはポケモンの皮を被ったヒューマンドラマだって」

 

リ「ああ、はい……」

 

バ「そして、次はフジシロとやらの話だな」

 

サ「うん……。回想で死んだのはレオンとルーちゃん、あとウィルちゃんの両親だね」

 

リ「卵から生まれたから知らないとはいえ、中々過酷な身の上ですね」

 

ロ「だね……技遺伝してるし、私てっきり強いトレーナーさんのポケモンの卵だと思ってた」

 

サ「はじめはそう想定してたんだけどね。そうするとフジシロさんが逃げたってことが、『仲間を見捨てて逃げた』になっちゃうでしょ?」

 

リ「成る程。研究者が逃げたとすれば、『命からがら』ってところに焦点がいきますね」

 

サ「そそ。そうしたかったから、フジシロさんは元研究者にした。となれば、その後エンジュのジムリーダーを任されるってのも、割りと可笑しい話じゃないでしょ?」

 

バ「……ふむ。確かにマツバは修行僧であるのに加え、伝説の三聖獣を追い求める探求者。元研究者の弟子がいたら、懇意になるだろうな」

 

サ「だね。フジシロさん的には、『守れなかった』とか、『魂を継いだゴーストポケモン』ってあたりが理由になるし」

 

リ「その構想は初めからあったのですか?」

 

サ「一回目のコガネの時には既に出来てたね。だから作中で書こうかなと思ってたんだけど、残念。機会が無かったよ」

 

リ「ですか。でも、凄くいい人でしたね」

 

サ「うん……」

 

 

・過去語り――娘が為~終わりと始まり

 

ロ「これって……割りと急展開だけど、前半と後半で結構な時間が過ぎてるんだよね?」

 

リ「三、四年くらいですね」

 

サ「わたしがレオンとルーちゃんをゲットしたのがそれぐらい前だから、そうなるね」

 

リ「数年前まで転んで大泣きしていた幼女が、今やこのふてぶてしさ」

 

サ「ちょっ!」

 

バ「ビッチらしいぞ」

 

サ「はぁ!?」

 

ロ「……えっと、その……」

 

サ「ロロまで何か言う事探さなくていいから!」

 

ロ「えっ。でも……」

 

サ「そんな残念そうな顔しないで! ていうかビッチって何!? そんでわたしってふてぶてしいの!?」

 

バ「サキ少年を襲った」

 

リ「つい先程、バクフーンのとても良い話の最中に寝てましたね」

 

サ「……泣こう」

 

ロ「あ! 三年でじごーじとくな人になった!」

 

 

サ「うわぁぁあああん!! もうおうちかえるぅぅぅ!!」

 

 

ロ「あ、サクラちゃん!?」

 

リ「行ってしまった」

 

バ「行ってしまった」

 

ロ「あーあ……どうしよう」

 

バ「まあ、良いんじゃないか? もうどうせ解説することなんて、ヒビキの心情くらいだろうし」

 

リ「ですね。この一〇年の間にヒビキさんが異世界サクラさんに心を許し、異世界ヒビキさんに敵愾心を燃やし、やがて異世界サクラさんをも救おうとしていたって感じです」

 

ロ「短っ!」

 

リ「いや、だって……それ自体はサキさんが本編中で解説してますし……」

 

バ「というか、一人称まで使っておいて、解説するのも野暮だろう」

 

リ「ですね。第三者視点はどこへ消えた」

 

ロ「……あはは」

 

 

・幕引き

 

ロ「でも良いのかなぁ……ミニコーナーとしてはこれで最終回なんだけど」

 

リ「はい? 最終回?」

 

ロ「う、うん。最終回だって聞いたよ?」

 

リ「いや、ないない。レオ達が出てきてないのに、最終回もくそもない」

 

バ「だな。主人公もどっか行ったのだし」

 

ロ「あれ? でも最終話の本編解説はしないつもりらしいよ?」

 

リ「それは……あれでしょう。前にもあったじゃないですか」

 

ロ「ああ! MVP!」

 

バ「だな。きっとその為に勿体ぶったのだろう」

 

リ「でも、MVPとは限りませんけどね?」

 

ロ「なぬ」

 

リ「全編振り返り回とか、純粋にレオとルー様の恋模様の決着とか……他に書く事沢山ありますし」

 

バ「作者の指が死ぬな」

 

ロ「作者変態だから死ね」

 

バ「ちょ! 今度こそ伏せられることなく死ねって言ったぞ!」

 

リ「まあ、作者相手だから……良いんじゃないでしょうか」

 

ロ「でも、私少し考えるよ。ルギアのこと」

 

リ「うん? 藪から棒にどうしたんだい?」

 

ロ「だってほら、リンくんとパパに言われたし……変態は嫌いだけど……その……家族だし……」

 

バ「うむ。そうだな」

 

リ「それはそれでラベルな気はしますけど、及第点でしょうか」

 

ロ「それに、ほら……」

 

リ「うん?」

 

 

ロ「ルギア、死亡フラグ立ってるし……」

 

 

リ「ちょ!」

 

バ「おいっ!」

 

ロ「流石に最期くらいは笑ってお別れしたいなって」

 

リ「ストップ! カメラ止めて!!」

 

バ「文字止めて!!」

 

 

 

 次回、最終話。

 

 

 自らを『あたし』と呼称するサクラ。

 

 懐古し、泣き笑う一匹のポケモン。

 

 悠然と佇むは最強のポケモン。

 

 

 何が来ようと恐れるな。

 何が来ようと臆するな。

 

 振り上げる右手。

 届けと願い、打ち出す拳。

 

 柔な身体を襲う圧力に屈する事無く。

 

 

 ただひたすら前へ――前へ!!

 

 

 

 ありがとう。

 

 ちっぽけな言葉を、貴女に伝えたい。


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