古人曰く三人寄れば文殊の知恵である。...だが、俺達は三人寄ったがほとんど変わらないのだ。
いや、でもその言葉も合ってるとは思うよ?
ただし、おめでたいバカ限定である。そいつらはきっと何も考えてないので私情を挟まない。言い方を変えればそもそも挟む私情がない。
はい、今日もやって参りました、お馴染みの難所の「病んでる小町がいる家の玄関」でございます。
.....要するに家のドアの前にいるということですね、はい。
そういえば「病んでる」と「ヨーデル」って似てるよな。
試しに「ヨーデルッ!!!」とか言いながら家に入ってみるか。最近流行ってるらしいし。小町も心配してくれるかも知れない。「自分よりヤバイ奴がいる」みたいな感じで。
俺だったらついに家の中にメリーさんがやってきたと考えて布団の中でぶるぶると震えながらおとなしく最期を待つだろう。
必殺、俺のトラウマが発動した瞬間である。
遠い昔の話だが、クラスメイトに住所を聞かれて「俺にも家に来てくれる友達がいる!」とワクワクしていたら電話がかかってきて、知らない電話番号だったが取ったら「私、メリーさん。今学校にいるの」から始まり、最後は「私、メリーさん。今あなたの家の前にいるの」ときた。
半泣きの俺は前述の通りに布団にくるまっておとなしく最期を待っていると、そいつはカギを開けて入ってきた。何でカギ持ってんだよ。
もちろんその正体は愛すべき妹の小町だったが、当時十歳の俺はそいつが小町に変装をしたメリーさんであると信じて疑わなかったのだ。
その結果、小町が逆ギレして俺をぶん殴った。会心の一撃、こうかはばつぐんだ。八幡は目の前がまっくらになった。
ちなみに、住所を聞いてきた奴(多分メリーさんを装った奴)には俺から「これは俺の分だぁ!」そして「これは小町の分だぁ!」と会心の一撃を浴びせておいた。
結論をいえば小町がメリーさんだったのだ。違ったとしたらいつか地球を一周して帰ってくるらしいのでいまだに怖い。
そして何故か俺にはメリーさんは「ヨーデルッ!!!ヨーデルッ!!!」といいながら家に入ってくるイメージがある。
なにそれ、元気百倍メリーさんかよ。元気百倍アンパンマンみたいだな。
無駄に元気があっても怖いものは怖いのだ。怖さ百倍メリーさんはきっと親戚か何かである。
そういえばメリーさんの羊はどうだろう、メリーゴーランドは?
怖え、そこら中にメリーさんいるじゃねえか。
脱線したが、きっと小町は俺の話を聞かずに家を追い出した後、お近くの精神科までの地図を渡して自分は忍者の如く家の中に入るだろう。
小町は大人だなぁ、問題があったらすぐにプロに任せるのは賢明だ。そんなこと考えてる時点で俺マジ妹思いの兄。
ドアを開けるが心無しかドアがいつもより重い。小説でよくそんな表現あるような気がする、そしてその後は大抵いいことがない。
種明かしをすると、心無しとかそういうのじゃなかった。小町がドアに寄りかかって座っていたのだ。俺はなんとかドアを開けるとその場にいる妹に話かける。
「何があったんだ?」
いかがでしたでしょうか?
評価、コメント等ありがとうございます。それが自分の元気の源です。読んで頂きありがとうございました。