短いですが読んで頂けたら嬉しいです。
小町って目が腐るとそのまんま俺みたいだなーと思いながら冷静にその状況を理解する。その時間、実に1秒。それでも遅いくらいだ。よし、理解した。
やばい、こんな調子で学校に行かれた日には小町の友人関係を壊しかねない。
だって目の腐った奴は友達が出来にくいんだもん。ソースは俺。
とりあえず、小町をなだめなければ!
「だ、大丈夫だぞ?小町。お前のお節介は迷惑なんかじゃないからな?」
何故か疑問形を多用した上にどもっていた。これで小町がウルウルしながら「お、お兄ちゃん...!」と言ってくれれば完了である。...上手くいくかな...?
「...お節介だもんね。迷惑だったね、ごめん」
わお。思わずそんな言葉が出て来てしまいそうだった。何てマイナス思考なんだ。だが、小町の方が正論である。迷惑じゃないお節介って何だよ。お節介って言葉自体が「お前迷惑だ」って意味を含んでるっていうのに。つまり俺の言ったことは「お前は迷惑だが、迷惑じゃない」ということである。何それ意味不明。そんな下らなすぎることを考えていると思わずニヤッとしてしまった。
「何で笑ってるの...?」
小町ちゃん怖い。そう、自己嫌悪をしている時は周りで誰か笑っていれば例えそれが知らない人でも自分を笑っている、と思ってしまうのである。そして、嘲笑はすると楽しいが、されて楽しいものではない。...すると楽しいんだよ!
「い、いや。思い出し笑いって奴だ」
「...もう学校行く」
「い、いや。待ってくれ。送るから」
「別にいいよ。お兄ちゃんに迷惑かけてるし、前に俺をいいように使うなって言ってたから、悪いし。今までごめんね」
バタンとドアの閉まる音がすると小町の声は聞こえなくなった。
...最後の言葉何だよ。自殺するんじゃないか?なだめるどころかむしろ悪化させてしまった。人から言われた悪口とか文句とかはずっと覚えてるもんだしな。俺なんか小町が小学2年の時に言った「お兄ちゃん、格好悪い」をまだはっきり覚えてる。でも、問題は今だ。
...どうしよう。
奉仕部...
「なあ、由比ヶ浜。お前、挨拶って字書けるか?」
「は?それぐらい書けるし!」
そう言うと由比ヶ浜はひらがなで「あいさつ」と書き出した。
雪ノ下が呆れた顔でこちらを見ている。仲間にしますか?いや、出来ないだろ、呆れられてるんだから。人助けに定評のある雪ノ下も呆れる由比ヶ浜の学力はすごい。
「比企谷君、由比ヶ浜さんにそんなことをして楽しいのかしら。最低ね。」
...呆れられてるのは俺でした。
「由比ヶ浜さんに聞くまでもないと分かるでしょう。由比ヶ浜さんがあんな字を書ける訳がないわ」
正論だった。由比ヶ浜に書ける訳がない。書けたらそいつは偽者だ。
「ゆきのん酷い!?でも、今日、ヒッキーってクラスでもいつもに増して存在感なかったよね。さいちゃんとも話してなかったし」
戸塚と今日は体育でしか話していないのである。悲しいよう。
「ヒッキー、何かあった?」
「お前は小町かよ。...小町?」
小町は大丈夫だろうか。あんなに明るかった小町がああなったのは意外と深刻かも知れない。
「図星ね」
深刻そうな顔に一瞬なったことが原因で気付かれてしまった。
「聞いてあげてもいいよ?」
由比ヶ浜は勝ち誇った様にそう言うとケータイをしまう。
...むかつくな。だが聞かれたら、答えてあげるが世の情けである。
今回はいかがでしたでしょうか。
楽しんで頂けたら何よりです。
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