火竜に憑依転生した!? 作:△△さん
今、俺はギルダーツと対峙している。
それはS級試験が受けれる実力を兼ね備えているかを判断するものだ。
「わりぃな、ナツ。初めて会ってこんな事になるとはな。」
ギルダーツがそう言って来る。
「気にしてねぇよ、ギルダーツは俺の事を心配して言ったんだろ?」
俺はそう言って、ギルダーツを励ます。
「だったら、この後俺が言いてぇ事は分かってるだろ?」
ギルダーツは真剣な顔つきになり、そう言って来る。
だが、俺はこう言った。
「俺は自分の意思でこの試験に参加してんだよ、それを邪魔する奴はギルドの仲間でも許さねぇ‼俺は俺の意思で決めた事を曲げんのは嫌いなんだよ‼」
俺はそう言いながら身体に炎を滾らせる。
それを聞いたギルダーツは溜息を一つついてこう言った。
「じゃあ、仕方ねぇな。力づくでわからせてやる。」
俺とギルダーツは互いの拳を激突させ、凄まじい衝撃波を生んだ。
ギルドでは・・・。
「ナツがS級試験に⁉」
グレイの言葉がギルド内に響く。
「爺さん、何でナツがS級試験を受けれんだよ⁉俺だってまだなのに‼」
『そこかよっ!!?』
グレイの言葉に、全員がツッコミを入れる。
そこで、マカロフが口を開く。
「奴がS級試験を受けれるとはまだ決まっとらん。勝負が付くまではのう。」
マカロフの言葉に疑問を持ったエルザがこう言ってきた。
「マスター、ナツが試験を受けれるかどうかまだわからないとはどういう事ですか?それにし勝負というのは一体?」
エルザの言葉に、マカロフはこう言った。
「ギルダーツが帰ってきておる。今はナツと戦っているころじゃろうて。」
マカロフの言葉に、ギルド内が驚きに包まれている。
それは妖精の尻尾最強の魔導士との一騎打ちだからだ。
ここ蜘蛛の巣谷では言葉では説明のしようがない闘いが繰り広げられている。
そこでは谷が原型を崩壊しており、そこにはただの破壊痕しか残っていなかった。
”炎竜王の咆哮”
”クラッシュ”
俺はイグニールの竜炎を口から吐き、ギルダーツはそれを破壊する。
「こいつはマジか、この強さは異常だぜ‼」
ギルダーツがそう言うと、俺はこう言った。
「それはお互い様だ。」
俺がそう言い終わると、拳を振るう。
それをギルダーツは手を受け止めるが、俺は足を蹴り上げる。
俺の蹴りはギルダーツの顎には当たらなかった。
そのまま掴まれた拳を離され、背中を蹴り上げられた。
だが、俺は足が軽く触れた瞬間に一回転をして力を受け流し、この魔法を放つ。
〝炎竜王の崩拳”
それに対して、ギルダーツも魔法を使う。
”破邪顕正・一天”
両者の激しき一撃は大地を割り、天に轟く。
俺は空中で攻撃をしたために後方に飛んでしまう。
強者であるギルダーツも衝撃を殺す事が出来ずに地面に叩き付けられる。
もはや、これは人の闘いでは無い。
炎竜の王と破壊の魔導士、それぞれの死力を尽くす闘いは未だ終わりは見えては来ない。
「{こいつ、ガキだと思っていたが滅竜魔導士だったとはな。それもとんでもねぇ奴のな・・・・‼}」
”クラッシュ”
ギルダーツはそう思いながら魔法を放つが、それをナツは簡単に避けてしまう。
”炎竜王の息吹”
ナツも超高熱の息を放つが、ギルダーツはそれを破壊する。
両者は一歩も引かぬ。
己の身体が傷つこうとも、魔力が尽きかけようとも、己の意地を貫き通そうとしている。
”滅竜奥義 紅蓮爆炎刃”
ナツは己の牙、爪全てを剥き出しにして魔法を放つ。
”破邪顕正・雷土”
ギルダーツも己の力を全てぶつける。
最後の大技での衝突、激しい爆音と共に分かっていることは一つ。
それは勝者を決めるに十分な一撃だったという事だけだった。
「ナツ達遅いな~。」
ギルドでは二人の帰りを今か今か待っている者たちがいる。
リサーナ、グレイ、エルザ、ミラジェーン、エルフマン、レビィ、カナ、ラクサス、マカロフの他にも待っている者たちもいる。
「こうまで遅いと心配になってくるな。」
「あぁ、そうだな。探しに行った方がいいじゃねぇか?」
そう話しているのは、妖精の尻尾の古株マカオ・コンボルトとワカバ・ミネ。
すると、ラクサスがこう言った。
「俺が行って来る。」
そう一言だけ言うと、入り口まで歩いていくと鐘が鳴り響く。
それはギルダーツの帰還を意味する鳴らし方だった。
「帰ってきやがった‼」
そう言ったのは、グレイ。
グレイに続いてこう言っていく。
「やっと帰ってきやがったか。」ラクサス
「全く、心配をさせおって。」エルザ
「ナツの奴、ギルダーツに負けたんだろうな。」ミラジェーン
「いい所までは行きそうだけど、ギルダーツも強いからね。」エルフマン
「早く会いたいな。」リサーナ
そう言っているうちに、二人はギルドの前まで来ていた。
全員が外に出ると、そこにはギルダーツとナツが傷だらけで帰って来た。
その傷の物語っているものは生半可なものではないという事が見て分かるほどである。
すぐに、マカロフはポーリシュカを呼び、治療をさせた。
ナツは右目と胸と右頬に痕が残ってしまう程の傷を負い、ギルダーツも胸を大きく抉られ左半身は火傷とは生易しく思えるほどの傷を負っていた。
それを目にしたメンバーに言葉はなかった、なかったと言うよりも出なかったというのが正しい。
ナツSIDE
その夜、俺とギルダーツはマカロフに呼び出され、ギルドに来ていた。
「何だよ、じっちゃん話って?」
俺がそう言うと、じっちゃんはこう言った。
「ギルダーツ、どうじゃったナツの実力は?」
それを聞いて、俺はギルダーツの方を見た。
「正直、驚いたぜ。まだこんなガキにあれだけの事が出来るなんて思ってもみなかったからな。それに、滅竜魔導士だとも思っちゃいなかった。」
それを聞いたじっちゃんはこう言った。
「そうじゃろうな。で、参加させてもいいんじゃな?」
じっちゃんの言葉に、ギルダーツはこう言った。
「いや、こいつはもうS級魔導士にしてもいいと思うぜ。」
それを聞いた俺とじっちゃんは驚く。
「何でだよ、あんなに反対してたのに。」
俺が認めた理由を聞くと、ギルダーツはこう言った。
「お前の力なら問題ねぇって事さ。」
それを聞いたマカロフはこう言った。
「では、試験はラクサスのみとする。そして・・・、ナツ・ドラグニルを正式にS級魔導士とする‼」
マカロフの言葉に、俺はこう言った。
「よっしゃー、俺はS級になったぞーー‼」
若き炎竜の王は天に向かって吼えた。
S級になりました
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戦闘描写がへたですみません
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