火竜に憑依転生した!?   作:△△さん

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モデルで夫婦!?

俺はリサーナと一緒にナエウリスタジオに来ている。

 

ここではモデルとなる魔導士が写真撮影をする場所だ。

 

「ナナナナナナツ、ここここれは一体どういう事なのかな?」

 

リサーナの動揺の仕方が半端じゃなかった。

 

「いや、昨日ハッピーがリサーナがこの依頼のモデルをするってことを聞いたから護衛としてついて行ってやれって。」

 

俺がそう言うと、リサーナは反対方向に顔を向けてしまう。

 

「(ハッピー、ありがとう!!}」

 

リサーナがギルドにいるハッピーに向かって感謝するのだったという事を俺は知らない。

 

すると、監督さんが俺達に近づいてきた。

 

「いや~、助かりましたよ。今日の撮影はちょっと趣向を変えてみましてね、この役を受けてくれるモデルさんがいなくて困ってたんです。」

 

監督さんはそう言いながら仕事の内容を言って来る。

 

「実は今回のタイトルは夫婦をイメージしたんです。」

 

俺とリサーナはそれを聞いて、意識が停止した。

 

「「夫婦ーーーーーー!!??」」

 

俺達はその場で大声を上げてしまった。

 

「はい、そうです。」

 

俺達の近くにいた監督さんは平然としているのに、スタッフさんたちは悶えてしまっている。

 

この監督、出来る!!

 

「じゃあ、まずはお二人の服の採寸をしてもらいます。」

 

そう言って来る監督さんの言葉に、俺は反応する。

 

「あの、俺もですか?」

 

「えぇ、そちらの御嬢さんの相手役さんですよね?」

 

「いや、俺は「はい、そうです!!」・・・。」

 

監督さんの言葉に俺が言おうとしたら、リサーナが言葉をかぶせてきやがった。

 

「はい、分かりました。では、あちらの更衣室で採寸を測ってください。もちろん別室になっていますのでご安心を。」

 

「「あっ、はい。」」

 

監督さんはそれらの事を言い終わると、どこかにへと行ってしまった。

 

「リサーナ、お前な、俺はお前の護衛として・・・。」

 

俺がそう言いかけると、リサーナがこう被せて言って来る。

 

「護衛だったらちゃんと私の近くにいてよ。」

 

そう言うリサーナの顔は恥ずかしさのあまり赤くなっていた。

 

俺はリサーナにそう言われては折れるしかなかった。

 

「分かったよ、俺がお前の近くにいてやる。」

 

俺はそう言ってリサーナの頭をなでる。

 

「うん!」

 

リサーナも満足したのか笑っている。

 

こうして、俺とリサーナのモデルの仕事が始まった。

 

 

場所の変化は魔法で合成するとのこと。

 

 

 

タイトル1:旅行

 

このタイトルはアカネリゾートに旅行に来た夫婦の様子をイメージしている。

 

リサーナはバッグをもって水着で浜辺を歩き、俺も水着でパラソルやボックスを持ってリサーナの後ろを歩いていく、というシーンなのだが、中々監督さんの満足いくシーンが出来ない。

 

そこで、俺が提案したのが波打ち際で水の掛け合いをするというものだ。

 

それで試しにやってみると、モデルである俺達の楽しそうな顔を撮影することが出来たので監督さんからOKが出た。テイク37で。

 

 

 

タイトル2:料理

 

旦那が初めて妻に料理を奮うというシーンでは俺は料理が得意なため一発OK。

 

 

 

 

タイトル3:腕枕

 

リサーナに俺が腕枕をするのだが、リサーナが顔を赤くして照れていたお蔭で一発OKだった。

 

 

 

 

 

タイトル4:抱擁

 

これは後ろから俺がリサーナを抱きしめるという事で、俺達は顔を赤くさせながらも撮影をした。もちろんOKだった。

 

 

 

いよいよ、最後のシーンを撮影するのだが、そのシーンが問題だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タイトル5:キス

 

これにはさすがのリサーナもお手上げだろうな。

 

そう思いながらリサーナを見ると、なんか凄かった。

 

何か気合い十分的な意味で・・・。

 

 

 

 

 

リサーナSIDE

 

私は今猛烈に顔が赤い気がします。

 

でも、ナツとキスか・・・。

 

ナツと・・・。

 

キス・・・・。

 

頑張るぞ、オーーーーーー!!

 

 

 

ついに来てしまった、この時間が・・・。

 

いや、俺も男だ。

 

きっちり決めてやる!!

 

そう思い、俺はスタジオの中にへと入っていく。

 

キスシーン撮影開始

 

俺とリサーナが互いに向かい合う。

 

俺はリサーナの方に手を置き、互いに見つめ合う。

 

リサーナの頬に手を触れさせてゆっくりと顔を近づけていく。

 

そして、俺とリサーナは口を隠した状態で口づけをした。

 

それは口が触れていないのを隠すためである。

 

監督は今のシーンで満足したのか、OKを出す。

 

全てのシーンの撮影を終えた俺達は服を着替えて報酬を受けとってマグノリアに帰るのだった。

 

 

 

 

その帰り道

 

「ナツ、ありがとね。」

 

リサーナが礼を言って来る。

 

俺はこう言った。

 

「気にすんな、お前の頼みだからな。」

 

俺の言葉を聞いたリサーナが俺に聞こえないくらいの声量でこう言った。

 

「本当に私の心をかき乱すなぁ、ナツは。」

 

「ん、なんか言ったか?」

 

そう問いかける俺に対して、リサーナはこう言った。

 

「何でもないよ、鈍感ドラゴン。」

 

そう言ってリサーナは走っていく。

 

「誰が鈍感だ、コラー!!」

 

俺はリサーナを追いかける。

 

夕日に照らされている二人は笑顔だった。




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