陽光として2年過ごしたなるとは今年中忍試験を受けることに。
ナルトが砂の里に来てからもう2年がたとうとしていた。
ナルトは今里にある山の頂上の一本杉の上に立っている。
今日から少しの間この里から離れ昔の故郷である木の葉が暮れの里に行くことになっているのだ。
一足先に中忍になったテマリを付き添いに我愛羅、カンクロウとともに中忍試験を受けに行くのである。
そのため今は里で一番好きな場所からこの景色を眺めているのだ。心に焼き付けるように。
「よ~うこ~う、そろそろ出発するじゃん」
木の下からカンクロウが声をかける。
「わかったってばよ、カンにぃ」
長く伸ばした金髪の髪を後ろで結わえ、顔を半分覆うマスクをし、左目には赤のカラーコンタクトを携え、2年前のナルトの面影も無くしていた。
木の葉の里に向かうからである。
カンクロウとともに集合場所の門の前まで行くと後の二人はもう待っており、若干にらみつけられていた。
「陽光、あんたまたあたしを待たせるとはいい度胸だね、帰ってきたその日はご飯抜きだからね」
テマリは陽光を軽くにらみながら悪い笑みを浮かべて告げる。
「えっ、そ、それは勘弁だってばよぉ、テマねぇ、ごめんなさいこのとーり」
この2年でテマリの恐ろしさをいやというほど味わったナルトは地面に頭をこすりつけながら謝り倒した。
それを見た我愛羅はため息をつきながら振り返り門の外に足を運びながらナルトに告げる。
「あきらめろ、お前が悪い」
我愛羅に続きテマリ、カンクロウも歩き始めた。
「まってくれってばよー」
後ろから走り追いかけるナルトは、それでも笑顔だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
道中の茶屋に寄った4人は団子を食べ、お茶を飲みながら休憩していた。
「あぁ~、茶がうめぇぜ、な!陽光」
カンクロウが2本目の団子をほおばりながら声をかけるとナルトも笑顔で返す。
「うん、うまいってばねカンにぃ、ごちそうさま」
「「ごちそうさま」」
ナルトに便乗して勘定をカンクロウに押し付ける二人がいた。
「ちょっ待てって、百歩譲って我愛羅と陽光の分は出すとしてもテマリ!おめぇは俺の姉であり中忍だろ!俺より金あるじゃん!」
反論するカンクロウに対し涼しげな声でテマリは告げる。
「朝昼晩と水だけでいいなら払ってやるよ」
カンクロウの顔から血の気がサーっと引いていくのが感じられた。
とにもかくにもしぶしぶカンクロウが払う羽目になったのであった。
「さぁ、そろそろ木の葉の国境に入るけど陽光、あんた約束は覚えているかい?」
テマリは隣を歩くナルトに目線を向け問いかけるとナルトはニカっと笑いうなずく。
「俺がナルトであることをばれないようにする。木の葉の里に危害を加えないだろ?わかってるよ!家族との約束は必ず守る」
ナルトが笑顔で返したことにみんなは笑顔でうなずくとまた森の中の道をひたすら歩き続けた。
・・・・・・・・・・・
木の葉の里の門をくぐると、受付にいた忍に案内され宿泊施設に到着した一行。
テマリが立ち上がり三人の前に立つ。
「今回の中忍試験の目標は全員が試験に合格することと、木の葉隠れの里の長で火影様に内密にではあるがナルトが存命しているということを知らせておくことにある。
みんなまずは1次の筆記試験に備えて今日はしっかり休め」
そう告げるとテマリはどこかに出て行くようで、部屋をあとにした。
・・・・・・・・・・
テマリ
部屋を出て真っ先に向かった場所は木の葉のアカデミーと呼ばれる場所である。
『陽光にナルトとして頼まれた、イルカという先生への手紙、今日のうちに渡しておかないと』
あたしは陽光が頼んできたときは最初断った。なぜなら木の葉の里はナルトをナルトとして認めず、あんな小さかったナルトを追い詰めて里を抜けさせるまでにしてしまったのだから。
だが陽光として生きる前に自分の存在を認めてくれえた存在に、一言だけ謝りたかった。といわれてしまえば断れるはずは無かった。
『ここがアカデミーか、平和そうなところだな』
歩きながら忍である人物を探す。
そこに歩いている忍を見つけて声をかける。
「そこのあなた、えーっとそこのおとなしそうなあなた!」
白いジャケットに身を包む少女に声をかける。
「は、はい…私ですか?」
声をかけた少女は声も小さくおとなしそうな女の子だった。
「あなた木の葉の忍でしょう?うみのイルカさんという先生がいらっしゃると聞いて伺ったんだけど、もしよかったらつれてきてもらえないかしら、あたしは砂隠れの里の忍でテマリっていうの」
おどおどしている少女にお願いをすると「わかりました」と走って校舎に入っていってしまった。
そんなに怖く見えたかしら?と若干落ち込んでいるとすぐに少女に連れられて一人の男性がやってきた。
「はじめまして、うみのイルカです。あの、何か用があると伺いましたが」
礼儀正しく頭を下げて挨拶をする彼。
ナルトをナルトとして認めていた男だけあって礼儀正しい。
「あたしはテマリといいます。少し話しにくい内容なのでできれば何か執務室のようなものがあればうれしいのですが」
少し近づき耳元で話を続ける。
「大きな声は出さず反応もしないでください。うずまきナルトくんからあなたと、火影様宛に手紙を預かっております。できれば火影様にもおわたししたいんですが」
そう告げて離れるとイルカはなんとも表現しがたい複雑な表現を浮かべていた。
すこしの時間がたち、イルカは口を開く。
「わかりました。それでは指導室なら邪魔は入らないでしょう。火影様にもおいでいただきます。ヒナタ、この方を指導室に案内してくれ」
イルカはそう告げると足早にアカデミーに入っていった。
「じゃぁ、申し訳ないんだけど案内してもらってもいいかしら?」
ヒナタと呼ばれた少女はうなずき前を歩く。それについて歩いていく。
指導室に到着すると一礼して去っていく少女に礼をいい中に入った。
5分もせずにイルカとヒルゼンは入ってきた。
テマリは立ち上がり頭を下げる。
「中忍試験という忙しいときにこちらの都合でお越しいただき申し訳ありません」
ヒルゼンとイルカは席に着き、テマリを見つめる。
「いや、よいのじゃ、こちらもナルトの名を聞いて驚きはしたがずっと心配しておった。私用の暗部を使い探したが見つからなんだ。なぜそなたがナルトの名を知っておるか聞かせてもらってもよいかな?」
ヒルゼンはテマリに話しかける。その顔はすごく穏やかで、うれしそうな表情だった。
「まずはこちらを、ナルトからの手紙です」
手紙をヒルゼン、イルカにそれぞれのものを渡した。
2人は真剣なまなざしでそれを読んでいった。
ここから展開が速くはなりますが、結構な長編になると思います。