「今日はここまでにするぞ、陽光」
我愛羅は地面に仰向けになり息を切らす陽光に目を向けながら告げる。
その目はどこか疲れたような目にも見えなくはない。
「お、おう」
ナルトは疲れからかいつものように話すことができないまでも返答をした。
「お前はチャクラ量はほかの忍と比べてもかなり多く体内に秘められている。だがそのチャクラは九尾のチャクラが混ざっているためチャクラコントロールが難しい。これからはそれをコントロールするすべを身に着けるための修行を毎日行う。いいな?」
何気にスパルタな発言をするもナルトはうれしそうに目を細めてうなずいた。
料理をする合間に窓から見守っていたテマリが窓から顔を出し声をかける。
「2人ともお疲れ様、もうすぐ料理もできるから先に風呂に入っちゃいな、着替えは今日は我愛羅の服を貸してやってくれ」
我愛羅はうなずきナルトに手を差し伸べるとナルトはうれしそうにその手をとり立ち上がった。
裏口から家に入り2人は風呂に入る。
脱衣所で我愛羅はナルトの体を見ると今まで数多の傷をつけられた小さな体があった。
傷によっては治っているのだろうがそれでもこの小さな体に刻まれている無数の傷がこれまでのナルトの生活だったということに心が痛む。
そんな我愛羅の思いは露知らず、ナルトは我愛羅の手を引く。
「俺ってば誰かと風呂に入るの初めてだってばよ!だから早く入ろうぜ」
「お、おいっ」
呆ける我愛羅の手を引いたまま湯船に飛び込もうとするも我愛羅に引っ張られ湯船ではなく床にしりもちをつくナルトは恨めしそうに我愛羅を見上げる。
「そんな顔をしてもだめだ、風呂につかる前にまずは体を洗え、そのまま入ると湯が汚れて後から入るテマリに怒られるぞ、そして俺達の明日の朝ごはんがなくなる」
テマリは怒ると怖い。戦闘なら間違いなく負けはしないが、我愛羅とカンクロウ、そしてこれからはナルトもテマリに胃袋をつかまれ、家事のほとんどを担うテマリには逆らえなくなるのである。
ナルトは生唾を飲み込みそそくさと体を洗い始める。
我愛羅も隣で体を洗い、終わるとナルトとともに湯船につかる。
「あー、疲れがぶっ飛ぶってばよ~」
湯船で気持ちよさそうにふにゃっとなるナルトに話しかけた。
「陽光、お前は俺達の家族であり兄弟だ。だからこれからお前には俺達がさまざまなことを教えてやる。一般常識であったり忍術であったり勉強であったり何でもだ。だからお前はこれからは一人じゃない。俺達が一緒にいる」
我愛羅の言葉にナルトは心があったかくなるような、締め付けられるような言い表しようのない感覚にとらわれた。だがそれは心地よく、それでいて大きかった。
「じゃぁさ、じゃぁさ、俺と我愛羅とどっちが兄貴になるの?」
ふと疑問に思ったことを口にした。我愛羅は一瞬考えたがすぐに
「俺が兄だ、誕生日がどうとかは関係ない、異論は認めない、お前は俺の弟だ」
実は我愛羅は兄と呼ばれたかったそうな(後に語られるかも)
「じゃぁさ、俺ってば弟だってばね!我愛羅」
うれしそうにつぶやくナルトを見て満足げに微笑むと我愛羅は立ち上がった。
「そろそろあがろう、飯がまってる」
ナルトはうれしそうにあとについて出る。
着替えを終えてナルトがうれしそうな声を上げるまでそう時間はかからなかった。
あぁ、この話書き終えるまで間違えて何回も消してしまったため更新が遅れたORZ
楽しんでもらえると幸いです