里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第36話 贈り物

合同任務が終わり、今日は宿で一泊、みんなで宴会をすることになった。

 

みんながお風呂に入りに行くというので、男女別れて銭湯に入りにいく。

 

が、カカシは陽光を呼び出し、2人は抜け出し、宿の屋根の上にいた。

 

「何のようです?畑上忍」

 

「忘れたの?君の中忍昇格の件さ。火影様に俺が決定するよう伝えられていたからね。それについてさ」

 

陽光の問いにこたえると、陽光は言う。

 

「あ、忘れてたってばよ、で、結果を言うために呼び出したと?」

 

「その通りだ。そして、テマリさんにはシノの方の合否を決めるよう伝えられていた。そして今たぶんあっちもどこかで合否を伝えてるはずだよ。そして君は文句無しで合格だ。適切な判断、仲間への指示、それもちゃんと聞かせてもらったよ、テンテンとサイからね。そして実力は言わずもがな。ま、最後のは確かにやりすぎたが、しょうがないよね。君は今日をもって中忍だよ。すでに伝書は木の葉と砂に届けてあるから、後で確認しておいてね。で、渡すものがある。これがイルカから、こっちが3代目、そしてこれは俺からだ」

 

カカシは笑顔で渡しおめでとうと伝えた。

 

3つの袋を渡された陽光は笑顔で言う。

 

「ありがとうってばよ!あけていい?」

 

カカシが頷くと、イルカの袋からあけていく。

 

「あ、これもしかしてこれ忍靴?しかも最新モデル!」

 

喜びも束の間、ヒルゼンの袋もあけてみる。

 

「これ、俺の好きなメーカーのジャケット!しかも薄くて軽くて寒さ対策バッチリの新作モデル!」

 

羽織って見るとあったかいとつぶやくナルト。

 

「で、これが畑上忍のってこれ何?武器だよなー?」

 

「見たことない?それはチャクラ刀と言って、チャクラを流し込むと性質によっていろいろ付属効果が出る武器さ。風遁なら切れ味が鋭く、威力が大きくなる。火遁なら切れたところに火がつく。水遁なら切れる範囲が格段に増え、土遁なら斬撃が効かない場合でも、思い打撃を喰らわせることも可能だし雷遁なら相手に電流を浴びせられるという便利な武器さ。ま、昇進祝いってことで受け取ってよ」

 

そう言うと笑顔でナルトを見つめる。

 

「ありがとう、イルカ先生とじっちゃんにもお礼言っといてもらえるかな?俺ってばもう木の葉にはいけないからさ?」

 

ナルトは切なそうな声を出すがカカシはそれを否定する。

 

 

「え?おいでよ。陽光として砂の国から使いにこればいい。それに3代目は火影を降りた時に君の処遇や、経緯なんかも全部話していて今後一切木の葉の民が君を傷つけてはいけないという措置ができた。それを5代目も推奨しているからね」

 

その言葉に驚きを隠せないナルト。

 

「ま、君が言って直接お礼を言ったほうが2人とも喜ぶさ!それに俺も歓迎するよ。あのころは助けてやれなかったこんな俺でよければ。俺とも友達になってくれると嬉しいな」

 

カカシの言葉にうなずき答える。

 

「わかった。今度お邪魔させてもらうってばよ!そのとき4人で一緒にご飯食べよう、それでいいかな?」

 

カカシもうなずき、笑顔で言う。

 

「あぁ、楽しみにしてるよ。じゃぁ俺達も銭湯に行くか。その荷物置いておいで、ここで待ってるからさ」

 

ナルトはうなずくとすぐに走っていきすぐ戻ってきた。

 

そして二人は走り先頭に向かう。

 

まるで上司と部下のように見えたそうだ。

 


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