里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第4戦はサイVSリーで、リーが勝利しました。
ただ、リー墓なりの苦戦を強いられ、右足に怪我を負います。
それでは1戦飛ばしての第5戦目に入ります。

が、これはその直前の話。


第22話 伝説の3人

第4試合は第3試合のせいか、衝撃は少なかったが、互いに譲らぬ好カードとなった。

 

火影は第3戦のことを思い出していた。

 

『ナルトの最初の目つきは、民への恨みの目。わしとイルカ以外の民 のみんなはほとんどがナルトへ辛くあたっておった。名家と呼ばれる家の者たちも大人は皆ナルトを憎んでいた。それが歓声を自分に期待するのを良しとせず、自分の力を振るい傷つけるための技だった。

カカシたちが駆けつけなければ大変なことになっていたな。それにしても我愛羅という少年、彼はナルトと同レベル。うちはサスケといえども無事では済まんかもしれん。止めるべきじゃろうがここで止めてもサスケは聞かんじゃろう」

 

と考えに耽ること30秒、意外な人物からの声かけで意識を戻した。

 

「猿飛先生、お久しぶりです」

 

声をかけてきたのは見た目では20代くらいの美女だが年齢にすると50近いだろう綱手、伝説の3忍の1人だった。

 

「おぉ、綱手か、久しぶりじゃなぁ、こんなところに来て何をしておる?」

 

ヒルゼンの問いに笑顔で答える。

 

「いやなに、たまたま通りかかったんですが、木の葉の里も変わりましたね。15年になります、私が旅に出てから。12年前には九尾の狐が封印され、里の復興を始めてからたったの12年で以前以上の繁栄が感じられました。さすがは先生の里ですね」

 

綱手は笑顔でいうが、ヒルゼンは悲しそうにつぶやく。

 

「いや、わしの力ではない。12年前、自らの命を賭して九尾から里を守ったミナトとクシナ、そして産まれた瞬間から人柱力にならざるを得なかったナルト、この3人のおかげなんじゃ、今があるのはな」

 

そう言うと綱手に悲しい笑顔を向ける。

 

綱手は話を振る。

 

「そうですか、で、その人柱力ってのは里の英雄でしょう?その子は今年で12でしょう?どんな忍になってるんでしょうか?やはり両親のように優秀なのでしょうか?」

 

尋ねる綱手に対して頷き応える。

 

「優秀で優しい良い忍になっておった。だが綱手よ、ナルトは英雄とは真逆、忌むべき存在として扱われていたのじゃよ、里の民全員がナルトを嫌い、ナルトを迫害した。その結果がこれじゃ」

 

綱手に先ほどの録画のテープを見せる。

 

見終わった綱手の手は震えていた。

 

「これが…こんな悲しい目をこんな憎しみのこもった目をする子がいるのか」

 

綱手は驚愕する。

 

「先生、木の葉の民はこの砂隠れの忍がナルトだということを知っているのですか?」

 

聞くと知っているのは木の葉では2人、砂の里では4人のみであると。そしてそれを告げることは風影、及びナルトから止めるよう願われているということだそうだ。

 

「そんなことを私に教えてよろしいんですか?」

 

そう聞く綱手に対し、ヒルゼンは答えた。

 

「あぁ、この中忍選抜試験が終わり次第、自来也、もしくは綱手、2人のどちらかに火影についてもらうことをわしが大名たちに提案した。わしはもう歳じゃ。影をやるには少し衰えてきておる。実はお前ら2人を探してもらっておったのじゃが、2人とも自由気ままに旅をしとるから捕まえられんでのぅ」

 

ヒルゼンの話に驚く綱手。

 

「はぁ!?なんで私と自来也が。むしろ他にもっといるでしょう?」

 

ヒルゼンに声を荒げながら話す綱手だが、次第に諦めたようで、静かになった。

 

「猿飛先生、今ネジはどちらにおりますか?多分この傷は普通の医療忍術では治りませんよ?」

 

ネジの居場所を聞いた綱手は走っていった。

 

それと入れ替わりに風影が戻ってきた。

 

「カンクロウは別状はなかったようで、安心しました」

 

笑顔でいう風影は父の顔をしていた。

 

ヒルゼンが笑顔で頷くとアナウンスが鳴り響く。

 

「それでは本日第5戦を始めます」

 

 

 

 

 




綱手の登場。


綱手のキャラが定まりませんでしたが許してください!

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