里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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今回は2本立て風味です!
本選はトーナメント方式です。


第20話 シカマルの作戦・虫VS人形

いよいよ本選の日。選ばれし下忍達10名は試合会場の控え室に集められる。

 

「今日は来賓の諸大名や、風影様、火影様、そのほかにも多くの観客がいる。みな、気合を入れて望むように!」

 

試験官に言われ一同頷く。

そして第1試合に選ばれたのは…

 

 

「さぁ第1試合の選手入場!」

 

アナウンスが入ると掲示板に顔写真と名前が映し出される。

 

「奈良シカマルVSテンテン」

 

あー、めんどくさいと言わんばかりの表情で入場するシカマル。

 

対してテンテンは颯爽と闘技場に入ってくる。

 

「それでは両者自分の力を存分に発揮し、全力を尽くすように。それでは第1試合、開始!」

 

試合開始早々、テンテンは2本の大きな巻物をとり出す。

 

「武器口寄せの術!」

 

巻物からおびただしい数のクナイや鎌、手裏剣を取り出しそれをシカマルめがけて投げつけた。

 

シカマルはそれを避けながら、闘技場の中をぐるぐる走り回る。

 

テンテンを中心にして同じようなサイズの円を描くように走り続ける。

 

「逃げてるだけじゃ勝てないよー??」

 

シカマルに笑いながら忍具を投げ続ける。

 

だがシカマルには当たらず、すべてをかわされていく。

 

「あぶねぇ、当たったら怪我しちまうぜ」

 

そう呟くとシカマルは走りながら考える。

 

『考えろ、あの武器の量だ、うかつには近づけねぇ、でもこのまま走りながらじゃぁ影真似もできねぇ、かといってこちらが手裏剣を投げても当たるはずはねぇ。だったら…』

 

シカマルは手裏剣を避けながら頭の中で将棋盤を思い浮かべながら手を考える。

相手の王を落としゲームに勝つための最善の手を。

 

 

そして考えついた。

シカマルはテンテンに向かって走り出す。

 

「来たわね、それじゃぁこっちも、双昇竜!」

 

2本の巻物を上空高く打ち上げる。

 

それが綺麗な螺旋を描きながら絡むことなくその間をテンテンが飛び上がると、先ほどまでとは比べ物にならない量の忍具が飛んでくる。

 

その中には起爆札のついたクナイなどもあった。

 

それをいちはやく察知したシカマルは後ろに飛び退く。

 

「マジかよオイ、さっきまででもスゲェ量だったのにまだ増えんのかよ!」

 

飛び続け忍具を投げ続けるテンテンに目を向けながらシカマルは軌道修正を図る。

 

そして最善の一手を探し出した。

 

忍具の雨をかわしながらシカマルは手を使わずに観客席の壁を登り、そこから壁伝いに走り始めた。

 

テンテンは疑問に思うも攻撃の手を緩めない。

 

「何を考えてるか知らないけど、私は負けない!」

 

龍は空に向けさらに登っていく。

 

その瞬間をシカマルは見逃さない。

 

印を結びテンテンの真下の位置に走る。

 

「影真似の術!」

 

空中で舞っていたテンテンの動きが止まる。

 

そして2匹の龍も。

 

そのままの勢いで上空10メートルからテンテンが落下していく。その下にはシカマル。シカマルは影真似を時飛び上がりテンテンの体を掴む。

そのまま落下し、テンテンは衝撃に備えて歯をくいしばるが一向に痛みはこない。目を開けると自分は地面に組み伏せられ喉元にはクナイが見える。

 

そしてシカマルがいう。

 

「俺の勝ちだな」

 

その言葉にテンテンはただ頷くだけだった。

 

 

テンテンに手を貸し起こしたあとテンテンはいう。

 

「ありがと、あなた意外と強いのね、びっくりしたわ!」

 

シカマルはその言葉を訂正する。

 

「俺は強くないっすよ、まだまだね」

 

そう言うとテンテンの手を離し振り返り歩き始める。

 

「テンテンの降参により勝者、奈良シカマル」

 

試験官の声に観客から歓声が上がる。

 

観客席から聞き覚えのある声が聞こえ振り返ると松葉杖をつくチョウジと、いのが親指を立てて笑顔を浮かべていた。

 

シカマルは鼻の下をこすると同じように2人に返した。

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

「やったね、シカマル!」

 

いのが駆け寄ってくる。

 

「流石はシカマルだね!」

 

後ろからゆっくりとチョウジが近づいてくる。

 

「やるじゃねーか、しかも勝ち方も紳士的だった」

 

アスマも心なしか嬉しそうにしている。

 

「よせよ、まだ試合は残ってるんだ、あんま疲れんのもやだから早めに勝負を決めに行っただけだ」

 

照れながら話すシカマルを2人がからかうように話し、シカマルが文句を言う。

 

そんな景色がそこには広がっていた。

 

・・・・・・・・・・・

 

 

「次の試合を発表する。」

 

液晶に映る名前は

 

「油女シノVSカンクロウ」

 

カンクロウは我愛羅、テマリ、陽光それにマツリ達3人に一言だけ言った。

 

「行ってくるじゃん」

 

「がんばれよー!カンにぃ!」

 

「カンクロウ、負けんじゃないよー!」

 

「「「カンクロウ様、がんばれー!」」」

 

「・・・・・」

 

我愛羅以外の声に親指を立てて反応すると颯爽と闘技場に飛び降りる。

 

シノも同じくキバ、ヒナタ、紅に檄を飛ばされ降りてきた。

 

「それでは両者自分の力を存分に発揮し、全力を尽くすように。第2試合、開始!」

 

ついに始まったカンクロウの戦い。誰も彼の戦い方をまだ見ていないためどんな戦闘をするのかわからないため、シノも手を出せないでいる。

 

「そっちが来ないならこっちから行くじゃん」

 

カンクロウはまずシノに殴りかかる。

 

シノは余裕を持って避けることができたが、2の手3の手が襲いかかってくる。

 

シノはカンクロウの蹴りを受け止めると一旦後ろに下がる。

 

シノはこの瞬間にカンクロウの足に奇壊蟲を仕込んでおいた。

 

「それじゃぁそろそろ行くじゃん?」

 

カンクロウの顔がひび割れ、傀儡になる。

 

「なっ」

 

シノは驚きを隠せない。

 

そのまま傀儡は突っ込んでいくとシノを捕まえた。

 

そのままギリギリとしめつける。

 

カンクロウの背負っていた包帯の塊から本物のカンクロウが姿を現した。

 

「そろそろ降参した方がいいじゃん?身体中の骨が折れちまうぜ?」

 

そう言うとカンクロウは締め付けを強めていく。

 

その瞬間シノ出会ったものは黒く蠢く蟲になる。

 

「ちっ、虫を囮に逃げたか」

 

カンクロウはつぶやくと周りを見渡すと、壁に寄りかかるシノがいる。

 

「流石にやる、だがお前は」

 

シノは話し始めた時に体に違和感が。

 

「カラスの毒が効いてきたじゃん?即効性の毒薬だ、苦しいだろう?」

 

そう言うとカラスの口からクナイが生えてきてその首がチャクラに操られ飛んでいく。

 

 

「これで終わりじゃん!」

 

だがその叫び通りにはならず、カンクロウのチャクラの糸が切れる。

 

気づいたらカンクロウの指にはシノの蟲が何匹も付いていた。

 

「そいつらはチャクラを餌とする。そしてチャクラの糸を辿りお前に襲いかかる。それでお前は終わりだ」

 

 

シノが印を組めば虫たちはカンクロウに攻撃を始め、すぐにカンクロウから悲鳴があがる。

 

「ぐぁぁぁぉ!!」

 

蟲にチャクラを食われ身動きが取れなくなる。

 

試験官がカンクロウに近づき戦闘ができないことを確認するとシノの勝ちを宣告しようとした時、倒れる音がする。

 

振り向くとシノも倒れてしまったのだ。

 

「えーっ、ただいまの結果両者戦闘続行不可能により、両者失格」

 

試験官の声を聞き、医療班が二手に分かれ治療に当たる。

 

カンクロウにテマリが駆け寄り付き添う。

 

シノには紅が付き添うようだ。

 

ナルトは呟く。

 

「カンにぃには相性最悪だったってばよ、でもなんでカラスしか使わなかったんだろうな」

 

ナルトの問いに我愛羅が答える。

 

「テマリの命令だ。今回黒アリを使ってしまえば、間違いなく殺すことになってしまうからな、それは避けたかったんだろうな」

そう言うと我愛羅は席に座り直した。

 

 

 

 




はい、カンクロウは初めての戦闘描写で速攻負けちゃいます、いや負けてはないんですがね。

傀儡の描写難しいなー。

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