本選1日前、様々な準備に取り掛かる木の葉の忍達。
その傍、本日は来賓である風影を火影以外入ることの許されていないアカデミー地下室に招き、ヒルゼンは向き合い座る。
「よく来てくれた、風影よ」
「いや、いいんだ、火影殿」
2人は挨拶もそこそこにお互いなんの話をするのかわかっているようである。
「陽光、うずまきナルトについてだな?」
風影の言葉にヒルゼンは頷く。
「ナルトを探し続けてようやく見つけた。名前も国も違えどもあやつはワシにとっては今でもナルトじゃ。予選を水晶から眺めておったがあやつの優しさはやはり変わってはおらなんだ。ワシはそれが嬉しい。きっとソナタの教育の賜物なのであろう」
ヒルゼンは目を細め嬉しそうな表情を見せつぶやく。
「いや、私は基本的にあの4人に干渉していない。何故なら同じ家に住んでいないからだ、私は基本執務室にこもりっきりだからな、あの3人のおかげだよ」
そう呟くと茶をすする。
「そうか、でここからが本題じゃが、、ナルトが元気でいてくれたことは実に喜ばしい。本来なら木の葉で引き取りたいところだがナルトはそれを望まんじゃろう。だから頼む、あやつを砂隠れの里で、これからも見守ってはくれんか、頼む」
頭を低く下げナルトが平和に暮らすことを願うヒルゼン。
それに頷き、風影は告げる。
「あやつはもはや私の息子だ、それは当然のこと、それに大切にしないなんて言ったら3姉弟になんといわれるやらなー」
そう呟くと優しい微笑みを携えたまま目を閉じる。
「ありがとう」
また頭を下げるヒルゼンに頭をあげるよう促す。
「その話はこれで終わりだ、火影殿、耳に入れておきたいことが」
風影は砂の暗部が手に入れてきた情報を伝えるためにここにきたのであった。
「2次試験に死の森にて発見された草隠れの忍の死体なんだが、その死体を作り出した術はかつて2代目火影様が開発された術だと聞く。そして我愛羅たちのチームがその発見された死体と同じ人間を森の中で見たという。しかもかなりの実力を隠していただろうとも言っていた。これを聞いてどう思う」
ヒルゼンは唸りを上げて答える。
「かつて2代目様が開発されたこの術は禁術とされ、書庫の奥深くに保存されておりました。そしてその禁術に手を出した者が1人いた。伝説の三忍と呼ばれる男、大蛇丸」
「そして今回の術を使ったのは十中八九大蛇丸だ。だが、まだやつの目的、それに足取りもつかめていない」
その言葉に風影は言葉をなくす。
大蛇丸というと暁を抜け、今はどこにいるかもわからない超S級の犯罪者である。
そんなものに狙われている可能性があると言うのだから。
「このことはまだ1部の人間しか知りませぬ、ですので他言無用でお願いする。では明日に備えましょうぞ、今日お泊まりいただく部屋にわしと2人分の料理を用意させてありますゆえ」
そう言うとドアを開け出て行く2人。
そして運命の日を迎えた。
木の葉崩しはまだ起きません。
木の葉崩しはかなり先になる予定です。